イラク・シャーム・イスラーム国をめぐる動き(2014年6月14日)

シリア国内の動き

ハサカ県では、ARA News(6月14日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点シャッダーディー市をシリア軍が空爆し、市民9人が死亡、10人が負傷した。

またカフターニーヤ市では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊本部近くで車に仕掛けられた爆弾が爆発し、20人以上が死亡した。

犯行声明は出ていないが、現地ではイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の犯行との見方が強まっている。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月14日付)によると、治安部隊と地元部族の義勇兵からなる合同部隊がティクリート市の南部に位置するドゥルーイーヤ郡でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦の末、ダーイシュを放逐し、同郡を奪還した。

同報道によると、ドゥルーイーヤ郡制圧後、同郡にあるフラファー・モスクの拡声器から、若者に向けて、ダーイシュと戦うため軍および警察部隊に志願するよう呼びかけが行われたという。

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マダー・プレス(6月14日付)は、ディヤーラー県警察筋の話として、ヤアクーバ市東部のバッルール地方とジャズィーラ地方で、イラク軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーイシュ戦闘員4人が死亡、軍兵士2人が負傷したと報じた。

またヤアクーバ市北部のアズィーム地区では、イラク軍と地元部族の義勇兵からなる合同部隊がダーイシュと交戦、同地区からダーイシュが撤退した。

この戦闘で、部族義勇兵8人が死亡した。

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ヌーリー・マーリキー首相はサラーフッディーン県サーマッラー市を訪問し、治安部隊司令官と会合、「サーマッラーは最終防衛線ではなく、反撃開始の拠点となるだろう」と述べた。

AFP, June 14, 2014、AP, June 14, 2014、ARA News, June 14, 2014、June 15, 2014、Champress, June 14, 2014、al-Hayat, June 15, 2014、Kull-na Shuraka’, June 14, 2014、al-Mada Press, June 14, 2014、Naharnet, June 14, 2014、NNA, June 14, 2014、Reuters, June 14, 2014、SANA, June 14, 2014、UPI, June 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力(2014年6月14日)

ダルアー県では、マサール・プレス(6月14日付)が、南西地区作戦司令室のズィヤード・ハリーリー大佐の話として、20以上の武装集団からなる「自由シリア軍」がナワー市近郊のジュムーア丘を制圧、軍兵士22人を捕捉したと報じた。

これに関して『ハヤート』(6月15日付)は、ジュムーア丘攻略の様子を撮影したビデオのなかで、反体制武装集団が、米国によって供与されたと思われるTOW対戦車ミサイルを使用している映像が含まれていると報じた。

一方、シリア人権監視団によると、軍のヘリコプターがムザイリーブ町とタファス市などを「樽爆弾」で空爆し、ジュムーア丘攻略に参加していたジハード主義武装集団の司令官を含む9人が死亡した。

他方、SANA(6月14日付)によると、ダルアー市バジャービジャ地区、マンシヤ地区、インヒル市、ナワー市、ダーイル町、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が砲撃する一方、アッバース地区、マリク・ファイサル通り、バーブ・トゥーマー地区に迫撃砲弾5発が着弾した。

一方、SANA(6月14日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カフルバトナー町が軍の砲撃を受け、男性4人が死亡、多数が負傷した。

またハーン・シャイフ・キャンプ郊外に、軍が「樽爆弾」を投下、ジスリーン町に対しても地対地ミサイルで攻撃を行った。

一方、SANA(6月14日付)によると、シャイフーニーヤ農場、タッル・クルディー町、ムライハ市郊外、アッサール・ワルド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、マサール・プレス(6月16日付)によると、ヤルダー市シャリーア委員会は未明に、政府に協力した容疑で、3人を処刑した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アナダーン市に軍が「樽爆弾」を投下し、女性2人を含む15人が死亡した。

またダーラト・イッザ市、マーリア市、タッル・リフアト市、カルジャブリーンハイヤーン町などに対しても軍は「樽爆弾」で空爆を行い、男性1人が死亡、子供2人が負傷した。

