米中央軍(CENTCOM)は2024年上半期に196回の作戦を実施、ダーイシュ工作員44人を殺害、166人を拘束したと発表(2024年7月17日)

米中央軍(CENTCOM)は現地時間の午前0時56分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM)を通じて声明を出し、2024年1月から6月にかけて、ダーイシュ(イスラーム国)がイラクとシリアで153件の攻撃を行ったと主張しており、彼らが再編を試みていることを示していると発表した。

声明によると、これに対して、CENTCOMは、協力部隊であるイラク治安部隊と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに、2024年上半期に196回の作戦を実施、ダーイシュ工作員44人を殺害、166人を拘束した。イラクでは、137回の共同作戦でISIS工作員30人を殺害、74人を拘束した。シリアでは、SDFおよび他のパートナーと共同で実施した59回の作戦で、ダーイシュの工作員14人を殺害、92人を拘束した。

また、これらの作戦により、イラクとシリア両国で、ダーイシュの上級幹部 8 人を殺害、32人を拘束した。

これらの幹部には、シリアとイラク国外での作戦計画、募集、訓練、武器密輸の責任者が含まれているという。

また、ダーイシュの根絶には、イラクとシリア全土に逃亡中の約2,500人の戦闘員の追跡を継続、シリア北東部の収容施設で拘束されている9,000人以上の外国人メンバーの本国送還と、フール・キャンプやロジュ・キャンプに収容されているメンバーの家族ら43,000人以上の本国送還、リハビリテーション、社会復帰に向けた継続的な国際的取り組みも重要だと強調した。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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レバノンのヒズブッラーのナスルッラー書記長はアーシューラーに併せてテレビ演説:「お前たちの戦車がレバノン、そして南部に入っても、戦車の不足に苦しむことはない。なぜなら、その時、お前たちの戦車はなくなるからだ」(2024年7月17日)

レバノンのヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はイスラーム教12イマーム派(シーア派)の祭りアーシューラー(7月15~16日)に併せてテレビ演説を行った。

ナスルッラー書記長は演説のなかで、以下の通り述べた。

もし、お前たちの戦車がレバノン、そして南部に入っても、戦車の不足に苦しむことはない。なぜなら、その時、お前たちの戦車はなくなるからだ。
もし、お前たちが民間人を標的とし続けるのなら、抵抗運動はこれまで標的としてこなかった居住地を狙うことになる。
レバノンにおける戦線は、ガザ地区とその住民に対するさまざまな攻撃が続く限り、沈静化はしない。
レバノン戦線の情勢をめぐってすでに合意が成立しているという噂は正しくない。南部の今後の状況は、戦闘の結果にもとづいて決せられ、そこにおいて抵抗運動とこれを支援する戦線が勝利を収めることになる。
停戦すれば、交渉や回答を行う当事者はレバノン国家になる。
我々は前線の村々を再建し、これまで以上に美しいものにしてみせる。


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レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、7月17日の戦果について以下の通り発表した。

(時刻明示せず)ウンム・トゥート村に対する攻撃で子供3人が死亡したことなどへの報復として、サール(キブツ)とゲシェル・ハジブ(キブツ)をカチューシャ砲数十発で攻撃。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前6時5分、レバノンからナハリヤ市地域に約15発の飛翔体が飛来、一部を多連装ミサイルが迎撃、残りは空地に着弾。夜間にヤーリーン村、アイター・シャアブ村、アルマー・シャアブ地域のヒズブッラーのテロ・インフラを攻撃。また、マジュダル・ズーン村地域を砲撃し、脅威を排除。

午後9時47分、先ほどアイタルーン村地域のヒズブッラーのテロ・インフラとラッブ・サラースィーン村地域にあるミサイル発射装置1機を攻撃。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Qanat al-Manar, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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イラク・イスラーム抵抗はイスラエルのエイラート市の重要標的1つを無人航空機で攻撃したと発表(2024年7月17日)

イラク・イスラーム抵抗は午後7時46分、テレグラムのアカウント(https://t.me/ElamAlmoqawama)を通じて声明を出し、イスラエルのエイラート市の重要標的1つを無人航空機で攻撃したと発表した。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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イドリブ県サラーキブ市でロシア軍とトルコ軍の使節団が、シリア政府の支配地と反体制派の支配地を隔てている通行所の開放などを協議するための会合を開く(2024年7月17日)

シリア人権監視団は、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市で、ロシア軍とトルコ軍の使節団が会合を開いたとの情報を得たと発表した。

同監視団によると、会合は、シリア政府の支配地と反体制派の支配地を隔てている通行所の開放、シリア軍と反体制派による攻撃の激化への対応などについて話し合うのが目的。

会合が行われた17日昼、ロシア軍のヘリコプター2機がサラーキブ市に到着、トルコ軍もイドリブ県内の複数の拠点から、タルナバ村の通行所を経由して、サラーキブ市に入った。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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シリア国民軍に所属するスライマーン・シャー師団のムハンマド・ジャースィム司令官(アブー・アムシャ)とハムザ師団のサイフ・ブーラート司令官が首都アンカラにある連立与党の一つMHPのデヴレト・バフチェリ党首と会談(2024年7月17日)

トルコのシリア人が運営しているニュース・サイトのギュセル(7月17日付)は、シリア国民軍に所属するスライマーン・シャー師団のムハンマド・ジャースィム司令官(アブー・アムシャ)とハムザ師団のサイフ・ブーラート司令官が首都アンカラにある連立与党の一つ民族主義者行動党(MHP)の本部を訪れ、デヴレト・バフチェリ党首と会談したと伝え、その際に撮影された写真を公開した。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、Guzelo, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員らと、カルアーン部族が軽火器、中火器で交戦(2024年7月17日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内の拠点都市の一つジャラーブルス市で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員らと、カルアーン部族が軽火器、中火器で交戦した。

