諸外国の動き(2014年6月28日)

米国務省のマリー・ハーフ副報道官は、サウジアラビアのジェッダでのジョン・ケリー米国務長官とシリア革命反体制勢力国民連立アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長との会談に関して、ケリー国務長官が「反体制派の指導力をシリアのすべての人々に拡大」するよう求めたことを明らかにした。

ハーフ副報道官はまた、会談においてイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢についても協議されたとしたうえで、「穏健」な反体制武装集団への軍事支援が、「ダーイシュの過激派と戦うことが唯一の理由ではなく、治安と安定の拡充を支援するためシリア人の能力を強化し、穏健な反体制派が政府軍、過激派の攻撃に対抗できるよう支援する」ためと述べた。

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アレッポ県では、ARA News(6月28日付)によると、アフリーン市郊外のダイル・サワーン村で、トルコ領に不法入国しようとした若者1人がトルコの国境警備隊に射殺された。

AFP, June 28, 2014、AP, June 28, 2014、ARA News, June 28, 2014、Champress, June 28, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 28, 2014、al-Mada Press, June 28, 2014、Naharnet, June 28, 2014、NNA, June 28, 2014、Reuters, June 28, 2014、SANA, June 28, 2014、UPI, June 28, 2014などをもとに作成。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月28日)

シリア国内の動き

シリア人権監視団は、ダイル・ザウル県で戦闘を続けるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が「県内での停戦に向けた非公式交渉」を行っていると発表した。

しかし同監視団によると、シュアイタート地方からヌスラ戦線が拠点を置くブサイラ市郊外シュハイル村に、100台からなるダーイシュの車輌が入ったことを受け、シュアイタート地方で活動する武装集団は停戦を拒否する姿勢を示したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がブーカマール市に増援部隊を派遣、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

ヌスラ戦線らは、市内の複数カ所に検問所を設置し、外出禁止令を発し、ダーイシュに武器引き渡しと、市外への退去を要求しているという。

これに対し、ダーイシュはブサイラ市郊外のクーア・イタール地方を砲撃した。

またマヤーディーン市で未明に、大きな爆発が2回発生した。

一方、ARA News(6月28日付)によると、シリア軍が、ダーイシュとヌスラ戦線などが争奪戦を続けるブサイラ市を空爆した。

この空爆において、シリア軍はダーイシュの本部などを攻撃したが、女性、子供を含む10人が負傷した。

シリア軍はまた、ハトラ村、マズルーム村に対しても同様の空爆を行った。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市郊外で、シリア軍と国防隊が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)および部族民兵と交戦し、5つの村を制圧した。

軍はまた同地一帯を砲撃し、ダーイシュ戦闘員11人が死傷、また戦闘でシリア軍側も6人が死傷した。

このほか、アブー・カサーイブ村とハッラーブ・アスカル村間で爆発が発生した。爆発の原因は不明。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市内の市場で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、数十人が死傷した。

この爆弾テロに関して、反体制活動家はイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の犯行だと疑っているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が占拠するバーブ市郊外のアアブド村をシリア軍が砲撃し、子供2人が死亡した。

またダーイシュが包囲するフライターン市周辺をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、ARA News(6月28日付)によると、アイン・アラブ市で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が地元名士らとの交渉の末、拘束していた学生15人を解放した。

このほか、シャフバー・プレス(6月28日付)は、フライターン市郊外のカースティールー街道検問所で2013年11月に拘束された反体制記者のムアイイド・サッルームがダーイシュによって処刑されたと報じた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が包囲する第17師団基地周辺をシリア軍が空爆した。

一方、ARA News(6月28日付)によると、ダーイシュがラッカ市郊外のマアダーン地方で住民に対して、7歳から14歳の子供をラマダーン月の「イスラーム教教育」のためにキャンプに差し出すよう呼びかけた。

イラク国内の戦況

ニナワ県では、マダー・プレス(6月28日付)によると、イラク軍がモスル市内のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点複数カ所を5回にわたり空爆した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(6月28日付)によると、イラク軍によるマンスーリーヤ地方での掃討作戦で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とナクシュバンディー教団戦闘員40人が死亡し、車輌20台が破壊された。

一方、ヤアクーバ市北部のダリー・アッバース地方での戦闘では、イラク軍、部族民兵の兵士18人が死傷した。

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バービル県では、マダー・プレス(6月28日付)によると、イラク軍・警察合同部隊がジュルフ・サフル地方でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーイシュ戦闘員37人が死傷した。

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アンバール県では、マダー・プレス(6月28日付)によると、イラク軍がファッルージャ市北部のハーミディーヤ地方にあるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点を攻撃市、ダーイシュ戦闘員6人を殲滅した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月28日付)によると、イラク軍部隊がティクリート市内に2方面から突入し、南部および西部の地区の一部を制圧した。

またサーマッラー市南西部のラッカ地方では、イラク軍とダーイシュが交戦し、ダーイシュ戦闘員5人が死亡した。

レバノン国内の動き

LBCI(6月28日付)は、ベイルート県ルーシャ地区のドゥロイ・ホテルでの自爆テロに関連して逮捕されたアブドゥッラフマーン・シュナイフィー容疑者(自爆未遂容疑)が、レバノンの捜査当局の取り調べに対して、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシリアやイラクで石油を密売し、テロ活動のための資金を得ていると証言した、と報じた。

