諸外国の動き(2014年6月13日)

ヨルダン軍総司令部筋によると、13日晩、警告を無視して、シリア領内からヨルダン領内への不法入国を試みた車輌4台とヨルダン国境警備隊が交戦し、車輌4台を破壊した。

『ハヤート』(6月15日付)が報じた。

al-Hayat, June 15, 2014をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンの動き(2014年6月13日)

抵抗への忠誠ブロック(ヒズブッラーが主導する国会会派)に所属するワリード・スッカリーヤ人民議会議員(無所属)は『ジュムフーリーヤ』(6月13日付)に「ヒズブッラーはイラクとは無関係だ…。イラクは党の能力を超えている」と述べ、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢を受けるイラクにヒズブッラーが介入すべきでないと強調した。

しかしスッカリーヤ議員は「ダーイシュという異常な現象を終わらせる時が来た」と付言した。

ナハールネット(6月13日付)によると、レバノン軍は声明を出し、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、アブドゥッラー・アッザーム旅団(シャームの民のヌスラ戦線)のシリア人メンバー5人を逮捕したと発表した。

AFP, June 13, 2014、AP, June 13, 2014、ARA News, June 13, 2014、Champress, June 13, 2014、al-Hayat, June 14, 2014、al-Jumhuriya, June 13, 2014、Kull-na Shuraka’, June 13, 2014、al-Mada Press, June 13, 2014、Naharnet, June 13, 2014、NNA, June 13, 2014、Reuters, June 13, 2014、SANA, June 13, 2014、UPI, June 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力(2014年6月13日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ムライハ市一帯、ランクース市郊外およびその周辺を軍が「樽爆弾」などで空爆、また軍、ヒズブッラー戦闘員がムライハ市一帯などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

またカラムーン地方での軍、ヒズブッラー戦闘員とジハード主義武装集団との戦闘で、ヒズブッラー戦闘員6人が死亡したという。

一方、SANA(6月13日付)によると、ムライハ市およびその周辺、ザバダーニー市、ランクース市郊外、上ハフィール町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、サイフッラー・マスルール大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

Kull-na Shuraka', June 13, 2014
Kull-na Shuraka’, June 13, 2014

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で軍、ヒズブッラー戦闘員が、ジハード主義武装集団と交戦した。

またクッルナー・シュラカー(6月13日付)によると、イスラーム軍とアジュナード・シャーム・イスラーム連合は、軍が拠点として使用していたジャウバル区内のビルの地下にトンネルを掘り、爆弾を仕掛けて爆発、ビルを全壊させ、40人以上の兵士が死亡した。

一方、SANA(6月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ県では、マサール・プレス(6月14日付)によると、「革命家」が、軍、ヒズブッラー戦闘員との交戦し、ハーン・トゥーマーン村一帯を奪還した。

反体制武装集団が奪還した地域には戦略的要衝とされるマクラア地区も含まれるという。

この戦闘で軍側に9人、反体制武装集団に5人の死者が出たという。

また、マサール・プレスによると、アザーン山、アレッポ市ザフラー地区でも軍と反体制武装集団が交戦、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区、シャッアール地区、バーブ街道地区、タカード村などを軍が空爆し、市民3人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

他方、SANA(6月13日付)によると、アレッポ市フィルドゥース地区、ライラムーン地区、マーリア市、アターリブ市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アイス村、ハイヤーン町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アトマーン村南部で軍がジハード主義武装集団の車列を要撃し、戦闘員5人が死亡した。

一方、SANA(6月13日付)によると、フラーク市、アトマーン村、インヒル市、ヌアイマ村、ラジャート高原周辺、ウンム・ハウラーン丘北部、ズィムリーン村北東部、ダルアー市バジャービジャ地区、Syriatel一帯などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カサブ町郊外の第45監視塔周辺で、軍、国防隊、アレキサンドレッタ解放シリア抵抗運動、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム・イスラーム運動、アンサール・シャーム運動、シャーム軍団、カーディスィーヤの民師団、我らがシャーム連合などと交戦した。

