シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構のジャウラーニー指導者がビデオ映像を通じてトルコの支援を受ける反体制派にアレッポ県で戦端を開き、共闘するよう呼びかける(2019年5月17日)

シリアのアル=カーイダと目され、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)の軍事・治安権限を掌握するシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の最新の映像がテレグラムを通じて公開された。

「シャイフ・アビー・ムハンマド・ジャウラーニーのシリア革命メディア関係者との会談の一コマ」と題された13分強の映像のなかで、ジャウラーニー指導者は「例えば、アレッポ県での作戦を開始すれば、我々を助けることはできる」と述べ、トルコの支援を受ける反体制派に対して共闘を呼びかけた。

また「我々の利益のため、敵を分散させ、新たな戦端を開こう」、「イドリブ県を守るため武器をとろう」と唱導した。

アレッポ県北部では、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダの系譜を汲むシャーム自由人イスラーム運動、そして「ユーフラテスの盾」作戦司令室、「オリーブの枝」作戦司令室として糾合していた諸々の武装集団が、トルコの支援を受けて国民軍の名で再編され、同地におけるトルコの実質占領を支えている。

一方、緊張緩和地帯において、トルコ軍の支援を受けてきた国民解放戦線は、シャーム解放機構との抗争に敗れ、2019年1月に主力がアレッポ県北部に退去したものの、多くの部隊が残留しており、4月30日にシリア・ロシア軍の攻撃が激化して以降は、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、イッザ軍、さらには興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室と事実上共闘し、シリア軍に対峙している。

https://www.youtube.com/watch?v=XzCe3fVJqJw

 

AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。

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ジャアファリー・シリア国連代表「トルコが合意を遵守していないことに乗じて、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構がイドリブ県を掌握し、シリア国内にテロの温床が創り出された」(2019年5月17日)

国連安保理では、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの事態悪化への対応を協議する会合が開かれた。

会合に出席したバッシャール・ジャアファリーシリア国連代表は、「トルコが緊張緩和地帯や非武装地帯の設置にかかる一連の合意を遵守していないことに乗じて、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構がイドリブ県を掌握し、シリア国内にテロの温床が創り出された」と批判した。

ジャアファリー国連代表はまた「緊張緩和地帯にかかる合意が暫定的なもので、これを維持したいのであれば、トルコがシリア領内での占領とイドリブ県でのテロ組織への支援を止める必要があることをみなが理解すべきだ」と強調した。

これに対して、トルコのフェリドゥン・スィニルリオール国連大使は、「シリア軍の攻撃により数十万の避難民が発生しており、こうした事態はトルコ、欧州などにとって人道危機、安全保障上の危機である」と発言し、その数が24万3000人に上っていると主張した。

スィニルリオール国連大使はまた、シリア軍が「民間人、学校、病院を意図的に狙っている…。シリア政府は数々の人道に対する罪を犯し、何度もレッド・ラインを踏み越えてきた。我々は同じ過ちを繰り返すことはできない」と批判、「イドリブ県に対する大規模軍事攻撃は人道危機をもたらす」と警鐘を鳴らした。

AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県とハサカ県の県境でダーイシュ・メンバー42人を拘束(2019年5月17日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のダジュワール・ハルブ司令官とアーラーン・カーミシュロー司令官はハサカ県シャッダーディー市での記者会見で、シリア民主軍がダイル・ザウル県とハサカ県の県境地帯で隊員5,000人を投入し、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパー・セル摘発作戦を15日付で開始したと発表した。

スリーパー・セル摘発作戦は、ダイル・ザウル県シュハイル村からハサカ県フール町にいたる全長180キロ、幅80キロの地帯で、これまでにダーイシュ・メンバー42人を拘束したという。

AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍がシリア領内をミサイル攻撃、防空部隊がこれを迎撃(2019年5月17日)

SANA(5月17日付)は軍消息筋の話として、シリア軍防空部隊がクナイトラ県方面から飛来した複数の敵の標的を迎撃、これを撃破したと伝え、その映像を公開した。

シリア人権監視団によると、シリア軍が迎撃したのはイスラエル軍のミサイルで、ダマスカス郊外県キスワ市近郊で少なくとも3回の爆発が発生した。

同地には、シリア軍防空部隊基地のほか、ヒズブッラーやイランの武器庫があるという。

一方、スプートニク・ニュース(5月17日付)は、シリア軍筋の話として、シリア軍防空部隊は4発の地対空ミサイルを発射し、クナイトラ県上空でミサイル複数発を撃破したと伝えた。


また、シリアの治安筋によると、シリア軍防空部隊はイスラエル軍の無人航空機1機も撃破したという。

AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、Sputnik News, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。

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ロシアはシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構によって、ロシア軍がイドリブ県で化学兵器を使用したと見せ掛ける準備が行われていると発表(2019年5月17日)

