ムハージリーン・ワ・アンサール旅団が声明を出し、イドリブ県M4高速道路でのロシア軍襲撃をねつ造と非難(2020年10月20日)

ムハージリーン・ワ・アンサール旅団は声明を出し、8月25日にイドリブ県アウラム・ジャウズ村近郊のM4高速道路で発生したロシア・トルコ軍合同パトロール部隊への襲撃事件(ロシア軍装甲車1輌が大破、兵士2人が負傷)の実行犯とされるハッターブ・シーシャーニー大隊に関して、「解放区にそうした名前の組織は存在せず、それはロシア・メディアのウソ、ねつ造だ」と発表した。

ムハージリーン・ワ・アンサール旅団はまた、自らの政策がシャーム解放機構に準じているとしたうえで、ロシア軍部隊を狙った一連の攻撃への関与を強く否定した。

そのうえで、ロシアのメディアが、解放区で軍事作戦を再開するための口実を作り出そうとして、ウソの情報を拡散していると断じた。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県でイスラエル軍の砲撃により大きな爆発(2020年10月20日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある県北部のフッリーヤ村をイスラエル軍が砲撃し、大きな爆発が発生した。

この砲撃で、フッリーヤ村にある学校が標的となり、ヒズブッラーのメンバー3人(うちシリア人1人、2人の国籍は不明)が死亡した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県を所属不明の戦闘機が爆撃し、ファーティミーユーン旅団の戦闘員少なくとも7人死亡(2020年10月19日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月19日付)によると、18日深夜から19日未明にかけて、シリア政府の支配下にあるブーカマール市近郊にあるファーティミーユーン旅団の拠点複数カ所が、所属不明の戦闘機の爆撃を受けて、戦闘員少なくとも7人が死亡した。

AFP, October 19, 2020、ANHA, October 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 19, 2020、Reuters, October 19, 2020、SANA, October 19, 2020、SOHR, October 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム自由人イスラーム運動軍事部門の司令官22人が現総司令官の指導体制を拒否、2019年に組織を離れた元総司令官の復職を求める(2020年10月20日)

シャーム自由人イスラーム運動軍事部門の司令官22人が連名で声明を出し、2019年5月に組織を離れていたハサン・スーファーン元総司令官に組織に復帰し、軍事部門の再建を指導するよう要請した。

シャーム自由人イスラーム運動はアル=カーイダの系譜を汲む組織で、自由シリア軍を自認、現在はトルコが庇護する国民解放戦線(シリア国民軍)を主導している。

声明のなかで司令官らは「我々はハサン・スーファーン師に、この困難な段階において組織を指導し、組織を統一し、その再建を行い、すべてのメンバーの活動への参加を保証するよう求める」と表明している。

声明は、ジャービル・アリー・バーシャー総司令官とアブー・イッズ・アリーハー副司令官と、アブー・ムンズィル大尉ら軍事部門の司令官との対立を受けたもの。

後者は最近になってラタキア県北東部で反乱を起こしたが、今回の声明はジャービル・アリー・バーシャー総司令官とアブー・イッズ・アリーハー副司令官の指導体制に異議を唱えるもの。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がハマー県ムーリク市近郊の第9監視所から撤退(2020年10月20日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地域内で孤立していたムーリク市近郊の第9監視所からの撤収作業を継続、民間トレーラー数十輌が装備や物資を積んで同地を退去した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)などによると、撤退したトルコ軍部隊は、シリア政府の支配地域と「決戦」作戦司令室の支配地が接するイドリブ県ザーウィヤ山地方に再展開すると見られる。

https://www.youtube.com/watch?v=JWrWGQxn5w0

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた撤収作業と並行して、兵站物資を積んだ車輌約15輌をイドリブ県カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)によると、トルコ軍はアレッポ市とラタキア市を結ぶイドリブ県内のM4高速道路で単独パトロールを実施した。

