英仏EU外相はハーン・シャイフーン市での化学兵器による攻撃を非難、アサド政権の責任を追及(2017年4月4日)

フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は声明で「化学兵器の使用は…受け入れられない違反行為で、シリア国民が長年にわたり晒されている蛮行が改めて明らかになった」と非難し、国連安保理に対して事態に対処するための緊急会合を開くよう要請した。

**

英国のボリス・ジョンソン外務大臣はツイッターで「事件を調査し、実行者を制裁しなければならない」と綴った。

**

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件に関して「化学兵器による空爆によりイドリブ県で100人以上が死亡した…驚愕すべき事件だ」と述べた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ大統領府報道官「国際社会は今後、シリアで6年以上続いている虐殺に対処するための必要な措置をとるべきだ」(2017年4月4日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は声明で、「女性や子供を含む多くの民間人を殺してきたアサド政権が停戦に違反し、シリア危機を解決するための政治プロセスを反故にした」と批判したうえで、「国際社会は今後、シリアで6年以上続いている虐殺に対処するための必要な措置をとるべきだ」と呼びかけた。

**

また、トルコ大統領府によると、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、事態への対応について協議した。

大統領府によると、会談で、エルドアン大統領は「こうした攻撃は非人道的で拒否されるべきものだ」と述べたという。

ロイター通信(4月5日付)が伝えた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トランプ米大統領「アサド政権による化学兵器使用はオバマ前政権の弱さや容認姿勢の結果」(2017年4月4日)

ドナルド・トランプ米大統領は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件に関して以下のような報道声明を発表した。

「今日(4日)にシリアで、女性や子供を含む無垢の人々に対して行われた化学兵器による攻撃は非難に値すべきことで、文明世界は無視し得ない。アサド政権が行うこうした極悪行為は、前政権の弱さや容認姿勢の結果だ。オバマ大統領は化学兵器使用に対してレッド・ラインを設けると言った。しかし、彼は何もしなかった。米国は世界のすべての同盟者とともに、耐えがたいこの攻撃を非難する」。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民連合、最高交渉委員会代表はハーン・シャイフーン市での化学兵器による攻撃を非難、国連での緊急協議を要請(2017年4月4日)

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件への関与に関して、国連安保理に対応を協議するための緊急会合を招集するよう要請した。

**

ジュネーブ会議に代表団を派遣している反体制組織の一つでサウジアラビアの後援を受ける最高交渉委員会のリヤード・ヒジャーブ代表(元首相)は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件に関して、ツイッターを通じて「犯罪に毒された政権との交渉は不可能で、犯罪保証国が参与している停戦に価値はない。あらゆる可能性を検討する」と綴った。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍、シリア外務省もハーン・シャイフーン市への化学兵器による攻撃への関与を全面否定、シリア国営テレビはテロ組織の毒ガス砲弾製造工場が爆発し被害が出たと報じる(2017年4月4日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件に関して、「いかなる化学兵器、有毒ガス兵器も保有していないし、過去に使用したことはないし、今後も使用しない。なぜなら、そもそも化学兵器は存在しないからだ」と発表し関与を否定、「シリア軍がテロ集団ないしは民間人に毒ガスを使用したとの嫌疑は、テロ集団を庇護し利用する勢力の目的をその都度失敗に追い込む」と非難した。

また外務在外居住者省高官筋も、ハーン・シャフーン市でのシリア軍による毒ガスの使用を前面否定し、「テロ組織が流布している情報は…いつもの通りねつ造された容疑に過ぎない」と一蹴した。

SANA(4月4日付)が伝えた。

**

国営のシリア・アラブ・テレビ(4月4日付)は、ハーン・シャイフ市内で毒ガスを装填したロケット弾を製造する反体制武装集団の工場が爆発して、民間人に多くの犠牲者が出たと報じた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県南部のハーン・シャイフーン市でサリン・ガスと思われる有毒ガスが使用され、女性・子供ら多数が死亡(2017年4月4日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月4日付)、ARA News(4月4日付)などによると、シャーム自由人イスラーム運動などの反体制組織の拠点都市ハーン・シャイフーン市が早朝、3度にわたり空爆を受け、その直後、住民が有毒ガスによると思われる呼吸困難、痙攣、意識薄弱などの症状を訴え、女性、子供を含む多くの住民らが死亡した。

**

クッルナー・シュラカーによると、空爆当初の死者数は400人に及ぶと見込まれていた。

だが、トルコのイスタンブールに拠点を置くシリア革命反体制勢力国民連立は、70人が死亡、200人が中毒症状を訴えていると発表、英国で活動するシリア人権監視団は複数の医療筋の情報として、子供11人を含む11人が死亡、60人以上が中毒症状を訴えていると発表した。

さらに、ロイター通信(4月4日付)は、イドリブ県医療局の代表を務めるというムンズィル・ハリール氏の話として、50人以上が死亡、300人以上が中毒症状を打っていると伝え、カタールの衛星テレビ局ジャズィーラ・チャンネル(4月4日付)は、死者数が100人にのぼると報じた。

