イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月22日追記)

イスラーム戦線に所属するイスラーム軍報道官のアブドゥッラフマーン大尉はツイッターで、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が「革命家たちの首都ダマスカスへの進軍を頓挫させようと計画している」と綴った。

Kull-na Shuraka', June 22, 2014
Kull-na Shuraka’, June 22, 2014

アブドゥッラフマーン大尉はまた、アレッポ県の対トルコ国境地帯でのダーイシュの攻勢について「ジハードを腐敗させた」と非難するとともに、ハサカ県やダイル・ザウル県での攻勢によって「革命家の南北の兵站路が寸断された」と述べた。

Kull-na Shuraka’, June 22, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年6月22日)

AFP(6月22日付)によると、イスラエルが占領するシリア領ゴラン高原で、イスラエル国防省の委託業者の車が爆発し、乗っていた男の子が死亡した。

イスラエル国防省の匿名筋によると、死亡した男の子は15歳で、同乗していた委託業者の1人の息子だという。

またこの委託業者と、同乗していた委託業者の男性1人の合わせて2人も負傷したという。

なお同消息筋によると、爆発の理由は不明だが、匿名治安筋によると、シリア側から発射された迫撃砲によるものだと思われるという。

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国連難民高等弁務官事務所のターリク・クルディー駐シリア代表は、ヨルダン国境を経由してスワイダー市に人道支援物資が搬入されたことを明らかにした。

クルディー代表によると、スワイダー市に搬入されたのは、毛布2万5,000枚、マット1万枚、著調理器具2,500セット、容器5,000コ、プラスチック・カバー2,000枚。

Syria-News(6月22日付)が報じた。

AFP, June 22, 2014、AP, June 22, 2014、ARA News, June 22, 2014、Champress, June 22, 2014、al-Hayat, June 23, 2014、Kull-na Shuraka’, June 22, 2014、al-Mada Press, June 22, 2014、Naharnet, June 22, 2014、NNA, June 22, 2014、Reuters, June 22, 2014、SANA, June 22, 2014、Syria-news.com, June 22, 2014、UPI, June 22, 2014などをもとに作成。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月22日)

シリア国内の動き

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が対トルコ国境のアアザーズ市近郊に位置するアクサール村とマアラーン村で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、両村を制圧した。

これに対して、軍はフライターン市、ジャバル・アッザーン村、バラース村、アッサーン村、アブティーン村・ハーディル村分岐点、バヤーヌーン町を「樽爆弾」などで空爆した。

なお同監視団によると、この戦闘で、米国製のハンヴィー(HMMWV:High Mobility Multipurpose Wheeled Viechle、高機動多用途装備輪車両)が初めて使用されたという。

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ハサカ県では、ARA News(6月22日付)によると、シリア軍が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって占拠されているカーミシュリー南部のタッル・ハミース村、タッル・ブラーク町などを砲撃した。

またこれを受け、カーミシュリー市ハラーリーヤ地区に何者かが撃った迫撃砲弾2発が着弾した。

これに関して、SANA(6月22日付)は、カーミシュリー市郊外のタッル・サティーフ村、タッル・ハミース村にある「テロリスト」の拠点を軍が攻撃し、武器庫を破壊したと報じた。

また、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がカッリー・バッリー村近郊で交戦した。

またハブーワ村、カッリー・マルキー村一帯に展開していたダーイシュは、人民防衛隊の攻勢を受け撤退、さらにムハンマド・ズィヤーブ村では、人民防衛隊がダーイシュの車列を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がダイル・ザウル市とハトラ村を結ぶユーフラテス川の中州ハウィージャト・サクルの通行所を閉鎖した。

イラク国内の戦況

アンバール県では、マダー・プレス(6月22日付)が報じたところによると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がヨルダン国境に近いラトバ郡、カーイム市のリン酸塩工場を制圧した。

制圧に際して、イラク軍との戦闘はなかったという。

一方、ラマーディー市北東部のマーヒディーヤ地方で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と治安部隊が交戦、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。

