ナスルッラー書記長「サウジアラビアは大敗を喫するだろう」(2015年4月6日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はシリアの衛星テレビ局イフバーリーヤ(4月6日付)の独占インタビューに応じ、「サウジアラビアは大敗を喫し、それは同国の内政、さらには地域全体に影響をもたらすことになるだろう」と述べ、イエメン情勢、シリア情勢をめぐるサウジアラビアの対応を厳しく非難した。

SANA, April 6, 2015

SANA, April 6, 2015

イエメン情勢に関するナスルッラー書記長の主な発言は以下の通り:

「(サウジアラビアが主導するイエメンへの空爆は)悲劇的なまでに失敗している…。イエメン人は自らの国を、地域におけるレジスタンス運動に寄り添うような国にしていた…。イエメン国民はパレスチナの大義を支持し、レバノン、パレスチナ、シリアで起きていることに積極的に関与してきた。しかし今日、サウジと米国の攻撃がイエメンに対して行われている」。

一方、シリア情勢に関して、ナスルッラー書記長は以下のように述べた。

「さまざまな友好関係、同盟、敵意、戦争が(シリアにおける紛争の)政治的な動機、目的となっているが、多くの者たちが宗教を利用して、戦争を正当化しようとしている…。我々(ヒズブッラー)はシリアでの戦争に参加することを選んだ。我々は参戦すると宣言し、その理由に言及し、自らの意志で参加した」。

「レバノンにおいて、我々は同盟者たちに、誰にも迷惑をかけないなどとは言っていない。我々がこの戦争に関与して以降、私はレバノンの友人たちに謝罪し、彼らに相談せずに戦争に参加したため、その結果を共有することもないと話した」。

「当初から、我々はシリアでの戦いが長く、過酷なものになることを知っていた…。シリアが標的となっているのは、同国がレジスタンス枢軸の本質的な構成国だからだと何度も言われてきた。しかし、それだけが理由ではない…。より重要なもう一つの理由がある。それは、シリアが過去数十年にわたって、自ら独立して決断を下してきた国だからだ。地域において独立した国家を探そうとしたいなら、シリアこそが地域における数少ない独立国だ。

「誰も、シリアを抜きにして、トルコ、ヨルダン、イラクなどの未来について語ることはできない…。トルコ、サウジアラビア、カタールは、シリア独自の決定権を奪おうとして、ハーフィズ・アサド前大統領の死後、バッシャール・アサド大統領との関係を築くようになった…。アサド大統領は、「シリア革命」が始まった時に、あらゆる人との対話に開放的な姿勢をとったが、一部の国は、アサド大統領が開放的であることを感じとると、武力行動に打って出た」。

「シリアに対する(これらの国の)戦争は失敗した…。シリアに国家が存在する限り、この戦争は成功せず、その真の主目的を達成することはないということだ。首都や大都市など、シリアの主要な地域は依然として政府の支配下にある…。イドリブ、ラッカ、ハッターブ村ダイル・ザウルといった地域を掌握しても、彼らの目的は達成されない」。

AFP, April 6, 2015、AP, April 6, 2015、ARA News, April 6, 2015、Champress, April 6, 2015、al-Hayat, April 7, 2015、Iraqi News, April 6, 2015、Kull-na Shuraka’, April 6, 2015、al-Mada Press, April 6, 2015、Naharnet, April 6, 2015、NNA, April 6, 2015、Reuters, April 6, 2015、SANA, April 6, 2015、UPI, April 6, 2015などをもとに作成。

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