諸外国の動き(2014年6月7日追記)

国連・アラブ連盟共同特別代表を辞任したアフダル・ブラーヒーミー氏は『シュピーゲル』(6月7日付)のインタビュー(http://www.spiegel.de/international/world/interview-with-former-un-peace-envoy-to-syria-lakhdar-brahimi-a-974036.html)に応じ、そのなかで「(シリアは最終的には)もう一つのソマリアになるだろう。多くの人が予想していたように分裂することはない。失敗国家になり、あらゆる場所が戦場となるだろう」と述べた。

Der Spiegel, June 7, 2014をもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月7日追記)

シリア革命反体制勢力国民連立のリヤード・ヒジャーブ元首相は声明を出し、自身がシリア革命反体制勢力国民連立に代わる反体制組織の結成を目指しているとするAKI(6月7日付)の報道を否定した。

AKI, June 7, 2014、al-Hayat, June 9, 2014、Kull-na Shuraka’, June 8, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年6月7日)

チュニジア外務省のムフタール・シャワーシー報道官は『ハヤート』(6月8日付)に、在留チュニジア人の保護を目的とする事務所をシリア国内に開設すること決定、開設に向けた準備を本格始動したと発表した。

外務省の複数の消息筋によると、事務所開設は、シリア政府側との交渉を受けたもので、この交渉で、シリア側は事務所開設の条件として、チュニジアが2012年に一方的に断行した外交関係を回復することを求めていると思われる。

だが、シャワーシー報道官は事務所開設が外交関係の回復を意味しないと述べている。

チュニジアによる一方的断交時、シリア国内には約6,000人のチュニジア人が居住していたという。

AFP, June 7, 2014、AP, June 7, 2014、ARA News, June 7, 2014、Champress, June 7, 2014、al-Hayat, June 8, 2014、Kull-na Shuraka’, June 7, 2014、al-Mada Press, June 7, 2014、Naharnet, June 7, 2014、NNA, June 7, 2014、Reuters, June 7, 2014、SANA, June 7, 2014、UPI, June 7, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年6月7日)

マダー・プレス(6月7日付)などによると、アンバール県ラマーディー市西部にあるアンバール大学をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が一時占拠した。

ダーイシュは大学構内にいた学生、教員、職員ら300人に対して、大学の裏門から退去することを許可し、学生らは避難、その後ダーイシュは大学構内のほとんどから撤退、大学周辺で治安部隊と交戦した。

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マダー・プレス(6月7日付)は、ニナワ県作戦司令室の話として、軍ヘリコプターが、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって占拠されたモスル市西部(7月17日地区、ムシャイリファ地区、タナク地区、ヤルムーク区)に対して空爆を行ったと報じた。

またニナワ県作戦司令室は住民に対して外出を控えるよう呼びかけた。

一方、モスル市東部に侵入しようとしたダーイシュと軍が交戦し、ダーイシュの司令官1人を含む30人が死亡した。

このほか、マダー・プレス(6月7日付)は、ニナワ県スーラ騎兵旅団第3連隊筋の話として、モスル市西部の同連隊本部がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって包囲され、通信が遮断されていると報じた。

AFP, June 7, 2014、AP, June 7, 2014、ARA News, June 7, 2014、Champress, June 7, 2014、al-Hayat, June 8, 2014、Kull-na Shuraka’, June 7, 2014、al-Mada Press, June 7, 2014、Naharnet, June 7, 2014、NNA, June 7, 2014、Reuters, June 7, 2014、SANA, June 7, 2014、UPI, June 7, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年6月7日)

『ハヤート』(6月8日付)は、反体制活動家のリーム・トゥルクマーニー女史の話として、5月半ばに戦闘が停止したヒムス市ワアル地区で、「停戦合意」の内容・行程に向けた協議が当事者間で進められていると報じた。

トゥルクマーニー女史によると、協議が、軍治安部隊、反体制武装集団、ワアル地区第7地区に面するシーア派の二つの村の民兵の間で行われており、「停戦合意」は9項目からなるという。

「停戦合意」における主な項目は以下の通り:

①兵役拒否などによる指名手配者、離反者の免罪。
②「関係正常化を望まない者」のワアル地区外への退去の保障。
③「停戦合意」成立後の軍部隊のワアル地区への暫定的展開と地区内の検査後の撤退。
④軍部隊撤退後、「検問所を設置せず、住民を逮捕しないこと」を条件とする警察、治安機関の展開
⑤「停戦合意」違反に対処するためのイラン仲介事務所の設置。

一方、SANA(6月7日付)によると、カフルラーハー市、ラスタン市、ウンム・シャルシューフ村、サアン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、スィラージュ・ネット(6月7日付)によると、対トルコ国境のバーブ・ハワー村にある病院を軍戦闘機が空爆し、民間人1人、医師2人、看護師1人が死亡した。

また空爆によって、救急車2台、民間の車両3台も破壊されたという。

一方、シリア人権監視団によると、バサーミス村、ジスル・シュグール市、カフルルーマー村、マアッルシャムシャ村、ビンニシュ市を軍が空爆・砲撃し、子供1人を含む2人が死亡した。

またカフルルーマー村で軍と反体制武装集団が交戦、ダルクーシュ町に近いハムラー村では反体制武装集団の前線司令官が武装集団に暗殺された。

他方、SANA(6月7日付)によると、タッルミンス村マアッルシューリーン村間、バシュラームーン村、カニーサト・ナフラ村、シュグル村、サルマーニーヤ村、ルージュ平原、ラーミー村、カフルルーマー村、クマイナース村、アドワーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、CNN(6月7日付)などによると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアイン・アラブ市で15~18歳のクルド人青年150人以上を拉致し、マンビジュ市に連行した。

