米国務省はシリア政府が、ロシアの後ろ盾を得て、数百万という脆弱な難民を「政治的な人質」として利用し、紛争が終わったという偽りの主張をしようとしている、と非難(2020年11月13日)

米国務省は声明を出し、11月11日から12日にかけて首都ダマスカスでシリア政府とロシアが共同開催した「難民帰還に関する国際大会」に関して、「難民の自発的且つ安全なシリアへの帰還に必要な条件を作り出すための信頼にたる試みではなかった」と批判した。

声明はまた「アサド体制は、ロシアの後ろ盾を得て、数百万という脆弱な難民を「政治的な人質」として利用し、シリアの紛争が終わったという偽りの主張を行おうとしている。アサド体制には自国民50万人以上を死に至らしめ、多くの病院を爆撃し、数百万というシリアの市民への人道支援を拒否していることの責任がある」と追求した。

AFP, November 14, 2020、ANHA, November 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 14, 2020、Reuters, November 14, 2020、SANA, November 14, 2020、SOHR, November 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

所属不明の戦闘機複数機がラッカ県マアダーン町近郊に飛来し、「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃(2020年11月13日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、前日に引き続いて、所属不明の戦闘機複数機が、マアダーン町近郊の砂漠地帯上空に飛来し、「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃した。

シリア人権監視団が14日に発表したところによると、この爆撃で「イランの民兵」6人が死亡したという。

AFP, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020、November 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使がトルコのオナル外務大臣補と会談、イドリブ県情勢などについて協議(2020年11月13日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使はトルコを訪問し、首都アンカラでセダト・オナル外務大臣補と会談、イドリブ県情勢や制憲委員会の進捗などについて意見を交わした。

RIAノーヴォスチ通信(11月13日付)が伝えた。

AFP, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、 RIA Novosti, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

G77プラス中国はイスラエルにゴラン高原からの即時完全撤退を求める声明を採択(2020年11月13日)

中国をはじめとするアジア、アフリカ、ラテンアメリカの開発途上国約130カ国からなる77カ国グループ(G77プラス中国)は、第44回年次大会(外相会議)で、イスラエルに対してゴラン高原からの即時完全撤退を求める声明を採択した。

SANA(11月13日付)が伝えた。

AFP, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県タッル・タムル町北でトルコ軍が敷設しようとしていた地雷が爆発、兵士2人が死亡(2020年11月13日)

ハサカ県では、SANA(11月13日付)やANHA(11月13日によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町北で、トルコ軍が敷設しようとしていた地雷が爆発、兵士2人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の特殊部隊がトルコ占領下のラアス・アイン市近郊のタッル・シャイール村一帯に潜入し、国民軍の拠点を襲撃、戦闘員7人を殺害、5人を負傷させた。

**

ラッカ県では、ANHA(11月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のアニーク・ハワー村を砲撃した。

**

アレッポ県では、ANHA(11月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のシャイフ・ハディード(シーヤ)村で正体不明の武装集団が国民軍に所属するスライマーン・シャー師団の拠点を襲撃し、双方に複数の死傷者が出た。

AFP, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県カーミシュリー市郊外で米国とトルコによる占領、シリア民主軍による学校接収・封鎖、米国と西欧諸国の経済制裁に抗議するデモ(2020年11月13日)

ハサカ県では、SANA(11月13日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市南部近郊に位置する大ダムヒーヤ村で住民や生徒らがデモを行い、米国とトルコによる占領、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による学校接収・封鎖、米国と西欧諸国の経済制裁に抗議した。

AFP, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で66人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で525人(2020年11月13日)

保健省は政府支配地域で新たに66人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者51人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、11月13日現在の同地での感染者数は計6,552人、うち死亡したのは337人、回復したのは2,609人となった。

SANA(11月13日付)が伝えた。

**

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で11月13日に新たに525人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、147人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡20人、イドリブ郡101人、ハーリム郡183人、アリーハー郡25人、アレッポ県スィムアーン山郡54人、ジャラーブルス郡11人、バーブ郡13人、アフリーン郡58人、アアザーズ郡60人。

これにより、同地での感染者数は計11,158人、うち回復したのは3,994人、死亡したのは90人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1441621682709385/

AFP, November 13, 2020、ACU, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がイドリブ市近郊のシャーム解放機構の軍事教練キャンプなどを爆撃(2020年11月13日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから253日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県フマイミーム航空基地から、イドリブ市西の森林地帯にあるシャーム解放機構の教練キャンプに向けて地対地ミサイルが発射され、イドリブ中央刑務所近くに着弾した。

また、その数分後、ロシア軍戦闘機4機が、同キャンプ一帯を爆撃した。

被害状況は不明だが、シャーム解放機構は現場に救急チームが入るのを阻止したという。

ロシア軍戦闘機はまた、これに先だって「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、イフスィム町を爆撃した。

シリア軍も、ザーウィヤ山地方のサルジャ村、バイニーン村、ダイル・サンバル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県18件、ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 13, 2020、ANHA, November 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 13, 2020、Reuters, November 13, 2020、SANA, November 13, 2020、SOHR, November 13, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民181人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は626,321人に(2020年11月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月13日付)を公開し、11月12日に難民181人(うち女性55人、子供93人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民181人(うち女性55人、子供93人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は626,321人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者231,073人(うち女性69,497人、子ども117,580人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,830人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は855,601人(うち女性256,743人、子供436,071人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 13, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.