一方、SANA(6月13日付)によると、カサブ町・ファルラク村街道に位置する第714高地、第767高地、第803高地を軍が奪還した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、軍がカフルヌブーダ町を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月13日付)によると、カフルズィーター市、フバイト村、ムーリク市、タッル・シャマー村、ハルダーナー村、アブー・フバイラート村、ウンム・ミール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(6月13日付)によると、ウンム・サフリージュ村、ラッフーム村、西サラーム村、スルターニーヤ村、アルシューナ村、タッルドゥー市、ラスタン市、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村、タラフ村、タッルダハブ村、ウンム・シャルシューフ村、アイン・フサイン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(6月13日付)によると、アルバイーン山周辺、マアッルタバイー村、イドリブ市・ハーリム市街道、バシーリーヤ村、ジダール・ビカフルーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

SANA(6月13日付)は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、ラッカ県、イドリブ県、アレッポ県、タルトゥース県で反体制武装集団メンバー257人が当局に投降、その後釈放された、と報じた。

AFP, June 13, 2014、AP, June 13, 2014、ARA News, June 13, 2014、Champress, June 13, 2014、al-Hayat, June 14, 2014、Kull-na Shuraka’, June 13, 2014、al-Mada Press, June 13, 2014、Masar Press Agency, June 13, 2014、Naharnet, June 13, 2014、NNA, June 13, 2014、Reuters, June 13, 2014、SANA, June 13, 2014、UPI, June 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府の動き(2014年6月13日)

ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事は、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、ヒムス中央刑務所から50人を釈放したと発表した。

SANA(6月13日付)が伝えた。

**

トルコで活動するシリア国民情報センター(サダー、http://www.sada.pro/)は、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、当局がヒムス県、ダルアー県、ダイル・ザウル県で12、13日に205人を釈放したことを確認したと発表した。

AFP, June 13, 2014、AP, June 13, 2014、ARA News, June 13, 2014、Champress, June 13, 2014、al-Hayat, June 14, 2014、Kull-na Shuraka’, June 13, 2014、al-Mada Press, June 13, 2014、Naharnet, June 13, 2014、NNA, June 13, 2014、Reuters, June 13, 2014、SANA, June 13, 2014、UPI, June 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア反体制勢力の動き(2014年6月13日)

シャーム自由人イスラーム運動(フルサーン・シャリーア大隊)、シリア自由人旅団、ナスル旅団、シャフバーの剣大隊、リジャールッラー大隊連合、殉教者ムハンマド・ストゥーフ大隊は共同声明を出し、「サダー・シャフバー作戦司令室」の設置を宣言、アレッポ県のニッブル市、ザフラー町への軍事作戦を開始すると表明した。

両村の攻撃は軍によるアレッポ市民への報復が目的で、「民間人のなかに紛れているシーア派民兵とシャッビーハの拠点」を標的とするという。

AFP, June 13, 2014、AP, June 13, 2014、ARA News, June 13, 2014、Champress, June 13, 2014、al-Hayat, June 14, 2014、Kull-na Shuraka’, June 13, 2014、al-Mada Press, June 13, 2014、Naharnet, June 13, 2014、NNA, June 13, 2014、Reuters, June 13, 2014、SANA, June 13, 2014、UPI, June 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月13日)

シリア国内の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、イラクでのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、『ハヤート』(6月14日付)に、西クルディスタン移行期民政局とイラク・クルディスタン地域がハサカ県で「はじめて合同作業」を行い、ダーイシュを撃退したことを明らかにした。

ムスリム共同党首は「ダーイシュはモスル市制圧後、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)国境通行所(ハサカ県)を除くイラク・シリア国境を制圧しようとしている。しかし、ペシュメルガ(イラク・クルディスタン地域)と人民防衛隊(西クルディスタン移行期民政局)はタッル・クージャル村から約20キロに位置するサラミーヤ村でダーイシュと戦い、撃退した」と述べた。

