シリア民主軍幹部は、サウジアラビア政府によって駐在代表が国外追放されたとの報道を否定(2020年12月4日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のリヤード・ダッラール共同議長は、サウジアラビア政府が、トルコとの接近を画策するなかで、シリア民主軍の駐在代表を国外追放したとの一部報道が流れていることに関して、「在アラビア湾諸国代表であるシファーン・ハーブーリーは、サウジアラビアではなく、アラブ首長国連邦(UAE)に駐在しており、UAEからの退去を要請されていない」と否定した。

アラビー・ジャディード(12月4日付)が伝えた。

AFP, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-‘Arabi al-Jadid, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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シリア政府支配下のダイル・ザウル県マヤーディーン市でイランの排斥を訴える落書きが見つかる(2020年12月4日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市のアーイシャ学校、ムハッダサ学校の壁に、「シリアは自由だ、自由だ、イランは出て行け、イランの占領は倒れる。イランの犬どもに屈辱と恥辱を」と書かれた落書きが発見された。

AFP, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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ベルギーの使節団がハサカ県に不法入国し、北・東シリア自治局やシリア民主軍幹部と会談(2020年12月4日)

ベルギー連邦議員と市民社会組織の代表からなる使節団が、イラクのクルディスタン地域からティグリス川河畔に設置されているスィーマルカー国教通行所を経由して、シリアに不法入国、ハサカ県カーミシュリー市にある北・東シリア自治局渉外関係局の庁舎を訪問した。

ベルギー連邦議会のジョルジュ・ダールマーニー議員、クイン・メスト議員、国際テロ犠牲者連盟のフィリップ・ヴァンステトキステ、チャイルド・フォーカスのハイディ・ドゥ=パオロ会長ら。

ベルギーの使節団訪問は2月23日に続いて2度目。

北・東シリア自治局渉外関係局(外務省に掃討)のアブドゥルカリーム・ウマル共同議長、ファナル・カイート共同副局長、マズキーン・アフマド在欧代表が対応した。

会談後の記者会見で、ベルギー使節団は、トルコの脅威、拘束中のダーイシュ(イスラーム国)メンバーおよび家族の処遇、「テロとの戦い」などについて協議し、すべての脅威に対峙するために支援を継続することが確認したことを明らかにした。

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ベルギー使節団はまた、カーミシュリー市にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍本部を訪問し、シリア民主評議会のイルハーム・アフマド執行委員会共同議長、ヒクマト・ハビーブ副議長、ジハード・ウマル総務関係局共同議長と会談した。

会談では、制憲委員会(憲法制定委員会)などへの対応について意見が交わされ、アフマド執行委員会共同議長は、「我々北・東シリア自治局はジュネーブに向かっている。なぜなら、我々は部外者ではなく、シリア人とともに解決策を探しているからだ。我々は自治局がシリア全土を縮小したモデルになれるよう取り組んでいる」と述べた。

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ANHA(12月4日付)が伝えた。

AFP, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍は、兵士1人が殺害されたことへの報復として、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県、アレッポ県などへの砲撃を激化(2020年12月4日)

トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍は、12月3日に占領下の「オリーブの枝」地域(アレッポ県北西部)に潜入した人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘で兵士1人が死亡したことへの報復として、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県、アレッポ県などへの砲撃を激化させた。

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ラッカ県では、ANHA(12月4日付)によると、トルコ軍と国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市一帯を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、トルコ占領下のタッル・アブヤド市郊外に位置するシリア政府と北・東シリア自治局支配下のクール・ハサン村、アリーダ村、ヒルバト・バカル村、ウンム・フワイシュ村、フライアーン村、ハイマル村、カズアリー村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(12月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のクナイティラ村、マイヤーサ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のジンディールス町で、内務治安部隊(いわゆる「自由警察」)の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

他方、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市では、シリア民主軍の諜報機関のメンバー1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

このほか、トルコの占領下にある県北部のハワール・キリス村で国民軍に所属するハムザ師団が殉教者アブー・シャイフと名づけた兵舎を開設した。

AFP, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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制憲委員会(憲法制定委員会)第4ラウンドの小委員会会合が閉幕、次回ラウンドは2021年1月25日(2020年12月4日)

スイスのジュネーブにある国連本部で11月30日に開幕していた制憲委員会(憲法制定委員会)第4ラウンドの小委員会会合が日程を終えて閉幕した。

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は記者会見を開き、小委員会が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を鑑みつつ、2021年1月25日から第5ラウンドを開催することで合意したことを明らかにした。

ペデルセン特別代表はまた、第4ラウンドでのシリア政府代表、反体制派代表、市民社会代表の協議に関して、「幾つかの共通基盤が見られた…。我々が次回会合で集まる際、これに基づいて築いていけることを願っている…。会合は有益だった。我々は前身するための足がかりとなる点を探していると言える」と述べた。

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一方、小委員会共同議長でシリア政府代表の団長を務めるアフマド・クズバリー人民議会議員は、記者会見で、全国民的原則、難民帰還、人道問題など多くの議題を取り扱うことができたと述べるとともに、シリアの領土を分割しようと画策する動きを拒否すると強調した。

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SANA(12月4日付)が伝えた。

AFP, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で86人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で218人(2020年12月4日)

保健省は政府支配地域で新たに86人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者63人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、12月4日現在の同地での感染者数は計8,233人、うち死亡したのは437人、回復したのは3,811人となった。

SANA(12月4日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で12月4日に新たに218人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、212人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡30人、ハーリム郡84人、アリーハー郡7人、アレッポ県スィムアーン山郡12人、ジャラーブルス郡6人、バーブ郡14人、アフリーン郡43人、アアザーズ郡21人。

これにより、同地での感染者数は計16,991人、うち回復したのは7,974人、死亡したのは170人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1459452777592942/

AFP, December 4, 2020、ACU, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県とハマー県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年12月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村、スフーフン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、クライディーン村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県14件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県5件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を3件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 4, 2020、ANHA, December 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 4, 2020、Reuters, December 4, 2020、SANA, December 4, 2020、SOHR, December 4, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民232人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は630,176人に(2020年12月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月4日付)を公開し、12月3日に難民232人(うち女性70人、子供118人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民232人(うち女性70人、子供118人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は630,176人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者234,928人(うち女性70,626人、子ども119,544人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,669人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は859,456人(うち女性257,902人、子供433,035人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 4, 2020をもとに作成。

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