トルコで活動するシリア・ムスリム同胞団は声明でアル=カーイダ、ダーイシュ、イランに「免罪」を言い渡す(2020年11月10日)

トルコで活動するシリア・ムスリム同胞団は「無罪」と題した声明を出し、アル=カーイダ、ダーイシュ(イスラーム)、イラン、そしてこれらとつながりのあるグループや運動を免罪としたと発表した。

声明の骨子は以下の通り:

我々シリア・ムスリム同胞団は、イスラーム世界に地理的に拡がるタクフィール思想に対して免罪を言い渡したい…。

我々は、アル=カーイダ、イスラーム国(ダーイシュ)、これらに付随するあらゆる呼称の組織…を免罪とする。

我々はまた同じく、サファヴィー朝的計略、ウィラーヤテ・ファキーフ理論、テヘランにおけるムッラーたちの国(我々の国を占領し、腐敗、犯罪、破壊をもたらしている国)、そしてこうした計略や国家に忠誠の手を差し伸べているすべての組織と運動に対しても免罪を言い渡したい。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシャイフ・アキール山(アレッポ県)の第4監視所から新たに撤退を開始、イドリブ県のマアッル・ハッタート村の拠点からの撤退完了(2020年11月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府の支配下にあるシャイフ・アキール山に設置されていた第4監視所から新たに撤退を開始し、大型トレーラー140輌あまりが、セメントのブロックなどを積んで、アターリブ市方面に向かった。

また、イドリブ県のマアッル・ハッタート村の拠点からの撤収作業も完了し、同地に駐留していた部隊はタフタナーズ航空基地の拠点に移動した。

なお、これに先立って、トルコ軍はハマー県ムーリク市の第9監視所からの撤退を完了している。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は72カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所、撤退中)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所、撤退完了)、シール・マガール村(第10監視所、撤退中)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村(撤退完了)、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がダルアー県東カラク村を包囲、ダルアー市などでは包囲解除を求めるデモ(2020年11月10日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、9日に東カラク村にある空軍情報部の検問所が襲撃を受け、兵士3人を殺害されたのを受けて、シリア軍が増援部隊を派遣し、同地を包囲した。

これに対して、シリア政府の支配下にあるダルアー市ダルアー・バラド地区、ナーフタ町、マターイヤ村で、シリア軍による東カラク村の包囲に抗議するデモが発生し、数十人が参加した。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプ(ハサカ県)で、シリア民主軍の協力者のイラク人が何者かによって殺害(2020年11月10日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプで、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に協力していたイラク人難民1人が何者かによって殺害された。

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ラッカ県では、ANHA(11月10日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のシャイフ・イーサー村、アイン・ダクナ村を砲撃した。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍報道官は北部領空を侵犯したレバノンのヒズブッラーのドローンを撃墜したと発表(2020年11月10日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、イスラエル北部の領空を侵犯したレバノンのヒズブッラーの無人航空機(ドローン)1機を撃墜したと発表した。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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カナダは11日に開幕する「難民帰還に関する国際会議」を「帰還の条件が整っていない」として不参加表明(2020年11月10日)

カナダ政府が運営するツイッターのアカウント「カナダとシリア」(Canada and Syria、https://twitter.com/canadasyria)は、11月11日にシリアの首都ダマスカスで開幕予定の「難民帰還に関する国際会議」に関して、英語とアラビア語で「シリアへの帰還の条件が整っていない」として不参加を表明した。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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EUおよび加盟国は11日に開幕する「難民帰還に関する国際会議」を「時期尚早」として不参加表明(2020年11月10日)

欧州理事会は声明を出し、11月11日にシリアの首都ダマスカスで開幕予定の「難民帰還に関する国際会議」に関して、加盟国と欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表が招待状を受け取ったが、会議に参加しないと発表した。

不参加の理由に関して、声明は、「現下の最優先事項は、難民と国内避難民(IDPs)の安全で、自発的で、尊厳のある、持続的な帰還に向けた条件創出に向けた実際の行動で、それは国際法と2018年2月に国連が出した「シリアへの難民帰還に向けた保護基準および規定」に沿って、シリア全土に完全且つ無制限にアクセスできる国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とともに行われるものだと見ており、会議は時期尚早である」としている。

声明はまた「帰還の決定は常に個人として行われねばならないが、現下のシリアの状況は、大規模な自発的機関を促すには至っていない…。限定的に行われている帰還についても、強制徴収、無差別拘禁、強制失踪、拷問、身体的および性的暴力、住宅、土地および財産の利用における差別、さらには貧弱、基本的サービスの不在など、IDPsと難民が多くの障害や脅威に直面している」と指摘している。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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SANAは11日に「難民帰還に関する国際会議」が開催されると発表、トルコを除くすべての国が招待(2020年11月10日)

SANA(11月10日付)は、首都ダマスカスのコンベンション・センターで、11月11日と12日の2日の予定で、「難民帰還に関する国際会議」が開催されると伝えた。

会議は、シリアの現状、難民の帰還状況、帰還に向けた障害、帰還に向けた環境情勢、人道支援、インフラ復旧、科学教育機関との連携、エネルギー部門のインフラ復興などについて、複数の部会に別れて協議する予定。

アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官が9日に明らかにしたところによると、会議にはトルコを除くすべての国に招待状が送られている。

トルコを排除したのは、「シリアのテロ組織の筆頭支援者であるエルドアンの体制によるいかなる前向きなことが期待できない」のが理由。

ロシア、中国、イラン、レバノン、UAE、パキスタン、オマーンなどが参加するほか、国連もオブザーバー参加する。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領はイランのハージー外務大臣補と会談(2020年11月10日)

アサド大統領は、シリアを訪問したイランのアリー・アスガル・ハージー外務大臣補を団長とする使節団と首都ダマスカスで会談した。

SANA(11月10日付)によると、会談では、11日に開幕予定の「難民帰還に関する国際会議」などについて意見が交わされた。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で68人、北・東シリア自治局支配地域で65人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で354人(2020年11月10日)

保健省は政府支配地域で新たに68人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者49人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、11月10日現在の同地での感染者数は計6,352人、うち死亡したのは325人、回復したのは2,454人となった。

SANA(11月10日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに65人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者16人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、11月10日現在の同地での感染者数は計5,710人、うち死亡したのは147人、回復したのは830人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市13人、カーミシュリー市26人、マーリキーヤ(ダイリーク)市13人、アームーダー市1人、ダルバースィーヤ市3人、マアバダ(カルキールキー)町3人、タッル・タムル町1人、アレッポ県のマンビジュ市1人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)4人。

ANHA(11月10日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で11月10日に新たに354人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、11人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡68人、ハーリム郡46人、アリーハー郡11人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡11人、バーブ郡33人、アフリーン郡96人、アアザーズ郡61人。

これにより、同地での感染者数は計9,685人、うち回復したのは3,461人、死亡したのは77人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1438723422999211/

AFP, November 10, 2020、ACU, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方を5度にわたって爆撃(2020年11月10日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから250日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村一帯、シャンナーン村一帯を5度にわたり爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村などを砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県18件、ラタキア県9件、アレッポ県3件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を14件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 10, 2020、ANHA, November 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 10, 2020、Reuters, November 10, 2020、SANA, November 10, 2020、SOHR, November 10, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民160人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は625,852人に(2020年11月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月10日付)を公開し、11月9日に難民160人(うち女性48人、子供82人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民160人(うち女性48人、子供82人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は625,852人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者230,604人(うち女性69,326人、子ども117,340人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は855,132人(うち女性256,602人、子供435,831人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 10, 2020をもとに作成。

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