シリア軍はUNESCO世界文化遺産パルミラ遺跡を擁するダーイシュ支配下のタドムル市南西部入り口に到達(2016年3月24日)

ヒムス県では、SANA(3月24日付)によると、シリア軍部隊が人民防衛諸集団とともに、タドムル市西部一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ワーディー・カブール、クスール山、カスル・クトリー山を制圧、また南西部のデデマン・ホテル(旧メリディアン・ホテル)、ズィラーア交差点にあるダーイシュの拠点を掌握し、タドムル市南西部入り口に到達した。

シリア軍はまた、タドムル城砦、Syriatel丘一帯のダーイシュ拠点などに対して集中的な攻撃を加えた。

さらにシリア軍はスフナ市一帯、タイバ村一帯でダーイシュの拠点に対して空爆を行った。

一方シリア人権監視団によると、シリア軍がデデマン・ホテルなどがあるホテル地区を制圧後、空爆・砲撃支援を受けた地上部隊がタドムル市内(南西部)に突入し、またタドムル城砦一帯でダーイシュと激しく交戦した。

この戦闘で、シリア軍兵士、国防隊隊員9人(うち1人は准将)が死亡、ダーイシュ側も40人以上が死亡したという。

なお、AFP(3月24日付)は、シリア軍消息筋の話として、タドムル市一帯では現在、二つの部隊がダーイシュと交戦中で、第1の部隊はタドムル市一帯の山岳・丘陵地帯の制圧を、第2の部隊(砂漠の鷹部隊)はタドムル市内の制圧を任務としている、という。

シリア人権監視団によると、ダーイシュは市内に地雷、爆弾などを敷設し、シリア軍との戦闘に備えているという。

しかしシリア軍筋によると、ダーイシュは撤退準備を始めているという。

SANA, March 24, 2016

SANA, March 24, 2016

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯でダーイシュと交戦した。

なお、ダーイシュ・ハイル州(ダイル・ザウル県のこと)広報局は、ダーイシュはダイル・ザウル市工業地区に進軍し、シリア軍兵士30人以上を殺害したと発表した。

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アレッポ県では、ARA News(3月24日付)によると、シリア軍がターディフ市一帯を空爆、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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スワイダー県では、SANA(3月24日付)によると、シリア軍がアシュハイブ丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, March 24, 2016、AP, March 24, 2016、ARA News, March 24, 2016、Champress, March 24, 2016、al-Hayat, March 25, 2016、Iraqi News, March 24, 2016、Kull-na Shuraka’, March 24, 2016、al-Mada Press, March 24, 2016、Naharnet, March 24, 2016、NNA, March 24, 2016、Reuters, March 24, 2016、SANA, March 24, 2016、UPI, March 24, 2016などをもとに作成。

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