ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから124人、ヨルダンから648人の難民が帰国、避難民273人が帰宅(2018年12月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月11日付)を公開し、12月10日に難民772人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは124人(うち女性37人、子供64人)、ヨルダンから帰国したのは648人(うち女性194人、子供339人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は61,770人となった。 内訳は、レバノンからの帰国者29,925人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者31,845人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 291,050人(うち女性87,336人、子供148,335人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。

一方、国内避難民273人が新たに帰宅した。 うち東グータ地方に帰宅したのは33人(うち女性12人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは240人(うち女性86人、子供109人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は177,642人(うち女性54,621人、子供88,114人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,260,004人(うち女性379,619人、子供640,497人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県3件、ハマー県1件、ラタキア県2件、イドリブ県2件)確認したと発表した。 トルコ側の監視チームも12件の停戦違反(アレッポ県7件、ハマー県4件、イドリブ県1件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス刑事裁判所はシャーム解放機構、イスラーム軍、ラフマーン軍団の指導者ら40人に死刑の有罪判決を宣告(2018年12月11日)

ダマスカス刑事裁判所は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者(本名ムハンマド・フサイン・シャルア)、イスラーム軍のアブー・ハマーム司令官(本名イサーム・ブワイダーニー)、ラフマーン軍団のアブドゥンナースィル・シュマイル指導者ら40人以上に対する欠席裁判を行い、死刑の有罪判決を下した。

死刑判決を下された40人は、そのほとんどがダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けてきた反体制武装集団のメンバーで、首都ダマスカスへの砲撃によって多くの市民を殺傷したことで有罪となった。

死刑判決を受けたのは、ジャウラーニー氏、ブワイダーニー氏、シュマイル氏のほか、ダマスカス郊外県アッバーダ村出身の7人(イバーダ・ディーブ氏、アフマド・ムフスィン氏、ムハンマド・ムフスィン氏、ウマル・ダルウィーシュ氏、アフマド・ダルウィーシュ氏ら)、ウタイバ村出身の9人(アフマド・シャイフ氏、マーヒル・シャイフ氏、マーリク・アブドゥッラフマーン氏、ズィヤード・カイラーニー氏ら)、ドゥーマー市出身の5人、ジャルバー村出身の5人など。

『ワタン』(12月11日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(12月11日付)が伝えた。

AFP, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018、al-Watan, December 11, 2018などをもとに作成。

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トルコの支援を受けてきたファーティフ旅団の司令官がシリア軍に投降(2018年12月11日)

ドゥラル・シャーミーヤ(12月11日付)は、トルコの支援を受け、アレッポ県北部で活動を続けているいわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室所属組織の一つファーティフ旅団のファーディー・ジブラーイール司令官が組織を離反し、12月8日にシリア軍の検問所に投降したと伝えた。

複数の活動家によると、ジブラーイール司令官は車でアレッポ県北部にあるシリア軍の検問所に向かい投降、SNSでは親政権民兵と写った写真が拡散された。

ジブラーイール司令官は、スライマーン・シャー旅団の治安責任者を務めたのち、同旅団のアブー・アムシャ司令官と対立、離反し、ファーティフ旅団に移籍していた。

al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018

al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018

AFP, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県南東部のハジーン市でダーイシュと交戦(2018年12月11日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(12月11日付)によると、米主導の有志連合の支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が県南東部のハジーン市のハジーン病院一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、戦闘員50人以上を殲滅した。

シリア民主軍広報センターによると、シリア民主軍はこのほかにも、上バーグーズ村一帯でダーイシュと交戦した。

AFP, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県で反体制武装集団と交戦(2018年12月11日)

ハマー県では、SANA(12月11日付)によると、サフル丘一帯やシリア軍はまたラターミナ町南部の農場に潜入しようとした反体制武装集団をシリア軍が捕捉、これを攻撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月12日付)がハウラーン自由人連合の情報として伝えたところによると、ムザイリーブ町でシリア政府と和解し、シリア軍に従軍していた元反体制武装集団のメンバーの1人ユースフ・ムハンマド・ハシーシュ氏が何者かに撃たれて死亡した。

AFP, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、December 12, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領はアルメニア、ベネズエラ大使を新任(2018年12月11日)

アサド大統領は、首都ダマスカスにある人民宮殿で、シリアに新たに着任したアルメニアのディクラン・ケヴォルキアン大使とベネズエラのホセ・グレゴリオ・ビオモルギ・ムッザティズ大使に信任状捧呈式に出席した。

SANA(12月11日付)が伝えた。

SANA, December 11, 2018

SANA, December 11, 2018

 

AFP, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018などをもとに作成。

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トルコのソイル内務大臣「トルコは91万6000人のシリア難民に教育を受けさせており、361万人を一時的に受け入れている」(2018年12月11日)

