アサーイシュはハサカ県フール町で、ダーイシュのスリーパーセルの4グループを摘発(2022年1月25日)

ハサカ県では、ANHA(1月25日付)によると、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が同自治局の支配下にあるフール町で、ダーイシュのスリーパーセルの4グループを摘発し、メンバーを逮捕、武器弾薬を押収した。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局は赤十字国際委員会が自治局支配下のハサカ市に支援を行っていないと非難(2022年1月25日)

北・東シリア自治局の渉外関係委員会(外務省に相当)は声明を出し、赤十字国際委員会が「ダマスカスの体制を宥めるためにハサカ市における我ら人民の苦難を政治利用しようとしている」と非難した。

声明によると、赤十字国際委員会は、シリア政府の支配下にあるハサカ市の治安厳戒地区のみで活動する政府とつながりがある機関に支援を限定しているという。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1775987622591167

ANHA(1月25日付)が伝えた。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件にトルコが直接関与していたと断じる(2022年1月25日)

北・東シリア自治局は声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱に関して、トルコが直接計画に関与していたと断じた。

声明の骨子は以下の通り:

2019年3月23日に(ダイル・ザウル県)バーグーズ村でダーイシュを軍事的に根絶して以降、この問題、そしてダーイシュの影響が国際社会の関心を集めなくなっている…。

だが、ダーイシュは依然として世界全体を脅かす脅威であり続けており、これに対して明確な措置が講じられてこなかったことは、シリア民主軍が有志連合とともに実現した軍事的成果を維持するうえでの政治的な障害になっている。

ダーイシュの戦闘員を収容する世界最大の刑務所で今月20日以降起こっていることは、信頼できる初期情報によると、トルコが安定を打ち崩し、動揺と混乱を作り出そうとして直接参加したものだ。この計画は、ダーイシュを再生させ、我ら人民が実現した成果を無に帰し、我々の地域の安定に打撃を与え、混乱を引き起こそうとするその主要な目的のなかに体現されている。

我々は、国際社会が、ダーイシュを持続的に敗北に追い込む行動ための支援を、とりわけシリア国民軍に対して行うことが必要だと明言する。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1775687015954561

ANHA(1月25日付)が伝えた。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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ハサカ市内の政府支配地にグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件の混乱を避けて住民が押し寄せるなか、北・東シリア自治局、ハサカ県知事が国際機関による人道支援を妨害していると非難(2022年1月25日)

ハサカ県では、SANA(1月25日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受けて、治安厳戒地区(政府支配下)に避難した住民は24日晩までに3,900世帯に増加した。

避難住民は、ハサカ県社会問題労働局が、関係機関と連携して設置した5カ所の一時収容センターに収容され、シリア赤新月社やNGOが寝具、飲料水、食糧などの物資の配給を受けた。

1月25日にはアラーディー・ハッブー地区に新たな一時収容センターが設置され、一時収容センターは6カ所となった。

国際機関による支援は今のところ行われていないという。

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一方、北・東シリア自治局の保険委員会(保健省に相当)は声明を出し、ハサカ県知事がハサカ市への国際機関による人道支援を妨害していると非難した。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1775769789279617

なお、ANHA(1月25日付)によると、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域ハサカ地区の関係機関は、ズフール地区とグワイラーン地区から避難した住民350人以上を複数の収容センターに収容し、支援物資を提供しているという。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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グワイラーン刑務所周辺でシリア民主軍とダーイシュの戦闘が続き、米軍戦闘機が同地を爆撃(2022年1月25日)

ハサカ県では、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱は25日も続いた。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、24日晩にグワイラーン刑務所で軍事治安作戦を実施し、ダーイシュのメンバーによって捕らえられていた刑務所職員9人の解放に成功するとともに、ズフール地区と東グワイラーン地区でダーイシュのメンバー17人を新たに殺害したと発表した。

また、別の声明では、25日に23人を新たに解放したと発表した。

シリア民主軍広報センターはさらに別の声明で、25日朝にグワイラーン刑務所に立て籠もっていたダーイシュ・メンバー250人が投降、これまでに投降したダーイシュ・メンバーの数が500人余りとなったと発表した。

