ロシア参謀本部のアンドレイ・カルタポロヴ作戦部長は記者会見を開き、9月30日に開始されたロシア軍によるシリア国内での作戦により、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点380カ所以上に対して600回以上の空爆を実施したと発表した。
カルタポロヴ作戦部長によると、このうち過去1週間でのロシア軍戦闘機の出撃回数は394回におよび、これにより、司令通信本部46カ所、爆発物製造工場6カ所、燃料庫22カ所、教練キャンプ272カ所、拠点456カ所を破壊し、テロ組織のインフラに大打撃を与えたという。
カルタポロヴ作戦部長はまた、シリア、イラク、イランの空軍がロシア軍との調整のもとにダーイシュなどに対する特殊任務を遂行していると強調するとともに、「シリア国内でロシア軍の統合軍事基地を設置する可能性がある」とのドミトリー・ペスコフ大統領府報道官の発言については、ロシア軍の総司令官である大統領の決定に従うと述べた。
一方、ロシア軍将兵がシリア軍地上部隊に参加しているとの情報については、これを否定した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊の進軍と並行するかたちで、ロシア軍戦闘機がハーン・アサル村、ハーディル村、ハーン・トゥーマーン村一帯を空爆した。
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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、カザフスタン北部ブラバイで開かれた独立国家共同体(CIS)首脳会議で演説し、そのなかでシリア情勢に関して、「ロシア軍の空爆が具体的な成果を達成している」と述べるとともに、「より広範な対テロ同盟の結成」を呼びかけた。
AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。
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