ヒズブッラーのナスルッラー書記長「抵抗枢軸はイラク、シリアで米国の覇権主義と対決している」(2021年7月5日)

レバノンのヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は「パレスチナは勝利する:メディアでの言説、対決の」と銘打った全国報道大会の開会に合わせてテレビ演説を行い、抵抗枢軸がパレスチナ問題を忘れさせようとする試みを頓挫させたと主張、抵抗枢軸がパレスチナ解放について語るとき、それは夢や幻想について語っているのではないと強調した。

シリアに関連して、ナスルッラー書記長は以下のように述べた。

イスラエルの占領との対決は、この地域の富を奪い、諸人民の進歩を阻止しようとする米国の覇権主義と対決することでなければならない。米国の覇権主義は、それに先だって、地域におけるすべての可能性をシオニスト政体の利益に転じようとしてきた。シオニスト政体の存在と存続は米国の覇権主義と結びついている。抵抗枢軸はイラク、シリアのジャズィーラ地方(ユーフラテス川東岸)でこうした覇権主義と対決している。
イスラエルの攻撃によるあらゆる虐殺は米国による虐殺に他ならない。こうした攻撃に対峙することは、米国に対峙することに他ならない…。米国の政策こそが、レバノン人、シリア人、イエメン人を封鎖や危機に苦しませる主因だ。なぜなら、抵抗枢軸諸国・諸人民への経済制裁の狙いは、パレスチナの居場所をなくすことにあるからだ。

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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ハマースのミシュアル政治局長はヒズブッラーのシリア、イエメンへの干渉に異議を唱え、フーシー派によるサウジ攻撃を拒否(2021年7月5日)

パレスチナのハマースのハーリド・ミシュアル政治局長はサウジアラビアの衛星テレビ局アラビーヤ・チャンネル(7月5日付)のインタビューに応じ、そのなかで、レバノンのヒズブッラーがシリア内戦に干渉してきたことに異議を唱えるとともに、イランやヒズブッラーの仲介でシリア政府との関係修復が試みられていることを否定した。

ミシュアル政治局長は、イエメンのアンサール・アッラー(通称・蔑称:フーシー派)のサウジアラビアへの攻撃、ヒズブッラーのイエメン、シリアへの干渉について以下のように述べた。

我々にはこの地域で起きていることに対する立場がある。だが、ハマースが取り組んでいる問題はパレスチナ問題だ…。だから、我々はサウジアラビア、イラク、シリア、そしてあらゆる国に対する攻撃に干渉しないし、受け入れることもない。

また、イランやヒズブッラーの仲介でシリア政府との関係修復が試みられているとの情報について次のように述べた。

ハマースとダマスカスの間の関係に新たな進展はない。シリアは今危機の中に身を置いている。

AFP, July 5, 2021、Alarabia, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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ヨルダン当局はジャービル国境通行所でのシリアの貨物車輌に対する通行税を3倍に(2021年7月5日)

『ワタン』(7月5日付)は、ダマスカス商業会議所取締役会のアブドゥッラー・ナースィル副会長の話として、ジャービル国境通行所(シリア側はダルアー県ナスィーブ国境通行所)を経由してヨルダンに入国するシリアの貨物車輌(冷凍トレーラー)が6月30日のシリアとヨルダンの合意を受けて、1日35輌から230輌に増加したが、通行税を3倍に値上げしていると伝えた。

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021、al-Watan, July 5, 2021などをもとに作成。

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シリア民主評議会、人民意志党、民主的変革諸勢力国民調整員会の代表が会談(2021年7月5日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の広報局は声明を出し、7月2日に人民意志党(カドリー・ジャミール党首)、民主的変革諸勢力国民調整委員会(ハサン・アブドゥルアズィーム代表)の使節団と会談を行い、シリア国内の政治情勢、反体制派の動静と連携の仕組みについて意見を交わしたと発表した。

https://www.facebook.com/SDCPress/posts/3911751432284572

 

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍はアレッポ県のシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域各所を砲撃(2021年7月5日)

アレッポ県では、ANHA(7月5日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のワフシーヤ村を砲撃した。


砲撃は、同村にあるロシア軍基地に近いトルコ占領下のアフリーン市一帯からの国内避難民(IDPs)の住居複数棟が被弾し、被害を受けた。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、シャフバー・ダム、スムーカ村を砲撃したほか、ジャルバラ村からバイナ村に至る農地や植林地に放火した。

トルコ軍とシリア国民軍はさらに、マンビジュ市北のアイン・ダーダート村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、シャフバー・ダム一帯への砲撃で、シリア民主軍の兵士1人が死亡した。

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021、July 6, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県でシリア民主軍がダーイシュ司令官を拘束(2021年7月5日)

ハサカ県では、SANA(7月5日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシャッダーディー市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点前でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民多数が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、内務治安部隊(アサーイシュ)の緊急対応部隊(Hevalno Asayîşe Rojava、HAT)が、米主導の有志連合の航空支援を受けて、シャッダーディー市近郊のヒルバト・タマル村に突入し、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官1人を拘束した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるカスラ村で、ダーイシュと思われる武装グループがシリア民主軍傘下の「自衛部隊」の隊員1人を銃で撃ち、殺害した。

ダーイシュのメンバーらは、ザッル村で拘束した男性3人のうちの1人を殺害した。

3人は父子で、殺害されたのは息子1人だという。

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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アサド大統領はイランのライースィー大統領と初の電話会談(2021年7月5日)

アサド大統領は、6月18日の大統領選挙で61.95%を得票し当選したイランのエブラーヒーム・ライースィー大統領と初めて電話会談を行い、選挙での勝利に祝意を示した。

SANA(7月5日付)によると、会談で両首脳は、あらゆる分野での二国間関係の強化、両国共通の関心事にかかる対話と調整の継続を行う決意を確認した。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4358507274193071

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で33人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で38人(2021年7月5日)

保健省は政府支配地域で新たに33人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者6人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、7月5日現在の同地での感染者数は計25,686人、うち死亡したのは1,889人、回復したのは21,856人となった。

SANA(7月5日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で7月5日に新たに38人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、29人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡2人、ハーリム郡7人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡17人、アフリーン郡4人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計25,843人、うち回復したのは22,609人、死亡したのは713人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1613617645509787/

AFP, July 5, 2021、ACU, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県でシリア軍と「決戦」作戦司令室の砲撃戦続く(2021年7月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、国民解放戦線がシリア政府の支配下にあるハザーリーン村、ミラージャ村を砲撃し、ロケット弾発射基地を破壊した。

シリア軍兵士多数も死傷した模様。

「決戦」作戦司令室も、シリア政府の支配下にあるマアーッラト・ムーハス村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

対するシリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、バーラ裏、バイニーン村、フライフィル村、ファッティーラ村、マシューン村一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のマンスーラ村、アンカーウィー村を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナブア・サフル村でシリア軍兵士1人が正体不明の武装集団によって殺害された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県18件、ラタキア県14件、アレッポ県1件、ハマー県11件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を19件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 5, 2021、ANHA, July 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 5, 2021、Reuters, July 5, 2021、SANA, July 5, 2021、SOHR, July 5, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民307人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は681,232人に(2021年7月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月5日付)を公開し、7月4日に難民307人(うち女性92人、子供157人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は681,232人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者285,984人(うち女性85,954人、子ども145,575人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,847人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は910,512人(うち女性273,230人、子供464,066人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は91,976人(うち女性34,510人、子供32,510人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,360,572人(うち女性417,069人、子供676,276人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 5, 2021をもとに作成。

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