英仏外相はアサド政権の進退に固執しない米政府の姿勢に反発(2017年4月1日)

RT(4月1日付)は、フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣がブリュッセルで、シリアの紛争を解決するにあたって、アサド大統領の進退に固執しないとする米国の姿勢に疑義を呈したと伝えた。

RTによると、エロー外務大臣は「我々は彼(アサド大統領)を残留させるかしないかについて議論を集中させようとする者がいるのなら、問題はそのようなかたちで提起されているのではないと言いたい。我々は国際社会が自らの誓約を履行するか否かを知ることが問題なのだ」と述べたという。

また、英国のモリス・ジョンソン外務大臣もエロー外務大臣に同調し、「ダーイシュ(イスラーム国)に対抗することに集中するのは良いことだ。だが、シリア国民に対する殺戮・破壊の大部分をもたらしたアサド政権を排除するかたちで移行がなされなければならない」と述べた。

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、RT, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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米ホワイト・ハウス報道官「アサドに関して、我々には受け入れなければならない政治的現実がある」(2017年4月1日)

ショーン・スパイサー米ホワイト・ハウス報道官は、シリア情勢に関して「アサドに関して、我々には受け入れなければならない政治的現実がある」と述べ、「アサド大統領の進退は長期的にはシリア国民が決する」と述べたレックス・ティラーソン新国務長官や、「シリアにおける米国の最優先課題はもはやアサド大統領の退陣ではない」と述べたニッキー・ヘイリー米国連大使の姿勢を追認した。

スパイサー報道官はまた「我々の前にはチャンスがあり、我々は今、ダーイシュ(イスラーム国)を打ち負かすことに集中すべきだ…。米国にはシリアとイラクにおいて優先事項がある。我々は、「テロとの戦い」、とくにダーイシュを打ち負かすことがこの優先事項の筆頭であると明言したい」と付言した。

『ハヤート』(4月2日付)が伝えた。


AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はタブカ市一帯、ラッカ市東部郊外でダーイシュと激しく交戦(2017年4月1日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、タブカ市郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、米軍主導の有志連合が同地を空爆した。

この戦闘でシリア民主軍は、ダーイシュの支配下にあるタブカ市を砲撃した。

またARA News(4月1日付)によると、タブカ航空基地南部一帯での戦闘でダーイシュの司令官を含む戦闘員24人が死亡したという。

シリア民主軍はまた、米軍特殊部隊とともに、ラッカ市東部のマダッル村近郊の回廊地帯でダーイシュとの戦闘を再開した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)のラッカ州広報局は声明を出し、ラッカ市東部郊外および西部郊外で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対して特攻(インギマースィー)攻撃を敢行し、戦闘員65人を殺害したと発表した。

Kull-na Shuraka’, April 1, 2017

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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反体制派支配地域で活動する「国境なき医師団」はハマー県北部でシリア軍が「化学物質」を使用したと発表(2017年4月1日)

国境なき医師団は声明を出し、3月31日にシリア軍ヘリコプターがハマー県北部で実施した空爆で「化学物質」が使用され、2人が死亡したと発表した。

声明によると、「化学兵器」を争点した爆弾は、国境なき医師団が支援するラターミナ町の病院入口に着弾し、病院職員や患者が呼吸困難などの症状を訴え、うち2人が死亡、病院の施設は3日間にわたり利用不能となったという。

ハマー県北部では、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が、米軍の支援を受けるイッザ軍、ナスル軍などとともに攻勢を強め、シリア軍と激しく交戦していた。

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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「ハマード浄化のため我々は馬具を備えし」作戦司令室は東カラムーン地方に向け進軍を続ける(2017年4月1日)

ダマスカス郊外県では、米軍の支援を受ける「ハマード浄化のため我々は馬具を備えし」作戦司令室に所属する反体制武装集団が、東カラムーン地方に向け進軍を続け、アブー・シャーマート高速道路一帯からダーイシュ(イスラーム国)を掃討した。

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダイル・ザウル市一帯でダーイシュとの交戦を続ける(2017年4月1日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月1日付)によると、シリア軍がサヌーフ丘、シャーム・ガソリン・スタンドなどダイル・ザウル市南部一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県北部、首都ダマスカス東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦を続ける(2017年4月1日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが県北部のタイバト・イマーム市、ズーワール村一帯、ラターミナ町、スーラーン市、ラトミーン村に対して激しい空爆を行い、シャーム解放機構の戦闘員複数人が死亡した。

