トルコ軍がアフリーン市南部バラード村の遺跡群を爆撃し、ユリアヌス教会、聖マロン廟などが被害を受ける(2018年3月21日)

アレッポ県では、SANA(3月22日付)、ANHA(3月21日付)によると、トルコ軍戦闘機がアフリーン市南部のバラード村にある遺跡群を爆撃した。

この爆撃で、ビザンツ帝国時代の4世紀に建設されたユリアヌス教会、聖マロン廟などが被害を受けた。

SANA, March 22, 2018
SANA, March 22, 2018
SANA, March 22, 2018

AFP, March 22, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2018、al-Hayat, March 23, 2018、Reuters, March 22, 2018、SANA, March 22, 2018、UPI, March 22, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍は2007年のダイル・ザウル県キバル地区での原子炉とされる施設への爆撃を初めて公式に認める(2018年3月21日)

イスラエル軍は声明で、2007年9月にダイル・ザウル県キバル地区の原子炉とされる施設が爆撃によって破壊された事件に関して、機密情報や映像を公開し、イスラエル軍が破壊したことを初めて公式に認めた。

Ynetnews(3月21日付)などが伝えた。

公開された情報によると、イスラエル軍のF16戦闘機4機とF15戦闘機4機からなる航空部隊が2007年9月5日深夜から6日未明にかけて、シリア軍のレーダーで捕捉されないよう超低空で地中海沖からトルコ・シリア国境に沿って、シリア領空を侵犯、キバル地区で建設中の原子炉を爆撃した。

イスラエルは同年3月、シリアが北朝鮮からプルトニウムが抽出できる原子炉を調達し、核開発施設を建設しているとの情報を入手、核兵器保有に向けた試みとの判断を下していた。

イスラエル軍の声明では、「2007年の原子炉に対する攻撃が発するメッセージとは、イスラエルの存在を脅かす能力を持つことを許さない、というものだ…。これが2007年の時点の我々のメッセージだった。我々のメッセージは今日も同じであり、近い将来、そして遠い将来においても同じだ」と強調した。

al-Quds, March 21, 2018
al-Quds, March 21, 2018
al-Quds, March 21, 2018
al-Quds, March 21, 2018
al-Quds, March 21, 2018
al-Quds, March 21, 2018
al-Quds, March 21, 2018

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イスラエル政府のアラビア語公式ツイッター・アカウント(https://twitter.com/IsraelArabic)によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「イスラエル政府、イスラエル国防軍、モサドはシリアが核能力を発展させることを阻止した。これは称賛に値する」と述べるとともに、「イスラエルの政策は、これまでもそしてこれからも一貫したもので、敵が核兵器で武装するのを阻止することにある」と付言した。

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018、Ynetnews, March 21, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「お前たち(米国)にマンビジュ市にとどまる権利などない」(2018年3月21日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、首都アンカラでのパーティーで演説し、「奴ら(米国)はマンビジュ市から退去しないと言っている。だが、お前たち(米国)には、そこに留まる権利などない」と述べた。

NTV Haber(3月21日付)が伝えた。

またアナトリア通信(3月21日付)が伝えたところによると、エルドアン大統領は「米国はトルコにマンビジュ市の半分をとるよう提案した。残りの半分は米国の取り分だという。だが、我々は奴らに言ってやった。「我々でもなければ、あなた方でもない。そこにはもとの持ち主がいるべきだ。我々はそこで公正な行政が行われることを望んでいるのであって、事態に公正に対処したい」と」と述べたという。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、首都アンカラでの記者会見で、「西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)がアレッポ県東部のマンビジュ市から撤退するだけでは十分ではない」と述べ、ロジャヴァ支配地域全域の制圧に向けて軍事作戦を拡大する意思を示した。

チャヴシュオール外務大臣はまた、「我々は米国とマンビジュ市の安定実現に向けて合意には達していないが、理解し合っている…。YPGがマンビジュ市から撤退するだけでは十分ではない。マンビジュ市の後には、それ以外の都市から撤退する番が来る」と述べた。

スプートニク・ニュース(3月21日付)が伝えた。

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トルコ外務省は声明を出し、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市占領を批判したエジプト外務省の声明に反論「トルコはシリアの領土の一体性、政治統合を擁護してきた筆頭国であり、分離主義テロ組織との戦いを通じて領土保全に貢献してきた」と反論した。

またトルコ外務省報道官は、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市占領を批判したアラブ首長国連邦(UAE)のアブドゥッラー・ビン・ザーイド外務大臣の発言に関して「アラブ諸国の内政に干渉しているとの嫌疑は理解不能で、善意をもってしても同意できない」と反論、「トルコがシリアの領土の一体性維持を支援し、和平と安定の実現のために取り組んでいることをみなが知っている…。アフリーン郡での「オリーブの枝」作戦は我が国を脅かすテロ組織を殲滅するために実施されている」と強調した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)が伝えた。

AFP, March 21, 2018、Anadolu Ajansı, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、NTV Haber, March 21, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、Sputnik News, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァを主導するPYDの幹部が離反し、トルコに逃亡(2018年3月21日)

ハーブール(3月21日付)は、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)の幹部の一人、アブドゥッラー・ハーミディー氏が、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市占領を受けて、党を離反し、トルコに逃亡したと伝えた。