また別の声明で、ダーイシュ・メンバーが占拠していたグワイラーン刑務所内の収容棟8棟を制圧したと発表した。

シリア人権監視団によると、有志連合所属の装甲車複数輌が、グワイラーン刑務所内での作戦に参加するために同地に派遣されていたという。

一方、ANHA(1月25日付)によると、グワイラーン地区の外塀一帯での戦闘は小康状態が続いた。

だが、SANA(1月25日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が抵抗を続けるイスラーム国のメンバーらをグワイラーン刑務所で包囲したと発表しているにもかかわらず、シリア民主軍、内務治安部隊(アサーイシュ)とダーイシュとの戦闘は刑務所一帯で行われ、有志連合を主導する米軍戦闘機も同地に対する爆撃を実施した。

米軍の爆撃に、ユーフラテス大学経済学部技術監督者工学技術研究所が21日に破壊されたが、25日までの爆撃で経済学部関連施設、土木学部講堂、ユーフラテス大学ハサカ分校本舎、ガレージなども破壊された。

また、シリア民主軍は、グワイラーン刑務所(東グワイラーン地区、西グワイラーン地区)、ズフール地区の住宅地で強制捜査を行い、住民多数を拘束、連行した。

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シリア人権監視団によると、1月20日以降の戦闘での死者は172人。

うちダーイシュ・メンバーは119人、シリア民主軍、アサーイシュ、刑務所守衛は46人、住民は7人。

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ANHA(1月25日付)は、負傷したダーイシュ・メンバーを収容しているシリア民主軍とアサーイシュの拠点の取材に成功したと伝え、治療を受けるメンバー13人の写真と映像を公開した。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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アサド大統領は2022年法令第3号を施行し、2022年1月22日以前に発生した国内・国外逃亡在に恩赦を与える(2022年1月25日)

アサド大統領は2022年法令第3号を施行し、2022年1月22日以前に発生した国内・国外逃亡在への恩赦を与えた。

恩赦は、軍事処罰法第100条、101条の違反者で、本法令施行から3か月以内に投降した者が対象となる。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/302574811908839

SANA(1月25日付)が伝えた。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府の支配下にあるアレッポ県ハーリディーヤ村、ヤーランリー村、サイヤード村を砲撃(2022年1月25日)

アレッポ県では、ANHA(1月25日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府の支配下にあるハーリディーヤ村(バーブ市東)、ヤーランリー村、サイヤード村を砲撃した。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、1月22日と23日に、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、ハーリディーヤ村、マアラク村、ムシャイリファ村、ジャフバル村、ヒーシャ村、サーリヒーヤ村、カーディリーヤ村、ファーティサ村、アリーシャ村に対するトルコ軍とシリア国民軍の砲撃で、住民3人が死亡、11人が負傷する一方、シリア民主軍の応戦でシリア国民軍10人を殺害、2人を負傷させたと発表した。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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ザーミル電力大臣がレバノンを訪問し、アウン大統領と会談、シリア経由でのヨルダンからレバノンへの電力供給計画について協議(2022年1月25日)

ガッサーン・ザーミル電力大臣がレバノンを訪問し、ミシェル・アウン大統領と会談、シリア経由でのヨルダンからレバノンへの電力供給計画について意見を交わした。

会談には、アリー・アブドゥルカリーム在レバノン大使、レバノンのワリード・ファイヤード・エネルギー資源大臣が同席した。

会談後の記者会見で、ザーミル電力大臣は、昨年10月6日のシリア、ヨルダン、レバノンの三カ国による合意に従い、シリアの電力網を経由して、ヨルダンからレバノンへの電力供給を行い、レバノンにおける電力のニーズの一部に対応することを改めて強調した。

SANA(1月25日付)が伝えた。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル市スポーツ・サロンとサフバ町で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月25日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月25日付)によると、1月19日にダイル・ザウル市スポーツ・サロンで開設された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

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ラッカ県では、SANA(1月25日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2022年1月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バイニーン村、ファッティーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町とヤードゥーダ村を結ぶ街道沿いの灌漑施設を、正体不明の武装集団が襲撃し、中にいた3人を銃で撃ち殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3144612795781455

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で46人(2022年1月25日)

保健省は政府支配地域で新たに46人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者300人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月25日現在のシリア国内での感染者数は計51,075人、うち死亡したのは2,974人、回復したのは36,798人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/236732041968113

AFP, January 25, 2022、ACU, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民320人と国内避難民(IDPs)5人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は745,142人、2019年以降帰還したIDPsは105,690人に(2022年1月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月24日に難民320人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民308人(うち女性93人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは12人(うち女性4人、子供6人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は745,142人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者347,762人(うち女性104,508人、子ども177,064人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,380人(うち女性119,265人、子ども202,673人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,972人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は974,422人(うち女性292,334人、子供496,496人)となった。

