シリア反体制勢力の動き(2014年6月12日追記)

反体制派系シンクタンクの民主共和制研究センターは「2014年5月末までのシリア政府の犯罪犠牲者に関する包括的統計」(http://drsc-sy.org/wp-content/uploads/sites/11/2014/06/Syrian-Statistics-May-2014.pdf)と題した報告書を発表した。

同報告書によると、2011年3月半ばから2014年5月半ばにかけての1,173日(2万8,152時間)での犠牲者数およびその内訳は以下の通り:

身元確認された死者総数:11万8,863人(うちパレスチナ人2,250人、子供1万2,310人、女性1万1,475人、拷問による死者6,495人)
推計死者総数:23万人(うち80%が民間人。またパレスチナ人2,400人、子供1万5,000人、女性1万4,000人、拷問による死者1万8,500人)
推計負傷者総数:18万7,370人
推計逮捕者総数:25万8,260人以上
推計失踪者総数:9万9,440人
シリア郊外の避難民数:356万6,740人
シリア国内の避難民数:765万人
犠牲者・被害者家族総数:1,562万7,402人

DRSC, June 12, 2014をもとに作成。

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イラクの動き(2014年6月12日)

マダー・プレス(6月12日付)は、キルクーク県警察の話として、県西部のマンザラ地区近くでイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とイラク・クルディスタン地域ペシュメルガが交戦、ペシュメルガ戦闘員5人が負傷、従軍記者1人が死亡したと報じた。

またダブス地方では、ペシュメルガ第2連隊のナーディル・アブドゥッラー准将が乗った車の近くでダーイシュが仕掛けた爆弾が爆発し、同乗していた息子が死亡、准将も負傷した。

一方、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガのキルクーク県司令官のシールクー・ファーティフ・シャワーニー准将は、ペシュメルガが警察部隊と連携して、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が制圧していた県南部、東部、西部の要衝を奪還、南東部以外の全域を制圧したと発表した。

このほか、イラク・クルディスタン地域のジャアファル・シャイフ・ムスタファー・ペシュメルガ大臣はキルクーク県西部のペシュメルガの陣地複数カ所を視察した。

視察を終えたムスタファー大臣は、ペシュメルガの部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって制圧されたイラク軍旅団基地の一つを奪還したと発表した。

なお視察途中で、ムスタファー大臣の乗った車列がダーイシュの襲撃を受け、大臣のボディーガード1人が死亡した。

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マダー・プレス(6月12日付)は、バービル県作戦司令室の話として、ヒッラ市北部のジュルフ・サフル地方ファーディリーヤ地区をイラク軍が砲撃し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員(非イラク人)51人が死亡したと報じた。

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ティグリス作戦司令室は、ディヤラ県アズィーム地方でイラク軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーイシュの車輌3台を破壊し、戦闘員7人を殲滅したと発表した。

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マダー・プレス(6月12日付)によると、イラク軍総司令部は、ニナワ県およびその周辺一帯のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点への空爆を開始し、モスル市南部のガズラーニー軍事基地のダーイシュ拠点などを攻撃したと発表した。

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マダー・プレス(6月12日付)は、内務省の話として、バグダード県南部のルトフィーヤ地区でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と警官隊が交戦し、双方に10人の死者が出たと報じた。

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マダー・プレス(6月13日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はサラーフッディーン県ティクリート市で部族会合を開き、アフマド・アブド・ラシード氏を県知事に選出した。

AFP, June 12, 2014、AP, June 12, 2014、ARA News, June 12, 2014、Champress, June 12, 2014、al-Hayat, June 13, 2014、Kull-na Shuraka’, June 12, 2014、al-Mada Press, June 12, 2014、June 13, 2014、Naharnet, June 12, 2014、NNA, June 12, 2014、Reuters, June 12, 2014、SANA, June 12, 2014、UPI, June 12, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年6月12日)

NNA(6月12日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のワーディー・フマイド地区で、シャームの民のヌスラ戦線がシリア人避難民の野営地を襲撃し、避難民に発砲、1人が死亡、1人が負傷した。