ハーミディー氏はハサカ県アームーダー市近郊のサンジャク・サアドゥーン村出身。

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、al-Khabur, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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自由ダルアー県議会はダルアー県18市町村のシリア政府との和解を否定(2018年3月21日)

自由ダルアー県議会のイマード・バティーン副議長は、ダルアー県の18市町村がシリア政府との和解に応じたとのSANA(3月20日付)の報道に関して、「根も葉もない噂」と否定した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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ドイツのメルケル首相はトルコによるアフリーン市制圧を厳しく非難(2018年3月21日)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市の占領に関して、連邦議会で「トルコの振る舞いは受け入れられない…。もっとも厳しい表現で非難する」と述べた。

メルケル首相はまた、ダマスカス郊外県東グータ地方でのロシア・シリア軍の空爆に関しても「ロシアは爆撃する側の立場に経っている」と非難した。

ANHA(3月21日付)が伝えた。

ANHA, March 21, 2018

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍は前日に引き続いてイドリブ県を爆撃、子供16人を含む20人が死亡(2018年3月21日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)によると、ロシア軍戦闘機がカフルバッティーフ村を爆撃し、子供16人と女性3人を含む20人が死亡、数十人が負傷した。

al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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シリア政府とアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動はロシアの仲介により東グータ地方ハラスター市から戦闘員と家族を退去させることで最終合意(2018年3月21日)

シャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)のムンズィル・ファーリス氏は報道声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方のハラスター市からの戦闘員の退去について、シリア政府と最終合意に達したことを明らかにした。

合意は、ロシア政府の仲介のもと、両者の代表団によって交わされ、ハラスター市で籠城を続けてきたシャーム解放機構の戦闘員と退去を希望する民間人がシリア北部に退去すること、退去を希望しない者の残留が定められているという。

戦闘員らの退去は22日午前7時から開始される予定。

ヒズブッラーの中央戦争広報局によると、これにより戦闘員1,500人とその家族6,000人が退去する見込みだという。

al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアフリーン市南東に位置するシリア政府支配下のヌッブル市、ザフラー町を砲撃(2018年3月21日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、アフリーン市南東部で進軍を続け、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末に、12イマーム派の住民が暮らすシリア政府支配下のヌッブル市、ザフラー町を見下ろすことができるキーマール村、バラード村を制圧した。

トルコ軍はまた、ヌッブル市、ザフラー町に対して砲撃を加えた。

キーマール村での戦闘には、国防隊の戦闘員複数人が殺害されたが、彼らはヌッブル市、ザフラー町の出身者だと思われる。

一方、ANHA(3月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)および女性防衛隊(YPJ)を主体とするシリア民主軍が、シーラーワー町近郊のバラード村、キーマール村一帯、ブルブル町近郊への砲撃・爆撃を続けるトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団と交戦した。

Twitter, March 21, 2018

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省は国連宛書簡で、44人が死亡した20日のジャルマーナー市に対する反体制派の攻撃に人目する欧米諸国を非難(2018年3月21日)

シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、20日にダマスカス郊外県ジャルマーナー市が、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団の砲撃を受け、住民44人が死亡、数十人がしたことを報告した。

外務在外居住者省はまた、東グータ地方での人道危機への対応を協議するための会合の開催を要求した米国、フランス、英国が「新たな虐殺」に対して口を閉ざし続けることに疑義を呈した。

SANA(3月21日付)が伝えた。

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は東グータ地方アイン・タルマー村農場の複数カ所を制圧(2018年3月21日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月21日付)によると、シリア軍が東グータ地方で反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、ラフマーン軍団などの支配下にあるアイン・タルマー村一帯の農場複数カ所を制圧した。

SANA, March 21, 2018

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)によると、イスラーム軍がリーハーン農場一帯でシリア軍と交戦した。

SANAによると、シリア軍は、アイン・タルマー村近郊の農場地帯の制圧と合わせて、住民退去の安全を確保、25世帯が同地から避難、シリア赤新月社が彼らを保護した。

シリア軍はこのほかにも、サクバー市、カフルバトナー町に帰宅した住民の安全を確保、シリア赤新月社による支援物資搬送を支援した。

しかし、シャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)の支配下にあるハラスター市とシリア政府支配地域を結ぶ安全回廊では、シリア赤新月社のスタッフが避難した住民約400人を保護したが、反体制武装集団が回廊一帯に発砲を続け、住民の通行を阻止しようとした。

SANA, March 21, 2018
SANA, March 21, 2018

なお、シリア人権監視団によると、この1週間で東グータ地方の反体制武装集団支配地域から約7万人がシリア政府支配地域に退去したという(国連の推計では4万5,000人)。

また、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターのヴラジミール・ゾロトヒン報道官(少将)は、ハラスター市から315人が退去、うち15人が投降を希望するシャーム自由人イスラーム運動のメンバーだったと発表した。

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ダマスカス県では、SANA(3月21日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がファーリス・フーリー通りに着弾した。

AFP, March 21, 2018、ANHA, March 21, 2018、AP, March 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2018、al-Hayat, March 22, 2018、Reuters, March 21, 2018、SANA, March 21, 2018、UPI, March 21, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年3月21日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月21日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県4件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、アレッポ県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 21, 2018をもとに作成。

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