ワタン・オンラインはアフマー・アフラス夫人のビジネス界へのクーデタ実現のために大統領府に財務局が設置されたとの一部情報を否定(2020年10月31日)

ワタン・オンライン(10月31日付)は、大統領府に財務委員会が設置され、多くのビジネスマンに対する経済的な措置(制裁)を講じているとの一部情報に関して、複数の情報筋が「そもそもそのような委員会は存在せず、情報はウソに過ぎない」と否定したと速報で伝えた。

これに関して、反体制系のドゥラル・シャーミーヤ(11月3日付)は、排除が、ラーミー・マフルーフ氏と対立するアスマー・アフラス大統領夫人によってとられた措置だと伝えた。

同サイトによると、最近では、ワスィーム・アンワル・カッターン氏のダマスカス商業会議所代表が退任し、ムハンマド・アブー・フダー・ラッハーム氏が新代表に就任したが、その際、人民議会選挙への立候補を投票日直前に事態したムハンマド・ハムシュー前人民議会議員、ムハンマド・ガッサーン・カラーア氏らが代表選挙に出馬しておらず、政権に近いビジネスマンの排除が顕著になっているという。

また、司法当局は、シャーム・ホールディング社の創設に寄与し、マフルーフ氏に近かったハーニー・アズーズ氏の資産が凍結されたほか、アレッポ商業会議所のファーディル・カーティルジー代表が退任し、ムハンマド・アーミル・ハマウィー氏に交代しているという。

これらの交代は、アスマー・アフラス大統領夫人がビジネス界で行っている「クーデタ」なのだという。

AFP, November 3, 2020、ANHA, November 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 3, 2020、Reuters, November 3, 2020、SANA, November 3, 2020、SOHR, November 3, 2020、Watan Online, October 31, 2020などをもとに作成。

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トルコはアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の内部抗争の仲裁に乗り出すも、現指導部は事実上拒否(2020年10月31日)

『クドス・アラビー』(10月31日付)は、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の内部抗争の激化を受けて、トルコがシリア問題担当者を通じて介入、5項目からなる提案を行ったと伝えた。

5項目とは、①ジャービル・アリー・バーシャー総司令官に代わる新たな総司令官の任命、②シューラー評議会の解散、③双方の当事者3人ずつ計6人からなる新指導部の発足、④アブー・スハイブ大尉の軍事部門司令官への任命、⑤イナード・ダルウィーシュ大尉の軍事評議会への残留。

トルコ側はシャーム自由人イスラーム運動の現指導部に対して48時間以内に提案への態度を明らかにするよう通告しているという。

だが、指導部は、アブー・スハイブ大尉の軍事部門司令官への任命、ハサン・スーファーン前総司令官の新指導部入りを拒否しているという。

AFP, November 1, 2020、ANHA, November 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2020、al-Quds al-‘Arabi, October 31, 2020、Reuters, November 1, 2020、SANA, November 1, 2020、SOHR, November 1, 2020などをもとに作成。

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トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵14人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡(2020年10月31日)

シリア人権監視団は、トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)14人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡したと発表した。

これにより、戦闘が始まった9月27日以降のシリア人傭兵の死者数は231人となり、シリアに移送された遺体数は183体となった。

なお、トルコがアゼルバイジャンに派遣したシリア人傭兵は約2,350人で、うち320人がすべてを放棄して帰国したという。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020などをもとに作成。

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トルコによってリビアに派遣されていたシリア人傭兵7人が欧州への密入国を試みたが、乗っていたボートが沈没して死亡(2020年10月31日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加していたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)7人が欧州への密入国を試みたが、地中海沖で乗っていたボートが沈没し死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)によると、溺死したのは7人ではなく、4人で、イドリブ県ジャルジャナーズ町出身。

トルコがリビアに派遣した国民軍戦闘員の数は18,000人(うち子供350人)、契約が終了し、帰国した戦闘員の数は9,850人。

また、リビアに派遣されたジハード主義者の数は10,000人(うちチュニジア人は2,500人)だという。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、November 1, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍と米軍がハサカ県マーリキーヤ市一帯でそれぞれパトロールを実施(2020年10月31日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍憲兵隊の装甲車4輌が、ヘリコプター2機を伴い、マーリキーヤ(ダイリーク)市一帯でパトロールを実施した。