ヌスラ戦線はまたシリア人2人を拉致し、連れ去った。

AFP, June 12, 2014、AP, June 12, 2014、ARA News, June 12, 2014、Champress, June 12, 2014、al-Hayat, June 13, 2014、Kull-na Shuraka’, June 12, 2014、al-Mada Press, June 12, 2014、Naharnet, June 12, 2014、NNA, June 12, 2014、Reuters, June 12, 2014、SANA, June 12, 2014、UPI, June 12, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年6月12日)

ヒムス県では、SANA(6月12日付)などによると、ヒムス市ワーディー・ザハブ地区の警察官舎交差点近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民7人が死亡、55人が負傷した。

また、ウンム・シャルシューフ村、ガジャル村、ラスタン市、アイン・フサイン村、アーミリーヤ村、キースィーン村、ブルジ・カーイー村、サフリージュ村、ジャッラード村、スルターニーヤ村、西サラーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村周辺での11日からの軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員との戦闘で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が18人が死亡した。

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ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が砲撃した。

またクッルナー・シュラカー(6月12日付)などは、当局がハジャル・アスワド市で抵抗を続ける反体制武装集団に停戦を受諾させるために、同地区への水道供給を停止した、と報じた。

一方、SANA(6月12日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市を軍が「樽爆弾」などで空爆し、女性2人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(6月12日付)によると、ハニータ村、ハキーヤ村、ラスム・アブラ村、アルシューナ村、ムーリク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がサアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)、警察署、裁判所一帯を手製の迫撃砲で攻撃し、多数の市民が負傷した。

また反体制武装集団は、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所に続く軍の兵站路に対しても砲撃を行った。

これに対して、軍はバータブー村、ブルジュ村、バービカ村、カフル・カルミーン村、タカード村、アブザムー町、ハイヤーン町、マーリア市などを空爆し、子供4人と女性4人の合わせて8人が死亡した。

このほかアレッポ市ザフラー地区で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がヌスラ戦線などと交戦、同地を「樽爆弾」などで砲撃・空爆した。

一方、SANA(6月12日付)によると、シャイフ・サアド村、カフルナーハー村、ハーディル村、ウワイジャ地区、アブティーン村、カフルアービジュ村、アインジャーら村、ハーン・アサル村、フライターン市、シャイフ・ルトフィー村、アレッポ市インザーラート地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ザマルカー町周辺、ザバダーニー市、ムライハ市一帯、ランクース市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月12日付)によると、タッル・クルディー町各所、アーリヤ農場、アッブ農場、ムライハ市および

シリア政府の動き(2014年6月12日)

SANA(6月12日付)によると、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、ダルアー県で124人、ダイル・ザウル県で31人が釈放された。

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外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、そのなかでシリア大統領選挙が「民主主義、透明性のもとで実施された」と報告、「選挙がシリアの危機の平和的解決実現の障害だとする言説を破綻させた」と主張した。

AFP, June 12, 2014、AP, June 12, 2014、ARA News, June 12, 2014、Champress, June 12, 2014、al-Hayat, June 13, 2014、Kull-na Shuraka’, June 12, 2014、al-Mada Press, June 12, 2014、Naharnet, June 12, 2014、NNA, June 12, 2014、Reuters, June 12, 2014、SANA, June 12, 2014、UPI, June 12, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア反体制勢力の動き(2014年6月12日)

民主的変革諸勢力国民調整委員会は、6月7~8日にかけて開催された執行部会合に関する声明を出し、大統領選挙を「独裁政権の手法継続をもたらす」と非難した。

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自由シリア軍南部戦線を構成する54の武装集団が共同声明を出し、投降者、負傷者、非武装者との戦闘禁止、拘束者の拷問禁止、拉致禁止、裁判なき処罰の禁止などを宣言し、人権擁護、国際法を順守すると誓約した。

Kull-na Shuraka', June 11, 2014
Kull-na Shuraka’, June 11, 2014
Kull-na Shuraka', June 11, 2014
Kull-na Shuraka’, June 11, 2014

AFP, June 12, 2014、AP, June 12, 2014、ARA News, June 12, 2014、Champress, June 12, 2014、al-Hayat, June 13, 2014、Kull-na Shuraka’, June 12, 2014、al-Mada Press, June 12, 2014、Naharnet, June 12, 2014、NNA, June 12, 2014、Reuters, June 12, 2014、SANA, June 12, 2014、UPI, June 12, 2014などをもとに作成。

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