ロシアの仲介でYPG主体のシリア民主軍とシリア政府が協議:シリア民主軍はトルコ国境地帯へのシリア軍展開に同意するも、シリア政府は北・東シリア自治局支配地域の支配回復を主張し物別れに(2018年12月27日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に近い複数の消息筋は、アラビー・ジャディード(12月27日付)に対して、ラタキア県のフマイミーム航空基地で数日前に、シリア民主軍幹部とロシア軍士官およびシリア政府代表が会合を開き、米軍地上部隊撤退後の北・東シリア自治局支配地域の処遇について意見を交わしたことを明らかにした。

同消息筋によると、この会合では、シリア民主軍側は、トルコ軍の軍事侵攻を回避するため、ロシアを保障国とするかたちで、トルコ国境地帯にシリア軍が展開することに同意した。

だが、シリア政府側が、北・東シリア自治局支配地域の支配回復を強く主張したために物別れに終わったという。

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アナトリア通信(12月27日付)は、トルコ軍がキリス県のシリア国境地帯に増援部隊を新たに派遣した。

al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018

AFP, December 27, 2018、Anadolu Ajansı, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-‘Arabi al-Jadid, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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サウジアラビア匿名外交筋は、シリアへの復興支援を約束していないとしてトランプ米大統領の発言を否定(2018年12月27日)

CNBC(12月27日付)は、サウジアラビアの匿名外交筋の話として、ドナルド・トランプ米大統領が24日にツイッターのアカウントで「サウジアラビアは今、シリアを再建するのに必要な資金を支払うことに合意してくれた。見たか? 5,000マイルも離れた米国のような超大国ではなく、非常に裕福な国々が隣国の再建を助けるのは素敵じゃないか。ありがとう、サウジ!」」と綴ったことに関して、サウジアラビアは支援増を約束していないと伝えた。

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、CNBC, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県南東部でYPG主体のシリア民主軍とダーイシュの戦闘続く(2018年12月27日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(12月27日付)によると、県南東部のハジーン市一帯のアブー・ハサン村、ワーディー・ライヤー、ブーカーン村などで人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、ユーフラテス・ポスト(12月27日付)によると、アブー・ハサン村での戦闘ではシリア民主軍兵士1人が死亡、10人が負傷、またスィージャーン油田一帯にあるシリア民主軍拠点をダーイシュが攻撃し、7人を殺害した。

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、Euphrates Post, December 28, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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国民解放戦線報道官は、イランの民兵とシリア政府がダーイシュと交渉の末、ダーイシュ戦闘員をイドリブ県に移送することで合意したと主張(2018年12月27日)

トルコの庇護を受けイドリブ県で活動を続ける国民解放戦線のアブドゥッサラーム・アブドゥッラッザーク報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/abdulslamabdul7/)で、「イランの民兵」とシリア政府がダーイシュ(イスラーム国)と連絡を取り合い、ダイル・ザウル県で活動を続けるダーイシュ戦闘員をイドリブ県に移送することで合意した、と主張した。

https://twitter.com/abdulslamabdul7/status/1078251481789358080?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1078251481789358080&ref_url=https%3A%2F%2Feldorar.com%2Fnode%2F129589

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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ラッカ県でトルコ軍の侵攻作戦に抗議するデモ(2018年12月27日)

ラッカ県では、SANA(12月20日付)によると、北・東シリア民政局の支配下にあるラッカ市南東約30キロに位置するサブハ町でトルコが準備している北東部ユーフラテス川以東地域への侵攻作戦とテロ支援に抗議するデモが行われ、シリア政府支持者が多数参加した。

SANA, December 27, 2018

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県の反体制派支配地域、ヨルダンからの避難民・難民の帰還続く(2018年12月27日)

イドリブ県では、SANA(12月27日付)によると、アブー・ズフール町郊外に設置された通行所を通じて、反体制派支配地域に留まっていた住民数十人がシリア政府支配地域に避難、アレッポ県、ハマー県、イドリブ県各所に帰村した。

