【トルコ・シリア大地震】シリア政府支配地での救援活動(2023年2月9日)

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閣僚らの動き

アムル・サーリム国内通商消費者保護大臣は、工業事業主、輸入業者、貿易業者らと会談し、基本的な輸出品目の優先順位、国内市場への生活必需品を提供するための資金調達の仕組み、工業や産業施設への必要な原材料の提供、現時点での課題などについて意見を交わした。

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フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣が議長を務める高等救済委員会は会合を開き、6日の大規模地震による被害に対する緊急対応の進捗、中央対策室、アレッポ県、ラタキア県、ハマー県、タルトゥース県の採択室支部の活動の仕組みなどについて意見を交わし、被災者への支援を必要とする人に即時支援を行うこと、避難所の継続的確保、瓦礫撤去要請への対応、生存者の捜索、負傷者への医療ケアを行うことを確認した。

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ハサン・ガッバーシュ保健大臣は記者会見を行い、6日の大規模地震の被災者に医療サービスを提供するために全力を注いでいると述べる一方、国連や国際機関に対して、医療物資や医薬品などの支援の手を差し伸べるよう求めた。

また、欧米諸国による一方的な制裁と封鎖については、市民の人名を尊重するものではないとして非難した。

また、保健省は、被災者のメンタル・ケアや社会支援を行うためのチームを発足させた。

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ガッサーン・サーミル電力大臣は、6日の大規模地震で大きな被害を受けたラタキア県ジャブラ市に車輌2輌で発電・送電設備を搬入したと発表した。

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在キューバ・シリア大使館は、同国に居住するシリア人に向けて声明を出し、6日の大規模地震の影響を軽減するために貢献するよう呼びかけた。

県など自治体の動き

スワイダー県では、前日に続いて、被災地への支援物資を積んだ車列がスワイダー県庁からラタキア県に向かった。

支援物資の移送は前日のアレッポ県への移送に続いて2度目。

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アレッポ県では、アレッポ市で倒壊した建物の瓦礫の下に閉じ込められている人々の救出活動が続けられ、マシャーリカ地区では8人の遺体が新たに発見された。

また、マイサル地区で倒壊の危険が高かった建物2棟が解体され、サーリヒーン地区でも2棟の解体が続けられた。

さらに、県は、シリア開発信託の支援を受け、地震の犠牲者や行方不明者の子供を受入れる場所を確保した。

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ラタキア県の民間防衛隊ジャラール・ダーウード隊長は、ジャブラ市アッサーリーヤ地区で倒壊した建物の瓦礫の下敷きになっていた住民の救出活動を終了したと発表した。

同地区以外での救出活動は続けられるという。

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ヒムス県は、ラタキア県、アレッポ県、ハマー県の被災者を支援するための物資を現地に移送した。

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ハサカ県の住民が、ハサカ県庁舎(ハサカ市)の救援委員会支部を訪れて、被災者への義援金などを寄附した。

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ハマー県サラミーヤ市の住民が被災者に対する人道支援を行った。

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ダルアー県では、県民のイニシアチブを受けて、被災者を支援するための特別口座が中央銀行ダルアー県支部に開設された。

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ダマスカス県のムハンマド・ターリク・クライシャーティー知事は、サウラ通りのホテルが倒壊の危険があるとの情報が拡散されていることに関して、事実ではないとしてこれを否定した。

組合、NGOなどの動き

弁護士組合タルトゥース支部は、6日の大規模地震による被災者を支援するために2000シリア・ポンドを供与した。

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農民総連合は、アレッポ県の被災者に食料パック500個を提供した。

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映画テレビ制作委員会は被災者を支援するための義援金募集の活動を開始した。

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ハマー県で、被災者を支援するため「シリアに平和あれ」と銘打ったキャンペーンが開始された。

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「手に手を」協会が被災者を支援するためのキャンペーンを開始した。

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薬剤師組合スワイダー県支部が被災者のために薬品を集めるキャンペーンを開始した。

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薬剤師組合ヒムス県支部が被災し合を支援するためのキャンペーンを開始した。

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被災県を支援するための「ハウラーン・イニシアチブ」、「シャームの民イニシアチブ」が新たに立ち上げられた。

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アレッポ県とラタキア県の各学校で避難生活を送る被災者への医療ケアが行われた。

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タルトゥース県では、被災地の住宅の安全性を確認するための委員会が設置された。

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シリア中央銀行はすべての銀行、両替所などが、休日である金曜日と土曜日にも営業することを認めることを決定した。

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SANA(2月9日付)が伝えた。

AFP, February 9, 2023、ANHA, February 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2023、Reuters, February 9, 2023、SANA, February 9, 2023、SOHR, February 9, 2023などをもとに作成。

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