ハサカ県の国境地帯でトルコ軍とアサーイシュが交戦、トルコ軍兵士4人死傷(2021年7月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダルバースィーヤ市に近い国境地帯で、トルコ軍国境警備隊と北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が交戦した。

トルコ領内に向かって複数人が越境を試みたのがきっかけ。

この戦闘で、トルコ軍の車輌が国境に設置されたコンクリート製の壁に激突し、乗っていた兵士1人が死亡した。

これに関して、アナトリア通信(7月7日付)は地元自治体(マルディン県知事)が、トルコ軍兵士1人が死亡、3人が負傷したと発表したと伝えた。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、Anadolu Ajansı, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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密輸ルートの管理をめぐりトルコ占領下のバーブ市近郊でシリア国民軍に所属するシャーム戦線とハムザ師団が激しく交戦(2021年7月7日)

アレッポ県では、ANHA(7月7日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市近郊のタフリーア村で、シリア国民軍に所属するシャーム戦線とハムザ師団の戦闘員どうしが激しく交戦した。

シャーム戦線が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地域との境界地帯からハムザ師団を排除しようとしたのが戦闘の発端。

タフリーア村は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地域との最大の密輸ルートだという。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ウマル油田の米軍基地がドローンによる攻撃を受ける(2021年7月7日)

ダイル・ザウル県では、SANA(7月7日付)が複数の地元筋から得た情報だとして伝えたところによると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にある国内最大の油田地帯、ウマル油田に違法に設置されている米軍の基地が所属不明の無人航空機(ドローン)の攻撃を受け、複数の煙柱が立ち上がった。

ユーフラテス・ポスト(7月7日付)は、ドローンの攻撃に対して、米軍基地は携帯式の対空ミサイルで応戦したと伝えた。

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これに関して、シリア民主軍のファルハード・シャーミー広報センター局長は声明を出し、攻撃を回避したと発表した。

声明の内容は以下の通り。

北・東シリア現地時間の10時15分、ダーイシュ(イスラーム国)と戦う我が前線部隊と有志連合部隊が、ダイル・ザウル県ウマル油田地帯で、無人航空機による攻撃に対処した。一次報告では、攻撃を失敗させ、被害がなかったことが確認されている。

https://www.facebook.com/QSDMEDIA/posts/1670037036522291

シリア人権監視団によると、攻撃は「イランの民兵」によるものと見られる。

同監視団によると、この攻撃を受けて、有志連合部隊はシリア民主軍部隊を従えて、ユーフラテス川東岸に位置するズィーバーン町に突入し、強制捜査を行った。

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また、イラクのスーマリーヤ・チャンネル(7月7日付)はイラク治安筋の話として、米軍が駐留するイラク・アンバール県にアイン・アサド基地にロケット弾複数発が打ち込まれ、イラク軍兵士複数が負傷した。

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なお、ロイター通信(7月5日、6日付)などによると、5日もアイン・アラブ航空基地に無人航空機(ドローン)2機が飛来、米軍の防空システムがこれを撃破した。

また同日、イラクの首都バグダードにある米国大使館に無人航空機(ドローン)が接近したが、同じく撃破された。

さらに6日、米軍部隊が駐留するイラク北部のアルビール国際空港が爆弾を積んだ無人航空機(ドローン)の攻撃を受けた。

イラク・クルディスタン地域に主都でもあるアルビール市にある米国領事館はサイレンを鳴らし警戒を呼びかけた。

米国防総省の発表によると、人的・物的被害はなかった。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Euphrates Post, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021、al-Sumariya Channel, July 7, 2021などをもとに作成。

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ロシアのラヴレンチエフ大統領特使「越境(クロスボーダー)人道支援の仕組みを終わらせる、なぜなら役に立たないからだ」(2021年7月7日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、アスタナ16会議に参加するために訪れているカザフスタンの首都ヌルスルターン(旧アスタナ)で記者会見を行い、周辺諸国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援を行うことを定めた国連安保理決議第2165号(2014年採択)が7月10日に失効することに関して、「我々は当然、この仕組みを終了させ、延長しないことを主張している。なぜなら、役に立たないからだ」と述べた。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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アスタナ16会議がカザフスタンの首都ヌルスルターンで開幕(2021年7月7日)

