アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、アレッポ市南部郊外のアイス村一帯での戦闘で、シリア軍の戦闘機を撃墜し、パイロット1人を捕捉した。
ヌスラ戦線とともにシリア軍と戦う複数の反体制武装集団筋によると、戦闘機は「対空兵器」によって撃墜されたという。
インターネットで公開された映像(https://www.youtube.com/watch?v=yBbM1GAn1-c&ebc=ANyPxKpCea88sRLJxgZokaZyKxs5rK7FjEQkU7sbNCy4x4E71jfj_eKrz16m7q7m2ZZpW3r-tu0rHYBnnbtFPhvMvQtUAWCLNA)では、複数の戦闘員がパイロットと思われる男性を囲み、「シリア人だ、シリア人だ」、「武器を奪い取れ」などと叫んでいる。
またヌスラ戦線の広報部門マナーラ・バイダーの「アレッポ特派員」は、墜落した航空機の残骸と捕捉したパイロットとされる男性の映像(https://youtu.be/PdOBTrZYmLc)を公開した。
映像によると、この男性はシリア空軍のハーリド・アフマド・サイード准将で、撃墜された航空機はSu-22M4だという。
一方、シリア・アラブ・テレビ(4月5日付)は、軍消息筋の話として、戦闘機がアレッポ市郊外での偵察活動中に地対空ミサイルの攻撃を受け、撃墜された、と伝えた。
同消息筋によると、パイロットはパラシュートで脱出降下、シリア軍は救出活動を行っているという。
アレッポ市南部郊外一帯では、リヤド最高交渉委員会に所属するシャーム自由人イスラーム運動、トルキスターン・イスラーム党、「穏健な反体制派」と目される第13師団、さらにはダーイシュ(イスラーム国)とのつながりが取りざたされているアル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構が、シリア軍、イラン人、アフガン人などからなる外国人戦闘員と交戦を続けている。
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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市中心街で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、女性1人が死亡した。
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ヒムス県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍がダイル・フール村一帯でリヤド最高交渉委員会に所属するシャーム自由人イスラーム運動の拠点を空爆した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月4日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は356件。
AFP, April 5, 2016、AP, April 5, 2016、ARA News, April 5, 2016、Champress, April 5, 2016、al-Hayat, April 6, 2016、Iraqi News, April 5, 2016、Kull-na Shuraka’, April 5, 2016、al-Mada Press, April 5, 2016、Naharnet, April 5, 2016、NNA, April 5, 2016、Reuters, April 5, 2016、SANA, April 5, 2016、UPI, April 5, 2016などをもとに作成。
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