ヒズブッラーのナスルッラー書記長「サウジアラビアとトルコはシリアへの地上部隊派遣を画策し、世界体制を勃発させようとしている」(2016年2月16日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、テレビ演説を行い、サウジアラビアとトルコが、シリアへの地上部隊派遣を画策することで、「世界大戦を勃発させようとしている」と非難した。

「殉教指導者の日」に合わせて行われたテレビ演説で、ナスルッラー書記長は以下のように述べた。

「武装集団の相次ぐ敗北が、サウジアラビアとトルコに、有志連合のもとでのダーイシュ(イスラーム国)との戦いを口実とした(シリアへの)地上部隊派遣を考えさせることになった。これは極めて重要な進展だ…。サウジアラビアとトルコは、ダーイシュの脅威に気づいていた。しかし、両国は自分たちが支援する組織が敗北を喫しているために目を覚ましたのだ」。

「サウジアラビアとトルコは交渉のテーブルにとどまり、戦争を継続するために地上部隊を派遣しようとしている…。シリアでのいかなる和解を受け入れることなく、世界大戦を勃発させようとしている…。トルコは「新オスマン帝国構想」の挫折に喘ぎ、シリアにおけるサウジアラビアの企みも頓挫した」。

一方、イスラエルをめぐってナスルッラー書記長は以下のように述べた。

「イスラエルはサウジアラビア、トルコと、アサド大統領が権力にとどまるかたちでの問題解決を許すべきでないという点で合意している…。サウジアラビア、トルコ、そしてイスラエルがこうした問題解決を拒否しているがゆえに、交渉を麻痺させようとしているのだ。彼らは前提条件を提示し、要求をエスカレートさせ、米国さえもそうした状況を批判するようになっている」。

「イスラエルはシリアを分割に追い込むことに失敗した。なぜなら、シリア軍、そしてその同盟者たちがラタキア、アレッポ北部、ダルアー南部、ハサカ、ダイル・ザウルで善戦しているからだ。これは、分割を拒否するとの決意がシリアにあることを意味している」。

Naharnet, February 16, 2016

Naharnet, February 16, 2016


AFP, February 16, 2016、AP, February 16, 2016、ARA News, February 16, 2016、Champress, February 16, 2016、al-Hayat, February 17, 2016、Iraqi News, February 16, 2016、Kull-na Shuraka’, February 16, 2016、al-Mada Press, February 16, 2016、Naharnet, February 16, 2016、NNA, February 16, 2016、Qanat al-Manar, February 16, 2016、Reuters, February 16, 2016、SANA, February 16, 2016、UPI, February 16, 2016などをもとに作成。

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