トルキスタン・イスラーム党は声明を出し、米国による外国テロ組織(FTO)指定解除について「中国の弾圧激化で米国がテロ組織でないことをわかったため」と表明(2020年12月2日)

シリアのイドリブ県中北部を中心とするいわゆる「解放区」で活動するトルキスタン・イスラーム党は声明を出し、11月6日にマイク・ポンペオ米国務長官が東トルキスタン・イスラーム運動を外国テロ組織(FTO)から除外したことに関して、「トルキスタン住民はみな米国の決定に喜んでいる。また、この決定がなされるために支援をしてくれたすべての国と組織に感謝する」と表明した。

そのうえで、FTOに指定されていたことについては、「米国と一部諸国は、みなの敵となった「中国の欺瞞」によってトルキスタン・イスラーム党をテロのリストに記載していた」としたうえで、「占領国である中国による東トルキスタンへの抑圧の激化を受けて、米政権は、この党がテロ組織ではなく、中国の不正に立ち向かう党で、東トルキスタンの自由とその人民の権利保護を得ようとしていることがわかった」と主張した。

AFP, December 3, 2020、ANHA, December 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 3, 2020、Reuters, December 3, 2020、SANA, December 3, 2020、SOHR, December 3, 2020などをもとに作成。

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トルコがナゴルノ・カラバフ地方に派遣していたシリア人傭兵900人以上が新たにシリア北部のトルコ占領地域に帰還(2020年12月2日)

シリア人権監視団は、トルコがナゴルノ・カラバフ地方に派遣していたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)のうち900人以上が、先週木曜日(11月26日)までにシリア北部のトルコ占領地域に帰還したと発表した。

同監視団によると、トルコは、ロシアに仲介によるアゼルバイジャンとアルメニアの停戦合意以降も、ナゴルノ・カラバフ地方に残留させようとしていたが、アゼルバイジャン政府が彼らの帰化を拒否したために、帰還した。

なお、ナゴルノ・カラバフ地方に派遣されたシリア人傭兵の数は2,580人に達していたが、帰還したのは今回の900人を含めて、1,242人(342人が任務を放棄して帰還していた)に達している。

また、戦闘が始まった9月27日以降に死亡したシリア人傭兵は293人、うちシリアに移送された遺体は225体。

AFP, December 2, 2020、ANHA, December 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 2, 2020、Reuters, December 2, 2020、SANA, December 2, 2020、SOHR, December 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がラッカ県アイン・イーサー市一帯への砲撃を続けるなか、ロシア軍、シリア軍、シリア民主軍の士官が同市で会合(2020年12月2日)

ラッカ県では、SANA(12月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ(アイン・イーサー・キャンプ)、サイダー村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の支援を受ける国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊のヤーシリー村、サイヤード村、アリーマ町、ジャームースィーヤ村を砲撃した。

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一方、シリア人権監視団が複数の情報筋の話として伝えたところによると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市内にあるロシア軍基地で、ロシア軍士官とシリア軍士官が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令官らと会談を行った。

会談の内容などは不明。

AFP, December 2, 2020、ANHA, December 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 2, 2020、Reuters, December 2, 2020、SANA, December 2, 2020、SOHR, December 2, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領がイブラーヒーム・ダマスカス郊外県知事を突如解任(2020年12月2日)

アサド大統領は2020年政令第325号を施行し、アラー・ムニール・イブラーヒーム・ダマスカス郊外県知事の職を解いた。

SANA(12月2日付)が伝えた。

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イブラーヒーム氏は、1965年生まれ、ラタキア県ジャブラ市近郊の村の出身で、妻のリーム・ナジーブ氏はアサド大統領の母方のおばであるファーティマ・マフルーフ氏と、政治治安局の元ダルアー支部長だったアーティフ・ナジーブ准将の娘。

2016年にダマスカス郊外県知事に任命されていた。

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なお、解任の理由は不明。

AFP, December 2, 2020、ANHA, December 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 2, 2020、Reuters, December 2, 2020、SANA, December 2, 2020、SOHR, December 2, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で59人、北・東シリア自治局支配地域で33人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で277人(2020年12月2日)

保健省は政府支配地域で新たに86人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者65人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、12月2日現在の同地での感染者数は計8,059人、うち死亡したのは426人、回復したのは3,689人となった。

SANA(12月2日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに33人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、12月1日現在の同地での感染者数は計7,064人、うち死亡したのは197人、回復したのは1,037人となった。

ANHA(12月1日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で12月2日に新たに277人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、66人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡14人、イドリブ郡41人、ハーリム郡88人、アリーハー郡11人、アレッポ県スィムアーン山郡34人、ジャラーブルス郡15人、バーブ郡20人、アフリーン郡43人、アアザーズ郡11人。

これにより、同地での感染者数は計16,566人、うち回復したのは7,685人、死亡したのは166人となった。

AFP, December 2, 2020、ACU, December 2, 2020、ANHA, December 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 2, 2020、Reuters, December 2, 2020、SANA, December 2, 2020、SOHR, December 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方バーラ村に新たな拠点を設置(2020年12月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団やドゥラル・シャーミーヤ(12月2日付)などによると、トルコ軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は76カ所(うち撤去済み、ないしは撤去中の監視所・拠点は6カ所)となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所、撤退)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所、撤退準備中)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所、撤退完了)、シール・マガール村(第10監視所、撤退)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村(撤退)、サラーキブ市(3カ所、うち1カ所から撤退)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

トルコ軍はまた、兵站物資を積んだ車輌約10輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、バイニーン村、ラーミー村、マシューン村、バルシューン村、バーラ村、イブリーン村、ファッティーラ村、カンスフラ村、バルユーン村を砲撃した。

発射された砲弾の数は130発以上に及んだ。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県20件、ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を13件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 2, 2020、ANHA, December 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 2, 2020、Reuters, December 2, 2020、SANA, December 2, 2020、SOHR, December 2, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民221人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は629,687人に(2020年12月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月2日付)を公開し、12月1日に難民221人(うち女性66人、子供113人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民221人(うち女性66人、子供113人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は629,687人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者234,439人(うち女性70,479人、子ども119,294人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,669人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は858,967人(うち女性257,755人、子供437,785人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 2, 2020をもとに作成。

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