ロシア当事者和解調整センターは声明を出し、イドリブ県サラーキブ市の住民からの情報として、ロシア軍戦闘機がイドリブ県の市民に対して化学兵器を使用したと見せ掛ける準備が、シリアのアル=カーイダと目されるシャームの民のヌスラ戦線(シャーム解放機構)によって行われていると発表した。

AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。

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シリア軍の爆撃が続くなか、アレッポ県でシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構とシリア軍が捕虜交換(2019年5月17日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンに対するシリア・ロシア軍の激しい爆撃・砲撃は18日目を迎えた。

シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが各所に投下した「樽爆弾」は35発、戦闘機による爆撃は65回に達した。

なお、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より12人(民間人3人、兵士・戦闘員9人)増えて474人となった。

うち、156人が民間人(女性33人、子供29人を含む)、308人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

なお、ノールス研究センター(5月17日付)によると、4月30日に激化した戦闘でのシリア軍の死者数が142人(うち士官は30人以上)にのぼっているという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がカッバーナ村一帯を17回爆撃、ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」14発を投下した。

また地上では、シリア軍がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がハーン・シャイフーン市およびその一帯を3回、バアルブー村を2回、ウライニバ村を2回、マアッラト・ヌウマーン市を2回、カフルサジュナ村を2回、ナキール村を2回、トゥラムラー村を2回、マダーヤー村を2回、ヒーシュ村を2回、フバイト村を2回、カフル・アイン村を2回、フィキーア村およびその一帯を2回、カルサア村を2回爆撃し、ヘリコプターがトゥラムラー村に「樽爆弾」2発、ウライニバ村に2発、アービディーン村に2発を投下した。

一方、SANA(5月17日付)によると、シリア軍がヒーシュ村、ハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、フバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がガーブ平原およびシャフシャブー山(イドリブ県)各所を11回、カフルズィーター市を5回、アンカーウィー村を3発爆撃し、ヘリコプターがガーブ平原およびシャフシャブー山各所に「樽爆弾」12発、ラターミナ町およびその一帯に3発を投下した。

また地上では、ガーブ平原およびシャフシャブー山各所でシリア軍が反体制武装集団と激しく交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月17日付)によると、反体制武装集団がカルカート村灌木地帯でシリア軍を要撃し、15人を殺害したという。

一方、SANA(5月17日付)によると、シリア軍がマサースィナ村一帯に進攻しようとしたシャーム解放機構を撃退した。

シリア軍はまた、サフリーヤ村、アミーカ村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

このほか、ガーブ平原地元諸評議会を名のる集団が声明を出し、ロシア・シリア両軍によるガーブ平原の村々の占領を拒否すると表明、革命家たちによる同地の解放を呼びかけた。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月17日付)によると、県南部のアイス通行所で、シリア軍とシャーム解放機構が捕虜交換を行い、シリア軍は女性22人を含む逮捕者27人の身柄を、シャーム解放機構はシリア軍捕虜9人の身柄をそれぞれに引き渡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県1件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を18件(ハマー県12件、アレッポ県5件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Nors for Studies, May 17, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから398人、ヨルダンから557人の難民が帰国、避難民11人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月17日付)を公開し、5月16日に難民955人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは398人(うち女性120人、子供203人)、ヨルダンから帰国したのは557人(うち女性167人、子供284人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は225,804人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者78,866人(うち女性23,203人、子ども38,762人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者146,938人(うち女性44,110人、子ども74,972人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 455,084人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民11人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性7人、子供2人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,529人(うち女性9,117人、子供13,368人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,125人(うち女性391,676人、子供657,134人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 17, 2019をもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県南部を集中的に爆撃、アル=カーイダ系組織はトルコが支援する反体制派とともにハマー県北部でシリア軍に反撃(2019年5月16日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンに対するシリア・ロシア軍の激しい爆撃・砲撃は17日目を迎え、前日に比べて若干の激しさを増した。

爆撃はイドリブ県南部に集中する一方、ドゥラル・シャーミーヤ(5月16日付)などによると、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、トルコの支援を受ける国民解放戦線はハマー県北部でシリア軍に対する反転攻勢を強めた。

シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが各所に投下した「樽爆弾」は108発、戦闘機による爆撃は72回、地上部隊が発射した迫撃砲弾、ロケット弾は475発あまりに達した。

ロシア軍も9回にわたり爆撃を実施した。

一連の戦闘で、シリア軍兵士、反体制武装集団戦闘員合わせて7人が死亡した。

なお、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より12人(民間人5人、戦闘員7人)増えて452人となった。

うち、153人が民間人(女性33人、子供27人を含む)、299人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、カッバーナ村一帯に「樽爆弾」25発を投下、戦闘機がカッバーナ村一帯を19回爆撃した。

