グランディ国連難民高等弁務官「シリア国内の市民の状況はこれまで最悪だ」(2018年3月9日)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ高等弁務官は、レバノンの首都ベイルートでの記者会見で、シリアの現況に関して「これまで最悪」と述べた。

グランディ高等弁務官は「シリア国内の市民が直面している状況はこれまで最悪の状態だ。69%が絶対的貧困状態のもと暮らしている…。7年前に始まったこの戦争が恐るべき人道的苦難の原因だ…。この破壊的な紛争を人類のために終わらせるべき時が来た」と述べた。

グランディ高等弁務官は一方、シリア国外に逃れているシリア難民に関して「レバノンにいるシリア難民の89%が、シリアへの帰国を望んでいる。だが、彼らのほとんどは「今ではない」と行っている」と述べた。

『ハヤート』(3月10日付)などが伝えた。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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リンメアWHO報道官「1~2月にロシア・シリア両軍の攻撃で67の病院・医療機関が狙われた」(2018年3月9日)

世界保健機関(WHO)のクリスチャン・リンメア報道官は、1~2月のダマスカス郊外県東グータ地方に対するロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃で、67の病院・医療機関が標的となったと発表した。

『ハヤート』(3月10日付)などが伝えた。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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シリア国民連合代表のサイフ元首相は健康悪化を理由に辞職(2018年3月9日)

シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)のリヤード・サイフ代表(元首相)は、代表職の辞任を発表した。

シリア国民連合政治委員会に宛てた書簡で、サイフ氏は「最近の健康状態の悪化により、代表としての職務を遂行できなくなってしまった」としている。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月9日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構幹部はシリア解放戦線と2日間の休戦に合意したと発表(2018年3月9日)

シャーム解放機構の法務責任者を務めるアブドゥッラヒーム・アトワーン氏はテレグラム(3月9日付)を通じて、ラフマーン軍団の仲介により、シリア解放戦線(シャーム解放機構、ヌールッディーン・ザンキー運動)と2日間の休戦に合意したと発表した。

休戦は、3月9日午前8時にイドリブ県、アレッポ県の係争地で発効するという。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「いつでもアフリーン市に進攻できる」(2018年3月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は首都アンカラにある与党公正発展党(AKP)の本部で演説し、「オリーブの枝」作戦に関して、「テロリスト3,171人を殲滅し、アフリーン市を包囲した…。いつでも同市に進攻できる」と述べた。

エルドアン大統領は「目下の目標はアフリーン市だ。アフリーン市は今や包囲された。我々はアッラーの意思のもと、いつでもアフリーン市に進攻できる」と強調した。

『ハヤート』(3月10日付)などが伝えた。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍と反体制武装集団はアフリーン市に向けて進軍を続け、要衝のカフルムズ村を制圧(2018年3月9日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、シャラーン村近郊のカフルムズ村、カシュクダール山一帯、ブルブル町近郊のスーラーイール村を制圧した。

一方、ANHA(3月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターによると、トルコ軍がアフリーン市タルナダ地区を砲撃し、3人が死亡した。

また、トルコ軍は、シャッラー村一帯でまマティーナー村、マアルスキー村、マリーミーン村、ウールトゥークラーク村、ティッバ村、マズラア村、ジンディールス近郊のカフルサフラ村、ブルブル町近郊のバーヒジャ村、ブーキー村を爆撃・砲撃、反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。

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ハサカ県では、SANA(3月9日付)によると、トルコ国境に面するラアス・アイン市の住宅街にトルコ軍が撃った迫撃砲弾1発が着弾した。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県東部の村々に住民1,800人が帰還(2018年3月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月9日付)によると、2017年末までにシリア軍によって解放された県東部の村々に、住民約1,800人が帰還した。

住民らは、アシャーラ砂漠に設置された仮設居住センターに一時避難していた。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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反体制派の支配下にある東グータ地方のハムーリーヤ市で武装集団の退去とシリア軍の進駐を求めるデモが発生(2018年3月9日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月9日付)によると、東グータ地方のハムーリーヤ市で反体制武装集団の退去とシリア軍の進駐を求めるデモが発生し、住民らが参加した。

ハムーリーヤ市は、東グータ地方で活動を続ける四つの主要な反体制武装集団(イスラーム軍、ラフマーン軍団、シリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動)、シャーム解放機構)のうち、ラフマーン軍団、シリア解放戦線、シャーム解放機構が拠点としている。