その後、シリア人権監視団は少なくとも72人が死亡したと修正、最終的には87人(子供31人、女性20人)が犠牲になったと発表した。

**

クッルナー・シュラカーがホワイト・メルメットの隊員の一人アナス・ディヤーブ氏から得た情報によると、空爆は午前6時半頃に3度にわたり行われ、有毒ガスを装填した爆発物が使用されたという。

着弾した爆弾のうち1発は不発弾で、そのなかに有毒ガスが装填されていたのだという。

**

SNN(4月4日付)は、使用された有毒ガスが「無色無臭の有毒ガスで人間や動物の生命に影響を及ぼす。4つの化学物質の化合物で、皮膚に触れたり、ないしは飛散したりすることで症状を発する」としたうえで、「皮膚への接触ないしは吸引によって体内に入ったサリン・ガスによる症状だろう」と伝えた。

AMN, April 4, 2017
SMART News Network, April 4, 2017
SMART News Network, April 4, 2017

AFP, April 4, 2017、Aljazeera.net, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、SNN, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県南部ハーン・シャイフーン市での化学兵器による攻撃の数時間後、ロシア軍は同県北部で爆撃を実施し、数十人死傷(2017年4月4日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月4日付)によると、ロシア軍戦闘機がサルキーン市を空爆し、数十人が死傷した。

空爆は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件の数時間後に行われたという。

またシリア人権監視団などによると、ハーン・シャイフーン市ではその後、ホワイト・ヘルメットの拠点が空爆を受けた。

Kull-na Shuraka’, April 4, 2017

 

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部郊外のアイス村を砲撃、同地一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘が続くティシュリーン地区、ジャウバル区に地対地ミサイルと思われる砲弾などで攻撃を加えた。

**

ヒムス県では、SANA(4月4日付)によると、シリア軍がタルビーサ市北部および東部、ハラーリーヤ村、ダイル・フール村などでシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

**

ダルアー県では、SANA(4月4日付)によると、シリア軍がダルアー市ミスリー交差点南部一帯、旧税関地区北西部などでシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハーン・シャイフーン市での化学兵器による攻撃に先立ち、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はハマー県北部の要衝マアルダス村を奪還(2017年4月4日)

ハマー県では、クッルナー・シュラカー(4月4日付)によると、シャーム解放機構、イッザ軍、ナスル軍、ウズベク人、トルキスタン人、コーカサス人などからなる反体制武装集団が未明に、シリア軍によって再制圧されたマアルダス村を攻撃、同地を奪還した。

クッルナー・シュラカーによると、ハーン・シャイフーン市での化学兵器による攻撃は、マアルダス村喪失を受けるかのように実施されたという。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

首都ダマスカス、アレッポ市西部郊外などがシャーム解放機構などの砲撃を受け、5人が死亡(2017年4月4日)

ダマスカス県では、SANA(4月4日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がマッザ区、ファイハー地区、ハミーディーヤ市場一帯、ティジャーラ地区、ウマウィーイーン広場一帯に着弾し、女性1人が死亡、14人が負傷した。

**

アレッポ県では、SANA(4月4日付)によると、アレッポ市西部郊外の第3000集合住宅計画地区でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の攻撃により女性1人が死亡した。

**

ダルアー県では、SANA(4月4日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市サハーリー地区を砲撃し、子供1人が負傷した。

**

イドリブ県では、SANA(4月4日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がムハルダ市を砲撃し、3人が死亡、5人が負傷した。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはラッカ県タブカ市一帯での戦闘でYPG主体のシリア民主軍拠点を無人航空機で爆撃(2017年4月4日)

ラッカ県では、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州の広報局が、タブカ市西部のアブー・フライラ村にある西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対して無人航空機で爆撃を行ったとする画像をインターネットを通じて公開した。

広報局によると、この爆撃で、シリア民主軍の戦闘員4人が死亡したという。

ARA News, March 4, 2017

一方、ARA News(4月4日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が3日深夜から4日未明にかけて、タブカ市一帯、タブカ航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

また、シリア人権監視団によると、ラッカ市西部郊外のシュアイブ・ズィクル村、ビール・ムライハーン村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を戦闘機(有志連合)が空爆した。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はダーイシュとの戦闘の末、タドムル市東部郊外のマズバド山南西斜面を制圧(2017年4月4日)

ヒムス県では、SANA(4月4日付)によると、シリア軍がタドムル市東部郊外の穀物サイロ地区北側のマズバド山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同山の南西側斜面を制圧した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(4月4日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市墓地地区、ジュバイリーヤ地区、ラシュディーヤ地区、第137連隊基地、ダイル・ザウル航空基地東部、発電所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は4月3日、ダイル・ザウル県各所を中心に10回の爆撃を実施(2017年4月4日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月3日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、ブーカマール市近郊(4回)、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、タドムル市近郊(2回)、タブカ市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.