国連人道問題調整事務所(OCHA)はシリア政府がバーブ・ハワー国境通行所を経由した国連による越境(クロスボーダー)人道支援を2025年1月13日までの6ヵ月間継続して認める旨通達してきたと発表(2024年7月11日)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は、シリア政府が7月10日、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県とトルコを結ぶバーブ・ハワー国境通行所を経由した国連による越境(クロスボーダー)人道支援を2025年1月13日までの6ヵ月間、継続して認める旨通達してきたと発表した。

UN News(7月11日付)が伝えた。

AFP, July 12, 2024、ANHA, July 12, 2024、‘Inab Baladi, July 12, 2024、Reuters, July 12, 2024、SANA, July 12, 2024、SOHR, July 12, 2024、UN News, July 12, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍がダルアー県アドワーン村一帯、タスィール町一帯に対して迫撃砲3発を撃ち込む(2024年7月11日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がアドワーン村一帯、タスィール町一帯に対して迫撃砲3発を撃ち込んだ。

イスラエル軍の砲撃は、シリア領内からイスラエル占領下のゴラン高原に向けて砲弾1発が発射されたことへの報復。

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これに関して、イスラエル軍は12日午前8時46分、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、「シリアから昨日、ゴラン高原南部に飛翔体1つが発射され、空地に着弾。報復として、タスィール町(ダルアー県)地域にある軍事施設1ヵ所を攻撃した」と発表した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍によるシリアへの攻撃は、7月に入って3回目、今年に入って52回目(うち37回が航空攻撃、15回が地上攻撃)、これにより106あまりの標的が破壊され、軍関係者176人が死亡、91人が負傷しているという。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):23人
ヒズブッラーのメンバー:38人
イラク人:18人
「イランの民兵」のシリア人メンバー:43人
「イランの民兵」の外国人メンバー:14人
シリア軍将兵:40人

また、民間人も16人(女性3人と子供1人を含む)が死亡、36人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:20回
ダルアー県:14回
ヒムス県:7回
クナイトラ県:6回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:1回
アレッポ県:2回

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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ヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗はイスラエル北部(イスラエル占領下のレバノン南部)を9回攻撃したと発表(2024年7月11日)

レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、7月11日の戦果について以下の通り発表した。

(時刻明示せず)イスラエル軍の砲撃や爆撃への報復として、カブリ村南の第146師団所属砲兵大隊司令部を自爆型無人航空機複数機で攻撃し、直接の損害を与え、兵士らを殺傷。

午前11時21分、マルキヤ入植地の技術設備を攻撃し、直接の損害を与える。

午前11時55分、ハニタ(キブツ)一帯に集結するイスラエル軍部隊をロケット弾複数発で攻撃し、直接の損害を与える。

午後1時5分、ハドブ・ヤーリーン陣地にあるスパイ設備を攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)ジッビーン村、ラーミヤー村などに対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するシュトゥラ入植地の建物2棟を攻撃し、直接の損害を与え、火災を発生させ、兵士らを殺傷。

午後4時56分、ザルイット入植地一帯に展開するイスラエル軍部隊をブルカーン重ロケット弾1発で攻撃。

(時刻明示せず)ヤーリーン村、ティールハルファー村などに対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するミスカヴ・アム(キブツ)の建物2棟を攻撃し、直接の損害を与える。

午後7時45分、占領下カフルシューバー村丘陵地帯のラムサー陣地をロケット弾複数発で攻撃し、直接の損害を与える。

午後7時45分、占領下シャブアー農場のザブディーン陣地をロケット弾複数発で攻撃し、直接の損害を与える。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前8時9分、シュトゥラ入植地地域への前日の飛翔体1つの飛来を受けて、同飛翔体が発射されたアイター・シャアブ村地域を夜間攻撃。またラッブ・サラースィーン村、ウダイサ村地域の複数の軍事施設を攻撃。さらに、ラーミヤー村地域にあるヒズブッラーの監視ポスト、ヒヤーム地域にある軍事インフラを攻撃。レバノン南部の複数ヵ所を攻撃し、脅威を排除。

午前11時48分、レバノン領内から複数のUAVが西ガリラヤ地方に飛来。また上ガリラヤ地方に多数の不審な航空標的が飛来し、午前10時41分に警報が発令、多連装ミサイルが迎撃に成功。

