反体制派が退去し、シリア政府下に復帰したばかりのダマスカス県カダム区をダーイシュが制圧(2018年3月20日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団(アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム解放機構)戦闘員が退去(3月13日)し、シリア政府の支配下に復帰していたカダム区をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃し、同地を制圧した。

この戦闘でシリア軍兵士と民兵36人が死亡、数十人が負傷したという。

『ハヤート』(3月22日付)によると、死者数はその後62人に増加した。

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、March 22, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

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日本での難民認定を求めていたシリア人2人が敗訴(2018年3月20日)

ロイター通信(3月20日付)は、シリアでの民主化運動に参加し、日本に逃れて来たシリア人男性4人が難民認定を求めていた裁判で、東京地裁が、難民条約上の要件に該当しないとして、訴えを棄却した、と伝えた。

判決後に記者会見した原告の1人、ヨセフ・ジュディ(ユースフ・ジャウディー)氏(34歳)は、「全世界がシリアの厳しい状況を知っている。しかし日本の裁判所は全く理解していない」と述べた。

同氏は控訴する方針だという。

弁護士によると、4人はシリアで反体制抗議デモなどに参加した後、2012年に来日し、法務大臣に難民認定を申請したが認定されず、2015年3月に東京地裁に提訴していた。

シリア情勢が悪化した2011年以降に来日したシリア人が難民条約上の難民として認定されるか否かが争われたが、判決は、法務省側の主張に沿ったもので、裁判中に出国した2人を除く2人について、難民要件に該当するとは言えないとした。

なお2011年以降、難民申請したシリア人は81人で、このうち難民と認定されたのは12人だという。

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「米国はトルコに対する裏切りを止めるべき」(2018年3月20日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は与党公正発展党(AKP)の国会議員との会合で演説を行い、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)に対する米国の武器供与を「トルコに対する裏切り」と非難し、「もし我々が戦略的パートナーなのであれば、米国は我々を尊重し、ともに行動しなければならない」と述べた。

『ハヤート』(3月21日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

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ロシアのショイグ国防大臣「反体制派による化学兵器使用を先週3回阻止した」(2018年3月20日)

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は先週1週間の間に、ダマスカスカス郊外県東グータ地方で反体制武装集団が3回にわたり化学兵器を使用しようとしたが、これを阻止したと発表、「武装集団はシリア軍に疑いを向けようとして有毒物質を使用する可能性がある」と警鐘を鳴らした。

ショイグ国防大臣はまた「ロシア軍はシリアでの米国とその同盟国の動きや活動を監視し続けている」として、米国にシリア政府に対する軍事行動を行わないよう改めて要求した。

『ハヤート』(3月21日付)などが伝えた。

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

 

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シリア軍がアレッポ県アンダーン山のトルコ軍監視所を砲撃(2018年3月20日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミヤ(3月20日付)によると、ハンダラート・パレスチナ難民キャンプ一帯に展開するシリア軍部隊が、アナダーン市近郊のアンダーン山に設置されているトルコ軍の監視所に対して砲撃を加えた。

監視所一帯には40発あまりの砲弾が着弾したが、死傷者はなかったという。

al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける反体制派の支配下にあるバーブ市の中心街で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発(2018年3月20日)

アレッポ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコの支援を受ける反体制派の支配下にあるバーブ市の中心街で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発した。

ANHA, March 20, 2018

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トルコ軍と反体制武装集団はアフリーン市南東部の村々を新たに制圧(2018年3月20日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミヤ(3月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、アフリーン市南東部で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を放逐し、アイン・ダーラ市、カルズィーフラ村、カーディー村、リーフラ村、バースータ村、アフラーム山を新たに制圧した。

一方、ANHA(3月20日付)によると、トルコ軍がシーラーワー町近郊のキーマーリー村とバースータ村を爆撃・砲撃した。

トルコ軍はまた、県東部のアイン・アラブ(コバネ)市近郊のサフタク村、ザラーファ村を越境砲撃した。

Twitter, March 20, 2018

このほか、シリア人権監視団などによると、アフリーン市でトルコ軍の支援を受ける反体制武装集団による略奪行為が続いた。

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シリア政府とロジャヴァの支配地域でトルコ軍によるアフリーン市占領に抗議するデモ(2018年3月20日)

SANA(3月20日付)によると、アレッポ市中心街のサアドッラー・ジャービリー広場で、トルコ軍によるアフリーン市占領に抗議するデモが行われ、住民数千人が参加した。

SANA, March 20, 2018

ANHA(3月20日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市、ハサカ県のハサカ市、タッル・ハミース市、ダイリーク市、マアバダ(カルキールキー)町、ラアス・アイン市、カーミシュリー市で、ノウルーズ(3月21日)に先だってデモを行い、住民が参加、ロウソクを灯し、トルコ軍によるアフリーン市占領に抗議するとともに、抵抗を訴えた。

ANHA, March 20, 2018

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東グータ地方ではシリア軍がドゥーマー市を攻撃し、20人死亡、反体制派がジャルマーナー市を砲撃し35人死亡(2018年3月20日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はイスラーム軍の支配下にあるドゥーマー市を激しく爆撃・砲撃し、子供16人を含む20人が死亡した。

また、ドゥラル・シャーミヤ(3月20日付)によると、イスラーム軍がミスラーバー市一帯でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(3月20日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がジャルマーナー市カシュクール地区を砲撃し、住民35人が死亡、数十人が負傷した(SANA(3月21日付)によると、死者数はその後44人に増加した)。

SANA, March 20, 2018


これに対し、シリア軍は、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が活動を続ける東グータ地方のアイン・タルマー渓谷、ハッザ町、ザマルカー町、アルバイン市で掃討作戦を継続した。

また、シリア軍によって制圧された東グータ地方のカフルバトナー町、サクバー市に、一時避難していた住民が帰宅、シリア赤新月社が支援物資を同地で配給した。

SANA, March 20, 2018

なお、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターのヴラジミール・ゾロトヒン報道官(少将)は、ダマスカス郊外県東グータ地方の反体制派支配地域の状況に関して「ほとんどの市民はすでにテロリストの支配地域から退去した」としたうえで、同地から避難する住民の数が減少傾向にあると発表した。

なお、シリア人権監視団によると、2月18日以降のロシア・シリア両軍の攻撃での死者数は1,450人以上(うち子供は約300人)に達しているという。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミヤ(3月20日付)によると、ロシア軍戦闘機がハーッス村郊外の避難民キャンプを爆撃し、10人が死亡、15人以上が負傷した。

al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018

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ダマスカス県では、SANA(3月21日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がマッザ区に着弾し、女性1人と子供5人が負傷した。

迫撃砲弾はまたアマーラ地区にも着弾し11人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(3月20日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市ダルアー・バラド地区を砲撃した。

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、March 21, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年3月20日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月20日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、ハマー県2件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2018をもとに作成。

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