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一方、国内避難民5人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は5人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,690人(うち女性41,398人、子供34,092人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,286人(うち女性423,957人、子供677,858人)となった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143970829178985

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 25, 2022をもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市郊外の国境に近い農場で住民1人を射殺(2022年1月24日)

アレッポ県では、ANHA(1月25日付)によると、トルコ軍の国境警備隊がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市郊外の国境に近い農場で住民に発砲、1人を射殺した。

AFP, January 25, 2022、ANHA, January 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 25, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 25, 2022、Reuters, January 25, 2022、SANA, January 25, 2022、SOHR, January 25, 2022などをもとに作成。

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ダーイシュはダイル・ザウル県でシリア民主軍と「イランの民兵」の拠点を相次いで襲撃(2022年1月24日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の武装グループがダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるブサイラ市、ズィーバーン町、ハリージーヤ村、スワル町近郊で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対してRPG弾などで攻撃を加えた。

ダーイシュの武装グループはまた、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市近郊の砂漠地帯にある「イランの民兵」の拠点複数カ所を襲撃した。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会はグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件をめぐるトルコとシリア政府の対応を批判(2022年1月24日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱に対するトルコとシリア政府の対応を批判した。

声明の骨子は以下の通り:

テロリスト・ダーイシュのメンバー多数を拘留する任務は容易なことではない。有能な大国でも不可能なことだ…。だが、シリア民主軍は、有志連合の一部の国、北・東シリア自治局の内務治安部隊とともに重責を担ってきた…。にもかかわらず、周辺諸国からの陰謀は止まない。

これらの国のうち、とりわけトルコは、ダーイシュへの支援を止めず、占領地で彼らに武器を供与し、活動させ、傭兵として育成し、北・東シリア自治局の支配地に潜入させた…。工業高校の刑務所を狙った作戦は、(ハサカ県の)ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市や(ラッカ県の)タッル・アブヤド市で計画された。

トルコはまた、(ラッカ県の)アイン・イーサー市一帯の村々を砲撃し、民間人を狙い、刑務所での戦闘から世論の関心を反らし、我が部隊を分散させ、大規模な脱獄作戦が行われる余地を与えた。

ダマスカスの権力と挫折した反体制派の一部は、事件を人種差別、人道への罪などと評した…。だが、これらの非難はこうした勢力にふさわしく…、彼らが女性、子供、老人に対してもっとも卑劣な犯罪を行うテロリストどもを擁護することは不思議なことではない。

ANHA(1月24日付)が伝えた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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外務在外居住者省は国連関係機関、赤十字国際委員会、シリア赤新月社、シリア国民信託にハサカ市の避難民を支援するよう求める(2022年1月24日)

外務在外居住者省は、首都ダマスカス県カフルスーサ区にある本舎で、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱に対処するための緊急会合を開催し、国連関係機関、赤十字国際委員会、シリア赤新月社、シリア国民信託の代表と意見を交わした。

SANA(1月24日付)によると、会合では、外務在外居住者省国際機関局長が出席者に対して、米軍、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、ダーイシュ(イスラーム国)のテロと暴力行為を逃れようとして避難した住民数万人を支援するためのあらゆる措置を講じるよう求めた。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3183270598626712

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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グワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受け、政府支配下のハサカ市治安厳戒地区に避難した住民は3,500世帯、北・東シリア自治局が保護した避難住民は65世帯(2022年1月24日)

ハサカ県では、SANA(1月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受けて、同市南部各所からシリア政府の支配下にあるいわゆる「治安厳戒地区」に避難した住民の数は3,500世帯に達した。

住民は、シリア軍が設置した安全回廊を通って、治安厳戒地区に避難し、仮設避難センターに収容され、社会問題労働局が、シリア赤新月社、NGO、住民ボランティアなどとともに食糧や医薬品を提供、支援を行っている。


北・東シリア自治局の支配下にある刑務所一帯の地区(グワイラーン地区、ズフール地区)では、住民が避難を続け、シリア軍、シリア赤新月社などが支援にあたった。

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一方、ANHA(1月24日付)によると、北・東シリア自治局の関係機関は、避難してきた住民数十世帯を保護した。

民主統一党(PYD)のハサカ市評議会の共同議長を務めるサーミヤ・アフマド氏によると、保護した住民は65世帯約350人。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍はグワイラーン刑務所制圧の遅れは「カリフ刻の幼獣」を人間の盾にしているためと発表(2022年1月24日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱の収拾が難航していることに関して、ダーイシュが児童戦闘員を人間の盾にしているためだと主張した。