一方、SANA(6月14日付)によると、アレッポ市サラーフッディーン地区、アアザミーヤ地区、ライラムーン地区、ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区、バニー・ザイド地区、アナダーン市、フライターン市、アターリブ市、ハンダラート・キャンプ、タッル・リフアト市、ライターン村・マーリア市交差点で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルバッティーフ村、ハーン・スブル村を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃し、女性、子供を含む9人が死亡した。

一方、SANA(6月14日付)によると、ハムダーニーイーン村、ナフラ村、ルージュ平原、マアッルザーフ町、アルバイーン山周辺、マアッルバリート村、ブワイティー村南部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市を軍が「樽爆弾」で空爆し、男性1人が死亡した。

これに対してジハード主義武装集団は、アズィーズィーヤ村、ジード村を迫撃砲で攻撃した。

またハマー市クスール地区に近いハマー中央刑務所とミズラーブ橋間で爆弾が爆発した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で武器商人の車で爆弾が誤爆した。

この誤爆で8人が死亡、21人が負傷したという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ナスル山周辺で、軍、国防隊がヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、反体制武装集団の離反士官1人、軍の士官1人が死亡した。

一方、SANA(6月14日付)によると、軍がカサブ町郊外のナブアイン地方、サムラー交差点で、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦、同地を掌握、外国人戦闘員らを殲滅、武器・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(6月14日付)によると、ラスタン市、ウンム・シャルシューフ村、サアン村、ビイル・ジャズル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 14, 2014、AP, June 14, 2014、ARA News, June 14, 2014、Champress, June 14, 2014、al-Hayat, June 15, 2014、Kull-na Shuraka’, June 14, 2014、al-Mada Press, June 14, 2014、Masar Press Agency, June 14, 2014、June 16, 2014、Naharnet, June 14, 2014、NNA, June 14, 2014、Reuters, June 14, 2014、SANA, June 14, 2014、UPI, June 14, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年6月14日)

SANA(6月14日付)は、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、イドリブ県で91人、ダイル・ザウル県で46人が釈放されたと報じた。

AFP, June 14, 2014、AP, June 14, 2014、ARA News, June 14, 2014、Champress, June 14, 2014、al-Hayat, June 15, 2014、Kull-na Shuraka’, June 14, 2014、al-Mada Press, June 14, 2014、Naharnet, June 14, 2014、NNA, June 14, 2014、Reuters, June 14, 2014、SANA, June 14, 2014、UPI, June 14, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月14日)

自由シリア軍参謀委員会の前線司令官9人が共同声明を出し、辞任すると発表した。

共同声明を出したのは、北部戦線司令官のアブドゥルバースィト・タウィール大佐、中西部戦線司令官のムスタファー・ハーシム大佐、ヒムス戦線司令官のファーティフ・ハッスーン大佐、東部戦線のムハンマド・アッブード中佐、イドリブ軍事評議会議長のアフィーフ・スライマーン大佐、ラッカ軍事評議会議長のムハンマド・ラスラーン大佐、ヒムス軍事評議会議長のバッシャール・サアドッディーン大佐、海岸軍事評議会議長のムハンマド・アウワード大佐、ハサカ県軍事評議会議長のアブドゥルマジード・スルターン中佐の9人。

Kull-na Shuraka', June 14, 2014
Kull-na Shuraka’, June 14, 2014

声明で9人は、辞任の理由として武器の不足をあげ、参謀委員会を離れ「革命家の戦列に復帰する」と宣言した。

また声明で、9人は「シリア国民を支援し続けてくれているすべての国に感謝するほかない」と付言、欧米諸国、湾岸諸国、トルコなどに謝意を示した。

AFP, June 14, 2014、AP, June 14, 2014、ARA News, June 14, 2014、Champress, June 14, 2014、al-Hayat, June 15, 2014、Kull-na Shuraka’, June 14, 2014、al-Mada Press, June 14, 2014、Naharnet, June 14, 2014、NNA, June 14, 2014、Reuters, June 14, 2014、SANA, June 14, 2014、UPI, June 14, 2014などをもとに作成。

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