イスラエル軍が占領下のゴラン高原と政府支配地の兵力引き離し地域を隔てる境界線近くに展開するシリア軍機甲連隊を大砲や戦車で砲撃(2024年7月10日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が占領下のゴラン高原と政府支配地の兵力引き離し地域を隔てる境界線(ラインA)近くの県南部に展開するシリア軍機甲連隊を大砲や戦車によって砲撃した。

また、イスラエル軍航空機複数機が同地一帯にビラを散布し、シリア軍に対して兵力引き離し地域に進入しないよう警告した。

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一方、イスラエル軍は午後3時58分、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、イスラエル軍戦車複数輌と大砲が、兵力引き離し合意に違反してシリア軍が緩衝地帯に設置・使用していた軍事インフラを攻撃したと発表した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍によるシリアへの攻撃は、7月に入って初めて、今年に入って51回目(うち37回が航空攻撃、14回が地上攻撃)、これにより105あまりの標的が破壊され、軍関係者176人が死亡、91人が負傷しているという。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):23人
ヒズブッラーのメンバー:38人
イラク人:18人
「イランの民兵」のシリア人メンバー:43人
「イランの民兵」の外国人メンバー:14人
シリア軍将兵:40人

また、民間人も16人(女性3人と子供1人を含む)が死亡、36人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:20回
ダルアー県:13回
ヒムス県:7回
クナイトラ県:6回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:1回
アレッポ県:2回

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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ヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗はイスラエル北部(イスラエル占領下のレバノン南部)を4回攻撃したと発表(2024年7月10日)

レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、7月10日の戦果について以下の通り発表した。

(時刻明示せず)前日のベカーア地域に対する攻撃への報復として、占領下ゴラン高原のザウラ入植地の砲台複数ヵ所をカチューシャ砲数十発で攻撃。

(時刻明示せず)ティールハルファー村、タイバ村などに対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するシュトゥラ入植地の建物複数棟を攻撃。

(時刻明示せず)前日のダマスカス・ベイルート街道沿線に対する攻撃への報復として、ヤルデン基地の第210師団所属の砲兵中隊司令部を自爆型無人航空機複数機で攻撃し、兵士らを殺傷。

午後10時20分、占領下ゴラン高原のラムサー陣地とサンマーカ陣地に集結するイスラエル軍部隊をロケット弾複数発で攻撃し、直接の損害を与える。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前7時4分、ジャンター村(ベカーア県)、バルアシート村地域にあるヒズブッラーの多連装ミサイルを攻撃、カフルカラー村地域にある武器貯蔵施設を攻撃。

午後9時11分、シュトゥラ入植地地域にレバノンから飛翔体1つが飛来、空地に着弾した。また、ティールハルファー村地域で本日早く、ヒズブッラーのテロリストが入った軍事施設を攻撃、タイバ村地域での軍事インフラを攻撃した。

午後10時38分、レバノンから約3機のUAVが飛来し、ベイト・ハメシェス地域に墜落。

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レバノンのヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、7月3日のスール市フーシュ地区に対するイスラエル軍の攻撃で死亡したアズィーズ部隊司令官のムハンマド・ニウマ・ナースィル氏を追悼するテレビ演説がマナール・チャンネルを通じて行い、「我々が望む停戦合意が実現すれば、我々の戦線も疑いなく停戦する」と述べた。

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Qanat al-Manar, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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ロシア軍が約50日ぶりにシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県とハマー県を爆撃、シリア軍も自爆型無人航空機で攻撃(2024年7月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機1機がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市近郊の1ヵ所(バースィル森)を爆撃した。

ロシア軍がシャーム解放機構の支配地を爆撃するのは、約50日ぶり。

ロシア軍戦闘機複数機はまた、ジスル・シュグール市近郊のガッサーニーヤ村一帯に対して3回、砂糖工場に対して1回、ハマーマ村近くの森林地帯に対して1回の爆撃を行った。

一方、シリア軍は、ダイル・サンバル村で車2台に対して、またシャンナーン村で住居1棟に対して自爆型無人航空機複数機で攻撃を行った。

なお、ジスル・シュグール市近郊への爆撃で、シャーム解放機構のメンバー1人が重傷を負い、11日に死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がシャーム解放機構の支配下にあるガーブ平原のシャイフ・スィンドヤーン村を爆撃した。