声明の内容は以下の通り。

過去3日にわたるダーイシュによるグワイラーン刑務所/工業高校制圧と収監中のテロリスト脱獄を目的とした組織だった攻撃において、シリア民主軍の進軍を妨げる大きな障害はテロリストが、ダーイシュとつながりのある「カリフ国の幼獣」の子供たち700人を人間の盾として利用していることだ。彼らは、過激思想から更生させるために、拘置所内の特別分離房に収容されていた。

シリア民主軍は、刑務所内のこれらの子供たちに被害を及ぶことの責任のダーイシュのテロリストどもに負わせる。

シリア民主軍は、国連、赤十字国際委員会に、子供たちを無力化し、ダーイシュが軍事作戦で彼らを利用せず、その身柄を治安部隊に引き渡し、身の安全を確保するために介入するよう求める。

ANHA(1月24日付)が伝えた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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グワイラーン刑務所でのダーイシュとシリア民主軍・アサーイシュの戦闘続く:「カリフ国の幼獣」ら数百人が投降・解放(2022年1月24日)

ハサカ県では、ANHA(1月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱は24日も続き、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)がダーイシュのスリーパーセルや脱獄犯と刑務所の外塀付近で激しく交戦する一方、刑務所を包囲し、拡声器を通じて投降を呼び掛けた。

また、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合は23日深夜から24日未明にかけてダーイシュのメンバーや脱獄者が立て籠もっているグワイラーン地区ないの複数カ所を爆撃した。


一方、シリア民主軍は声明を出し、ダーイシュのメンバー約300人が投降したと発表した。

https://www.facebook.com/QSDMEDIA/posts/1816562585203068

シリア人権監視団によると、「カリフ国の幼獣」として知られる子供たちが、大型旅客バス複数台に分乗して刑務所外へと移送された。

移送の理由は不明だが、刑務所に立て籠もるダーイシュの負傷したメンバーの治療を条件に、人質となっている子供が釈放されたと見られる。

子供たちを含めて、シリア民主軍に投降し、刑務所内から移送された収監者らの数は400人に上っているという。

なお、ANHA(1月24日付)によると、グワイラーン刑務所には5,000人のダーイシュ・メンバーが投獄されている。

また、アサーイシュは声明を出し、ダーイシュのスリーパーセルのメンバー3人を拘束、持っていた武器弾薬を押収したと発表した。

北・東シリア自治局の内務委員会による前日の決定に従い、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ市各所では、外出禁止令が発動された。

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シリア人権監視団によると、1月20日以降の戦闘による死者は154人。

うちダーイシュ・メンバーは102人、シリア民主軍、アサーイシュ、刑務所守衛が45人、住民が7人。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル市スポーツ・サロンとサブハ町で、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月24日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月24日付)によると、1月19日にダイル・ザウル市スポーツ・サロンで開設された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

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ラッカ県では、SANA(1月24日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2022年1月24日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のサルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バイニーン村、フライフィル村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反3件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143971929178875

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で44人、北・東シリア自治局支配地域で20人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で6人(2022年1月24日)

保健省は政府支配地域で新たに44人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者295人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月24日現在のシリア国内での感染者数は計51,029人、うち死亡したのは2,971人、回復したのは36,498人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/236160012025316

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに20人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が死亡したと発表した。

これにより、1月24日現在のシリア国内での感染者数は計37,362人、うち死亡したのは1,523人、回復したのは2,522人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性9人、女性11人。

また地域の内訳は、ハサカ県のカーミシュリー市8人、マーリキーヤ(ダイリーク)市12人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1775149849341611

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月23日に新たに6人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、102人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡5人、アフリーン郡0人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計93,056人、うち死亡したのは2,359人、回復したのは71,470人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1759961384208745

AFP, January 24, 2022、ACU, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民302人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は744,822人に(2022年1月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月23日に難民302人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民287人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは15人(うち女性5人、子供8人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は744,822人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者347,454人(うち女性104,415人、子ども176,907人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,368人(うち女性119,261人、子ども202,667人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,972人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は974,102人(うち女性292,334人、子供496,496人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,685人(うち女性41,397人、子供34,088人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,281人(うち女性423,956人、子供677,854人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143970829178985

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 24, 2022をもとに作成。

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スプートニク・ニュース:反体制派を主導するシリアのアル=カーイダ(シャーム解放機構)が越境(クロスボーダー)人道支援を利用し、不正に得た資金をトルコに投資(2022年1月23日)

