ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団が「イランの民兵」に代わってダイル・ザウル県ブーカマール市に近いイラク国境地帯に展開(2020年12月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団の部隊が、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のブーカマール市に近いイラク国境地帯各所に設置されている「イランの民兵」の拠点複数カ所への展開を開始した。

第5軍団の展開は、ロシアとイランが12月16日、ハリー村西の砂漠地帯に配置されている「イランの民兵」の拠点と、ブーカマール市西の砂漠地帯に設置されているいわゆる「イマーム・アリー基地」(イマーム・アリー・コンパウンド)一帯の「イランの民兵」の拠点をロシア軍に引き渡すことを合意したことを受けたもの。

引き渡し合意が交わされた拠点は、イラク人民防衛隊に所属するヒズブッラー大隊、ヌジャバー運動、アブダール運動の拠点。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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スカイ・ニュース:トルコはリビアで活動していたシリア人戦闘員1,000以上のソマリアへの派遣を準備(2020年12月17日)

スカイ・ニュース(12月17日付)は、複数の独自情報筋の話として、トルコが、リビアで活動している「傭兵」1,000人以上をソマリアに派遣する準備をしていると伝えた。

トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン市の複数の情報筋によると、トルコは、アフリーン市一帯、ジャラーブルス市一帯、バーブ市一帯地域からソマリアへの「傭兵」の派遣の準備を開始し、リビアの首都トリポリ南部各所で「傭兵」らを募集しているという。

派遣が予定されているのは、国民軍に所属するスンナの鷹旅団、カーディスィーヤ旅団、アフル・アスル大隊、ハッターブ旅団、アブー・カドリー集団の戦闘員で、そのほとんどが、イドリブ県、ヒムス県、ダマスカス郊外県グータ地方の出身で、リビアからの帰国(予定)者。

トルコは、トリポリ南部や、アレッポ県アフリーン市、イドリブ県タッル・アブヤド市、ハサカ県ラアス・アイン市の教練キャンプで訓練を行ったうえで、彼らをソマリアに派遣しており、ソマリア国内で活動するボコハラムから派遣についての承諾を得ているとのこと。

また、シリア北部各所の教練キャンプでは、500人が訓練を受けており、またリビアで応募した戦闘員の数は700人に達しているという。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、Sky News Arabic, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル県ウマル油田の米軍基地を砲撃(2020年12月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍最大の拠点が設置されているウマル油田一帯に向けて、ダーイシュ(イスラーム国)がズィーバーン町の墓地から迫撃砲複数発を打ち込んだ。

物的、人的被害はなかった。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が県東部のトゥワイナーン油田一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を爆撃した。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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米国の支援を受けた新たな反体制政治同盟「シリア国民同盟」が18日に発足(2020年12月17日)

クッルナー・シュラカー(12月17日付)は、複数の報道筋の話として、12月18日に米国の支援を受けた新たな反体制政治同盟の結成が首都ワシントンDCで発表されると伝えた。

https://www.facebook.com/all4syria.org/posts/2131060743694672

新たな政治同盟の発足人の1人によると、結成される同盟の名称は「シリア国民同盟」で、国連安保理決議第2254号に基づく政治以降プロセスへの効率的な参加や復興をめざすという。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Kull-na Shuraka’, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣がロシアを公式訪問し、ラヴロフ外務大臣と会談(2020年12月17日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、ロシアを公式訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラヴロフ外務大臣と会談した。

SANA(12月17日付)によると、会談後の共同記者会見で、両国大臣は、この数年で「テロとの戦い」における両国間の戦略関係が強化されたとしたうえで、今後さまざまな分野で両国の連携がさらに深まると述べた。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県アブー・ハマーム市で再びシリア民主軍の犯罪行為に抗議するデモ(2020年12月17日)

ダイル・ザウル県では、SANA(12月17日付)、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるアブー・ハマーム市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の犯罪行為、汚職、住民拉致に抗議するデモが行われ、多数の住民(アラブ系のシュアイタート部族)が参加した。

参加者は、市の入り口でタイヤを燃やすなどして、道路を封鎖し、逮捕者の釈放した。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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ハサカ市でトルコによるアルーク村揚水場の水供給停止に抗議する大規模デモ、トルコは供給を再開(2020年12月17日)

ハサカ県では、SANA(12月17日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市で、トルコによるシリア北部占領、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍によるアラーク村揚水所からの水道水供給停止、国際社会の沈黙に抗議とする大規模デモが行われた。

一方、トルコ側は、アルーク村揚水所からの水道水供給が27日ぶりに再開、ハサカ市にある主要な貯水施設への注水も再開された。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県でシリア民主軍が攻撃を受け兵士2人死亡(2020年12月17日)

ハサカ県では、SANA(12月17日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるフール・キャンプ近くに設置されている人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点が発砲を受け、兵士1人が死亡した。

またシャッダーディー市とダイル・ザウル市(ダイル・ザウル県)を結ぶハラーフィー街道では、シリア民主軍の通行に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士1人が負傷した。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で156人、北・東シリア自治局支配地域で70人(2020年12月17日)

保健省は政府支配地域で新たに156人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者68人が完治し、17人が死亡したと発表した。

これにより、12月17日現在の同地での感染者数は計9,759人、うち死亡したのは571人、回復したのは4,616人となった。

SANA(12月17日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに70人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者2人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、12月17日現在の同地での感染者数は計7,651人、うち死亡したのは251人、回復したのは1,089人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性40人、女性30人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市1人、カーミシュリー市4人、マーリキーヤ(ダイリーク)市11人、アームーダー市1人、マアバダ(カルキールキー)町1人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市2人、ラッカ県のラッカ市3人、タブカ市22人、アレッポ県のマンビジュ市3人、アイン・アラブ(コバネ)市5人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)4人、ダイル・ザウル県13人。

ANHA(12月17日付)が伝えた。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県のM4高速道路沿線一帯に展開(2020年12月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、フライフィル村、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、M4高速道路沿線一帯に部隊を派遣し、各所に展開させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、灌漑計画地区を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県24件、ラタキア県3件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民412人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は634,687人に(2020年12月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月17日付)を公開し、12月16日に難民412人(うち女性124人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民412人(うち女性124人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は634,687人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者239,439人(うち女性71,980人、子ども121,845人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は863,967人(うち女性259,256人、子供440,336人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 17, 2020をもとに作成。

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