また地上では、シリア軍がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、フバイト村に「樽爆弾」12発、ハーン・シャイフーン市およびその一帯に6発、ウンム・スィール村に5発、アービディーン村に2発、バアルブー村に2発、カフルルーマー村灌木地帯に2発、アミーカ村に2発、トゥラムラー村に2発、ハッサーナ村に2発、マアッラト・ハルマ村に2発、カフルサジュナ村に2発、マアッルズィーター村に2発、カッサービーヤ村に2発、マガッル・ハマーム村に2発、サイヤード村一帯に2発、ルワイバダ村に2発を投下、戦闘機がハーン・シャイフーン市を13回、フバイト村を8回、マアッラト・ハルマ村を6回、カフルサジュナ村を4回、ヒーシュ村を6回、カフルナブル市を2回、カフルルーマー村を2回、ジャバーラー村とその一帯を2回、アービディーン村を2回、ハーッス村を2回、トゥラムラー村を2回爆撃した。

また地上では、シリア軍が県南部各所を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(5月16日付)やANHA(5月16日付)によると、ロシア軍がハーッス村を爆撃し、子供2人が死亡した。

また、SANA(5月16日付)によると、シリア軍がフバイト村、アービディーン村、マアッラト・ヌウマーン市にあるシャーム解放機構の拠点に対して重点的に砲撃を行い、拠点複数カ所を破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、マイダーン・ガザール村に「樽爆弾」に16発、シャフルナーズ村に6発を投下、戦闘機がシャフルナーズ村を2回、ハウワーシュ村を2回爆撃した。

ロシア軍もアンカーウィー村、ハウワーシュ村などガーブ平原各所を爆撃した。

また地上では、シリア軍がラターミナ町、カフルズィーター市などを砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(5月16日付)によると、「革命諸派」(組織は明示せず)が、フワイズ村内に設置されたシリア軍の陣地に対して特攻(インギマースィー)攻撃を敢行し、兵士15人以上を殺害した。

また、イバー・ネット(5月16日付)は、シャーム解放機構が県北部に設置されたロシア軍の作戦司令室をグラード・ロケット弾で重点的に砲撃したと伝え、その写真や映像を公開した。

ロシア軍は、ブライディージュ村にあるシリア軍基地など、県北部各所に展開しているが、標的とした場所は不明。

トルコの庇護を受ける国民解放戦線も、マイダーン・ガザール村一帯に進軍を試みたシリア軍とパレスチナ人民兵のクドス旅団を撃破し、兵士多数を殺傷したと発表、戦闘の様子を撮影した映像を公開した。

さらに、トルキスタン・イスラーム党もインターネットを通じて、戦闘で殺害したとするシリア軍兵士の遺体の写真を公開した。

こうした反撃に関して、シリアのアル=カーイダと目され、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)の軍事・治安権限を掌握するシャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官が声明を出し、ハマー県でのシリア軍との戦いが新たな局面を迎えたと発表した。

声明で、シャーミー報道官は、ラタキア県クルド山でロシア軍の無人航空機(ドローン)を撃破するなどの戦果を上げたと誇示する一報、ハマー県北部の「フワイズ村、カルカート村、マイダーン・ガザール村一帯をアサド軍の死に場所にした」「シリア軍は10日に自分達の計画を何ら実現していないことが分かった」と主張した。

他方、SANA(5月16日付)によると、シリア軍がシール・マガール村、アンカーウィー村、ズィヤーラ町、カストゥーン村にあるシャーム解放機構の拠点に対して重点的に砲撃を行い、拠点複数カ所を破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

シリア軍はまた、シャフシャブー山(イドリブ県)に面するバーブ・ターカ村、フワイズ村一帯に進攻した反体制武装集団と交戦、これを撃破した。

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アレッポ県では、ANHA(5月16日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団がアレッポ市東部のナイラブ・キャンプ地区、西部の新シャフバー地区を砲撃した。

いずれも人的被害はなかった。

これに対して、シリア・ロシア両軍がアレッポ市ラーシディーン地区、ライラムーン地区、カフルハムラ村を爆撃、シリア軍とシャーム解放機構などの反体制武装集団が砲撃戦を行った。

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ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(5月16日付)によると、ダーイシュがタドムル市南西に位置するシリア軍の兵舎を襲撃し、兵士21人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(ラタキア県5件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(アレッポ県6件、ハマー県7件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, May 16, 2019、ANHA, May 16, 2019、AP, May 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2019、al-Hayat, May 17, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 16, 2019、Reuters, May 16, 2019、SANA, May 16, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 16, 2019、SOHR, May 16, 2019、UPI, May 16, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はダーイシュのつながりがあるとして拘束していたダイル・ザウル県住民44人を釈放(2019年5月16日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(5月16日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある県内地域の自治を担うダイル・ザウル民政評議会の代表や地元の部族長・名士が立ち会うなか、同県の内務治安部隊が、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあるとして拘束していた逮捕者44人が釈放された。

