大統領選挙をめぐる動き(2014年6月2日追記)

カタールのアラブ調査政治研究センターは、トルコ、ヨルダン、レバノン、そしてトルコ国境に近いシリア領内の337カ所で避難生活を送るシリア人(5,267人)を対象に、大統領選挙に関する世論調査を実施し、6月2日付でHP(http://www.dohainstitute.org/release/de83fca1-2bbd-4f92-8f49-ade33dc7f432)にその結果を発表した。

Kull-na Shuraka', June 3, 2014
Kull-na Shuraka’, June 3, 2014

それによると、「大統領選挙にまったく正統性がない」と答えたのは78%、これに対して「大統領選挙に正統性はある」と答えたのは17%、「わからない」および回答拒否は5%だったという。

また「シリアを現在支配しているのは誰か」との問いに対しては、イランと答えた回答者が28%ともっとも高く、次いで「バッシャール・アサドとその家族」(22%)、ロシア(16%)、治安機関(10%)、ヒズブッラー(6%)、軍司令部(4%)と続いた。

シリアの危機のもっとも理想的な解決方法については、体制転換と答えたのが64%、「平和的解決とすべての当事者の合意」と答えたのが23%、「政権の勝利と反体制派の一掃」と答えたのが、6%だった。

将来のシリアの国家像については、世俗国家を望むと答えたのが50%、宗教的国家を望む都答えたのが30%だった。

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Arab Center for Research and Political Studies、Kull-na Shuraka’, June 3, 2014をもとに作成。

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世界同時上映会『シリア、踏みにじられた人々と希望』(6月19日、東京外国語大学226教室)

世界同時上映会『シリア、踏みにじられた人々と希望』(6月19日、東京外国語大学226教室)

https://www.facebook.com/events/657019934378473/?ref_newsfeed_story_type=regular

 

2011年にシリアで勃発した内戦は一般市民を巻き込んだ未曾有の人道危機へと発展しました。この作品はトルコの難民キャンプで数々のインタビューを収録したものです。凄惨な内戦、平和を望む国民の悲痛な声を浮き彫りにしつつ暴力と非暴力の狭間で揺れ動く人々の声を捉え、見る者に平和のあり方についての疑問を投げかけます。
2013年のUNHCR難民映画祭で上映され、大きな反響を呼んだ作品。イアラ・リー監督からの世界同時上映の呼びかけに応じて国内でも多くの地域で上映が予定されています。

上映後には、東京外国語大学青山弘之教授の講演と、シリア研究会代表中山実佐子さんによる渡航報告会を行います

世界難民の日をきっかけに、シリア、難民について考えてみませんか?

☆映画詳細はこちら
http://unhcr.refugeefilm.org/2013/title/2013/08/post-52.php

イベント主催者紹介
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☆東京外国語大学シリア研究会

2013年春アラビア語専攻の学生を中心に発足。シリアの歴史・文化・情勢について研究すると同時に、現地のシリア人ヨルダン人の学生達と共に、学生として、紛争解決に向けて出来る最大限を模索し実行する。
現在ダマスカス大学とのオンライン会話授業実現に向け準備中
Twitter : @tufsyria

☆J-FUNユース

2007年の世界難民の日(6月20日)に前身団体であるUNHCRユースが発足し、2009年からJ-FUNユースとして活動。難民を取り巻く社会の状況をよくする、将来社会で活躍する人々の学びの場となるという2つの理念のもと、難民の方々、企業、UNHCR、大学等と協力し、学生らしい柔軟な発想で難民問題への取り組みをする。難民の勉強会、スタディーツアー、全商品リサイクル活動、啓発イベント、難民の方との交流会、学習教室などを実行。
Twitter::@jfunyouth
Facebook:J-Funユース
お問い合わせ:jimukyoku_jfunyouth@yahoo.co.jp

☆P782プロジェクト

全国782の大学で<難民>を切り口とした取り組みを企画するプロジェクト。ダイアローグを通して自分らしい難民との関わり方を見つけ、難民について考えてみる。来年の世界難民の日に日本各地での小さな取り組みを繋ぎ、日本中で難民に対する思いが高まることを目指す。
Facebook:P782プロジェクト
お問い合わせ:p782daigaku@gmail.com

諸外国の動き(2014年6月2日)

ダルアー県タッル・シハーブ町でシリア人避難民問題への対応にあたっている「自由シリア軍」の支援活動家アリー・リファーイー氏は『ハヤート』(6月3日付)に対し、ヨルダン当局が数日前に、シリア国内の避難民数万人への食糧医療支援の配給のため、タッル・シハーブに面する国境通行所を非公式に新設・開放した、と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者会見で、国連憲章第7章に基づき周辺諸国からシリア領内への人道支援物資搬入を求める安保理決議案(オーストラリア、ルクセンブルグ、ヨルダンが共同提案)に関して「シリアの危機への外国の介入が必要だとの支持を世論で動員する口実…として利用されてはならない」としたうえで、「我々はこうした提案を提示する者の目論見を知っているので受け入れられない」と拒否した。

ロイター通信(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年6月2日)

