パテル米大統領副補佐官がダマスカスを数度にわたり訪問、シリア当局が拘束しているとされる米国人解放の交渉を行う(2020年10月18日)

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月18日付)は、ドナルド・トランプ米政権でテロ対策を担当するカッシュ・パテル大統領副補佐官がシリアの首都ダマスカスを秘密裏に訪問したと伝えた。

トランプ政権内の複数の高官やシリアとの交渉に詳しい複数の消息筋によると、パテル副報道官の訪問は今年初めに行われ、シリアの当局によって拘束されているとされる米国人2人、ジャーナリストのオースティン・タイス氏(2012年失踪)、セラピストのマジド・カマルマズ氏(2017年失踪)の身柄引き渡しについて協議が行われたという。

同消息筋は、パテル副報道官が誰と会談したかは明らかにしなかった。

なお、タイス氏、カマルマズ氏を含めて少なくとも4人の米国人がシリアの当局によって拘束されていると見られる。

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一方、『ワタン』(10月19日付)は、パテル副報道官が複数回にわたってシリアを訪問しており、8月の訪問では、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長と会談したと伝えた。

AFP, October 19, 2020、ANHA, October 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 19, 2020、Reuters, October 19, 2020、SANA, October 19, 2020、SOHR, October 19, 2020、The Wall Street Journal, October 18, 2020、al-Watan, October 19, 2020などをもとに作成。

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トルコはシリア人傭兵400人を新たにアゼルバイジャンに派遣(2020年10月18日)

シリア人権監視団は、トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)9人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡する一方、約400人が新たに現地に派遣されたと発表した。

これにより、戦闘が始まった9月27日以降のシリア人傭兵の死者数は134人となり、シリアに移送された遺体数は92体となった。

なお、トルコがアゼルバイジャンに派遣したシリア人傭兵は約2,050人(うち400人以上がスルターン・ムラード師団とハムザート師団のメンバー、また約1,200人がトルコマン系)。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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ロシアの民間軍事会社によってリビアに派遣されたシリア人傭兵の死者数は45人にのぼる(2020年10月18日)

サウト・アースィマ(10月18日付)は、ロシアの民間軍事会社によってリビアに派遣されたシリア人傭兵の親族から得た情報として、リビア国民合意政府(GNA)側との戦闘での死者数が45人にのぼっていると伝えた。

死亡したのはダマスカス県、ダマスカス郊外県の出身者で、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍を支援するために派遣されたという。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、Sawt al-‘Asima, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で米軍の車列の通過に合わせて爆発が発生(2020年10月18日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるスブハ村の街道で、米軍の車列が通過しようとした際に、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍部隊がイドリブ県ザーウィヤ山地方東部のカドゥーラ村に新たに展開(2020年10月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(10月18日付)によると、兵員輸送車、戦車、装甲車などからなるトルコ軍部隊が、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ザーウィヤ山地方東部のカドゥーラ村に新たに展開した。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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監視所撤収のためにハマー県ムーリク市にトルコ軍とともに向かっていたトレーラーがシリア軍の発砲を受け、シリア人ドライバー1人死亡(2020年10月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハマー県ムーリク市近郊にあるトルコ軍の監視所(第9監視所)に向かっていた車列が、シリア政府支配下のサラーキブ市近郊のM5高速道路を走行中に、シリア軍の発砲を受けて、トレーラーを運転していたシリア人ドライバー1人が死亡した。

死亡したのは、イドリブ県アリーハー市出身のムハンマド・ナビール・マアトゥーク氏。

即死だった。

また、シリア人複数が負傷したという。


ドゥラル・シャーミーヤ(10月18日付)によると、シリア軍の発砲を受けたのは、ムーリク市の第9監視所の撤収のため、トルコ軍がドライバー付で借り上げていたトレーラーで、シリアのアル=カーイダが軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」から、トルコ軍の部隊に同行するかたちで、シリア政府支配地域に入っていた。

発砲したのは、スハイル・ニムル准将が指揮する第25師団、通称「トラ部隊」の兵士。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がハマー県ムーリク市で孤立していた第9監視所の撤退を決定、作業を開始(2020年10月18日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線を主導するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団に近いムハッラル・ネット(10月18日付)は、シリアに駐留するトルコ軍部隊に近い複数の情報筋の話として、トルコ軍がムーリク市近郊でシリア軍の包囲を受けて孤立していた第9監視所からの撤退を決定したと伝えた。

同消息筋は、トルコ軍部隊が実際に撤退に向けた作業を開始したとしたうえで、数段階を経て、数日中に撤退を完了すると述べた。

トルコ軍部隊の撤退は、現状を踏まえたうえでの再展開で、今後のロシアによる停戦違反に備えるものだという。

トルコは、シリア軍によって包囲が続けられているムーリク市の監視所を維持することがふさわしくないと判断したと付言している。

これに関して、シリア人権監視団は、ムーリク市の第9監視所に駐留するトルコ軍部隊が、設備を解体するなどして、撤収に向けた準備を開始した。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、al-Muharrar al-I’lamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県アイン・イーサー村一帯を砲撃、ヒムス県からの国内避難民(IDPs)1人射殺を(2020年10月18日)

ラッカ県では、ANHA(10月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村、フーシャーン村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、アイン・イーサー市以降のM4高速道路沿線近くで、ヒムス県からの国内避難民(IDPs)1人を狙撃し、射殺した。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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ハサカ市でシリア民主軍が若者多数を拘束(2020年10月18日)

ハサカ県では、SANA(10月18日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のヌシューワ地区(北・東シリア自治局支配下)で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住宅複数棟に押し入り、若者多数を拘束した。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で44人、北・東シリア自治局支配地域で188人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で188人(2020年10月18日)

保健省は政府支配地域で新たに44人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者34人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月18日現在の同地での感染者数は計5,077人、うち死亡したのは248人、回復したのは1,528人となった。

SANA(10月18日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに96人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、10月18日現在の同地での感染者数は計2,852人、うち死亡したのは93人、回復したのは623人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市18人、カーミシュリー市29人、マーリキーヤ(ダイリーク)市20人、マアバダ(カルキールキー)町11人、ダルバースィーヤ市6人、タッル・タムル町5人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市2人、アームーダー市2人、ラッカ県のラッカ市2人、アレッポ県のマンビジュ市1人。

ANHA(10月18日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月18日に新たに188人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、93人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計2,649人、うち回復したのは1,256人、死亡したのは20人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1415920581946162/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者188人が確認される一方、感染者1人が死亡したと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計2,649人、うち死亡したのは22人、完治したのは1,256人となった。

AFP, October 18, 2020、ACU, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年10月18日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから225日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカフル・ウワイド村、ファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のサフム・ジャウラーン村でシリア軍第4師団の少尉が何者かの発砲を受けて、死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(イドリブ県10件、ラタキア県3件、アレッポ県5件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は13件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 18, 2020、ANHA, October 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 18, 2020、Reuters, October 18, 2020、SANA, October 18, 2020、SOHR, October 18, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民398人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は614,882人に(2020年10月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月18日付)を公開し、10月17日に難民398人(うち女性120人、子供203人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民398人(うち女性120人、子供203人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は614,882人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者219,634人(うち女性66,034人、子ども111,744人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,419人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は844,162人(うち女性253,310人、子供430,235人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 18, 2020をもとに作成。

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