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、モロッコのマラケシュで開催されている国連主催の「移民グローバル・コンパクト」採択のための国際会議(10日開幕)で、トルコ国内でのシリア難民の待遇について詳細を明らかにした。

ソイル内務大臣は大会で「91万6000人以上のシリア人児童や青年がトルコのほぼ全県の都市の学校、専門学校、大学で教育を受けている…。我々は361万1834人のシリア人を一時保護法の枠組みのなかで受け入れ、医療・教育関連の福祉、そして彼らが必要としているものすべてを提供している…。今年に入って、トルコに25万1794人の不法難民が押し寄せている。我が治安部隊は人身売買を行う密輸グループの追跡を続けている」などと述べた。

アナトリア通信(12月11日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018

AFP, December 11, 2018、Anadolu Ajansı, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018などをもとに作成。

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UNHCR中東・北アフリカ局長:「戦争はほぼ終わった…。2019年にはシリア難民25万人の帰国が予想される」(2018年12月11日)

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の中東・北アフリカ局のアミーン・アワド局長は、2018年にダルアー県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県に3万7000人あまりの難民が帰還したとしたうえで、2019年には25万人の帰国が期待されると述べた。

アワド局長は「戦争は今ほぼ終わった。イドリブなど一部のポケット(係争地)が残っているだけで、周知の通り、そこでも停戦が行われ、非武装地帯が設置されている…。シリアの状況が改善すれば、難民の一部は帰国の旅につくだろう…。我々は2019年には25万人のシリア難民が帰国すると予想している。この数字は、我々が帰還に向けた障害が除去するペースによって増減する」と述べ、難民帰国に向けて取り組む姿勢を強調した。

アワド局長はまた、難民帰還の妨げとなっている最大の障害として、難民が財産や住居にかかる文書を持っていないことをあげる一方、「徴兵に関連する問題もある。兵役を忌避した者たちへの恩赦に関連する問題もある」と指摘、そのほかにも地雷・爆発物が敷設されている問題にも対処する必要があると述べ、資金援助を呼びかけた。

ロイター通信(12月11日付)、AFP(12月11日付)が伝えた。

AFP, December 11, 2018、ANHA, December 11, 2018、AP, December 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2018、al-Hayat, December 11, 2018、Reuters, December 11, 2018、SANA, December 11, 2018、UPI, December 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還帰還調整委員会の合同会合開催:2018年に難民11万、避難民11万人が帰宅、「戦争は終わり、国家再建が全速力で推し進められている」と強調(2018年12月11日)

ロシアの合同連携センター(国外難民と国内避難民の帰還を支援するためのロシア国防省と外務省の合同調整センター)とシリアの国外難民帰還調整委員会の合同会合がモスクワとシリア各地などをテレビ会議システムで繋いで開催された。

会合は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領がシリアを電撃訪問し、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」の勝利を宣言(2017年12月11日)してから1年が経ったのに合わせて、開催された。

Ministry of Defense of Russia, December 11, 2018

会合では、合同連携センター議長を務めるミハイル・ミズィンツェフ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)が2018年のシリア情勢についての報告を行い、ソチ、アスタナ、テヘラン、ジュネーブなどで、アスタナ会議の保障国であるロシア、イラン、トルコの首脳会談を含めた100以上の会議・交渉を行い、停戦の実現・維持・強化に努めてきたことをアピール、「戦争は終わり、国家再建が全速力で推し進められている」と強調した。

ミズィンツェフ上級大将はまた、この動きと並行して、多数のシリア難民が帰国したと指摘、2018年に難民約11万3942人がレバノン、ヨルダンから帰国、またイドリブ県の緊張緩和地帯などから国内避難民11万7369人以上が帰宅したことを明らかにした。

ミズィンツェフ上級大将によると、戦闘の被害が大きい地域出身の難民を受け入れるため、412カ所に収容施設が設けられ、これまでに帰国した難民は29万278人、帰宅した国内避難民は125万9731人にのぼっているという。

ミズィンツェフ上級大将は一方、米軍がヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)を違法に占領し、同地に「テロリスト」6000人を配置、シリア国境に近いヨルダン北東のルクバーン・キャンプの解体を妨害していると発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから124人、ヨルダンから648人の難民が帰国、避難民273人が帰宅(2018年12月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月11日付)を公開し、12月10日に難民772人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは124人(うち女性37人、子供64人)、ヨルダンから帰国したのは648人(うち女性194人、子供339人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は61,770人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者29,925人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者31,845人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 291,050人(うち女性87,336人、子供148,335人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。

一方、国内避難民273人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは33人(うち女性12人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは240人(うち女性86人、子供109人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は177,642人(うち女性54,621人、子供88,114人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,260,004人(うち女性379,619人、子供640,497人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県3件、ハマー県1件、ラタキア県2件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも12件の停戦違反(アレッポ県7件、ハマー県4件、イドリブ県1件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.