シリア軍はまた県南部のヒルブナフサ村を砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月1日付)によると、ロシア軍戦闘機がカフルズィーター市内のパン製造所を空爆した。

Kull-na Shuraka’, April 1, 2017

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区、バルザ区郊外の農園地帯で、シャーム解放機構、イスラーム軍、ラフマーン軍団と交戦し、シリア軍が同地を地対地ミサイルと思われる砲弾などで激しく砲撃した。

シリア軍はまた、ダーイシュ(イスラーム国)とシャーム解放機構が勢力争いを続けるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプを砲撃した。

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ラタキア県では、SANA(4月1日付)によると、フィッラ村、シャフラ村、シャンマース村を結ぶ回廊一帯に侵攻したシャーム解放機構などからなる反体制武装集団をシリア軍が迎撃、これを撃退した。

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ダルアー県では、SANA(4月1日付)によると、シリア軍がダルアー市内でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス市ワアル地区から反体制武装集団戦闘員と家族836人がアレッポ県ジャラーブルス市に向け退去(2017年4月1日)

ヒムス県では、SANA(4月1日付)によると、ロシア仲介による停戦合意に基づき、ヒムス市ワアル地区で籠城を続けてきた反体制武装集団の戦闘員とその家族836人が、シリア政府の用意したバスに分乗し、トルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室の支配下にあるアレッポ県ジャラーブルス市方面に退去した。

ワアル地区から戦闘員が退去するのが今回で3回目。

SANA, April 1, 2017

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米CIAが統括する「軍事作戦司令室」とトルコ政府は、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構との戦いに向け「穏健な反体制派」に完全統合を指示(2017年4月1日)

『ハヤート』(4月1日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、米CIAが統括する「軍事作戦司令室」(通称MOC)は、国内で活動するすべての「穏健な反体制派」に対して、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)との戦闘に向けて完全統合するよう指示を下したと伝えた。

それ以外の反体制武装集団(イスラーム過激派のこと)も、トルコ政府からトルコでの憲法改正にかかる国民投票後に、「ユーフラテスの盾」作戦に推した作戦に向けた準備を行うよう指示があったという。

SANA, December 8, 2016

CIAが統括する作戦司令室「MOC」は、トルコ南部を拠点としており、その司令官が『ハヤート』に明らかにしたところによると、米国の軍事兵站資金援助の対象組織の各司令官に対して、シリア・ムスリム同胞団系のイスラーム過激派武装組織シャーム軍団のファドルッラー・ハーッジー大佐の指揮の下、完全統合するよう指示があり、またその見返りとして、戦闘員への給与支払い、そしてTOW対戦車ミサイルなどの武器供与を行う旨伝えたという。

統合要請を受けたのは、アレッポ県、ハマー県、ラタキア県、イドリブ県一帯で活動するナスル軍、イッザ軍、イドリブ自由軍、ムジャーヒィーン軍、「命じられるまま正しく進め」連合を含む7組織で、兵力は3万人から3万5,000人に達しているという。

しかし、このうちナスル軍、イッザ軍、イドリブ自由軍は、ハマー県北部でシャーム解放機構と共闘している。

アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線(現シャーム解放機構)とシャーム自由人イスラーム運動が反体制武装集団の糾合を主導するなか、ドナルド・トランプ政権は、反体制武装集団が完全統合、ないしは合同作戦司令室を設置するまえで支援を凍結する方針をとってきた。

米国の方針の成否は、シャーム解放機構に対抗するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の対応にかかっているとされ、米国は同組織にも「穏健な反体制派」と完全統合するよう求め、シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動を軸とするイスラーム過激派の軍事連合組織のファトフ軍の解体を促すものと見られる。

AFP, March 31, 2017、AP, March 31, 2017、ARA News, March 31, 2017、Champress, March 31, 2017、al-Hayat, April 1, 2017、Iraqi News, March 31, 2017、Kull-na Shuraka’, March 31, 2017、al-Mada Press, March 31, 2017、Naharnet, March 31, 2017、NNA, March 31, 2017、Reuters, March 31, 2017、SANA, March 31, 2017、UPI, March 31, 2017などをもとに作成。

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