スプートニク・ニュース(1月23日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の司令官らがトルコで数億ドルの投資を行い、利益を得ていると伝えた。

イドリブ県の情勢に詳しい複数の消息筋がスプートニク・ニュースに明らかにしたところによると、折からの寒波と大雪によって深刻な生活を強いられている国内避難民(IDPs)キャンプの住民らは、キャンプの住民への国際機関による越境(クロスボーダー)人道支援物資の到着や配給の仕組みの信頼性について疑義を呈している。

国境地帯やキャンプを含むイドリブ県のほぼ全域を掌握し、テロリストに指定されているシャーム解放機構のメンバーが支援事業を統轄しているのが理由。

同消息筋によると、シャーム解放機構の司令官らは、自分たちの資金を、シャンルウルファ、ガジアンテップ、イスタンブールといったトルコの都市の不動産業、自動車業、レストラン業、商業といった事業に投資するようになっているという。

投資額はこの4年だけで2億5000万ドルに達しており、同消息筋は「これらの資金の出所はどこなのか」との疑問を抱いている。

同消息筋はこう述べている。

シャーム解放機構の司令部に所属する治安局がバーブ・ハワー国境通行所を完全に掌握していることを皆が知っている。この通行所は、国連の越境人道機関が回廊として利用し、支援物資を国境地帯のキャンプやイドリブ県各地に運んでいる…。

また、これらの支援のほとんどが盗まれ、シャーム解放機構がトルコ国境に面するサルマダー市、アティマ村、ダルクーシュ町に設置した貯蔵庫に転売されていることも皆が知っている。それは皆が知っているビック・ビジネスのようなもので、商人らは盗まれた人道支援物資を売りさばき、これらの都市の市場では、薬、食糧、医薬品が売られている。仲介業者を通じてトルコの市場に再び密輸されることも多い。

過去数年にわたり、シャーム解放機構は、架空の人道支援受益者のリストを作り上げ、各世帯に割り当てられる支援を減少させた。加えて、要支援者に物資が配給される前に支援物資を横取りし、それらはシャーム解放機構の司令官やトルコの慈善団体関係者に分配されている。

シャーム解放機構の司令官らは、国境地帯の居住ブロックの建設プロジェクトに参入し、事業者と結託し、多額な資金の一部を受給するケースもある。

イドリブ県では、国際機関、支援国も含む皆が、テロ組織に指定されているシャーム解放機構の幹部司令官多数が、こうした行為を1から10まで管理している。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022、Sputnik News, January 23, 2022などをもとに作成。

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ニランドUNICEFシリア事務所代表:「グワイラーン刑務所に収容されている子供850人の安全が深刻な危機に晒されている」(2022年1月23日)

UNICEFシリア事務所のヴィクトル・ニランド代表は報道声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱に関して、刑務所内に収容されている子供850人の安全が深刻な危険に晒されていると表明した。

850人のなかには12歳に満たない子供もいるという。

ニランド代表はまた、北・東シリア自治局の管理下にあるハサカ県のフール・キャンプやロジュ・キャンプにも60カ国以上の子供約1万人が収容されており、冬の寒さや支援不足のなかで困難な生活を余儀なくされていると付言した。

クドス・アラビー(1月24日付)が伝えた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、al-Quds al-‘Arabi, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

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グワイラーン刑務所の襲撃・脱獄事件での混乱を受けて住民の避難が続き、シリア軍やシリア赤新月社が支援にあたる(2022年1月23日)

ハサカ県では、SANA(1月23日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受けて、北・東シリア自治局の支配下にある刑務所一帯の地区(グワイラーン地区、ズフール地区)では、住民が避難を続け、シリア軍、シリア赤新月社などが支援にあたった。



AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

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北・東シリア自治局渉外関係委員会は、ダーイシュによるグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件をめぐってシリア民主軍と米国を非難した前日の外務在外居住者省声明に「滑稽でばかげている」と反論(2022年1月23日)

北・東シリア自治局の渉外関係委員会(外務省に相当)は声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に関して1月22日に外務在外居住者省が出した声明を非難した。

声明の骨子は以下の通り:

10年間にわたるシリアの危機は深刻化し、複雑な様相を呈しており、シリアが苛まれている悲惨な人道、政治、経済状況の最大の責任はシリアの体制にある。

占領国トルコによって破壊とシリア国土の一部の占領が行われているなか、シリアで起きていることに対してより大きな責任を伴う政策が必要だったが、責任を果たそうとする姿勢を欠いていた。