午後1時24分、レバノンから飛来した多数の航空標的を先ほど、多連装ミサイルが迎撃することに成功。飛翔体はイスラエル領内を侵犯しなかった。

午後4時1分、ヤーリーン村、ラーミーム陣地の軍事施設、ジッビーン村、ティールハルファー村のテロ・インフラなどヒズブッラーのテロ標的多数を先ほど攻撃。

午後10時9分、タイバ村地域の軍事施設とカフルカラー村地域のテロ・インフラを先ほど攻撃。本日早く、多数の航空標的がレバノンから飛来、多連装ミサイルが迎撃に成功。


AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Qanat al-Manar, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターはロシア空軍がイドリブ県で武装グループの施設に対して精密攻撃を行い、15人の戦闘員を殺害、20人以上を負傷させたと発表(2024年7月11日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、ロシア空軍がイドリブ県に対して前日に行った爆撃に関して、教練キャンプ、防御施設、無人航空機製造工場、倉庫など違法の武装グループの施設に対して精密攻撃を行い、15人の戦闘員を殺害、20人以上を負傷させたと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(7月11日付)、タス通信(7月11日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 11, 2024、TASS, July 11, 2024をもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)はフーシー派の無人航空機(UAV)2機と無人水上艦艇(USV)1隻を破壊することに成功したと発表(2024年7月11日)

米中央軍(CENTCOM)は現地時間の午前1時13分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM)を通じて声明を出し、過去24時間中にフーシー派の無人航空機(UAV)2機と、紅海内で無人水上艦艇(USV)1隻を破壊することに成功したと発表した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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ルーカー総合情報部長がヒムス県タルビーサ市の名士らと会談:レバノンから帰還するシリア難民を収容する「安全地帯」と指名手配者の社会復帰に向けた若いセンターの設置を伝え、一部住民が反対(2024年7月11日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市の住民がシリア政府との和解を拒否して抗議デモを行った。

デモは、フサーム・ルーカー総合情報部長(少将)が同市の名士や住民らとの拡大会合を受けたもの。

ルーカー総合情報部長は、ムハンマド・スライマーン・カンナー軍事情報局ヒムス支部長、ラドワーン・サッカール空軍情報部ヒムス支部長、マディーン・ナッダ総合情報部ヒムス支部長、アフマド・マアッラー第3軍団司令官らとともに、名士らと会談、そのなかで、レバノンから帰還するシリア難民を収容するためにヒムス県北部に「安全地帯」を設置することについて説明した。

「安全地帯」の設置準備は、トルコと米国がロシアに働きかけたことによるもので、ルーカー総合情報部長は、これと併せて、指名手配者らの社会復帰を促すための和解センターを新たに設置することについても説明した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県の各所を自爆型無人航空機で攻撃(2024年7月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯、ファルカヤー村、シャンナーン村を自爆型無人航空機3機で攻撃した。

一方、シャーム解放機構はカウカバー村近郊でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるヒルバト・ナークース村を自爆型無人航空機1機で攻撃した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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ダーイシュのスリーパーセルがダイル・ザウル県でカーティルジー・インターナショナル・グループ社の石油トレーラーの車列を襲撃し、ドライバー1人を殺害(2024年7月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがアブー・ハシャブ村近郊でカーティルジー・インターナショナル・グループ社の石油トレーラー6輌からなる車列を襲撃し、ドライバー1人を殺害、複数人を負傷させた。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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トルコ占領下の「オリーブの枝」地域の中心都市アフリーン市(アレッポ県)で、トルコ治安当局の要請を受けて、シリア国民軍がトルコ国旗を燃やした若い男性1人を逮捕したことを受けて抗議デモが発生(2024年7月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域の中心都市アフリーン市で、トルコ治安当局の要請を受けて、シリア国民軍の憲兵隊がトルコ国旗を燃やした若い男性1人を逮捕したことを受けて、ヴィーラート通りでトルコに抗議するデモが発生し、男性の釈放を要求した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県タフタナーズ市で、住民らがジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモ(2024年7月11日)

イドリブ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)によると、シャーム解放機構の支配下にあるタフタナーズ市で、住民らがアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモを行った。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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ダルアー県ジャースィム市で地元武装集団と軍事情報局傘下の民兵の衝突が続く(2024年7月11日)

