2013年4月14日のシリア情勢

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団によるワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲の解除に成功、その際の戦闘で反体制武装集団の戦闘員21人が殺害された。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍はバーブーリーン市とヒーシュ村の国際幹線道路沿いの高台を制圧し、両基地への兵站路を確保したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、バーブーリーン市、バースリーム市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクーリーン市、サラーキブ市、ビンニシュ市、アリーハー市、マジュダリヤー村、ジスル・シュグール市、アリーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、カーミシュリー市への攻略を開始した反体制武装集団は同市南部のザバーナ村などから戦術的に撤退した。

同報道によると、カーミシュリー市内のシュクリー・クーワトリー通りからファールーク・モスクに至る治安厳戒地区では、治安機関要員や政権支持者らが、アサド大統領を支持するシュプレヒコールを繰り返し、祝砲を撃ち、反体制武装集団の放逐を祝ったという。

一方、シリア人権監視団によると、クルド人が多く住むハッダード村を軍が空爆し、子供3人と女性2人を含む16人が死亡した。

同監視団によると、村には反体制武装集団が拠点とする灯油配給所があったが、空爆は民家に対して行われたという。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)は、ダマスカス県旧市街ミドハト・パシャ通りのカルイー・モスク前で若者らが中心となって反体制デモを行ったと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、スバイナ町、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などに対して軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ジャルマーナー市の大型旅客バス・ステーションに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡、20人が負傷した。

またスバイナ町、ナバク市、ダーライヤー市、リーマー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、ダルアーの楯旅団司令官のアブー・アリー・ドゥーマーニー氏がウタイバ村での軍との戦闘で負傷した。

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アレッポ県では、シリア・アラブ・テレビ(4月14日付)によると、アレッポ市の治安機関拠点の近くで反体制武装集団が爆弾を積んだ車を自爆させ、爆発によって同市で取材活動をしている特派員3人を含む18人が負傷した。

同報道は事件現場の詳細については報じなかったが、シリア人権監視団によると、自爆テロはフルカーン地区の将校クラブ近くで発生したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、ムスリミーヤ村、ダイル・ジャマール村、タッル・ハースィル村、ドゥワイリーナ市、ナイラブ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市シャイフ・サイード地区、サーフール地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(4月14日付)は、破壊されたダルアー県ダルアー市のウマリー・モスクのミナレットに関して、ダルアー地区に展開するシャームの民のヌスラ戦線が破壊したと報じた。

SANAは「あらゆる証拠がテロリストが(ダルアー市のウマリー・モスクの)ミナレットを爆破したことを示している…。ミナレットが崩壊する瞬間を撮影するため、あらかじめビデオ・カメラがどうして設置されていたのか」と報じた。

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ヒムス県では、『サウラ』(4月15日付)によると、タドムル市、ガジャル村、アーバル市、東ブワイダ市、アルジューン市、ダブア市、タッル・ザハブ町、カフルラーハー市、ラスタン市、ガジャル村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、『サウラ』(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市乗せ維持治安局周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、『サウラ』(4月15日付)によると、スーダー村、バイト・ハーミーク村、ドゥワイルシャーン村、ワーディー村、トゥウーマー村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明とイスラーム国家樹立主唱に関して「シリア国民の意思に抵触し、偉大なる革命の目的とその原則から逸脱している」と非難し、拒否する意思を示した。

そのうえでヌスラ戦線に対して、「シリア国民のなかのあるべき場所にとどまり、アサド体制と戦う努力を続け、シリア国民すべての自由を支持」するよう求めた。

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シャーム自由人大隊が主導するシリア・イスラーム戦線の「精神的父」アブー・バスィール・タルトゥースィーは英国のヒワール・チャンネル(4月14日付)に対して、「我々はイスラーム的な共通項、すなわちイスラーム国家樹立をアッラー、我らが指導者ムハンマド、そしてシャリーアのために維持する…。しかしシャームとシャームの民への反感を抱かせるような組織の名称を我々は避けてきた」と述べた。

そのうえで「この名の組織に属している、この名の組織のもとに戦っているなどという必要はない」と強調し、イラク・イスラーム国によるイラク・シャーム・イスラームの国結成宣言やシャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言に疑義を呈した。

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シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ハサカ県ハッダード村に対する軍の空爆を非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立の使節団(ムハンマド・アブー・ハイル・シュウリー団長)がサウジアラビアを訪問し、今年のズー・ヒッジャ月にハッジを予定しているシリア人巡礼者約20,000人のサウジアラビア訪問について関係者と協議した。

レバノンの動き

NNA(4月14日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に、シリア領内から撃たれたロケット弾が着弾し、子供1人を含む2人が死亡、5人が負傷した。

マヤーディーン(4月14日付)によると、迫撃砲はヒムス県クサイル地方の反体制武装集団の拠点から発射されたという。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明に関して、「重要なのはシリアの反体制勢力の統合であり、その結束を脅かす行為を排除すべきだ」と批判した。

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ベルギーの複数のメディアが報じたところによると、シリアの反体制武装集団に加わり、戦闘に参加していたフランス人のラファエル・ジャンドルン(38歳)が、シリアで死亡した。

ジャンドランは、数ヶ月前にシリアに潜入し、アブドゥッラフマーン・アイヤーシーが率いるシャームの鷹大隊に加わっていた。

AFP, April 14, 2013, April 15, 2013、Akhbār al-Sharq, April 14, 2013、al-Ḥayāt, April 15, 2013、Kull-nā Shurakā’, April 14, 2013、Kurdonline, April 14,
2013、al-Mayadeen, April 14, 2013、Naharnet, April 14, 2013、NNA, April 14,
2013、Reuters, April 14, 2013、SANA, April 14, 2013、al-Thawra, April 14, 2013、UPI, April 14, 2013などをもとに作成。

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