2011年7月28日のシリア情勢

Facebook

Facebook

フェイスブックで反体制活動家が「君たちの沈黙が我々を殺す金曜日」と銘打ったデモが呼びかけられるなか、シリアの軍治安部隊はダマスカス郊外での治安維持活動を強化した。
複数の人権活動家によると、一昨日晩から昨日にかけて、ダマスカス郊外県カナーキル村との連帯を求めるデモがダマスカス郊外県各地で発生した。デモには各地で数千人が参加した。カナーキル村での軍治安部隊による治安維持活動は続いており、少なくとも100人を逮捕されたという。活動家らによると、カタナー市、ダマスカス県ジャウバル区、バルザ区でも家宅捜索と逮捕が行われており、この治安維持活動は、当局がいわゆる「武装テロ集団」掃討の一環として行っているものである。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長がAFPに述べたところよると、ザバダーニー市(2人)、ダイル・ザウル市(4人)で軍治安部隊の治安回復作戦により、6人が殺害された。ダイル・ザウル市の死者のうち一人は、銃撃を受けて重体だった子供である。また同市での攻撃で12人が負傷した。負傷者のなかには13歳の少年1人、女性1人が含まれている。

複数の情報によると、ダイル・ザウル市で激しい銃撃があり、複数の死者が出た。

シリア事件監視団によると、軍治安部隊はジスル・シュグールで大規模な逮捕を行い、少なくとも14人を逮捕。近くのカスタン村でも6人逮捕。

シリア革命調整連合は、「リーフレット配布の木曜日」と銘打って、治安部隊が行っている人権侵害、法律違反のリストを各地で配布した。


ダルアーでの反体制デモや軍治安部隊による弾圧をビデオで撮影し、インターネットで配信してきた「アブドゥッラー・アバーズィード」氏が、実名を公開、『シャルク・アウサト』で活動のありようを証言する。アブドゥッラー・アバーズィード氏は本名をウマル・アッラルー氏といい。ヨルダンの民間航空会社に勤務していたが、現在ヨルダン経由でトルコに逃れ、国外においてデモ調整の指導的役割を果たしている、という。アッらルー氏によると、デジカメ、携帯電話などの機器は私物であり、外国の支援・指示を受けていないことを強調した。

変革解放青年戦線はアーディル・サファル内閣が閣議承認した政党法案を拒否する声明を発表。同戦線は、シリア民族社会党(反マハーイリー派)、シリア共産主義者統一国民委員会、無所属の活動家(イブラーヒーム・ラウザ、ニザール・ディーブ、ムハンマド・ガファル、フスニー・アズマなど)からなる組織。

シリア革命支援国民連立は政党法案閣議承認に関して、国内外の世論を体制の目的に従属させようとする徒労の試み、と非難。

地元調整諸委員会のフェイスブック上のページによると、軍治安部隊による弾圧は、これまでの無差別発砲から、特定の活動家を標的として暗殺へと転じつつある。このことを示すかのようにヒムス市で最近、活動家のハーディ・ジュンディー氏、ハーリド・アフナーン氏、ディヤー・ナッジャール氏が次々と殺害された。

**

Kull-nā Shurakā’がダマスカス特派員の話として伝えたところによると、弁護士組合がダマスカスの裁判所内弁護士会館で7月25日にデモを行ったことを受け、当局は「メインテナンスを行うため」、弁護士会館を閉鎖。

AKIが国内の反体制勢力の話として伝えたところにようと、治安当局は各地の反対勢力代表者に対して、体制打倒のシュプレヒコールを叫ばないよう求める。

バアス党シリア地域指導部のムハンマド・サイード・バヒーターン副書記長は、今年末に地域大会を開催すると述べる。

SANAによると、アレッポ、クナイトラ、ダマスカス、タルトゥース、ラタキア、ジスル・シュグール、ダイル・ザウル、ハサカなどシリア各地でアサド大統領の改革路線を指示する集会。それぞれ数千人が参加した。

**

国際機関はシリアで3000人が行方不明になっており、その多くの消息がわからないままになっていると発表し、デモ開始(2011年3月半ば)以降の逮捕者総数が26000人に達したと明らかにした。

国際人権NGOのFIDHは、シリアで3000人が行方不明になっており、その多くの消息がわからないままになっていると発表した。FIDHは治安部隊が3月15日以降に逮捕した2918人の消息が不明だとし、行方不明者リストを用意していることを明らかにした。また先週だけで1000人以上が逮捕され、来週に「ラマダーン月が始まる前に体制は抗議行動を弾圧しようと努力を強めている」と指摘した。そのほか、FIDHは抗議行動開始以降1634人が殺害されたとの統計を発表した。また26000人が逮捕され、12617人が依然として身柄拘束中であることを明らかにした。さらに、二つの人権団体とともに、この統計を作成し、行方不明者の写真、個人情報、逮捕の日付を入手しようとしている、と述べた。

EUはシリアのアサド政権高官に対する制裁を「拡大」することで原則合意した。これにより、5人の高官が制裁対象者のリストに加えられ、EUへの入国禁止、口座凍結を受けることになる。欧州高官は制裁リストに加えられた高官の身元を明らかにすることを拒否したが、ブリュッセルの複数の外交筋は『ハヤート』に対して、「追加制裁は金曜日から月曜日にかけて実施されるだろう」と述べた。EUはこれまでにも5月と6月にかけてアサド大統領をはじめとする30人、四つの経済機関などに対して3回にわたって制裁を発動していた。

ワシントンでは、バラク・オバマ米大統領がレバノンの安定を脅かす(と米国が断じるシリア人およびレバノン人の)高官らに対して2007年以来行われている資産凍結を継続する決定を下した。オバマ大統領が議会に送った大統領令には、「ヒズブッラーへの近代的武器システムなどの武器搬入の継続などといった活動のなかには、レバノンの主権を侵害し、地域の政治・経済的安定を揺るがし、米国の国家安全保障と外交政策に多大な脅威を与え続けるものがある」とされている。またジェフリー・フェルトマン米国務次官補がシリアに「変革が生じつつある」と述べることで、米政権がシリアをめぐる米国の態度を改めて示した。

ヒズブッラーは声明で、アサド政権によるデモ弾圧に参加していない、とあらためて述べる。

レバノンのシーア派イスラーム最高会議のアブドゥルアミール・カバラーン副議長は、「シリア防衛はレバノン防衛である」としたうえで、「レバノンとシリアは一つのくに、二つの人民であり…、分かつことなどできない。それゆえ、シリアを標的とすることは、レバノンとその国民および諸機関を標的にすることであり、シリアが害を受ければ、レバノン自身にも害は及ぶ」と述べ、「アラブ・イスラーム教徒を防衛する戦線を構成する…シリアが陰謀にさらされている」と述べる。アリー・アブドゥルカリーム駐ベイルート・シリア大使との会談で。

 

AFP, July 28, 2011、Akhbār al-Sharq, July 28, 2011, July 29, 2011、AKI, July 28, 2011、AP, July 28, 2011、al-Ḥayāt, July 29, 2011、Kull-nā Shurakā’, July 28, 2011、SANA, July 29, 2011、al-Sharq al-Awsaṭ, July 29, 2011をもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

カテゴリー: シリア政府の動き, 反体制勢力の動き, 国内の暴力, 諸外国の動き パーマリンク