ロシア軍が行動パトロールの実施を拒否したため、トルコ軍のみによる巡回が行われたものと見られる。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県での爆発でパレスチナ人民兵からなるクドス旅団の戦闘員2人死亡(2020年10月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、パレスチナ人民兵からなるクドス旅団の車輌が、ティブニー町の路上に仕掛けられていた爆弾の爆発に巻き込まれ、民兵2人が死亡した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スウェーデン外務省使節団が北・東シリア自治局ジャズィーラ地方執行評議会本舎を訪問、人道・政治面での支援を約束(2020年10月20日)

ハサカ県では、ANHA(10月20日付)によると、北・東シリア自治局支配地を訪問中のスウェーデン外務省使節団が、アームーダー市にある北・東シリア自治局ジャズィーラ地方執行評議会本舎で会談した。

スウェーデン外務省のビル・オルニウス特使を団長とする使節団は会談で、人道面、政治面での支援を約束した。

ANHA(10月20日付)が伝えた。

**

一方、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の傘下にあるダイル・ザウル民政評議会のスポーツ連合代表が離反し、トルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市に家族とともに逃亡した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍ドローンがハサカ県北東部を爆撃、シリア民主軍自衛部隊の隊員2人が死亡(2020年10月20日)

ハサカ県では、ANHA(10月20日付)によると、トルコ軍の偵察用の無人航空機(ドローン)が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のマズリー村、ダイルカー・バラーフィー村を爆撃した。

シリア人権監視団によると、爆撃は車を狙ったもので、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属する「自衛部隊」の隊員2人が死亡した。

**

アレッポ県では、ANHA(10月20日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民5人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市とジンディールス町を結ぶ街道で、トルコ軍装甲車が子供2人が乗っていたオートバイと衝突、乗っていた子供1人が死亡、1人が負傷した。

一方、トルコの占領下にあるバーブ市近郊のシャイフ・ナースィル村(クルト・ワイラーン村)に展開するトルコ軍部隊は、カーウカリー村にあるシリア民主軍バーブ軍事評議会の拠点複数カ所を砲撃した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍がハサカ市内のほとんどの学校を接収・閉鎖していることを受け、政府は市内の16カ所に仮設の学校を設置するための仮認可を出す(2020年10月20日)

ハサカ県では、SANA(10月20日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内の北・東シリア自治局支配地域内のほぼすべての学校が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって接収され、閉鎖処分を受けていることを受けて、ハサカ県教育局は、市内の16カ所に仮設の学校を設置するための仮認可を出した。

これによって、9,500人の生徒が1年間修学する場所が確保されるという。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で46人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で325人(2020年10月20日)

保健省は政府支配地域で新たに46人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者31人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月20日現在の同地での感染者数は計5,180人、うち死亡したのは254人、回復したのは1,596人となった。

SANA(10月20日付)が伝えた。

**

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月20日に新たに325人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、71人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡6人、イドリブ郡180人、ハーリム郡30人、アリーハー郡24人、アレッポ県スィムアーン山郡4人、ジャラーブルス郡15人、バーブ郡26人、アフリーン郡23人、アアザーズ郡17人。

これにより、同地での感染者数は計3,190人、うち回復したのは1,371人、死亡したのは21人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1417856475085906/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1418783931659827/

AFP, October 20, 2020、ACU, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方のマガーラ村を2度にわたって爆撃(2020年10月20日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから227日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のマガーラ村を2度にわたって爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、スフーフン村、ファッティーラ浦、カンスフラ村などを砲撃し、フライフィル村で戦闘員1人が死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のタッル・ワースィト村、ズィヤーラ町、カルクール村を砲撃し、カルクール村で女性1人が負傷した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県21件、ラタキア県10件、アレッポ県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民343人と国内避難民(IDPs)2人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は615,694人、2019年以降帰還したIDPsは66,432人に(2020年10月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月20日付)を公開し、10月19日に難民343人(うち女性103人、子供175人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民343人(うち女性103人、子供175人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は615,694人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者220,446人(うち女性66,277人、子ども112,158人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,350人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は844,974人(うち女性253,553人、子供430,649人)となった。

**

一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は2人(うち女性1人、子供1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,434人(うち女性23,155人、子供27,346人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,030人(うち女性405,714人、子供671,112人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.