イスラーム国(旧イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月30日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言にもかかわらず、ブーカマール市でダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員1人が死亡した。

また、ARA News(6月30日付)によると、ダーイシュがブーカマール市各所を迫撃砲で攻撃し、複数の市民が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフタリーン市周辺、マスウーディーヤ村周辺、バールーザ村周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団やジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マイダアー町にあるダーイシュ(イスラーム国)本部にイスラーム軍が突入、イスラーム軍戦闘員、広報関係者ら7人の遺体を発見した。

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Reuters, June 30, 2014
Reuters, June 30, 2014

ロイター通信(6月30日付)などによると、ラッカ県ラッカ市では、29日のカリフ制樹立と、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のイスラーム・カリフ制樹立を祝うパレードがダーイシュ戦闘員らによって行われ、その写真がインターネット上に公開された。

イラク国内の戦況

キルクーク県では、マダー・プレス(6月30日付)によると、イラク軍がトゥーズ郡の複数の村にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員19人を殺傷した。

またイラク・クルディスタン地域ペシュメルガは、バシーラ村でダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員数十人を殺害したという。

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アンバール県では、マダー・プレス(6月30日付)によると、カーイム市、ルトバ市、アーナ市、ラーワ市、ウバイディー市一帯で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)の掃討作戦を行い、ダーイシュ戦闘員7人を殺害、9人(いずれも外国人)を逮捕した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月30日付)によると、ティクリート市北部のスパイカー軍事基地近郊でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

レバノン国内の動き

バアルベック自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、29日のダーイシュ(イスラーム国)によるイスラーム・カリフ制樹立に関して「全面的に支持する」としたうえで、カリフに就任したアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明した。

諸外国の動き

ロシア外務省は、ロシア・イラク政府間の合意に従い、攻撃用戦闘機Su-25を5機の納品を完了したと発表した。

イタルタス通信(6月30日付)が伝えた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、シリア政府の管理下にないシリア産の原油の輸出入が違法であることを改めて確認し、ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線によるシリア産石油の密売と取引を禁止する国連決議の採択を呼びかけた。

『ハヤート』(7月1日付)が伝えた。

AFP, June 30, 2014、AP, June 30, 2014、ARA News, June 30, 2014、Champress, June 30, 2014、al-Hayat, July 1, 2014、Itar-tass, June 30, 2014、Kull-na Shuraka’, June 30, 2014、al-Mada Press, June 30, 2014、Naharnet, June 30, 2014、NNA, June 30, 2014、Reuters, June 30, 2014、SANA, June 30, 2014、UPI, June 30, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力(2014年6月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市内各所をジュンド・アクサー機構が砲撃し、5~7人が死亡、23人が負傷した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ハーッジ・ハンムード農場、アイン・スーダ村、カフルラーター村、ファイルーン村、カストゥーン村、カフルハーヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市カッラーサ地区、フライターン市、カフルハムラ村を軍が「樽爆弾」などで空爆する一方、ジハード主義武装集団はアレッポ市北部を手製の迫撃砲で攻撃した。

またジャバル・アッザーン周辺、バッラース村、アブティーン村・ワディーヒー村街道、タッラト・タアーナで軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月30日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区、インザーラート地区、シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、シュカイフ村、マアーッラト・アルティーク村、アルド・マッラーフ地区、カフルハムラ村、ハーン・アサル村、タッル・ジャビーン村、バルダ村、カフルカール村、マーリア市、タッル・リフアト市、ザバディーヤ村、カフルサギール村、バービース村、サースィーン村、アターリブ市、マアブーディーヤ村、ラヒーマ村、マンスーラ村、シャルファ・スグラ村、フライターン市、ダイル・ジャマール村、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、マアラカ村、ガディール・ブスターン村を軍が「樽爆弾」などで攻撃した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カフターニーヤ町、トゥルナジャ村、西サムダーニーヤ村、マムティナ村、ビイル・アジャム村、ウーファーニヤー村・ジュバーター・ハシャブ村街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクードナ村南部で軍が、シャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、シャイフ・マスキーン市、ジッリーン村、ジャービヤ丘、ジュムーア丘、タスィール町にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点などを軍が空爆した。

またクッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、県内で活動する「自由シリア軍」内最大の武装集団と目されるヤルムーク師団司令部が、6月28日にナスィーブ村で司令官の一人ムーサー・ズウビー空軍准将が武装した何者かの要撃を受け、拉致、連行されたと発表した。

一方、SANA(6月30日付)によると、アトマーン村、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道、ダルアー市バジャービジャ地区、マンシヤ地区、ヒルバト・ガザーラ町、タファス市・アトマーン村街道、ジャニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市南部および東部、ドゥワイル・アクラード村一帯で、軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

また軍の砲撃によるものと思われる爆発がナージム村で発生した。

さらに、マブウージャ村にあるファイサル・クルスーム元ダルアー県知事の邸宅が何者かによって未明に爆破されるとともに、同村の東部に位置するラフジャーン村の軍検問所がジハード主義武装集団の攻撃を受け、兵士8人が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市各所、ナシャービーヤ農場、アッブ農場、マイダアー町、ハーン・シャイフ・キャンプ、カフルバトナー町各所を軍が未明に空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カラムーン地方のアイン・ハスィーン渓谷(無人地帯)で、軍が爆弾が仕掛けられた自動車3台を発見、破壊した。

またシリア軍部隊はシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団

シリア政府の動き(2014年6月30日)

シリアの水資源総合委員会(バッサーム・ハンナー水資源大臣が委員長)はロシアのストロイ・トランス・ガス社とティグリス川灌漑計画の第1期計画実施に関する契約に合意した。

SANA, June 30, 2014
SANA, June 30, 2014

第1期計画は、ハサカ県マーリキーヤ市郊外のアイン・ディーワール村での給水所建設など総額1億9,300万ユーロの支援が予定されている。

またティグリス川灌漑計画は、年間1億2,500立方メートルの灌漑水の利用が予定されている。

SANA(6月30日付)が報じた。

AFP, June 30, 2014、AP, June 30, 2014、ARA News, June 30, 2014、Champress, June 30, 2014、al-Hayat, July 1, 2014、Kull-na Shuraka’, June 30, 2014、al-Mada Press, June 30, 2014、Naharnet, June 30, 2014、NNA, June 30, 2014、Reuters, June 30, 2014、SANA, June 30, 2014、UPI, June 30, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.