逮捕者の釈放が行われるのはこれが2度目。

AFP, May 16, 2019、ANHA, May 16, 2019、AP, May 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2019、al-Hayat, May 17, 2019、Reuters, May 16, 2019、SANA, May 16, 2019、SOHR, May 16, 2019、UPI, May 16, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川西岸のマンビジュ市(アレッポ県)の内務治安部隊本部前で自爆テロが発生し、2人が死亡、10人が負傷(2019年5月16日)

アレッポ県では、ANHA(5月16日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川西岸のマンビジュ市内北西部の内務治安部隊(ナジュダ)本部前で大きな爆発が発生した。

マンビジュ市の内務治安部隊の広報センターによると、爆発は自爆テロで、犯行には爆弾を積んだ車が使用された。

この爆発で、内務治安部隊の隊員1人を含む2人が死亡、子供3人を含む民間人および兵士10人が負傷した。

AFP, May 16, 2019、ANHA, May 16, 2019、AP, May 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2019、al-Hayat, May 17, 2019、Reuters, May 16, 2019、SANA, May 16, 2019、SOHR, May 16, 2019、UPI, May 16, 2019などをもとに作成。

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イラク航空のバグダード・ダマスカス旅客便が18日に8年ぶりに再開(2019年5月16日)

イラク航空のライス・ルバイイー報道官は、5月18日土曜日に、イラクの首都バクダードとシリアの首都ダマスカスを結ぶ旅客便を再開すると発表した。

バグダード・ダマスカス便は週1回運航するという。

シリアの運輸省もフェイスブックの公式アカウントを通じて、バグダード・ダマスカス便の再開に歓迎の意を示した。

バグダード・ダマスカス便は2011年12月に「シリアでの戦争」を理由に運航が中止されていた。

スカイ・ニュース(5月16日付)が伝えた。

AFP, May 16, 2019、ANHA, May 16, 2019、AP, May 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2019、al-Hayat, May 17, 2019、Reuters, May 16, 2019、SANA, May 16, 2019、Sky News Arabic, May 16, 2019、SOHR, May 16, 2019、UPI, May 16, 2019などをもとに作成。

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ダルアー県の国民社会支援基金で退役兵士への手当支給開始(2019年5月16日)

SANA(5月16日付)は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、アレッポ県、ハマー県に続いて、ダルアー県の国民社会支援基金で、退役兵士が行った支援申請に基づき、第1回目となる手当支給が行われたと伝えた。

今回の手当支給の対象となる退役兵士は申請者3万4723人のうちの194人で、月額3万5000シリア・ポンドの手当が支給される。

AFP, May 16, 2019、ANHA, May 16, 2019、AP, May 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2019、al-Hayat, May 17, 2019、Reuters, May 16, 2019、SANA, May 16, 2019、SOHR, May 16, 2019、UPI, May 16, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから318人、ヨルダンから682人の難民が帰国、避難民483人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者483人)が帰宅(2019年5月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月16日付)を公開し、5月15日に難民1,002人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは318人(うち女性118人、子供200人)、ヨルダンから帰国したのは682人(うち女性202人、子供343人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は224,849人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者78,468人(うち女性23,687人、子ども39,937人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者146,381人(うち女性43,943人、子ども74,671人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 454,129人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。
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一方、国内避難民483人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは16人(うち女性9人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは467人(うち女性129人、子供201人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,518人(うち女性9,117人、子供13,368人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,114人(うち女性391,676人、子供657,134人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した467人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は467人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 16, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ諜報機関は「これ以上事態が悪化すれば、ロシア・トルコによる停戦合意は崩壊する」とのエルドアン大統領のメッセージを伝える一方、国民解放戦線に最新鋭武器を供与(2019年5月15日)

ロイター通信(5月15日付)は、「反体制派の大物」筋の話として、ハマー県北部でのシリア軍との戦闘に関して、トルコの諜報機関が反体制派にメッセージを伝えたとし、その内容を明らかにした。

同消息筋はロイター通信に対して「(トルコのレジェップ・タイイップ・)エルドアン大統領は(ロシアのヴラジミール・)プーチン大統領に対して、これ以上問題が悪化すれば、(停戦にかかる)合意は崩壊する」と述べたと伝えられた」と語った。

同消息筋によると、トルコの諜報機関はまた、過去1年間にわたり反体制武装集団が激しい爆撃に耐えたことで、トルコの立場は強化され、モスクワに対して攻撃を弱めるよう圧力がかけられるようになった」とも伝えたという。