マダー・プレス(6月2日付)は、バービル県作戦司令室の話として、ジュルフ・サフル地方で軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員2人を殺害した、と報じた。

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ディヤーラー県警察は、県内で行われた治安活動によって先月5月だけでイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員50人以上を殲滅したと発表した。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年6月2日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハラーキー村で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民8人が死亡、12人が負傷した。

ハラーキー村はアラウィー派が暮らす村で、犠牲者の多くは国防隊の隊員だという。

一方、SANA(6月2日付)によると、ジャッブーリーン村、サーリヒーン村、ウンム・シャルシューフ村、キースィーン港で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(6月2日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が制圧するブサイラ市で、ダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦し、市民5人が巻き添えとなって死亡した。

またヌスラ戦線は、ダーイシュが制圧していたジーア村、西ムハイミーダ村、東ムハイミーダ村、カスラ村、ハマール・カスラ村、ハマール・アリー村、ヒサーン村、フサイニーヤ町を奪還した。

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アレッポ県では、ARA News(6月2日付)によると、アレッポ市シャッアール地区などを軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月2日付)によると、ハッダーディーン村、ラスム・バクルー村、ジャバル・サハーリージュ村、ハーナート村、ダッバーガート村、カブターン・ジャバル村、フライターン市、タッル・シャイール村、ハンダラート・キャンプ、マーリア市、タッル・ジャビーン村、ムスリミーヤ村、ハーディル村、アンジャーラ村、アウラム・クブラー町、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、サーフール地区、バニー・ザイド地区、ハナーヌー地区、サーリヒーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、ARA News(6月2日付)によると、カフルルーマー町で軍と反体制武装集団が交戦、またマアッラト・ヌウマーン市、フバイト村などを軍が空爆した。

一方、SANA(6月2日付)によると、アルバイーン山周辺、ビンニシュ市、クーサンルー村、ダイル・サンバル村、サルミーン市、カフルハーヤー村、カフルラーター村、マアッラトミスリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーウド旅団、ムハージリーン大隊、ジュンド・アクサー、シャームの鷹旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、ARA News(6月2日付)によると、ヤルムーク区に軍が撃ったとされる迫撃砲弾が着弾し、3人が死亡、9人が負傷した。

一方、SANA(6月2日付)によると、ジャウバル区・カーブーン区間で反体制武装集団が掘った全長300メートルのトンネルを軍が発見、破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月2日付)によると、ムライハ市周辺、ナシャービーヤ農場、アーリヤ農場、ダーライヤー市、アシュラフィーヤト・ワーディー町、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月2日付)によると、ダルアー市アバーズィード・モスク一帯、ワルダート村、サムリーン村、アトマーン村、フラーク市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月2日)

ダイル・ザウル県革命評議会副司令官のイスマーイール・ムッラー空軍大佐は、クッルナー・シュラカー(6月2日付)に、アサド政権、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、そして民主統一党が、ラッカ県、ハサカ県、ダイル・ザウル県での勢力画定の「密約」を先月交わしたと主張した。

Kull-na Shuraka', June 2, 2014
Kull-na Shuraka’, June 2, 2014

ムッラー大佐は、ダーイシュがアサド政権とイランの支援を受けていると断じる一方、アサド政権、ダーイシュ、民主統一党が、①ラッカ県およびマルカダ町を除くハサカ県からのダーイシュ撤退、②ダーイシュのダイル・ザウル県でのダーイシュの活動への資金援助について合意したと主張した。

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シリア・クルド・イェキーティー党は声明を出し、党政治局のアブドゥッサマド・ハラフ・バッルー氏がアリー・マムルーク国民安全保障会議議長と秘密裏に会談を開いたとする民主統一党支持者のサイトでの情報を否定した。

ARA News(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年6月2日)

ハサカ県カーミシュリー市では、ARA News(6月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局が支配する地区で大統領選挙投票(6月3日)のために設置されたすべての投票所が撤廃された、と報じた。

同報道によると、カーミシュリー市で大統領選挙の投票が行えるのは、政府が支配する地域(治安関連機関が隣接地区、タイイ地区、アラーヤー地区など)に限られるという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、6月3日に投票が行われる大統領選挙に関して、「すべてのシリア人に…自宅にとどまり、アサドの悪党が望む血と屈辱のなかに足を運ばないよう求める」と呼びかけた。

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大統領府はフェイスブックを通じて声明を出し、6月3日に投票が行われる大統領選挙の選挙運動において「すべてのシリア人によって表現された文明的な現象」に謝意を示した。

SANA(6月2日付)が伝えた。

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ムハンマド・シャッアール内務大臣は、シリア・アラブ・テレビ(6月2日付)に出演し、そのなかで、インターネットを通じた大統領選挙への投票が可能だとする一部情報を否定した。

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ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、ロシア下院の安全保障問題委員会のセルゲイ・ガヴリロフ委員長を団長とする選挙監視団と会談した。

またラッハーム人民議会議長は、米、カナダ、アイルランドの反戦・反帝国主義活動家からなる使節団と会談した。

SANA(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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