イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月11日)

アクス・サイル(6月11日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)バラカ州(シリアのハサカ県のこと)が、イラク・シリア国境を隔てる土塁をブルドーザなどで破壊し、イラク領内の「ハーリシー軍」(イラク軍。ハーリシーはヌーリー・マーリキー首相の蔑称)の拠点を占拠したとして、その写真を公開した。

写真はバラカ・ニュースが配信したもので、日付は6月10日となっている。

'Aks al-Sayr, June 11, 2014
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‘Aks al-Sayr, June 11, 2014

 

‘Aks al-Sayr, June 11, 2014などをもとに作成。

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アサド大統領インタビュー(2014年6月11日)

レバノン日刊紙『アフバール』(6月11日付)は、アサド大統領に単独インタビューを行った。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「対話、対話の文化、他者との対話に人々を慣れさせることが次の段階のテーマとなった…。(ヒムス市旧市街での停戦合意は)国防隊と武装集団の対話の結果だ。彼らは互いを知っており、各地区で対話をしている。だから和解は成功した」。

「ロシアのプーチン大統領とはシリアの姿勢を支持し続けている。なぜなら彼は、シリアが曝されている現状が国民の怒りによるものでなく、シリアの役割を打ち砕こうとする諸外国によるものだと理解しているからだ」。

al-Akhbar, June 11, 2014
al-Akhbar, June 11, 2014

「同盟国イランは、シリアに対する戦争がイランを標的としていることを知っている。なぜならその戦争はレジスタンスとその支援国すべてを標的としているからだ…」。

「テロは彼ら(欧米諸国)の国内で始まった。シリア領内で自爆した米国人もいる…。だた米国は、あらゆる陰謀に与してはいるが、フランスよりも理性的だ。フランスが過激なのはサウジなどとの(武器)契約に起因しているのだと思う」。

「カタールは依然として武装集団に資金援助をしているが、イランに接近したいと考えるようになっている」。

(レバノン大統領選挙に関して)「我々はアラブのいかなる国の内政にも干渉しない。しかし、ミシェル・アウン元将軍(自由国民潮流代表)が大統領に選出されれば歓迎する。それはレバノンの国益、さらには両国関係にも視するためだ。我々は彼が愛国的であり、宗派主義的でなく、レジスタンスとウルーバ(アラブ性)を信奉していることを知っている」。

al-Akhbar, June 11, 2014をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

諸外国の動き(2014年6月11日)

バラク・オバマ米大統領が駐カタール大使に指名したダナー・シェル・スミス女史(国務省顧問)は、シリアの穏健な反体制勢力への軍事教練を認めるため上院の法案をオバマ政権が支持するだろうと述べた。

『ハヤート』(6月11日付)が伝えた。

AFP, June 11, 2014、AP, June 11, 2014、ARA News, June 11, 2014、Champress, June 11, 2014、al-Hayat, June 12, 2014、Kull-na Shuraka’, June 11, 2014、al-Mada Press, June 11, 2014、Naharnet, June 11, 2014、NNA, June 11, 2014、Reuters, June 11, 2014、SANA, June 11, 2014、UPI, June 11, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラクの動き(2014年6月11日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月11日付)が、複数の目撃者の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がイラク国内で捕獲したイラク軍の車輌や装備多数をハサカ県のヤアルビーヤ国境通行所を経由してシリア国内に搬入していると報じた。

Kull-na Shuraka', June 11, 2014
Kull-na Shuraka’, June 11, 2014

目撃者らによると、弾薬を積んだイラク軍車輌3輌がタッル・ハミース町で目撃され、ダーイシュに近い複数のインターネットサイトでは、武器搬入を指導するアブー・ウマル・シーシャーニー氏の写真が公開された。

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マダー・プレス(6月11日付)は、信頼できる消息筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がサラーフッディーン県のティクリート市、同市東部のダウラ郡を「無血開城」し制圧した。

同消息筋によると、ティクリート市に本部を置いていたイラク軍第4師団司令部は南部のアウジャ村に撤退した。

だが、合同作戦司令部筋によると、アウジャ村でのダーイシュとの戦闘で、イラク軍第4師団のナズィール・アースィム司令官を含む6人が殺害された。

一方、ミシュアーン・ジャッブーリー前国民議会議員(インサーフ戦線)はフェイスブックで、ティクリート市を制圧したダーイシュ戦闘員は、「アッラーの他に神なし」と書かれた黒旗ではなく、イラク・バアス党のイッザト・イブラーヒーム・ドゥーリー書記長の写真を掲げたと綴った。

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AFP(6月11日付)によると、モスル市を制圧したダーイシュは同市のトルコ領事館を占拠し、オズトゥルク・ユルマズ領事と同領事館職員20人を拉致した。

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マダー・プレス(6月11日付)は、治安高官筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がキルクーク県のリヤード地区にある検問所複数を襲撃し、任務を放棄し逃走しようとした治安部隊隊員6人を含む隊員10人を処刑したと報じた。

またダーイシュはターリキーヤ検問所を襲撃し、イラク軍兵士3人、覚醒評議会メンバー2人を殺害した。

このほか、フワイジャ郡、アッバースィー地区、ザーブ地区、ラシャード地区の政府関連施設を焼き討った。

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イラーキーヤ・チャンネル(6月11日付)は、イラク軍戦闘機がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が制圧していたバグダード・アズィーム街道を空爆し、複数の戦闘員を殺害した。

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ヌーリー・マーリキー首相は週次定例声明でニナワ県、キルクーク県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、志願者からなる予備軍を設置すると発表、各県の部族、市民、政党に対して志願を呼びかけた。