またイラク内務省によると、ファッルージャ市のサクラーウィーヤ橋でイラク軍第8師団がダーイシュの司令官ハーミド・イスマーイール・スバイヒー氏を含む4人を殺害することに成功した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月22日付)が報じたところによると、ティクリート市東部に対するイラク軍ヘリコプターの空爆で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員32人が死亡した。

また、ドゥジャイル郡南部のナバーイー地方で、部族(スンナ派)民兵がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

さらに、アラム地区では、イラク軍と部族民兵の合同部隊がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員2人を殺害、3人を逮捕した。

なおこの戦闘で、サラーフッディーン県女性問題担当顧問のナージー・ジャッバーラ氏も死亡した。

このほか、サーマッラー市・バラド市を結ぶ街道で、ダーイシュとの戦闘によって殺害された治安部隊および義勇兵の遺体17体が発見された。

一方、トウズ・フールマートゥー郡のシャッラール・アブドゥール首長は、同郡でのイラク・クルディスタン地域ペシュメルガとダーイシュの戦闘で、ペシュメルガ戦闘員2人、ダーイシュ戦闘員14人を含む21人が死亡した、と発表した。

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バービル県では、マダー・プレス(6月22日付)が報じたところによると、県北部のイスカンダリーヤ地区で治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーイシュ戦闘員9人を殺害した。

またジュルフ・サフル地区各所での戦闘でもダーイシュ戦闘員25人が死亡したという。

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イラク内務省は、サラーフッディーン県アズィーム村郊外で、対空兵器を搭載したサウジ・ナンバーの車輌複数台をイラク軍第5機械化師団の部隊が攻撃、破壊したと発表した。

AFP, June 22, 2014、AP, June 22, 2014、ARA News, June 22, 2014、Champress, June 22, 2014、al-Hayat, June 23, 2014、Kull-na Shuraka’, June 22, 2014、al-Mada Press, June 22, 2014、Naharnet, June 22, 2014、NNA, June 22, 2014、Reuters, June 22, 2014、SANA, June 22, 2014、UPI, June 22, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年6月22日)

NNA(6月22日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のワーディー・アターで、シリア人のアフマド・ムドリジュ氏が持っていた手榴弾が爆発し、ムドリジュ氏は即死した。

AFP, June 22, 2014、AP, June 22, 2014、ARA News, June 22, 2014、Champress, June 22, 2014、al-Hayat, June 23, 2014、Kull-na Shuraka’, June 22, 2014、al-Mada Press, June 22, 2014、Naharnet, June 22, 2014、NNA, June 22, 2014、Reuters, June 22, 2014、SANA, June 22, 2014、UPI, June 22, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年6月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団はナイラブ航空基地、アレッポ市カルム・タッラーブ地区に展開するシリア軍を砲撃した。

一方、SANA(6月22日付)によると、アレッポ市旧市街、ハナーヌー地区、サミーリーヤ村、シャイフ・サイード地区、ジャンドゥール地区、ハラク地区、ザバディーヤ地区、ダイル・ジャマール村、フライターン市、バヤーヌーン町、アアザーズ市、ICARDA周辺、ザーラート村、アズィーザ村、マンスーラ村、アターリブ市、アナダーン市、カフルハムラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団は、自由シリア軍ダイル・ザウル軍事評議会が掌握するティーム油田を襲撃、同評議会の戦闘員6人を逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方で軍と反体制武装集団が数時間にわたって交戦した。

一方、SANA(6月22日付)によると、ムライハ市およびその周辺、アイン・タルマー渓谷、アーリヤ農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ランクース市郊外の平原で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サイダー町、ヌアイマ村、ジュムーア丘一帯を軍が「樽爆弾」、地対地ミサイルで空爆した。

