ロシア大統領府は、ヒズブッラー幹部サミール・クンタール氏殺害へのイスラエルの関与への明言を避け、「テロとの戦い」におけるロシア・イスラエルの連携を強調(2015年12月22日)

ロシア大統領府によると、ヴラジミール・プーチン大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行い、シリアでの危機解決への方途や「テロとの戦い」における協力態勢について意見を交わした。

会談において、プーチン大統領は、国際社会の監督のもとでシリア人どうしの交渉を行う以外にシリアでの紛争を終息させる方途はないと述べる一方、ダーイシュ(イスラーム国)を初めとする過激派のシリア国内での活動に対して「断固として立ち向かう」必要があると強調した。

両首脳は、テロ対策における連携など、さまざまな側面で両国が対話を継続することで意見が一致したという。

一方、20日のダマスカス郊外県のジャルマーナー市でのヒズブッラー幹部サミール・クンタール氏の殺害に関して、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「ロシア、イスラエル両国軍参謀本部間での情報交換のしくみが確立しており、イスラエルが提示するデータは(ロシアの)国防省に送られている」としたうえで、同氏殺害のデータをロシア側が受け取っていないと述べ、イスラエルの関与の有無に対しての明言を避けた。

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

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