パトロール部隊は、下サルマサーフ村、上サルマサーフ村、マアバダ(カルキールキー)町などを巡回した。

これに対して、米軍の装甲車複数輌も、ヘリコプター2機を伴い、マーリキーヤ市一帯でパトロールを実施した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月31日付)によると、米軍ヘリコプター1機がシャッダーディー市近郊で技術的トラブルにより墜落した。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県アフリーン市近郊での爆発で1人死亡(2020年10月31日)

アレッポ県では、SANA(10月31日付)やANHA(10月31日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のバースータ村でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡した。

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ラッカ県では、SANA(10月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市の近郊に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のディブス村を砲撃した。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県とダイル・ザウル県でシリア民主軍が襲撃を受け、兵士4人死亡(2020年10月31日)

ハサカ県では、SANA(10月31日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士1人が死亡した。

また、マルカダ町でも、シリア民主軍の兵士1人が何者かに撃たれて死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍のメンバー7人が離反し、トルコ占領下のラアス・アイン市一帯地域からシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町に逃走した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月31日付)によると、北・東シリア自治局の共同の支配下にあるスーサ町でシリア民主軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士2人が死亡した。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で45人、北・東シリア自治局支配地域で254人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で278人(2020年10月31日)

保健省は政府支配地域で新たに45人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者39人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月31日現在の同地での感染者数は計5,728人、うち死亡したのは288人、回復したのは1,976人となった。

SANA(10月31日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに254人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者6人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月31日現在の同地での感染者数は計4,604人、うち死亡したのは125人、回復したのは707人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市27人、カーミシュリー市12人、マーリキーヤ(ダイリーク)市28人、ルマイラーン町1人、マアバダ(カルキールキー)町6人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市2人、アームーダー市3人、ダルバースィーヤ市1人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市56人、マンビジュ市32人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)1人、ラッカ県のラッカ市42人、タブカ市37人、ダイル・ザウル県6人。

ANHA(10月31日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月31日に新たに278人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、175人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡164人、ハーリム郡33人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡6人、ジャラーブルス郡17人、バーブ郡12人、アフリーン郡23人、アアザーズ郡19人。

これにより、同地での感染者数は計5,660人、うち回復したのは2,450人、死亡したのは42人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1430272320510988/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1429495993921954/

AFP, October 31, 2020、ACU, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍が自爆式ドローンで「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県のオリーブ搾油工場2カ所の攻撃し、3人を殺害(2020年10月31日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから240日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍所属と思われる無人航空機(ドローン)が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるタッルトゥーナ村(マアッラト・ヌウマーン市近郊)にあるオリーブ搾油工場を攻撃し、従業員1人が死亡した。

同じくロシア軍所属と思われるドローンが、アリーハー市近郊のナフラヤー村にあるオリーブ搾油工場を攻撃し、中にいた男性2人と女性1人が負傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)や反体制系のシリア・テレビ(10月31日付)によると、ドローンはずれも自爆式で、工場に突入して爆発した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村と周辺の森林地帯、ルハイワ村、ダイル・サンバル村一帯、カンスフラ村、カフル・ウワイド村を砲撃し、ダイル・サンバル村一帯では国民解放戦線に所属するシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員3人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市、ダーナー村、ジャッラーダ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるムザイリーブ町で男性1人が何者かによって殺害された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県22件、ラタキア県4件、アレッポ県5件、ハマー県7件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を12件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、November 1, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020、Syria TV, October 31, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民474人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は621,297人に(2020年10月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月31日付)を公開し、10月30日に難民474人(うち女性142人、子供242人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民474人(うち女性142人、子供242人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は621,297人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者226,049人(うち女性67,958人、子ども115,017人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は850,577人(うち女性255,234人、子供433,508人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2020をもとに作成。

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