ロシア軍が長距離爆撃機を投入し、シリア領内(ヒムス県)でダーイシュに対する爆撃を再開する一方、所属不明の戦闘機がラッカ市にあるダーイシュの武器弾薬庫を攻撃、民間人4人が巻き添えとなり死亡(2016年7月12日)

ヒムス県では、ロシア国防省によると、ロシア南部の空軍基地から発進したロシア空軍のTu-22M3長距離爆撃機6機がタドムル市一帯(タドムル市東部、スフナ市一帯、アーラーク油田一帯)のダーイシュ(イスラーム国)の大規模キャンプを空爆し、武器弾薬庫3カ所、戦車3輌、装甲車4輌、車輌8台を破壊し、多数の戦闘員を殲滅した。

また、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ地区、タドムル航空基地近郊、シャーイル油田一帯、スフナ市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またフナイフィース村一帯を空爆した。

これに関して、SANA(7月12日付)は、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆したと伝えた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市のバドウ地区でダーイシュ(イスラーム国)の武器弾薬庫が爆発し、ダーイシュ・メンバー7人が死亡した。

爆発は戦闘機(所属明示せず)の空爆によるものと思われ、この爆発と空爆では子供を含む住民4人も死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市内各所でシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、有志連合が同地上空を旋回、市の南部および西部一帯を空爆した。

ARA News(7月12日付)によると、マンビジュ市での戦闘で、ダーイシュの司令官(アミール)の一人アブー・ムハンマド・カフターニー氏らメンバー多数が死亡したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域に食糧物資を投下した。

一方、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャブラ村、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がバナート丘西方から潜入したダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がスィーン航空基地南部一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

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