エジプトとフランスはトルコによるシリア北東部ユーフラテス川以東地域への侵攻に懸念を表明(2018年12月13日)

エジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣はカイロで、フランスのフランソワ・セネモ(Francois Senemaud)大統領使節顧問と会談、シリア情勢などについて意見を交わした。

会談のなかで、両者は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部ユーフラテス川東岸への侵攻の意思を改めて示したことに関して、「現地情勢の悪化は…「テロとの戦い」の取り組みに資さない」と懸念を表明した。

エジプト外務省が発表した。

AFP, December 14, 2018、ANHA, December 14, 2018、AP, December 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 14, 2018、al-Hayat, December 15, 2018、Reuters, December 14, 2018、SANA, December 14, 2018、UPI, December 14, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県ハジーン市でダーイシュとの戦闘を続ける(2018年12月13日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、米主導の有志連合の航空支援を受け、県南東部ハジーン市内などでダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を継続した。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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YPGと共闘してきたシリア・エリート部隊を率いるジャルバー氏がトルコとの関係を修復、連携することで合意(2018年12月13日)

反体制派系サイトのイナブ・バラディー(12月13日付)は、ガド潮流のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー代表(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)が今週、トルコを訪問し、数年にわたる断交を解消したと伝えた。

ジャルバー氏は、ロシア、米国と関係を保ち、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)およびYPG主体のシリア民主軍と、ラッカ県、ダイル・ザウル県でのダーイシュ(イスラーム国)との戦いで連携したシリア・エリート部隊を率いる一方、ダマスカス郊外県東グータ地方、ヒムス県北部・ハマー県南部でのシリア政府との反体制派の停戦・和解を仲介してきた。

イナブ・バラディーによると、ジャルバー氏は今週、トルコの首都アンカラを訪問し、トルコ政府高官と会談、トルコとの関係を再開し、連携することで合意した。

なお、ジャルバー氏とトルコ政府高官の会談はこれが初めではないという。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、‘Inab Baladi, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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YPG報道官「いかなる勢力からのいかなる攻撃に対しても、我々は自衛措置を講じる」(2018年12月13日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)のヌーリー・マフムード報道官は、12日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部ユーフラテス川東岸への侵攻の意思を改めて示したことに関して、AFP(12月14日付)に対して「いかなる勢力からのいかなる攻撃に対しても、我々は自衛措置を講じる。シリア北部へのいかなる攻撃も、(ダイル・ザウル県の)ハジーン市での(ダーイシュ(イスラーム国)との)戦闘に悪影響を及ぼす。同地で戦闘中の部隊が北部を防衛するために撤退することになるからだ」と述べた。

マフムード報道官はまた「米国、そして有志連合はシリア北部に対して義務を負っている。国境地帯の監視所は、これらの国々が果たす義務の一環で、トルコの安全保障が脅かされないようにするためのものだ」と付言した。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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米国防総省報道官はトルコによるユーフラテス川東岸への侵攻を「懸念をもたらす」「受け入れられない」と非難(2018年12月13日)

米国防総省のショーン・ロバートソン報道官は、12日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部ユーフラテス川東岸への侵攻の意思を改めて示したことに関して、「シリア北東部、とりわけ米国の人員がいる地域で、いかなる当事者に対する一方的な軍事行動も深刻な懸念をもたらす…。我々はこうした行為を受け入れることはない」と述べた。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「すべての問題においてトルコと共通の姿勢がとられているということではない」(2018年12月13日)

ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部ユーフラテス川東岸への侵攻の意思を改めて示したことに関して、「トルコにはトルコの姿勢があり、シリアではロシア・トルコ両政府の間には共通の姿勢がある…。しかし、このことは、すべての問題においてトルコと共通の姿勢がとられているということではなく、両者が歩み寄りを試みている意見の相違もある」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月13日付)が伝えた。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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北東シリア自治局執行評議会は、ユーフラテス川東岸へのトルコの侵攻に備え総動員令を発する(2018年12月13日)

北東シリア自治局執行評議会は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部のユーフラテス川東岸地域への侵攻の意思を改めて示したことを受けて会合を開いた。

アブドゥルハーミド・マフバーシュ氏、ビールファーン・ハーリド氏を共同議長とする同評議会は、この会合でダイル・ザウル県南東部ハジーン市一帯でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘での犠牲者・戦死者に哀悼の意を示すとともに、「ダーイシュこそがトルコの拡張主義への唯一の奉仕者」と非難、トルコの脅迫を「地域の治安と安定を揺るがす行為」と指弾し、事態に対処するための一連の措置をとることを決定した。