一方、SANA(6月22日付)によると、イズラア市で当局に投降していた反体制武装集団メンバー675人が国民和解の一貫として釈放された。

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ダマスカス県では、SANA(6月22日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(6月22日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、カフルナーン村北部、ヒルブナフサ村、サアン村、ジャズル・ガス採掘所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月22日付)によると、アルマナーズ村、サルミーン市、アルバイーン山、カフルラーター村、カフルナジュド村、クーンサルー周辺、アイン・シーブ村西部、マアッラト・ヌウマーン市、ジュッブ・アフマル村、サルマーニーヤ村、カンスフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月22日付)によると、アトシャーナ村、アッブ・ハズナ村、カフルズィーター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月22日付)によると、アトマーン村、ダルアー市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(6月22日付)によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ラタキア県、タルトゥース県では反体制武装集団メンバー76人が当局に投降した。

AFP, June 22, 2014、AP, June 22, 2014、ARA News, June 22, 2014、Champress, June 22, 2014、al-Hayat, June 23, 2014、Kull-na Shuraka’, June 22, 2014、al-Mada Press, June 22, 2014、Naharnet, June 22, 2014、NNA, June 22, 2014、Reuters, June 22, 2014、SANA, June 22, 2014、UPI, June 22, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年6月22日)

外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、そのなかで、20日のハマー県フッラ村での爆弾テロを非難し、その実行犯と支援国への処罰を定めた安保理決議の採択を求めた。

SANA(6月22日付)が伝えた。

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SANA(6月22日付)によると、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、イドリブ県で16人が釈放された。

AFP, June 22, 2014、AP, June 22, 2014、ARA News, June 22, 2014、Champress, June 22, 2014、al-Hayat, June 23, 2014、Kull-na Shuraka’, June 22, 2014、al-Mada Press, June 22, 2014、Naharnet, June 22, 2014、NNA, June 22, 2014、Reuters, June 22, 2014、SANA, June 22, 2014、UPI, June 22, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月22日)

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、カナダのテレビ局のインタビューに対し、「穏健な反体制派がアサドを負かすことができるという(バラク・オバマ米大統領)の言葉は非現実的で、実現不可能な政治的幻想だ…。こうした発言は、オバマ政権が東アラブ地域における政治・人道状況の混乱を阻止できないことを隠蔽し、ワシントンDC、西側およびアラブ諸国の政府から…の批判を逃れるためのものだ」と批判した。

またサーフィー報道官は「反体制勢力は2013年秋には体制を打倒する寸前だった。しかしオバマ政権は、シリア政府の化学兵器使用を受けた攻撃を取り下げ、レバノンとイラクからやってくる宗派主義的民兵を通じてイランがあからさまな干渉を行うことを許してしまった」と主張した。

『ハヤート』(6月23日付)が伝えた。

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SLN(6月22日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方一帯で活動を続ける反体制武装集団がビデオ声明を出し、「カラムーン作戦司令室」を結成すると発表した。

カラムーン作戦司令室に参加した武装集団は以下の通り:

カラムーン自由人旅団
ムハンマドの鷹大隊
フーシュ・アラブ殉教者大隊
ムウタスィム大隊
カラムーンの男たち
ワファー大隊
カシオン自由人大隊
サーディキーン大隊
ナバク殉教者大隊
ムジャーヒディーンの民旅団
アジュナード・シャーム旅団
ヌール大隊
殉教者ムハンマド・ムハンマド大隊
殉教者ズィヤード・ナディーム大隊
殉教者アイユーブ・ザーヒル大隊
殉教者ムハンマド・イーサー少尉大隊
特殊任務大隊
突撃大隊
補給中隊
イブン・ワリード特殊任務大隊
ジュンド・ファールーク大隊
革命の火山大隊
ヤブルード自由人大隊
ファールーク末裔大隊
スバーア・ジャルド大隊
ウワイス・カルニー大隊
ムヒーブ大隊

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クッルナー・シュラカー(6月22日付)などによると、ハマー市北部で活動を続ける反体制武装集団10組織が「解放の戦い」を開始すると宣言、カフルヌブーダ町周辺の軍検問所などを攻撃し、軍、国防隊、人民諸委員会の兵站路を寸断すると脅迫した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は21、22日にイスタンブールで政治委員会会合を開き、7月6日に任期終了となるアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長の後任を選出するための総合委員会を7月4~6日に開催することを決定した。

クッルナー・シュラカー(6月23日付)が伝えた。

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