ブルームバーグ:米政府はアレッポ市での反体制派によるとされる塩素ガス攻撃がシリア軍の「偽旗作戦」だったと断定(2018年12月4日)

ブルームバーク(12月4日付)は、米政府が、11月24日にアレッポ市で発生した反体制武装集団(シャーム解放機構)による塩素ガス攻撃に関して、塩素ガスではなく、催涙ガスによるものだったとの検証結果を得たと伝えた。

この検証結果は4日中に発表される予定だという。

Bloomberg, December 4, 2018

同サイトによると、米諜報機関は、親政権部隊が、おそらくこの「偽旗作戦」を行い、イドリブ県での停戦を反故にし、反体制派や過激派の攻撃を非難することで、イドリブ県の停戦を反故にしようとしていたとの「信頼できる情報」を得ているという。

また、「偽旗作戦」だったことを示す証拠として、同サイトは、反体制武装集団が攻撃を行ってから、塩素ガスが使用されたとロシアやシリア政府のメディアが報じるまでの時間が、これまでの化学兵器攻撃よりも短かったこと、ロシアのメディアが公開した砲弾の残骸の映像を分析した結果、それが塩素ガスを装填するには不適切であることが判明したこと、シリア政府が攻撃された現場を封鎖したこと、などを紹介している。

AFP, December 5, 2018、ANHA, December 5, 2018、AP, December 5, 2018、Broomberg, December 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 5, 2018、al-Hayat, December 6, 2018、Reuters, December 5, 2018、SANA, December 5, 2018、UPI, December 5, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構はシリア政府の工作員を処刑(2018年12月4日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(12月4日付)が、イドリブ市で爆弾を仕掛けた車を爆発させた事件に関与していたというシリア政府の工作員をシャーム解放機構が処刑したと発表、処刑される前に撮影されたこの工作員の映像を公開した。

同サイトによると、処刑されたのは、ムハンマド・シハーダを名のる男性。

公開された映像のなかで、2017年半ばにイドリブ市マジュド小児科病院近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発する映像を撮影したとして、関与を認めている。

https://player.vimeo.com/video/304194526

Shabaka al-Iba’ al-Ikhbariya, December 4, 2018

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構はイドリブ県内に新たな基地を設置(2018年12月4日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月4日付)によると、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構がテレグラムのアカウントを通じて、「シャイフ・アビー・フィラース・スーリー基地」と称する新たな拠点を設置したと発表、その写真を公開した。

al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018
al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018
al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「12月14日までに制憲委員会が設置されなければ、アスタナのプラグを抜いてしまおう」(2018年12月4日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、米ニューヨークにある国連本部で開かれた「シリア問題にかかる小グループ」(米国、フランス、ドイツ、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン)会合後の記者会見で、2018年1月のロシアのソチでのシリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会に関して、「彼らは(設置を)試みたが、失敗した。あるいは少なくとも今のところ、彼らは失敗している。もし彼らが12月14日までに失敗し続けるようなら…、アスタナのプラグを抜いてしまおう」と述べた。

ジェフリー米国務省はまた、「軍最高司令官であり、我が国の外交政策を運営する(ドナルド・トランプ米)大統領には我が軍の関与のありように関するさまざまな選択肢がある。我々がどのようにイラク北部だけでなく、その上空で13年間にわたり監視活動の一環として駐留してきたのかを思い出して欲しい」としたうえで、「米国はシリアに永遠に駐留はしない。前提条件が実現するまで駐留する。それはダーイシュ(イスラーム国)を最終的に敗北させ、シリア全土からイランの部隊を撤退させ、不可逆的な政治プロセスを実施するというものだ」と強調した。

AFP(12月4日付)、スプートニク・ニュース(12月4日付)などが伝えた。

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、Sputnik News, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県西部でトルコの庇護を受ける国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動とシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が交戦(2018年12月4日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月4日付)によると、トルコの庇護を受ける国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動と、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が3日晩から、県西部ジスル・シュグール市近郊のルージュ平原一帯で交戦を開始した。