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イナブ・バラディー(5月15日付)は、「自由シリア軍」司令官の話として、トルコが国民解放戦線に、コルネット・ミサイル、TOW対戦車ミサイル、コンコルス・ミサイルなどの高性能兵器を新たに供与したと伝えた。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣は「シリア軍はイドリブ県内のトルコ軍監視所を攻撃していない」と述べ、アサド政権を「擁護」(2019年5月15日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの境界地帯に設置されているトルコ軍の監視所がシリア軍の攻撃に曝されていないと述べ、アサド政権に対する「異例の弁護」を行った。

チャヴシュオール外務大臣は、記者会見で「イドリブ県内の監視所に対する攻撃は行われてない。この件は問題とはなっていないが、懸念はある」と述べた。

なお、シリア軍は5月4日、シール・マガール村にあるトルコ軍監視所を砲撃、兵士2人が死亡、8人が負傷している。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、‘Inab Baladi, May 15, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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シリア大統領府はアサド大統領がトルコ諜報機関関係者と非公式会合を行ったとの報道を否定(2019年5月15日)

シリア大統領府は声明を出し、アサド大統領がトルコ諜報機関関係者との非公式会合で、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と直接会談する意思を示したとの報道に関して、事実無根だと否定した。

https://twitter.com/Presidency_Sy/status/1128380300340363265

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は、自らに対する抗議デモが続くシュハイル村(ダイル・ザウル県)で「ダーイシュ・メンバー20人を拘束した」と発表(2019年5月15日)

ダイル・ザウル県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターが北・東シリア自治局の支配下のシュハイル村でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー20人を拘束、武器弾薬を押収したと発表した

シュハイル村は5月9日、シリア民主軍が住宅地区(カトフ地区)を2時間以上にわたり封鎖し、米主導の有志連合ヘリコプター1機を同地を低空で旋回するなか、住民に発砲、6人を殺害、4人を負傷させた場所。

同地では、これに抗議するかたちで、シリア民主軍と有志連合の退去を求める抗議デモが再燃していた。

また、ANHA(5月15日付)によると、シリア民主軍はまた、東ジャルズィー村でも、ダーイシュのメンバー4人を拘束、武器弾薬を押収した。

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アレッポ県では、ANHA(5月15日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県アリーシャ避難民キャンプで発生した抗議デモに向けてYPG主体のシリア民主軍が実弾を発砲(2019年5月15日)

ダイル・ザウル県では、SANA(5月15日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるアリーシャ町の避難民キャンプで、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行や犯罪行為に抗議し、生活状況改善を求めるデモが発生した。

これに対して、シリア民主軍は実弾を発砲し、強制解除を試み、参加者複数が負傷した。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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アレッポ市ナイラブ・キャンプ地区に対する14日の砲撃での死者数が14人にのぼるなか、ノールス研究センターは砲撃は反体制派ではなく「イランの民兵」によると主張(2019年5月15日)

シリア人権監視団は、14日のシリア政府支配下のアレッポ市ナイラブ・キャンプ地区に対する反体制武装集団の砲撃による犠牲者の数が12人に増加したと発表した。

犠牲者のうち子供は3人、女性は2人で、そのほかにも多数が負傷したという。

反体制武装集団は14日、アレッポ市東部のナイラブ・キャンプ地区のほか、ジュマイリーヤ地区、新スィルヤーン地区、ティシュリーン通り、マサーキン・サビール地区、ザフラー地区、ナイル通り地区、ムーカンブー地区などに数十発の迫撃砲弾を撃ち込んでいた。

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この砲撃に関して、ノールス研究センター(5月15日付)は、アレッポ市内の複数の消息筋の話として、砲撃が反体制武装集団ではなく、「イランの民兵」の支配下にある地域から行われたと発表し、ダイル・ザウル県南東部で最近になって表面化しているシリア軍と「イランの民兵」の対立の深刻さを示すものだとの見方を示した。

なお、ダイル・ザウル県では、最近になって、「イランの民兵」による略奪などをめぐる対立から、イラク国境に面するブーカマール市でイラン・イスラーム革命防衛隊の士官がシリア軍によって射殺される事件が発生している。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Nors for Studies, May 15, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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米国の影響下にあるヨルダン国境地帯のルクバーン・キャンプから難民数十世帯が新たに帰還(2019年5月15日)

SANA(5月15日付)によると、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに身を寄せていたシリア難民数十世帯が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国した。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから307人、ヨルダンから692人の難民が帰国、避難民19人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月15日付)を公開し、5月14日に難民999人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは692人(うち女性208人、子供353人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は223,847人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者78,150人(うち女性23,592人、子ども39,775人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者145,697人(うち女性43,738人、子ども74,294人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 453,127人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民19人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性3人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは8人(うち女性1人、子供2人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,035人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,297,631人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した8人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 15, 2019をもとに作成。