戦闘は、カルアーン部族がジャラーブルス市東部の通行所交差点近くにあるスルターン・ムラード師団の司令官の自宅を襲撃したことがきっかけ。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県庁舎に、ブーサラーヤー部族の族長が押入り、第7期人民議会選挙の開票作業を行っていた職員らが開票結果を漏洩したと罵倒、暴行を加える(2024年7月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市の県庁舎に、ブーサラーヤー部族の族長の1人、ムハンナー・ファイヤード氏が押入り、15日に投票が行われた第7期人民議会選挙の開票作業を行っていた職員らが開票結果を漏洩したと罵倒、暴行を加えた。

事態を受けて、治安部隊が介入し、職員らを逮捕したものの、これにより開票結果の発表が延期された。

ダイル・ザウル市では、「イランの民兵」に近いとされるマドルール・アズィーズ候補、マルスーミー候補が当選したとの情報が流れていた。

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このほか、シリア政府の支配下にあるブーライル村で共和国護衛隊の兵士1人が何者かによって銃で撃たれて死亡した。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで暮らしていた13人が、キャンプ内の劣悪な生活環境を理由に、シリア政府の支配地に脱出(2024年7月17日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで暮らしていた13人が、キャンプ内の劣悪な生活環境を理由に、シリア政府の支配地に脱出した。

13人のうち8人は家族で、1世帯はヒムス県出身、2世帯はダイル・ザウル県出身。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県とアレッポ県の各所で、ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモを行(2024年7月17日)

イドリブ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるビンニシュ市、アリーハー市で、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモを行った。


また、アレッポ県のダーラト・イッザ市、アブザムー町でも同様のデモが発生した。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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スワイダー市での抗議デモを主導していた山岳(ジャバル)旅団のマルハジュ・ジュルマーニー司令官が暗殺される(2024年7月17日)

スワイダー県では、シリア人権監視団、イナブ・バラディー(7月17日付)、スワイダー24(7月17日付)によると、山岳(ジャバル)旅団の司令官のマルハジュ・ジュルマーニー氏がスワイダー市の自宅で頭を何者かによって銃で撃たれて死亡した。

ジュルマーニー氏は、2011年から2013年にかけて親政権民兵(国防隊)の司令官を務め、その後、ジャバル・アラブ地方で「土地と名誉の保護」をスローガンとする「尊厳の男たち運動」の結成に参加、麻薬商人のラージー・ファルフート氏ら、レバノンのヒズブッラーや治安機関の協力者の暗殺などに関与してきた。

2023年半ばにスワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で始まった反体制デモの首謀者の1人と目されている。

ジュルマーニー氏の暗殺を受けて、サイル広場では、活動家らが集まり、「英雄よ、あなたの魂に慈悲を」などと書かれた紙を掲げて、冥福を祈るとともに、自由、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放を訴えて抗議デモを行った。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024、Suwayda 24, July 17, 2024などをもとに作成。

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アレッポ県北部でトルコ軍、シリア国民軍とシリア軍、シリア民主軍が砲撃戦:ハサカ県ではシリア民主軍の攻撃でシリア国民軍スルターン・ムラード師団のメンバー3人死亡(2024年7月17日)

アレッポ県では、ANHA(7月17日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市郊外にある農業用空港、ハラービシー村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア国民軍と、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、シリア軍が、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内の拠点都市の一つアアザーズ市に近いマルアナーズ村、カフルハーシル村一帯で砲撃戦を行った。

シリア軍はまた、カッバーシーン村を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域の支配下にあるムシュイーファ村(アブー・ラースィーン(ザルカーン)町西)で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の部隊が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するタッル・タムル軍事評議会の攻撃を受け、3人が死亡、5人が負傷した。

攻撃は、シリア国民軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配地域を砲撃したことへの報復。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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北・東シリア地域民主自治局の諸人民民主評議会は法律第10号「恩赦法」を施行(2024年7月17日)

北・東シリア地域民主自治局の「国会」に相当する意思決定機関の諸人民民主評議会は、法律第10号「恩赦法」を施行した。

恩赦法は、2012年の「7月19日革命」(人民防衛隊(PYD)による決起と、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市などの掌握)から12年が経つのに併せて発出されたもので、全6条からなり、2024年7月17日以前のテロ犯罪を対象とし、禁固刑の刑期の半減、無期刑の禁固15年への減刑、治癒の見込みのない受刑者および75歳以上の受刑者への刑罰の免除を定めている。

ただし、テロ組織の司令官、教官、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対する戦闘に参加したメンバー、殺人を犯したメンバー、裁判が終了していない被告、60日以内に出頭しない逃亡犯などは恩赦の対象外。

ANHA(7月17日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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軍武装部隊総司令部は8月31日までの時点で予備役が1年以上に達する予備士官らの招集を9月1日付で解く管理命令を発出(2024年7月17日)

軍武装部隊総司令部は管理命令を発出し、8月31日までの時点で、予備役が1年以上に達する予備士官、5年半以上に達する士官および人員、38歳以上に達し、2年以上の職歴を修了した人員の招集を9月1日付で解く管理命令を発出した。

SANA(7月17日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2024、ANHA, July 17, 2024、‘Inab Baladi, July 17, 2024、Reuters, July 17, 2024、SANA, July 17, 2024、SOHR, July 17, 2024などをもとに作成。

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