アスタナ16会議がカザフスタンの首都ヌルスルターン(旧アスタナ)で開幕した。

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外務在外居住者省のアイマン・スーサーン次官を長とするシリア政府代表団は、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使を長とするロシア代表団、アリー・アスガル・ハージー外務大臣補を長とするイラン代表団と個別に会談した。

SANA(7月7日付)によると、ペデルセン国連特別代表との会談で、シリア政府代表団は、トルコと米国の占領軍によるシリア国民に対する侵害行為、テロ支援、資源盗奪に対して強い抗議の声を上げるよう訴えた。

スーサーン次官はまた、政治プロセスへの積極的取り組みを続けることを伝える一方、ペデルセン国連特別代表も制憲委員会(憲法委員会)の第6ラウンド開催、に向けて努力を続ける決意を示した。

ロシア代表団との会談では、今次会合の議題、イドリブ県などのシリア情勢、西側諸国の政策について意見を交わし、米国をはじめとする外国軍の撤退などに向けた共同での取り組みを続けることを確認した。

イラン代表団との解団では、シリア情勢やシリア情勢の進捗について意見を交わし、外国の干渉を排除し、シリアの主権維持、領土保全に向けて協力と連携を行う決意を確認した。

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なお、トルコはサダト・オナル外務大臣補を長とする代表団を、反体制派はシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班を長とする代表団(シリア軍事革命諸勢力代表団)を現地に派遣している。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍がハサカ県内で盗奪した石油などをトレーラー44輌に積んでイラク領内に持ち出す(2021年7月7日)

ハサカ県では、SANA(7月7日付)がヤアルビーヤ町近郊のスワイディーヤ村の複数の地元筋の話として伝えたところによると、シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍が、県内で盗奪した石油などをトレーラー44輌に積んで、ワリード国境通行所からイラク領内に持ち出した。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で23人、北・東シリア自治局支配地域で6人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で23人(2021年7月7日)

保健省は政府支配地域で新たに23人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、7月7日現在の同地での感染者数は計25,735人、うち死亡したのは1,893人、回復したのは21,867人となった。

SANA(7月7日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに6人の新型コロナウイルス感染者が確認されと発表した。

これにより、7月7日現在の同地での感染者数は計18,540人、うち死亡したのは763人、回復したのは1,876人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性2人、女性4人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市1人、ルマイラーン町1人、ダルバースィーヤ市2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市1人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)1人。

ANHA(7月7日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で7月7日に新たに23人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、29人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡2人、ハーリム郡7人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡7人、アフリーン郡3人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計25,913人、うち回復したのは22,731人、死亡したのは714人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1615209062017312/

AFP, July 7, 2021、ACU, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県南部のクークフィーン村にあるトルコ軍の拠点一帯を砲撃(2021年7月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある県南部のクークフィーン村にあるトルコ軍の拠点一帯に対して砲撃を行った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるマターイヤ村で、シリア軍第5軍団に所属する第8旅団の部隊が指名手配者らの摘発中に抵抗を受け、戦闘により指名手配者のリーダー1人、兵士1人が死亡、兵士4人が負傷した。

また、ナーフィア村とアイン・ズィクル村を結ぶ街道で、シリア軍第112旅団の装甲車の通過に合わせて道路に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士4人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(イドリブ県14件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は25件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を1件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 7, 2021、ANHA, July 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 7, 2021、Reuters, July 7, 2021、SANA, July 7, 2021、SOHR, July 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民302人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は681,862人に(2021年7月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月7日付)を公開し、7月6日に難民302人(うち女性90人、子供154人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民302人(うち女性90人、子供154人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は681,862人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者286,614人(うち女性86,142人、子ども145,896人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,847人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は911,142人(うち女性273,328人、子供464,233人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は92,391人(うち女性34,694人、子供32,568人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,360,987人(うち女性417,253人、子供676,334人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 7, 2021をもとに作成。

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