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シリア・ロシア軍の爆撃・砲撃は500回以上に及ぶなか、地上ではシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党などからなる反体制派とシリア軍が一進一退の攻防を続ける(2019年5月15日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンに対するシリア・ロシア軍の激しい爆撃・砲撃は16日目を迎えた。

シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが各所に投下した「樽爆弾」は96発、戦闘機による爆撃は50回、地上部隊が発射した迫撃砲弾、ロケット弾は390発あまりに達した。

ロシア軍も4回にわたり爆撃を実施した。

一連の戦闘で、シリア軍兵士9人、反体制武装集団戦闘員12人が死亡した。

なお、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より38人増えて436人となった。

うち、148人が民間人(女性32人、子供25人を含む)。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、反体制派との戦闘では、シリア軍側にも甚大な被害が出ており、200人以上が死亡、500人以上が負傷しているという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、フワイズ村に「樽爆弾」13発、カラ・ジュルン村に5発、フワイジャ村に5発、マイダーン・ガザール村に5発、ハウラーター村に2発を投下、戦闘機がフワイズ村を10回爆撃した。

また地上では、シリア軍がシャフシャブー山(イドリブ県)に面するガーブ平原地域(ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、マイダーン・ガザール村、フワイズ村、カルカート村など)で、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党などと交戦し、同地を激しく砲撃、ハムラー村、ムハージリーン村一帯に進軍、フワイズ村を制圧した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、フワイズ村を制圧したのはシリア軍とパレスチナ人民兵組織のクドス旅団。

だが、シリア軍は反体制武装集団の反撃を受けて、数時間後に同地から撤退したという。

なお、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、シリア軍撤退に先立ち、フワイズ村でシリア軍の車輌を23ミリ砲で撃破したと発表していた。

国民解放戦線はまた、シリア軍が進軍したハムラー村でT-72戦車1輌を破壊したと発表した。

一方、SANA(5月15日付)によると、シリア軍はジスル・バイト・ラース村、フワイズ村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、カッバーナ村一帯に「樽爆弾」49発を投下、戦闘機がカッバーナ村一帯を25回爆撃した。

一方、イバー・ネット(5月15日付)によると、クバイナ丘一帯に進攻を試みたシリア軍部隊をシャーム解放機構が撃退し、兵士4人を殺害、7人を負傷させた。

シャーム解放機構はまた、同地のシリア軍拠点を砲撃し、兵士1人を殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、フバイト村に「樽爆弾」7発、ウンム・ニール村に5発、ウンム・スィール村に5発を投下、戦闘機がハーン・シャイフーン市およびその一帯を7回、カフルサジュナ村を2回、サラーキブ市を2回、スフーフン村を2回爆撃した。

ロシア軍もヒーシュ村を2回、トゥラムラー村を2回爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、ジスル・シュグール市に対するシリア軍の爆撃で6人が死亡した。

一方、SANA(5月15日付)によると、シリア軍はジスル・シュグール市、シャフシャブー山、ヒーシュ村、ハーン・シャイフーン市、フバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がICARDAを3回爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、シリア軍はカフルダーイル村、カフルハムラ村、フライターン市、ハイヤーン町を砲撃、カフルダーイル村では3人が死亡した。

一方、ANHA(5月15日付)によると、シャーム解放機構が、トルコ占領下のアフリーン郡シーラーワー町近郊のイスカーン(イースカー)村に潜入し、民家を襲撃、なかで眠っていた子供2人を殺害した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、サナマイン市でシリア軍と武装集団が軽火器で交戦、シリア軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。

戦闘は、軍事情報局のパトロール部隊がシャーム自由人イスラーム運動の元司令官の兄弟のアギード・ザフラ氏、息子のマジュディー・ザフラ氏、アビー・サーリフの名で知られる3人を拘束したのを受けたもの。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県1件、ラタキア県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(アレッポ県5件、ハマー県3件)確認した。

AFP, May 15, 2019、ANHA, May 15, 2019、AP, May 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2019、al-Hayat, May 16, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 15, 2019、Reuters, May 15, 2019、SANA, May 15, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 15, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 15, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領はトルコ諜報機関関係者と非公式に会合、エルドアン大統領と直接会談する意思を示す(2019年5月14日)

アサド大統領は、トルコ諜報機関関係者との非公式会合で、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と直接会談する意思を示した。