また、活動家のヌーリー・マフムード氏によると、連行された青年らはマンビジュ市のシャリーア学校に入学させられ、戦闘員としての教練を受けるのだという。シリア人権監視団によると、アレッポ市ジャンドゥール交差点、ハイダリーヤ地区、ラトヤーン村を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃、アッザーン山、アレッポ市ザフラー地区では、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月7日付)によると、クワイリス村、ワディーヒー村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、アブティーン村、フライターン市、ハーン・アサル村、アターリブ市、自由貿易地区、アアザーズ市、カフルハムラ村、タッル・シュワイフナ村、バラース村、タッル・リフアト市、アウラム・クブラー町、カブターン・ジャバル村、タッル・スィースィーン村、カフルサギール村、アレッポ市サラーフッディーン地区、インザーラート地区、ジャンドゥール地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ダーライヤー市、カフルバトナー町、ハッザ町、ドゥーマー市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃し、ジハード主義武装集団戦闘員1人、子供3人、女性2人、男性5人の合わせて11人が死亡、反体制武装集団はムライハ市各所を砲撃した。

また複数の反体制消息筋によると、反体制武装集団は軍によって制圧されていたムライハ市内の建物複数棟を約2ヶ月ぶりに奪還した。

一方、SANA(6月7日付)によると、ザマルカー陸橋東部、アッブ農場、アーリヤ農場、ナシャービーヤ農場、ムライハ市郊外、ザバディーン町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が砲撃した。

一方、SANA(6月7日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町各署を軍が地対地ミサイルで攻撃し、市民4人が死亡した。

一方、SANA(6月7日付)によると、ジャディーヤ町、インヒル市、タッル・アイン・ファーダ村街道、ラジャート高原、ヒルバト・ガザーラ町周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アンバ村周辺、ムサッラブ村周辺でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、ダーイシュがアンバ村各所を迫撃砲で攻撃した。

またARA News(6月7日付)によると、マンジャム・ミルフ地方でもダーイシュが、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、ダーイシュ戦闘員10人とムジャーヒディーン・シューラー評議会戦闘員6人が死亡した。

一方、ダイル・ザウル市ではハウィーカ地区で、「自由シリア軍」が軍と交戦、軍が同地区を砲撃した。

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ラッカ県では、タッル・アブヤド市西部のカンダール村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃したが、民主統一党人民防衛隊がこれを撃退し、ダーイシュ戦闘員1人が死亡した。

AFP, June 7, 2014、Alseraj.net, June 7, 2014、AP, June 7, 2014、ARA News, June 7, 2014、Champress, June 7, 2014、CNN, June 7, 2014、al-Hayat, June 8, 2014、Kull-na Shuraka’, June 7, 2014、al-Mada Press, June 7, 2014、Naharnet, June 7, 2014、NNA, June 7, 2014、Reuters, June 7, 2014、SANA, June 7, 2014、UPI, June 7, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年6月7日)

外務在外居住者省は声明を出し、アサド大統領が再選を果たした大統領選挙を「正統性がない」と非難したキャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長の声明(6月5日)に関して「国家主権と内政不干渉を定めた国際法のあからさまな違反」と非難した。

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シリア人権監視団はAFP(6月8日付)に、アサド大統領の大統領選挙での当選を受け、当局がアドラー刑務所に収監されている逮捕者480人の釈放を決定したとの情報を得たと発表した。

釈放された「テロ」容疑で拘束されていた逮捕者で、女性80人が含まれており、すでに20人が釈放されたという。

AFP, June 7, 2014、AP, June 7, 2014、ARA News, June 7, 2014、Champress, June 7, 2014、al-Hayat, June 8, 2014、Kull-na Shuraka’, June 7, 2014、al-Mada Press, June 7, 2014、Naharnet, June 7, 2014、NNA, June 7, 2014、Reuters, June 7, 2014、SANA, June 7, 2014、UPI, June 7, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月7日)

シリア革命反体制勢力国民連立のファーイズ・サーラ氏は、シリア革命反体制勢力国民連立内でアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長を任期終了(2014年7月6日)とともに退任させようとする動きが進められているとの一部情報に関して、アラビーヤ(6月7日付)に対しこれを否定した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、シリアでの大統領選挙の結果への支持を表明したヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説を受けて声明を出し、「ナスルッラーがシリア国民の意思を表現している…と述べた茶番じみた劇場(大統領選挙)はいかなる状況においても民主化プロセスに転じることはあり得ない」と批判した。

連立はそのうえで、ジュネーブ合意をはじめとする国際社会の合意をアサド政権に受諾させるべく圧力をかけるよう国際社会に求めるとともに、「勝つまで革命を続ける」と主張した。

 

また連立は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のシリア国民に対する犯罪行為を非難、国際社会に対し、アサド政権の暴力とともにその根絶を行うよう求めた。

AFP, June 7, 2014、Alarabia, June 7, 2014、AP, June 7, 2014、ARA News, June 7, 2014、Champress, June 7, 2014、al-Hayat, June 8, 2014、Kull-na Shuraka’, June 7, 2014、al-Mada Press, June 7, 2014、Naharnet, June 7, 2014、NNA, June 7, 2014、Reuters, June 7, 2014、SANA, June 7, 2014、UPI, June 7, 2014などをもとに作成。

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