ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米国はPKKをシリアから取り除いてトルコと連携したい…。シリアでの大統領選挙で誰が勝とうと米軍はシリアから撤退しない」(2020年11月4日)

シリア・ダイレクト(11月4日付)は10月30日にウィル・クリストウ記者が米国のジェームズ・ジェフリー国務省シリア問題担当特使に対して行ったインタビューを公開した。

インタビューのなかで、フェフリー特使は「我が国はクルディスタン労働者党(PKK)をテロ組織とみなしている。この組織はシリアから去らねばならない」と述べた。

ジェフリー特使はまた、「PKKがシリアから出て行くのを見たい。PKKがシリア北東部におけるトルコとの対立の主因だ。米国はこの障害を取り除いて、他の地域と同様にこの地域でもトルコと連携したいと考えている」と付言した。

一方、2021年のシリア大統領選挙については、「選挙で誰が勝利しようと、シリアに駐留する米軍部隊の駐留地、アサド体制への制裁、シリアからイランを放逐しようとする米政府の意志に変化は生じないだろう」と述べた。

AFP, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020、Syria Direct, November 4, 2020などをもとに作成。

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米国はロシアが開催を計画している「難民帰還に関する国際会議」の阻止に向けて、アラブ諸国、西欧諸国、国連関連機関にボイコットを求める(2020年11月4日)

『シャルク・アウサト』(11月4日付)は、ロシアが11月11日と12日の2日にわたって開催を計画している「難民帰還に関する国際会議」を米国が阻止しようとしていると伝えた。

同紙によると、ロシアがこの大会を通じて、シリアでの紛争解決に向けた政治プロセスから難民問題を切り離し、シリア政府に対する包囲網を解除するのを阻止するのが目的で、米国は、アラブ諸国、西欧諸国、国連関連機関に対して大会参加をボイコットするよう働きかけているという。

AFP, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、al-Sharq al-Awsat, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県では、ロシアの要請を受け、治安当局が住民60人以上を釈放(2020年11月4日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安当局が拘束中の住民60人以上を釈放した。

ロシアの要請に応えた措置だという。

釈放された住民は数ヶ月から長くて数年にわたり拘留されていたという。

AFP, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアリーハー市、カファルヤー町、イドリブ市、そしてトルコ軍監視所を砲撃、子供4人を含む5人死亡、20人あまりが負傷、シリア軍側も兵士3人死亡(2020年11月4日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから244日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアリーハー市、カファルヤー町、イドリブ市に対して砲撃を行った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

打ち込まれた砲弾は45発以上におよび、この攻撃で、アリーハー市で子供1人を含む4人が、カファルヤー町で国内避難民(IDPs)の子供2人が、イドリブ市で子供1人が死亡、20人余りが負傷した。

このうち、アリーハー市への攻撃は、トルコ軍の車列が同地を通過するのに合わせて行われた。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のサルジャ村にある「トルコ軍監視所」に対してもミサイルで攻撃を加えたほか、バイニーン村・マンタフ村間の地域に対しても砲撃を行った。

だが、この監視所が、これまでにシリア人権監視団によって確認されている以下75カ所の監視所・拠点にあたるのかは不明。

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

一方、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるマアッルシューリーン村一帯を砲撃し、シリア軍兵士1人が死亡した。

また、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(11月4日付)によると、シリア軍による激しい攻撃を受けて、シャーム解放機構の機甲ミサイル中隊がシリア政府の支配下にあるサラーキブ市一帯を砲撃し、兵士26人を殺害したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にある第46中隊基地一帯を砲撃し、シリア軍兵士2人が死亡した。

AFP, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がラッカ県アイン・イーサー市に新たな監視所を設置、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のM4高速道路沿線を砲撃(2020年11月4日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線に新たな監視所を設置した。

これにより、同地にトルコ軍が設置した監視所は5カ所(カフィーフ村、アイン・ルンマーナ村、ティーナ村、アイン・イーサー市とサクル休憩所間、アイン・イーサー市近郊)となった。

トルコ軍はまた国民軍とともに、タッル・アブヤド市近郊にあるシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のカズアリー村、スライビー村を砲撃した。

一方、タッル・アブヤド市では、国民軍に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動とシャーム戦線が激しく交戦した。

交戦は、シャーム戦線の車輌が、シャーム自由人イスラーム運動の検問所で制止しなかったために発生したもの。

これにより、双方に負傷者が出た。

このほか、ANHA(11月4日付)によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市近郊のM4高速道路沿線に位置するザイディー村近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

シリア人権監視団によると、この爆発で、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員複数人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフリーン市一帯を占領するトルコ軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のスーガーニカ村、バースィラ村、アキーバ村を砲撃した。

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ハサカ県では、SANA(11月4日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市のサーリヒーヤ地区にある警察官舎に住む32世帯に対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が退去を強要した。

AFP, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領とアスマー・アフラス夫人が11月2日から開催されている「製作者2020」展覧会を見学(2020年11月4日)

アサド大統領とアスマー・アフラス夫人が、ダマスカス県のタキーヤ・スライマーニーヤ・モスクで11月2日から開催されている「製作者2020」展覧会を見学した。

SANA(11月4日付)が伝えた。

https://youtu.be/sAPmDteJqhs

AFP, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者は北・東シリア自治局支配地域で133人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で441人(2020年11月4日)

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに133人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者12人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、11月4日現在の同地での感染者数は計4,978人、うち死亡したのは132人、回復したのは756人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市28人、カーミシュリー市10人、マーリキーヤ(ダイリーク)市32人、アームーダー市7人、マアバダ(カルキールキー)町7人、ダルバースィーヤ市6人、ルマイラーン町4人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村3人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市1人、タッル・タムル町2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市14人、マンビジュ市3人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、ラッカ県のラッカ市1人、タブカ市13人。

ANHA(11月4日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で11月4日に新たに441人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、109人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡3人、イドリブ郡120人、ハーリム郡97人、アリーハー郡26人、アレッポ県スィムアーン山郡12人、ジャラーブルス郡21人、バーブ郡22人、アフリーン郡115人、アアザーズ郡25人。

これにより、同地での感染者数は計7,500人、うち回復したのは2,837人、死亡したのは42人となった。

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AFP, November 4, 2020、ACU, November 4, 2020、ANHA, November 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2020、Reuters, November 4, 2020、SANA, November 4, 2020、SOHR, November 4, 2020などをもとに作成。

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