SANA, December 27, 2018

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ダルアー県では、SANA(12月27日付)によると、ナスィーブ国境通行所を経由してヨルダンで暮らしていたシリア難民多数が帰国した。

SANA, December 27, 2018

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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シャーム・ウィング航空がダマスカス・チュニス定期便を再開(2018年12月27日)

SANA(12月27日付)は、シャーム・ウィング航空のダマスカス・チュニス定期便が再開され、乗客約150人を載せた旅客機がダマスカス国際空港を離陸、ハビーブ・ブルギバ国際空港に向かったと伝えた。

ダマスカス・チュニス定期便が再開するのは約8年ぶり。

Akhir Khabar Online, December 27, 2018

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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ダマスカスにあるUAE(アラブ首長国連邦)大使館が7年ぶりに再開(2018年12月27日)

シリアの首都ダマスカスにあるUAE(アラブ首長国連邦)大使館が27日付で再開された。

同大使館が再開されるのは2012年2月の断交以来、7年ぶりで、再開式典には各国大使や外務在外居住者省職員も参加、ユースフ・ヌアイミー理事代理大使、アブドゥルハキーム・イブラーヒーム参事官、フサイン・アブドゥッラー・バルーシー事務担当官が国旗を掲揚した。

式典では、ヌアイミー臨時代理大使は「シリアはアラブの祖国に力強く復帰するだろう。UAE大使館の再開は他のアラブ諸国の大使館の再開の先駆けとなる」と述べた。

また、これに合わせて、UAE外務省は声明を出し、「臨時代理大使は本日より、シリア・アラブ共和国における大使館で本務を開始した。この措置はUAEが二国間関係を正常化したいというUAEの意思を確認するもので、これにより、シリア・アラブ共和国の独立、国土統一、地域の平和を支援するアラブの役割が強化・活性化され、シリア・アラブの内政への域内介入の危険が抑えられる」と発表した。

SANA(12月27日付)、WAM(12月27日付)などが伝えた。

SANA, December 27, 2018

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スプートニク・ニュース(12月27日付)は、複数のアラブ諸国外交筋の話として、バーレーンがUAEに続いて来週にも在ダマスカスの大使館を再開すると伝えた。

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、Sputnik News, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018、WAM, December 27, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県でトルキスタン・イスラーム党、イッザ軍と交戦(2018年12月27日)

ハマー県では、SANA(12月27日付)によると、シリア軍がアンカーウィー村一帯にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点を攻撃した。

シリア軍はまた、ラターミナ町から侵攻を試みたイッザ大隊(イッザ軍)を迎撃した。

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一方、ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、ハマー県1件、アレッポ県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも6件の停戦違反(ハマー県4件、ラタキア県5件)を確認した。

AFP, December 27, 2018、ANHA, December 27, 2018、AP, December 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2018、al-Hayat, December 28, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 27, 2018、Reuters, December 27, 2018、SANA, December 27, 2018、UPI, December 27, 2018などをもとに作成。

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「東アラブ地域の非公的政治主体による国家機能の補完・簒奪に関する研究」(2018年〜2022年度科学研究費補助金(基盤研究(A) 18H03622))がシリア国内の避難民1,500人を対象とした世論調査を実施(2018年12月27日)

「東アラブ地域の非公的政治主体による国家機能の補完・簒奪に関する研究」(2018年〜2022年度科学研究費補助金(基盤研究(A) 18H03622))が、シリア世論調査研究センター(SOCPS、在ダマスカス)の協力のもと、シリア国内の避難民1,500人を対象とした世論調査を実施した。

調査の概要および質問内容(調査で使用された質問票)は、現代中東政治研究ネットワーク(CMESP-J.net)の「中東世論調査(シリア国内避難民2018)」(日本語)、「Middle East Public Opinion Survey (IDPs in Syria 2018)」(英語)で公開されている。

なお、調査結果の詳細は近く公開される予定。

CMEPS-J.netをもとに作成。

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