アレッポ市東部からの戦闘員、住民の退去と並行するかたちで、アル=カーイダ系のファトフ軍が包囲を続けてきたイドリブ県フーア市、カファルヤー町からの住民の避難が合意(2016年12月14日)

ARA News(12月14日付)は、ヌールッディーン・ザンキー運動のアブドゥッサラーム・アブドゥラッザーク報道官の話として、アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の包囲を受けているイドリブ県のフーア市、カファルヤー町(いずれもシリア政府支配下)の住民の県外への非難を骨子とする合意が成立した。

シリア政府に近い複数の消息筋によると、この合意を受け、フーア市、カファルヤー町にとどまっていた住民約1万5,000人が退去を予定しており、またその見返りとして、アレッポ市南東部で籠城を続ける反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室、ないしはアレッポ軍)の市外への退去が行われるという。

なお、ヌールッディーン・ザンキー運動は、米国の支援を受け、「穏健な反体制派」と目されているが、アレッポ市南東部で籠城をするシャーム・ファトフ戦線を含むすべての武装集団からなるアレッポ軍に参加、またイドリブ県、アレッポ県西部を支配するファトフ軍にも加わっている。

AFP, December 14, 2016、AP, December 14, 2016、ARA News, December 14, 2016、Champress, December 14, 2016、al-Hayat, December 15, 2016、Iraqi News, December 14, 2016、Kull-na Shuraka’, December 14, 2016、al-Mada Press, December 14, 2016、Naharnet, December 14, 2016、NNA, December 14, 2016、Reuters, December 14, 2016、SANA, December 14, 2016、UPI, December 14, 2016などをもとに作成。

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