トルコ人ジャーナリスト、メフメット・ユヴァ氏がトルコ日刊紙『アイドゥンルク』(5月14日付)の記事で明らかにした。

非公式会合に同席したというユヴァ氏によると、アサド大統領は「我々はトルコとの協力に前向き である。もし、それがシリアの国益に合致し、主権に反しないのであれば、我々はエルドアン大統領と会うだろう…。我々はロシアやイランを介してトルコと交渉はしない。トルコとシリアの士官どうしが多くの場所で交渉をしている…。もっとも重要な交渉は(ラタキア県)カサブ市の国境通行所で行われたし…、シリアの使節団はハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官ともイランの首都テヘランで会談した…。トルコ軍士官は政治家よりも我が国で起きていることを良く理解しており、エルドアン政権内ではシリアに関する意見の相違もある」と述べたという。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、Aydinlik, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領は定例閣議の議長を務め、シリア国民どうしのコニュニケーションを強化するための仕組みや戦略を構築する必要を強調(2019年5月14日)

アサド大統領は、イマード・ハミース内閣定例閣議の議長を務め、シリア国民どうしのコニュニケーションを強化するための仕組みや戦略を構築する必要を強調した。

SANA(5月14日付)によると、アサド大統領は、シリア国民どうしの効率的コニュニケーションを促進するには、政府が直面する危機的状況や非常事態についてでさえも、透明性を確保し、充分な情報を提供することがもっとも重要だと述べた。

そのうえで、そうすることで、国民が自らの生活に直接影響を及ぼす一連の問題に政府がどう取り組んでいるかを理解できるようになる、と付言した。

また、こうしたことが行われなければ、8年間にわたりシリア国民に敵対する勢力に資するような危機のイメージが作り上げられてしまうと警鐘を鳴らした。

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アサド大統領は首都ダマスカスで、アルメニア教会キリキア主教区カトリコス(主教)アーラーム1世(ペドロス・ケシシアン)と会談した。

SANA(5月14日付)が伝えた。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はシリア政府に「テロとの戦い」に向けた真の愛国的な協力関係を模索するよう呼びかける(2019年5月14日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県での人民防衛隊(YPG)主体にシリア民主軍による住民弾圧についてシリアの外務在外居住者省が国連に提出した書簡に関して、「ダイル・ザウル県を解放した我が軍に対するウソと偽り」と非難、シリア民主軍が今も同地でダーイシュ(イスラーム国)の残党の追跡を継続していると強調、シリア政府に「テロとの戦い」に向けた真の愛国的な協力関係を模索するよう呼びかけた。

シリアの外務在外居住者省は13日、国連事務総長と国連安保理議長宛に書簡を送り、ダイル・ザウル県のシュハイル村で5月9日に発生した人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による住民「虐殺」について報告、米主導の有志連合の支援を受けたシリア民主軍が、国家への復帰を望むダイル・ザウル県の住民を従わせようと、数々の虐殺を繰り返していると非難した。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局に投降したダーイシュ戦闘員と家族は3万6000人、うち1万3000人が外国人で、出身国当局に身柄が引き渡されたのは222人(2019年5月14日)

ANHA(5月14日付)によると、北・東シリア自治局は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に投降したダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員およびその家族についての統計調査を実施した。

調査結果によると、シリア民主軍に投降した戦闘員は6,000人以上で、このうちの約1,000人が50カ国あまりからシリア・イラクに潜入した外国人戦闘員だという。

また、戦闘員の家族は3万人以上で、うち1万2000人が外国人だという。

戦闘員とその家族は現在、北・東シリア自治局が運営する収容センターに収容されているが、同自治局は外国政府に収容者のリストを回付しており、現在までに222人の身柄がこれらの国に引き渡されているという。

身柄引き渡しに応じたのは、フランス、ロシア、スーダン、カザフスタン、スウェーデンなど。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、ラッカ県スルーク町郊外でダーイシュ(イスラーム国)の幹部の一人タラール・シャニール氏(アブー・ハマーム)を拘束したと発表した。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣がポンペオ米国務長官と会談(2019年5月14日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワを訪問したマイク・ポンペオ米国務長官と会談、シリア情勢、イラン情勢などについて意見を交わした。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、シリア情勢に関して、国連安保理決議第2254号を完全履行し、シリアの主権尊重と領土保全、テロ根絶を実現することで、難民帰還、人道問題の解決、そして紛争解決に向けた政治プロセスを推進する必要があると改めて強調した。

ポンペオ国務長官も「シリアでとるべき方法、我々は行い得ることをめぐる会談は極めて建設的だった…。我々には、政治的解決に向けていかに前進するかをめぐって、一連の共通利害がある。国連安保理決議第2254号とかかわりのある政治プロセスは中断してしまっている…。だが、米国とロシアはこの停滞を克服するためにともに行動できると考えている」と述べた。

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ロシア国防省は声明を出し、セルゲイ・ショイグ国防大臣がトルコのフルシ・アカル国防大臣と電話会談を行い、イドリブ県の情勢への対応について協議したことを明らかにした。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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退役兵士への国民社会支援基金の手当支給が始まる(2019年5月14日)