我々は、シリアの体制がショーヴィニズムに満ちた非合理的な言説で、テロと戦うシリア民主軍を攻撃し、ハサカ市のグワイラーン刑務所での事件について、テロリストに対する抵抗を戦争犯罪だと述べている。2015年にテロリスト100人を前に体制とその軍が逃げ出した同じ場所を、その後人民防衛隊(YPG)と女性防衛隊(YPJ)が解放したにもかかわらずだ。

体制の外務省、ファイサル・ミクダードが行うこの手の発言は滑稽でばかげている。体制は今日シリアで何が起きているのか、10年にわたって行われた民間人に対する殺戮と強制移住について自問すべきだ。

ハサカ市はシリアの都市であるにもかかわらず、誰が同市をダーイシュから防衛してきたのかを忘れ、北・東シリア自治局との対話に体制が失敗したことを正当化するための手段としてダーイシュを利用しているようだ。

我々はこうした無責任な声明を非難する。

体制の外務省は、国連安保理、国連の場でトルコの行動、占領、その傭兵どもの行動を抑える責任を果たすべきだ。

我々は、体制が自らの殻から抜け出し、シリアでの出来事やその進展に対する自らの施政について慎重に考える必要があると言いたい。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1774664106056852

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

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北・東シリア自治局内務委員会はダーイシュ対策でジャズィーラ地方ハサカ地区全域に1月24日から31日まで外出禁止令を発出すると発表(2022年1月23日)

北・東シリア自治局の内務委員会(内務省に相当)は声明を出し、同自治局ジャズィーラ地方ハサカ地区全域に1月24日から31日まで外出禁止令を発出すると発表した。

ダーイシュによるグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件に伴う混乱を受けた措置。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1774688836054379

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍はダーイシュによるグワイラーン刑務所での襲撃・脱獄事件の詳細を発表:実行犯の一部はトルコ占領地とイラクから参集(2022年1月23日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にあるグワイラーン刑務所(高等学校)での襲撃・脱獄事件の詳細についての声明を発表した。

それによると、刑務所の襲撃に参加したダーイシュの自爆テロリストは200人以上に上り、その一部はトルコの占領下にあるハサカ県のラアス・アイン市一帯地域、ラッカ県のタッル・アブヤド市一帯地域、さらにはイラクからグワイラーン地区に参集していた。

襲撃は6カ月にわたり準備されていた。

彼らは、1月20日午後7時半に爆弾を仕掛けた車を使って刑務所への攻撃を開始、刑務所が外からも攻撃を加えるとともに、収監者らが刑務所内で守衛、医療スタッフ、厨房職員らを襲撃し、脱獄を試みた。

襲撃された職員の安保は今も不明だという。

脱獄の試みのほとんどは失敗したものの、一部がグワイラーン地区に隣接するユーフラテス大学経済学部の施設に逃げ込んだ。

シリア民主軍は刑務所周辺を完全に制圧し、東グワイラーン地区、ズフール地区、パノラマ交差点でダーイシュ・メンバーと激しく交戦し、そのほとんどを殲滅するとともに、武器・弾薬を持ち込むために建設していた地下トンネルを制圧した。

シリア民主軍は刑務所内も制圧したが、グワイラーン地区には依然として2、ないしは3つのスリーパーセルが抵抗を続けているという。

また、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)約1万人が大規模な掃討作戦を続けているという。

1月20日以降の戦闘でシリア民主軍が殺害したダーイシュ・メンバーは175人以上、うち160人強が襲撃犯、15人が脱獄を試みた収監者。

一方、戦闘では、シリア民主軍の戦闘員27人が犠牲となった。

ANHA(1月23日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、グワイラーン刑務所一帯では、米主導の有志連合の航空機が上空を旋回するなか、シリア民主軍、アサーイシュとダーイシュ・メンバーの戦闘が続いた。

シリア民主軍の広報センターは声明を出し、ハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にあるグワイラーン刑務所(高等学校)での襲撃・脱獄事件の実行犯ら13人を新たに殺害、2人を拘束したと発表した。

また、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は、グワイラーン地区内で潜伏・立て籠もりを続けているダーイシュ・メンバーらに対して武器を棄てて投降するよう呼びかけた。

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県アイン・イーサー市西のウライマート村を砲撃し、子供2人負傷(2022年1月23日)

ラッカ県では、ANHA(1月23日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市西のウライマート村を砲撃し、子供2人が負傷した。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

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