戦闘は、シャーム自由人イスラーム運動が、シャーム解放機構の合意を得ずにルージュ平原のジャドラーヤー村に拠点を設置したことを受けたもの。

al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍はヒズブッラーの地下トンネルの破壊を目的とする「北部の盾」作戦の開始を発表(2018年12月4日)

イスラエル軍のジョナサン・コンリカス報道官(中佐)は、レバノン南部と接するブルー・ライン一帯でヒズブッラーが掘削・建設した地下トンネルを捜索・破壊することを目的とする「北部の盾」作戦を開始したと発表した。

コンリカス報道官によると、軍事行動そのものはまだ開始されていないという。

だが、作戦開始の発表を受けて、イスラエル北部のメトゥラ村一帯が軍事閉鎖地域に指定された。

またイスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、レバノンのナバティーヤ県マルジャアユーン郡のカフルキラー村からメトゥラ村北西部に向かってヒズブッラーが掘削したとされるトンネルの写真を公開した。

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一方、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、トンネルが「イスラエル北部にテロリストを送り込む」ためのものだと断じたうえで、作戦「必要とされる限り」続けられるだろうと述べた。

ネタニヤフ首相は、作戦自体が数週間前に実施の決定がなされたとしたうえで、それを「イスラエルを防衛するため、すべての戦線において小規模な展開」と評した。

また「我々はイランがシリアに根を下ろすのを阻止するため断固行動する…。我々はまたレバノンにおけるイランのテロ行為にも対抗する」と付言した。

スカイ・ニュース(12月4日付)、ナハールネット(12月4日付)などが伝えた。

Naharnet, December 4, 2018

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Naharnet, December 4, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、Sky News Arabic, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県南東部でダーイシュとの戦闘を続ける(2018年12月4日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(12月4日付)によると、県南部のハジーン市一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦した。

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ハサカ県では、ANHA(12月4日付)によると、カーミシュリー市コルニーシュ地区で爆弾が爆発し、市民防衛隊(HPC、Hêzên Parastina Cewherî)の隊員2人が負傷した。

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県南部、ハマー県北部の反体制派支配地域を砲撃(2018年12月4日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月4日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市一帯、タマーニア町、ジャルジャナーズ町、ヒーシュ村一帯の反体制派支配地域を砲撃した。

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ハマー県では、SANA(12月4日付)によると、イドリブ県南部から県北部のジャイサート村方面に潜入しようとした反体制武装集団の四輪駆動車をシリア軍が迎撃した。

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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北朝鮮の李容浩外務大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談「北朝鮮とシリアが直面する的はただ一つ」(2018年12月4日)

アサド大統領は、シリアを訪問中の北朝鮮李容浩(リヨンホ)外務大臣と首都ダマスカスで会談した。

SANA(12月4日付)によると、会談では、二国間関係の強化のありようなどについて意見が交わされた。

李外務大臣は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長のメッセージをアサド大統領に口頭で伝え、シリアへの支持の姿勢と「テロとの戦い」に対するシリア国民の勝利への祝意を示すとともに、復興への期待を寄せた。

李外務大臣はまた、北朝鮮、シリア、そして覇権主義的政策や内政干渉を拒否するすべての国が直面する敵は一つだと述べ、さらなる強調を呼びかけた。

これに対して、アサド大統領は、シリアと北朝鮮が経験している戦争や圧力はかたちこそ異なれ、本質と目的は一つで、自決権を有する国の弱体化させ、西側の計略に対峙できなくするおとになると指摘、現下の戦争が、シリアや北朝鮮だけに対するものではなく、世界の地図を塗り替えようとするものだと述べた。

そのうえで、米国の攻撃にとって地理的国境は存在しないと非難、西側の計略が被っている敗北、そしてシリアや北朝鮮のような独立諸国の抵抗が、国際社会のバランスを回復させると強調した。

SANA, December 4, 2018

会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣らが同席した。

李外務大臣はまた、イマード・ハミース首相、ムアッリム外務在外居住者大臣とも個別に会談した。

SANA, December 4, 2018
SANA, December 4, 2018

AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは0件の停戦違反を、トルコ側は8件の違反を確認(2018年12月4日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは8件の停戦違反(イドリブ県1件、アレッポ県7件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 4, 2018をもとに作成。

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