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024、July 11, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合による「非紛争議定書」違反を11件、55キロ地帯への侵犯を12件確認したと発表(2024年7月10日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、過去24時間にシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への米主導の有志連合所属の無人航空機(ドローン)による違反を11件確認したと発表した。

イグナシュク副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、F-15戦闘機8機、A-10サンダーボルト攻撃機4機による領空侵犯を12件確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(7月10日付)、タス通信(7月10日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 10, 2024、TASS, July 10, 2024をもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)はフーシー派の無人航空機(UAV)1機を破壊したと発表(2024年7月10日)

米中央軍(CENTCOM)は現地時間の午前3時6分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM)を通じて声明を出し、過去24時間内にフーシー派の無人航空機(UAV)1機を破壊したと発表した。

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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イラク・イスラーム抵抗はオロット・ラビン発電所(ハデラ市近郊)とアシュトド港を無人航空機で攻撃したと発表(2024年7月10日)

イラク・イスラーム抵抗は午前3時14分、テレグラムのアカウント(https://t.me/ElamAlmoqawama)を通じて声明を出し、オロット・ラビン発電所(ハデラ市近郊)を無人航空機で攻撃したと発表した。

また、午後3時8分にも声明を出し、前日晩にアシュトド港を無人航空機で攻撃したと発表した。


AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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トルコ占領下の「平和の泉」地域の中心都市の一つラッカ県タッル・アブヤド市で、シリア国民軍憲兵隊が、トルコ当局によるインターネット回線の遮断や国境通行所の閉鎖を批判したとして住民6人を逮捕(2024年7月10日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域の中心都市の一つタッル・アブヤド市で、シリア国民軍憲兵隊が、トルコ当局によるインターネット回線の遮断や国境通行所の閉鎖を批判したとして住民6人を逮捕した。

逮捕は、トルコの諜報機関の要請を受けたもの。

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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ダーイシュのスリーパーセルがダイル・ザウル県ムサッラブ村近郊の砂漠地帯でパレスチナ人民兵のクドス旅団メンバーのシリア人2人を殺害(2024年7月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがムサッラブ村近郊の砂漠地帯にあるシリア軍の指揮所を襲撃し、パレスチナ人民兵のクドス旅団メンバーのシリア人2人を殺害した。

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県ビンニシュ市、アティマ村の国内避難民(IDPs)キャンプ、アリーハー市で、住民らがジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモ(2024年7月10日)

イドリブ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)によると、シャーム解放機構の支配下にあるビンニシュ市、アティマ村の国内避難民(IDPs)キャンプ、アリーハー市で、住民らがアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモを行った。



AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024などをもとに作成。

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ダルアー県のインヒル市などで地元武装集団が地元出身女性の釈放を求めてシリア軍を襲撃、女性は釈放される(2024年7月10日)

スワイダー県では、スワイダー24(7月10日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市のサイル広場(カラーマ広場)で、活動家らが抗議デモを行い、自由、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放、人民議会拒否を訴えた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、地元武装集団が、インヒル市にある総合情報部本部を包囲、首都ダマスカスで拘束された地元出身の女性を2時間以内に釈放するよう求めた。

シリア政府側が応じなかったため、地元武装集団がシリア軍の検問所複数ヵ所を攻撃、銃撃戦となった。

地元武装集団はまた、ナワー市やインヒル市にある軍事情報局の分所、ティーラ村の検問所などを重火器で攻撃した。

戦闘激化を受け、治安当局は拘束していた女性を釈放、事態は収束した。

なお、戦闘はマハッジャ町でも発生し、「マハッジャ革命家」を名乗る武装集団が軍事情報局所属の兵士1人を殺害した。

AFP, July 10, 2024、ANHA, July 10, 2024、‘Inab Baladi, July 10, 2024、Reuters, July 10, 2024、SANA, July 10, 2024、SOHR, July 10, 2024、Suwayda 24, July 10, 2024などをもとに作成。

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