SANA(5月14日付)は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、アレッポ県、ハマー県の国民社会支援基金で、退役兵士が行った支援申請に基づき、第1回目となる手当支給が行われたと伝えた。

国民社会支援基金のルワイユ・アルナジー総裁によると、14日にはラッカ県とイドリブ県の申請者に対しても手当の支給が行われるという。

今回の手当支給の対象となる退役兵士は申請者3万4723人のうちの1万1392人で、月額3万5000シリア・ポンドの手当が支給される。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃が続くなか、反体制派はシリア政府支配下のアレッポ市ナイラブ・キャンプ地区を砲撃、民間人6人が死亡(2019年5月14日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃と、反体制武装集団との戦闘が続き、シリア軍戦闘機による爆撃回数は56回、ヘリコプターによる「樽爆弾」投下数は142発、ロシア軍戦闘機による爆撃は14回、シリア軍が撃った迫撃砲・ロケット弾の数は730発に及んだ。

この戦闘で、民間人10人(シリア政府支配地域で6人、反体制派支配地域で4人)、反体制派戦闘員11人、シリア軍兵士7人が死亡した。

戦闘が激化した4月30日以降の戦闘による犠牲者は398人に達し、うち民間人の数は138人(子供22人、女性30人)となった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がフバイト村を11回、ハーン・シャイフーン市を7回、ヒーシュ村を4回、トゥラムラー村を3回、ジスル・シュグール市を2回、カッサービーヤ村を2回、ジャバーラー村を2回、カフルサジュナ村を2回爆撃し、ヘリコプターがフバイト村に「樽爆弾」28発、ヒーシュ村に14発、トゥラムラー村に10発、バアルブー村に6発、ハーン・シャイフーン市に6発、フィキーア村に2発、ラカーヤー村に2発、アービディーン村に2発、フライフィル村に2発、マダーヤー村に2発、カフル・アイン村に2発を投下した。

シリア軍戦闘機はまた、ハーッス村、ヒーシュ、タッフ村、サラーキブ市に機銃掃射を行った。

ロシア軍戦闘機も、トゥラムラー村に8回、ウンム・ニール村に2回、ジスル・シュグール市に2回の爆撃を行った。

これらの爆撃で、ジスル・シュグール市で女児1人を含む2人が死亡、またヒーシュ村で1人が死亡した。

なお、シリア軍はこのほかにも地上部隊がフバイト村、トゥラムラー村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がフワイズ村およびフワイジャ村を10回、クライディーン村を2回爆撃し、ヘリコプターがフワイズ村に「樽爆弾」19発、ハウラーター村に2発、フワイジャ村に2発、ダイル・サンバル村に2発、カフルズィーター市に2発、シャフルナーズ村に2発を投下した。

ヘリコプターによる「樽爆弾」投下で、シャフルナーズ村へので1人が死亡した。

シリア軍戦闘機はまた、ラターミナ町に機銃掃射を行った。

ロシア軍戦闘機も、カラ・ジュルン村に2回の爆撃を行った。

シリア軍はこのほかにも地上部隊がカフルズィーター市、フワイジャ村、カストゥーン村を砲撃した。

なお、ANHA(5月14日付)によると、シリア軍が制圧していたタッル・ミルフ村、カルカート村、シャイフ・イドリース村、ハマーミーヤート村、ジャビーン村、バーブ・ターカ村、シャリーア村を反体制武装集団が奪還したという。

また、シャーム解放機構がカルアト・マディーク町で爆弾を仕掛けた車を爆破した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がカッバーナ村を14回爆撃し、ヘリコプターがカッバーナ村に「樽爆弾」35発を投下した。

シリア軍は地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(5月14日付)によると、シリア政府の支配下にあるアレッポ市西部のナイラブ・キャンプ地区が反体制武装集団の砲撃を受け、子供3人を含む6人が死亡した(シリア人権監視団によると、女性1人を含む6人が死亡)。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルナーハー村、マアーッラト・アルティーク村、フライターン市、ハーン・アサル村、マンスーラ村、ザンマール町、ジャズラーヤー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県7件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を39件(ハマー県31件、イドリブ県2件、アレッポ県1件、ラタキア県5件)確認した。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 14, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから319人、ヨルダンから491人の難民が帰国、避難民19人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月14日付)を公開し、5月13日に難民810人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは319人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは491人(うち女性153人、子供261人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は222,848人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者77,843人(うち女性23,203人、子ども38,762人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者145,005人(うち女性43,530人、子ども73,941人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 452,128人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民19人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性2人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは8人(うち女性2人、子供5人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,016人(うち女性9,117人、子供13,368人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,297,612人(うち女性391,676人、子供657,134人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 14, 2019をもとに作成。

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