AFP, June 11, 2014、AP, June 11, 2014、ARA News, June 11, 2014、Champress, June 11, 2014、al-Hayat, June 12, 2014、al-Iraqiya Channel, June 11, 2014、Kull-na Shuraka’, June 11, 2014、al-Mada Press, June 11, 2014、Naharnet, June 11, 2014、NNA, June 11, 2014、Reuters, June 11, 2014、SANA, June 11, 2014、UPI, June 11, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力(2014年6月11日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村周辺で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が爆弾を積んだ自動車を爆発させるともに、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員と交戦した。

これに対して、軍は同地一帯を空爆・砲撃し、ヌスラ戦線などの戦闘員7人が死亡、軍側にも多数の死傷者が出た。

一方、SANA(6月11日付)によると、ラスタン市、カルヤタイン市南部、スルターニーヤ村、シャンダーヒーヤ村、タドムル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市各所、カフルルーマー村、タッルマナス村を軍が「樽爆弾」などで空爆し、タッル

シリア政府の動き(2014年6月11日)

外務在外居住者省は声明を出し、イラクのニナワ県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、「イラクが直面しているものは、シリアが直面している、外国が支援するテロそのものである」と非難したうえで「すべての国にテロの源泉を枯渇させ…、資金、武器、テロリスト教練、イラクとシリアへの潜入支援を停止するため真摯な行動をとるよう求める」と発表し、国連安保理にテロ行為を非難し、その支援国に対処するための決議の採択を呼びかけた。

また声明では「テロとの戦い」を継続し、「シリア国民の防衛を続ける意思」を強調するとともに、「両国共通の敵であるテロに立ち向かうため、イラクを支援する用意がある」と述べた。

SANA(6月11日付)が伝えた。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補と会談し、化学兵器廃棄プロセスの進捗について意見を交わした。

SANA(6月11日付)によると、会談でミクダード副大臣は「みなにとって周知の一部の国がシリアが(廃棄に関する)誓約履行を妨害するために、武装テロ集団にあらゆる支援を行っている」と述べ、廃棄プロセス延滞の責任は欧米諸国にあると批判した。

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SANA(6月11日付)によると、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、サイドナーヤー中央刑務所から恩赦実施の第一弾として274人が釈放された。

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人民議会通常会で議長選挙が行われ、ムハンマド・ジハード・ラッハーム議長(バアス党)が173票を得て議長に再選された。

通常会には213人の議員が出席、ラッハーム議長のほか、マーリヤー・サアーダ議員(無所属)が20票を獲得、19票が白票、1票が無効票だった。

また副議長には、ファフミー・ハサン副議長(無所属)が195票を得て再選された(206議員が投票し、白票は9票、無効票は2票だった。

SANA(6月11日付)が伝えた。

AFP, June 11, 2014、AP, June 11, 2014、ARA News, June 11, 2014、Champress, June 11, 2014、al-Hayat, June 12, 2014、Kull-na Shuraka’, June 11, 2014、al-Mada Press, June 11, 2014、Naharnet, June 11, 2014、NNA, June 11, 2014、Reuters, June 11, 2014、SANA, June 11, 2014、UPI, June 11, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月11日)

自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)は、イラクのニナワ県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢を受けるかたちでインターネットを通じて声明を出し、「サウジアラビア、トルコ、カタール、UAE、ヨルダンを筆頭とする友好国に対して、テロリスト・ダーイシュに対抗するためにダイル・ザウル県で活動する武装大隊・旅団を支援することを求める」と発表した。

また声明で、最高軍事評議会は、「ダイル・ザウル県で活動する武装大隊・旅団がアサドの悪党とテロリスト・ダーイシュに対抗する一致団結して対抗する必要」があると訴えた。

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UP(6月11日付)は、ツイッターからの情報として、シャームの民の合同作戦司令室、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線が、アレッポ県マンビジュ市、バーブ市などからイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を放逐するための新たな作戦の開始を発表した、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のムハンマド・ハイイル・ワズィール氏(政治委員会メンバー)は、イラクのニナワ県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、「マーリキー政権は、シリア国民に戦争を行うアサド政権の基本的パートナーだ」としたうえで、マーリキー政権が「シリアに展開しているダーイシュの残党がイラク領に入ることを戦略的に保障している」と断じた。

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クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方のレバノン国境に近い無人地域で活動する反体制武装集団がビデオ声明を出し、「カラムーンの男たち」と称する新たな武装集団を結成した。

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クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、ダマスカス県南部のカダム区、タダームン区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で活動する「自由シリア軍」の武装集団とゴラン・トルクメン旅団が「トルキスターン・イスラーム党」を結成した。

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クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、シリア国内で反体制活動を続けるマイス・クライディー女史(スワイダー県出身、ドゥルーズ派)が、レバノン民主党(3月8日勢力)のタラール・アルスラーン党首とハルダ村(レバノン山地県アレイ郡)のアルスラーン邸で会談し、対イスラエル闘争、占領地解放などについて意見を交わした。

会談には同じく国内で活動する反体制活動家のニダール・サブア氏も同席した。

クライディー女史は5月に国内で反体制組織「国民行動救済戦線」の発足メンバー。

AFP, June 11, 2014、AP, June 11, 2014、ARA News, June 11, 2014、Champress, June 11, 2014、al-Hayat, June 12, 2014、Kull-na Shuraka’, June 11, 2014、al-Mada Press, June 11, 2014、Naharnet, June 11, 2014、NNA, June 11, 2014、Reuters, June 11, 2014、SANA, June 11, 2014、UPI, June 11, 2014などをもとに作成。

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