ロイター通信:イラン・イスラーム革命防衛隊幹部がイラクのシーア派民兵に米軍を標的とした攻撃を強めるよう促す(2021年7月13日)

ロイター通信(7月13日)は、イラク・イスラーム革命防衛隊の幹部(上級司令官)が、イラクの首都バグダードで先週行われたある会合の席上で、「イラクのシーア派民兵」(イラク人民動員隊のこと)に対して、米軍を標的とした攻撃を強めるよう促したと伝えた。

この会合について詳しい3名の民兵筋と2名のイラク治安筋の話として伝えた。

6月27日の米軍によるシリア・イラク国境地帯への爆撃を受けて、イラク・イスラーム革命防衛隊のホセイン・ターエブ諜報局長を代表とするイラン使節団がイラクを訪問して以降、イラクとシリア領内に駐留する米軍を狙った攻撃が相次いでいる。

イラン側は会合で、爆撃への報復として米軍に対する攻撃を促す一方、イラク側に、事態を悪化させるような行き過ぎた行動を行わないようアドバイスしたという。

AFP, July 14, 2021、ANHA, July 14, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 14, 2021、SOHR, July 14, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構は反体制派支配地からシリア政府支配地域に逃れたイスラーム教説教師ムハンマド・ファーリス氏と組織の関係を否定(2021年7月13日)

シャーム解放機構のタキーッディーン・ウマル広報関係局長は、最近になってシリア政府の支配地域に逃れたイスラーム教の説教師ムハンマド・ファーリス氏に関して、組織との関係はないと主張、一部メディアの報道を否定した。

イバー・ネット(7月13日付)などが伝えた。

ファーリス氏は、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市近郊のバルサ村出身。

シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るシリア北西部の反体制派支配地域を去り、シリア政府支配地域に帰還したが、一部メディアは、同氏がシャーム解放機構によって反体制派支配地域の自治を委託されているシリア救国内閣のファトワー評議会のメンバーだったと伝えていた。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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シリア政府はラッカ県タブカ市内の北・東シリア自治局との支配地域との境界線上に設置しているブーアースィー通行所を一般住民のために解放(2021年7月13日)

ノース・プレス(7月13日付)は、シリア政府がラッカ県のタブカ市内の北・東シリア自治局との支配地域との境界線上に設置しているブーアースィー通行所を一般住民のために開放した、と伝えた。

シリア政府と北・東シリア自治局の支配地域の境界に設置されている通行所は、ブーアースィー通行所も含めてすべて今年3月以降閉鎖されていた。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、North Press, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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ラッカ県ラサーファ砂漠でシリア軍とダーイシュが激しく交戦し、シリア軍側に13人の死傷者、ロシア軍がダーイシュを爆撃(2021年7月13日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラサーファ砂漠内に設置されているシリア軍・親政権民兵の拠点をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃し、激しい戦闘となり、シリア軍兵士・親政権民兵5人が死亡、8人が負傷した。

戦闘発生を受け、ロシア軍戦闘機がヒムス県東部からラッカ県に至る砂漠地帯でダーイシュを狙って20回以上の爆撃を実施した。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ県各所を砲撃する一方、シリア民主軍はトルコ占領下のラッカ県に潜入し、シリア国民軍戦闘員6人を殺傷(2021年7月13日)

アレッポ県では、ANHA(7月13日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村およびその一帯、アキーバ村、バイナ村、ダイル・ジャマール村を砲撃した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ占領下のタッル・アブヤド市近郊に位置するタルワーズィーヤ村一帯に潜入、同地に設置されているシリア国民軍の拠点を急襲し、戦闘員1人を殺害、5人を負傷させた。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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ウマル油田に違法に設置されている米主導の有志連合の基地が再び砲撃を受ける一方、ブーカマール市近郊の「イランの民兵」の軍用ゲートが所属不明のドローンの爆撃を受ける(2021年7月13日)

ダイル・ザウル県では、SANA(7月13日付)やユーフラテス・ポスト(7月13日付)たところによると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸のウマル油田に違法に設置されている米主導の有志連合の基地を狙って何者かが迫撃砲複数発を打ち込み、SANAによると2発が基地内に着弾し、煙柱が上がった。

被害状況は不明だという。

一方、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)1機が、イラクとの国境に位置するシリア政府支配下のブーカマール市に近いハリー村にある「イランの民兵」の軍用のゲートを爆撃した。

被害の有無、詳細は不明。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Euphrates Post, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍はハサカ県シャッダーディー市近郊の村々に突入し、男性3人を拘束、徴兵対象者用の教練キャンプに連行(2021年7月13日)

ハサカ県では、SANA(7月13日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、北・東シリア自治局の支配下にあるシャッダーディー市近郊のアジャージャ村、アイダーン村に突入し、男性3人を拘束、徴兵対象者用の教練キャンプに連行した。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で6人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で26人(2021年7月13日)

保健省は政府支配地域で新たに6人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者4人が完治し、1人が死亡したと発表した。

これにより、7月13日現在の同地での感染者数は計25,801人、うち死亡したのは1,900人、回復したのは21,893人となった。

SANA(7月13日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で7月13日に新たに26人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、21人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡1人、ハーリム郡6人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡2人、アフリーン郡5人、アアザーズ郡6人。

これにより、同地での感染者数は計26,082人、うち回復したのは22,936人、死亡したのは717人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1619834521554766/

AFP, July 13, 2021、ACU, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるハマー県とイドリブ県各所を砲撃(2021年7月13日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バイニーン村、ファッティーラ村一帯、バーラ村、カンスフラ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県19件、ラタキア県10件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 13, 2021、ANHA, July 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 13, 2021、Reuters, July 13, 2021、SANA, July 13, 2021、SOHR, July 13, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民286人と国内避難民(IDPs)262人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は683,689人、2019年以降帰還したIDPsは93,021人に(2021年7月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月13日付)を公開し、7月12日に難民286人(うち女性86人、子供146人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民286人(うち女性86人、子供146人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は683,689人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者288,441人(うち女性86,692人、子ども146,827人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,847人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は912,969人(うち女性273,968人、子供465,318人)となった。

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一方、国内避難民262人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは262人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は93,021人(うち女性35,038人、子供32,648人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,361,617人(うち女性417,597人、子供676,414人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 13, 2021をもとに作成。

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