国連人権理事会の特別報告者を務めるベラルーシ人のアレナ・ドゥハン氏はシーザー・シリア市民保護法に基づく米国の一方的な制裁の解除を求める(2020年12月29日)

国連人権理事会の特別報告者を務めるベラルーシ人のアレナ・ドゥハン氏は、米国に対して、紛争によって破壊されたシリアの市民インフラの再建を阻害する一方的な制裁を解除するよう求めた。

ドゥハン氏は次のように述べた。

「米国の制裁は、10年近く続く紛争で国を破壊されたシリア国民の人権を侵害している。

紛争と暴力は、基本的権利を実現しようとするシリア国民の能力に深刻な影響を与え、家屋、医療施設、学校などに甚大な被害を与えている。

シーザー(・シリア市民保護)法のもとに課せられている制裁はシリアの悲惨な人権状況をさらに悪化させると考えている。とりわけ、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、シリア国民をさらなる人権侵害のリスクにさらしかねない。

2020年6月にシーザー法のもとで最初の制裁が出された時、米国はシリア国民に被害を与える意図はないと言った…。だが、この法律が施行されることで、人道危機は悪化し、シリア国民が基本インフラを再建する機会を奪われている。

AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。

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レイバーン米国務省シリア問題担当特使「アサド体制が自らを承認してほしいのなら、米国が示した厳しい条件を満たさねばならない」(2020年12月29日)

ジョエル・レイバーン米国務省シリア問題担当特使はハダス(12月29日付)のインタビューに応じ、「米国には厳しい条件があり、アサド体制は、自らの政府を承認されたいのであれば、それらを満たさねばならない」と述べた。

レイバーン特使によると、この条件とは、米国がこれまでに示してきた難民帰還にふさわしい環境の確保、イランおよびその民兵との断交、近隣諸国への攻撃停止、国連安保理決議第2254号に沿った政治解決に加えて、戦争犯罪者の(国際法廷への)引き渡し、すべての化学兵器の引き渡しも含まれるという。

AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、al-Hadath, December 29, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。

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シリアの著名な反体制活動家カマール・ルブワーニー氏はレバノンのシリア難民に対し、国連の保護がなければパレスチナ諸派のように自衛のために武装するよう呼びかける(2020年12月29日)

反体制活動家のカマール・ルブワーニー氏は、12月27日にレバノンの北部県ミニヤ郡のシリア難民キャンプが放火で全焼したのを受けるかたちでビデオ・メッセージを出し、レバノンのシリア難民に武装し、自衛するよう訴えた。

ルブワーニー氏は、国連に対して、シリア難民の安全の確保、犯罪者の処罰、シリアからの占領者の排除を行うよう要求、対応がなければ、「同地のシリア国民は、パレスチナ諸派と同じように、自らを守るために武器を手にして、自衛のための組織を結成しなければならない」と主張した。

そのうえで、レバノンに避難したシリア人を襲撃しようとする者はその代償を支払わねばならないだろう、と付言した。

ルブワーニー氏は、ダマスカスの春(2000~2001年)や第2次ダマスカスの春(2005年)を主導し、2005年に逮捕されたが、2011年に恩赦を受けて釈放され、国外に逃れ、同年にシリア国民評議会の結成に参加した著名な反体制活動家。

AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市で国民軍に所属する武装集団どうしが激しく交戦し、複数人負傷(2020年12月29日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で国民軍に所属する武装集団どうしが激しく交戦し、戦闘員複数人が負傷した。

交戦したのは東部自由人連合とスライマーン・シャー師団で、略奪品の分配をめぐる対立がきっかけだったという。

AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍がダイル・ザウル県、アレッポ県で30人以上を逮捕、連行(2020年12月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌の通過に合わせて路上脇に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、シリア民主軍の車輌約50輌からなる車列がザッル村とシュハイル村に進入り、拡声器を通じて住民に外出を禁止すると告知、15人を逮捕、連行した。

また、SANA(12月29日付)によると、シュハイル村での逮捕者は5人。

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アレッポ県では、SANA(12月29日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ市南のスィーリーン村で、シリア民主軍が強制捜査を行い若者18人を逮捕、連行した。

AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。

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ラッカ県アイン・イーサー市一帯などでトルコ軍と国民軍がシリア民主軍への攻撃を続け、シリア民主軍兵士5人死亡(2020年12月29日)

ラッカ県では、ANHA(12月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市一帯を砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、マアラク村やM4高速道路沿線などで激しく交戦した。

シリア民主軍の広報センターの発表によると、シリア民主軍は侵攻を試みた国民軍を撃退したが、戦闘の兵士5人が死亡したと発表した。

ANHAやシリア人権監視団によると、トルコ軍と国民軍はまた、占領下のタッル・アブヤド市西に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるクール・ハサン村、アウン・ダーダート村などを砲撃し、シリア民主軍に所属する所属のマンビジュ軍事評議会が応戦した。

一方、シリア人権監視団によると、アイン・イーサー市内にあるロシア軍基地の前で、住民らが、トルコ軍の攻撃に対するロシアの沈黙に抗議するデモを行った。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159671158928115

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アレッポ県では、ANHA(12月29日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市近郊のスーラーン(スーラーン・アアザーズ)町で国民軍に所属するシャーム戦線の司令官の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、司令官1人が負傷した。

また、アアザーズ市でもアリー・ブン・アビー・ターリブ・モスクの近くに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、SANA(12月29日付)によると、トルコ軍と国民軍は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊のアラブ・ハサン村、トゥーハール村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(12月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、この砲撃を受けて、住民多数が避難を余儀なくされた。

AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で105人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で84人(2020年12月29日)

保健省は政府支配地域で新たに105人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者56人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、12月29日現在の同地での感染者数は計11,243人、うち死亡したのは696人、回復したのは5,248人となった。

SANA(12月29日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で12月29日に新たに84人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、99人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡10人、ハーリム郡22人、アリーハー郡6人、アレッポ県スィムアーン山郡8人、ジャラーブルス郡2人、バーブ郡1人、アフリーン郡25人、アアザーズ郡9人。

これにより、同地での感染者数は計20,131人、うち回復したのは12,639人、死亡したのは308人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1478989982305888/

AFP, December 29, 2020、ACU, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県では「決戦」作戦司令室がロシア軍装甲車を対戦車ミサイルで攻撃し、ロシア軍兵士3人が負傷(2020年12月29日)

ロシア当事者和解調整センターのヴャチェスラフ・チェトニク副センター長(海軍少将)は報道声明を出し、イドリブ県南東部の緊張緩和地帯(第1ゾーン)で、ロシア軍の装甲車が、「決戦」作戦司令室の支配地域から発射された対戦車ミサイルを被弾し、乗っていた兵士3人が負傷したと発表した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、アーフィス村一帯に侵攻しようとしたシリア軍を迎撃、装甲車を対戦車ミサイルで破壊した。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月29日付)によると、この戦闘で、シリア軍兵士複数人がしたという。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるサーン村、マジュダリヤー村、アーフィス村、ザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村などを砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県12件、ラタキア県4件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民の帰国はなかったと発表(2020年12月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月29日付)を公開し、12月28日に難民の帰国はなかったと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 29, 2020をもとに作成。

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