AFP, June 28, 2014、AP, June 28, 2014、ARA News, June 28, 2014、Champress, June 28, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 28, 2014、LBCI, June 28, 2014、al-Mada Press, June 28, 2014、Naharnet, June 28, 2014、NNA, June 28, 2014、Reuters, June 28, 2014、SANA, June 28, 2014、Shahba Press, June 28, 2014、UPI, June 28, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年6月28日)

NNA(6月28日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ブリタール村にロケット弾2発が着弾した。

AFP, June 28, 2014、AP, June 28, 2014、ARA News, June 28, 2014、Champress, June 28, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 28, 2014、al-Mada Press, June 28, 2014、Naharnet, June 28, 2014、NNA, June 28, 2014、Reuters, June 28, 2014、SANA, June 28, 2014、UPI, June 28, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年6月28日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が空爆した。

一方、SANA(6月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市で軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月28日付)によると、ザバダーニー市および東部山間部、ハーン・シャイフ・キャンプ、ハラスター市郊外、アドラー市工業団地地区、アイン・タルマー渓谷で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市、ダルアー市各所、インヒル市を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(6月28日付)によると、インヒル市、ムサイフラ町・東カラク村街道、ジッリーン村、ダルアー市ハマーディーン地区、ビラール・ハバシー・モスク東部、バジャービジャ地区、ジーザ町、アトマーン村、ヤードゥーダ村・ダルアー街道、ジャースィム市・ナマル町街道、西ガーリヤ村、ナワー市、サフム・ジャウラーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハイダリーヤ地区、サーフール地区、アナダーン市、ラトヤーン村、フライターン市郊外を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

またシャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ブライジュ村、アレッポ中央刑務所周辺、タアーナ村で、軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、軍が「樽爆弾」を投下した。

一方、SANA(6月28日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ハイダリーヤ地区、旧市街、ハナーヌー地区、ウワイジャ地区、マンスーラ村、マスカナ市、タッル・スースィーン村、アナダーン市、スバイヒーヤ村、カフルダーイル村、カフルカール村、カフルハーシル村、サミーリーヤ村、バービース村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(6月28日付)によると、クサイル市郊外、ウンム・シャルシューフ村、タイバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月28日付)によると、アイン・ティーナ村、アーリヤ村、タッル・マハッス村、ジャービヤ丘、小ダワーヤ村、ハッジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月28日付)によると、シャンナーン村、ナフリーヤ村、バドリーヤ村、ジダール・ビカフルーン村、アルバイーン山周辺、ビンニシュ市近郊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月28日付)によると、県南部のサバーフ・ハイル地方、アブヤド地方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、マアダーン村各所を軍が空爆し、女性1人とその子供3人の合わせて4人が死亡した。

AFP, June 28, 2014、AP, June 28, 2014、ARA News, June 28, 2014、Champress, June 28, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 28, 2014、al-Mada Press, June 28, 2014、Naharnet, June 28, 2014、NNA, June 28, 2014、Reuters, June 28, 2014、SANA, June 28, 2014、UPI, June 28, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年6月28日)

アサド大統領はシリアを訪問中のセルゲイ・リバコフ外務副大臣と会談し、6月のシリア大統領選挙、化学兵器破棄プロセス、「テロとの戦い」などについて意見を交わした。

SANA, June 28, 2014
SANA, June 28, 201460

リバコフ外務次官は会談後、「地域諸国においてテロを広める集団の試みに対してロシアは手をこまねいたりはしない」としたうえで、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の活動に関して「問題はイラクにおいてきわめて危険だ。イラク国家の基礎にとって脅威だ…。問題は真の国民対話なくして解決し得ない」と述べた。

また米国によるシリアの「穏健」な反体制武装集団への軍事支援については「この手の政策は受け入れられない。シリアでの関係正常化を促すような責任ある姿勢をとることが、米国を含むみなにとっての利益になる」と述べた。

SANA(6月28日付)などが伝えた。

AFP, June 28, 2014、AP, June 28, 2014、ARA News, June 28, 2014、Champress, June 28, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 28, 2014、al-Mada Press, June 28, 2014、Naharnet, June 28, 2014、NNA, June 28, 2014、Reuters, June 28, 2014、SANA, June 28, 2014、UPI, June 28, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年6月28日)

シャームの剣旅団は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立アフマド・トゥウマ暫定内閣の解散とトゥウマ首班の処罰を求めた。

同声明によると、トゥウマ暫定政府は、革命の財産を独占し、シリア国内の不和を助長し、無責任な行動を続けてきたという。

Kull-na Shuraka', June 28, 2014
Kull-na Shuraka’, June 28, 2014

AFP, June 28, 2014、AP, June 28, 2014、ARA News, June 28, 2014、Champress, June 28, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 28, 2014、al-Mada Press, June 28, 2014、Naharnet, June 28, 2014、NNA, June 28, 2014、Reuters, June 28, 2014、SANA, June 28, 2014、UPI, June 28, 2014などをもとに作成。

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