ダルアー県では、シリア人権監視団、イナブ・バラディー(7月11日付)などによると、ジャースィム市では、フサーム・ハルキー(通称ブージー)が率いる地元武装集団と、ワーイル・ジャラム(通常ガビーニー)が率いる軍事情報局傘下の民兵の衝突が続き、迫撃砲の破片を浴びて重態となっていた地元武装集団のメンバー1人が死亡した。

また、民間人1人が狙撃され、負傷した(シリア人権監視団によると、戦闘で負傷していた若い男性1人が、その後22日に死亡した)。

両者の戦闘は、フサーム・ハルキーのきょうだいのイスマーイール・ハルキー(通称アブー・アースィム)が暗殺されたことを受けたもの。

このほか、サナマイン市で正体不明の武装集団が麻薬密輸業者の男性1人と元離反兵と思われる若い男性1人を銃で撃ち、殺害した。

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スワイダー県では、スワイダー24(7月11日付)によると、スワイダー市のサイル広場(カラーマ広場)で、活動家らが抗議デモを行い、自由、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放、人民議会拒否を訴えた。

一方、地元武装集団が、10日に治安機関に若い男性1人が逮捕されてことへの報復として、シリア軍の士官4人と警官1人を拉致し、24時間以内に男性を釈放するようシリア政府側に要求した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024、Suwayda 24, July 11, 2024、July 22, 2024などをもとに作成。

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ハサカ市の治安厳戒地区(シリア政府支配下)内で何者かが仕掛けた爆弾物が爆発し、ロシア軍兵士1人を含む3人が負傷(2024年7月11日)

ハサカ県では、ANHA(7月11日付)によると、シリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるハサカ市の治安厳戒地区(シリア政府支配下)内で何者かが仕掛けた爆弾物が爆発し、3人が負傷した。

爆発物は、ルウルウ医療センター前の通りに置かれており、ロシア軍パトロール部隊の通過に併せて爆発し、ロシア軍兵士が負傷、車輛が損害を受けた。

シリア人権監視団によると、負傷したロシア兵は1人。

これを受け、ロシア軍の車列が、事件を調査するためにハサカ市内の駐留地からカーミシュリー市に向かった。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ県アルカミーヤ村、ハサージク村を砲撃(2024年7月11日)

アレッポ県では、ANHA(7月11日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるタッル・リフアト市近郊のアルカミーヤ村、ハサージク村を砲撃した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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国防省はシリア軍がイドリブ県南部でテロリストの自爆型無人航空機を迎撃、ラタキア県北部でロシア軍の協力を得て、テロリストの指揮所や防御施設を攻撃、トルキスタン・イスラーム党の指導者ら数十人を殺傷したと発表(2024年7月11日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて、シリア軍部隊がイドリブ県南部で、軍の陣地や安全な町や村への攻撃を試みたテロリストの自爆型無人航空機複数機を迎撃し、複数機を撃破するとともに、ラタキア県北部でロシア軍戦闘機の協力を得て、テロリストの指揮所や防御施設複数ヵ所を攻撃、これらを完全に破壊、トルキスタン・イスラーム党の指導者を含む数十人を殺傷したと発表した。











SANA(7月11日付)が伝えた。

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一方、ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、爆発物を装備したクアッドコプター型の無人航空機の攻撃で、シリア軍兵士2人が負傷した。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、RIA Novosti, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024、TASS, July 11, 2024などをもとに作成。

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レバノン国内の避難民キャンプに収容されていたシリア難民数十世帯311人がシリアに帰国、避難前に居住していた地域や村々に帰還(2024年7月11日)

レバノン国内の避難民キャンプに収容されていたシリア難民数十世帯311人が、ダマスカス郊外県カラムーン地方に特設されたザムラーニー国境通行所(ダイル・アティーヤ市西)を経由して、シリアに帰国、避難前に居住していた地域や村々に帰還した。



SANA(7月11日付)が伝えた。

AFP, July 11, 2024、ANHA, July 11, 2024、‘Inab Baladi, July 11, 2024、Reuters, July 11, 2024、SANA, July 11, 2024、SOHR, July 11, 2024などをもとに作成。

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