そのうえで、総動員令を発し、すべてのシリア人にトルコの植民地主義政策に一丸となって対抗するよう呼びかけるとともに、国連、有志連合を含む国際社会に対してトルコの敵対行為に反対する姿勢を打ち出すよう訴えた。

ANHA(12月13日付)、『ハヤート』(12月14日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018

北東シリア自治局は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会が、シリア民主軍支配地域の統治を目的として2018年7月に新設を決定し、9月に発足した自治政体。

10月3日にラッカ県アイン・イーサー市での第1回会合で、省にあたる9つの委員会を設置している。

9つの委員会とは、内務委員会、養育教育委員会、地方行政委員会、経済農業委員会、財務委員会、文化芸術委員会、保健環境委員会、社会問題労働委員会、女性委員会。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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トルコ日刊紙は、トルコ軍のユーフラテス川東岸への侵攻作戦に「自由シリア軍」の戦闘員1万4000人が参加する見込みだと伝える(2018年12月13日)

トルコ日刊紙『イェニ・シャファク』(12月13日付)は、12日にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部ユーフラテス川東岸への侵攻の意思を改めて示したことに関連して、同地に対するトルコ軍の作戦に「自由シリア軍」の戦闘員1万4000人が参加する見込みだと伝えた。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018、Yeni Safak, December 13, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアレッポ県アフリーン郡シーラーワー町近郊への砲撃を開始(2018年12月13日)

アレッポ県では、ANHA(12月13日付)によると、トルコの占領下にある県北西部のアフリーン郡シーラーワー町近郊のバイナ村、スーガーンキー村に対してトルコ軍が砲撃を開始した。

これにより住民4人が負傷した。

一方、アフリーン市では爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発し、6人が死傷した。

al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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トルコ国防省はYPGが占領下のアレッポ県アフリーン郡を砲撃し、トルコ軍兵士1人を殺害したと主張(2018年12月13日)

トルコ国防省は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の「テロリスト2人」が、アレッポ県北部のタッル・アブヤド市近郊から、同県北西部のアフリーン郡内に設置されているトルコ軍の拠点を攻撃、兵士1人が死亡したと発表した。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県、イドリブ県で反体制武装集団と交戦(2018年12月13日)

ハマー県では、SANA(12月13日付)によると、シリア軍がブワイダ村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、マアルカバ村一帯にあるイッザ大隊(イッザ軍)の拠点、サルマーニーヤ村一帯にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点に対して反撃を行った。

シリア人権監視団によると、シリア軍はサルマーニーヤ村、ラターミナ町、ブワイダ村、マアルカバ村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャルジャナーズ町、タッフ村、ウンム・ジャラール村を砲撃した。

AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領は、ロシアのユーリイ・ボリソフ副首相を団長とするロシア政府使節団と会談(2018年12月13日)

アサド大統領は、ロシアのユーリイ・ボリソフ副首相を団長とするロシア政府使節団と首都ダマスカスで会談した。

ボリソフ副首相は、ロシア・シリア通商経済科学芸術合同委員会のロシア側の委員長。

SANA(12月13日付)によると、会談では、二国間関係、とりわけ経済関係の強化について意見を交わした。

SANA, December 13, 2018

アサド大統領は、ロシアとの経済関係の強化が、一部西側諸国の政策に両国民が対峙するうえでの協力な要素となると述べるとともに、シリアの経済状況改善にあたってロシアからの投資増が重要だとの強調した。

会談ではまた、ロシア政府使節団訪問中にロシア・シリア通商経済科学芸術合同委員会において合意される予定のあらたな合意、プロジェクトの内容が披露された。

会談には、ロシア・シリア通商経済科学芸術合同委員会のシリア側議長を務めるワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相、シリア政府の関係閣僚、ロシア側関係省庁高官、専門家が同席した。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから174人、ヨルダンから1,085人の難民が帰国、避難民252人が帰宅(2018年12月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月13日付)を公開し、12月12日に難民1,259人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは174人(うち女性52人、子供89人)、ヨルダンから帰国したのは1,085人(うち女性326人、子供553人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は63,797人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者30,282人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者33,515人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 293,077人(うち女性87,945人、子供149,368人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。

一方、国内避難民252人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは31人(うち女性10人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは221人(うち女性78人、子供101人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は178,186人(うち女性54,806人、子供88,366人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,260,548人(うち女性379,804人、子供640,749人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を19件(アレッポ県4件、ハマー県3件、ラタキア県12件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも7件の停戦違反(アレッポ県2件、ハマー県2件、イドリブ県3件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 13, 2018をもとに作成。

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