その一方で、ムスリム共同党首は、ダーイシュがイラク軍から捕獲した米国製の軍用車輌で、「大量の重火器および弾薬」をダーイシュのハサカ県における拠点であるシャッダーディー市に運び込んでいると述べ、「ダーイシュが他の武装集団との戦闘において質的優位」に立つと懸念を表明した。

**

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、イラクでのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、『ハヤート』(6月14日付)に、ダーイシュがモスル市制圧後、対シリア国境の土塁を破壊、またダイル・ザウル県ブサイラ市からハサカ県シャッダーディー市、ユーフラテス川、ハーブール川に至る地域の「大部分」を制圧したと述べた。

アブドゥッラフマーン代表はまた、ダーイシュが小型船で、ダイル・ザウル県からユーフラテス川を北上し、アレッポ県、ハサカ県に武器を運び込んでいると付言した。

これに関して、ジハード主義武装集団の従軍記者は『ハヤート』(6月14日付)、「ダーイシュはバーブ・サラーマ国境通行所(アレッポ県、対トルコ国境)の7キロの地点まで到達し…、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)とトルコ国境にいたる地域(兵站線上)、すなわちダイル・ザウル県郊外、ラッカ県、アレッポ県バーブ市、同マンビジュ市を結ぶ地域に15の検問所を設置、各検問所には4~6人の戦闘員を配置している」と述べた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘が停止した。

同監視団によると、ダーイシュとヌスラ戦線の間で停戦合意に向けた協議が行われているという。

これに関して、『ハヤート』(6月14日付)は、ジハード主義武装集団の動きをフォローしている某研究者の話として、ヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が、ダーイシュの指導者アブー・バクル・バグダーディー氏に忠誠を誓ったとの極秘情報が流れていると報じた。

**

シリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のイラクでの攻勢に関して、「公正、自由に基づく国家を求める国民の要求を常に拒否し、人権を侵害し、イランに従属する不正に満ちた宗派的、差別的体制を作った…ヌーリー・マーリキー内閣に責任がある」と非難した。

そのうえで、シリア、イラク両国民の自由、尊厳、平等、公正に向けて、イラク国民に協力の手をさし延べたいと延べた。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県ファッルージャ市の説教師ハミード・ムハンマド師は金曜礼拝での説教で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を「革命家・反乱軍」と位置づけ、「ヌーリー・マーリキー内閣の軍への勝利」を強調した。

マダー・プレス(6月13日付)が伝えた。

**

マダー・プレス(6月13日付)は、サラーフッディーン県の治安筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が占拠するティクリート市内の警察署、ビージー市のモスクなどを空爆、ダーイシュ戦闘員と降伏した警察官合わせて70人が死傷したと報じた。

またマダー・プレスは、複数の目撃者の話として、イラク軍と人民諸委員会(自警団)がバラド郡イスハーキー地区でダーイシュを掃討、同地を奪還したと報じた。

さらに、ワースィト県警察筋の話として、ワースィト県の治安部隊と義勇兵からなる「ワースィトの火山連隊」がサーマッラー市に援軍として到着し、ダーイシュと交戦、戦闘員13人を殲滅したと報じた。

**

マダー・プレス(6月13日付)はバービル県警察の話として、ジュルフ・サフル地方でイラク軍が特殊作戦を実施し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員15人を殲滅したと報じた。

**

マダー・プレス(6月13日付)はディヤーラー県警察筋の話として、軍とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がバアクーバ市北部のアズィーム地区などで交戦したと報じた。

AFP, June 13, 2014、AP, June 13, 2014、ARA News, June 13, 2014、Champress, June 13, 2014、al-Hayat, June 14, 2014、Kull-na Shuraka’, June 13, 2014、al-Mada Press, June 13, 2014、Naharnet, June 13, 2014、NNA, June 13, 2014、Reuters, June 13, 2014、SANA, June 13, 2014、UPI, June 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.