Youtube, March 9, 2018

また、ガズラーニーヤ町でも、東グータ地方各地の住民がデモを行い、シリア軍との連帯、「テロとの戦い」支持、治安と安定の早急な回復を訴えた。

SANA, March 9, 2018

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イスラーム軍が東グータ地方で拘置してきたシャーム解放機構メンバーの身柄をシリア政府側に引き渡す(2018年3月9日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月9日付)によると、東グータ地方で活動を続けてきた反体制武装集団の戦闘員多数が、人道回廊が設置されているワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに到達、同地で待機していた大型バスに乗ってシリア政府支配地域に移送された。

SANA, March 9, 2018
SANA, March 9, 2018

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これに関して、イスラーム軍は声明を出し、シリア赤新月社、赤十字国際委員会、国連世界食糧機関(WFP)の支援チームとともにダマスカス郊外県東グータ地方の反体制派支配地域に入った国連使節団と会談し、イスラーム軍が拘束中のシャーム解放機構のメンバーを同地から移送することで合意したと発表した。

退去が予定されているのは、2017年4月にイスラーム軍が拘束したシャーム解放機構のメンバーだという。

al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018

一方、イスラーム軍のハムザ・ビールクダール報道官はテレグラム(3月9日付)を通じて、「東グータ地方から(9日に派遣された)国連とシリア赤新月社の車列とともにイスラーム軍の戦闘員が脱出したという嘘つきのアサドと同盟者どものメディアの報道は根も葉もない」と否定、移送されたのがシャーム解放機構メンバーであることを強調した。

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他方、SANAによると、ジスリーン町とムライハ市を結ぶ街道に8日に新設された人道回廊では、シャーム解放機構などの反体制武装集団が砲撃で、住民の退去が阻止され続けた。

また、マアーミラ部族の族長であるアリー・マアーミリー氏は、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置されている人道回廊でAFP(3月9日付)の取材を受け、「カフルバトナー町、サクバー市、ハムーリーヤ市の300世帯以上が東グータ地方からの退去を希望している」ことを明らかにした。

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シリア軍は東グータ地方のバイト・サワー村を制圧(2018年3月9日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月9日付)によると、シリア軍が東グータ地方でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討戦を続け、バイト・サワー村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はドゥーマー市やジスリーン町を爆撃し、20人が負傷した。

SANAによると、これに対して、反体制武装集団は、ジャルマーナー市を砲撃し、子供1人と女性1人が死亡、女性2人と子供1人が負傷した。

反体制武装集団はまた、ハラスター市近郊のダーヒヤト・アサド町にあるバイルーニー大学病院を砲撃した。

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ダマスカス県では、SANA(3月9日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が撃った迫撃砲弾13発がバーブ・サラーム地区、カッサーア地区、バーブ・トゥーマー地区、シャーグール地区、マズラア地区、タフリール広場一帯に着弾した。

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シリア赤新月社、赤十字国際委員会、国連の支援チームが東グータ地方に再び人道支援するも、医療機器は今回も搬入されず(2018年3月9日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月9日付)によると、シリア赤新月社、赤十字国際委員会、国連世界食糧機関(WFP)の支援チームが、反体制派が支配を続ける東グータ地方のドゥーマー市に人道支援物資を搬入した。

搬入された物資は貨物車輌13台分で、1万2,000人の食糧物資、支援物資からなっているという。

『ハヤート』(3月10日付)によると、全回の搬入作業と同様、支援チームは今回も医療機器などを搬入しなかった。

SANA, March 9, 2018

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シリア人権監視団によると、支援チームの車列がドゥーマー市に入る直前、同地一帯に対して5回にわたる爆撃が行われたという。

AFP, March 9, 2018、ANHA, March 9, 2018、AP, March 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2018、al-Hayat, March 10, 2018、Reuters, March 9, 2018、SANA, March 9, 2018、UPI, March 9, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは16件の停戦違反を、トルコ側は11件の違反を確認(2018年3月9日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月9日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県6件、ラタキア県5件、ダルアー県1件、アレッポ県4件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも11件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県9件、ダルアー県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 9, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は3月2日~3月8日までの7日間でシリア・イラク領内で20回の爆撃を実施(2018年3月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月2日~3月8日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、この間の爆撃回数は20回。

3月7日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は2回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

3月8日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は2回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

3月2~6日の内訳は公開されなかった。

CENTCOM, March 9, 2018をもとに作成。

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