シリアでの人権侵害を調査するための国際独立調査委員会「4月4日早朝の爆撃で有毒ガスが飛散した」「どの国の空軍が爆撃したか結論づけられていない」「米国のミサイル攻撃は民間人に対する攻撃を減少させていない」(2017年4月21日)

国連安保理はシリア情勢への対応を協議するための非公式会合を行い、シリアでの人権侵害を調査するための国際独立調査委員会が、4月4日のイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑や7日の米軍によるヒムス県シャイーラート航空基地へのミサイル攻撃の影響などについて報告を行った。

『ハヤート』(4月23日付け)は、複数の消息筋の話として、委員会(24人)が、ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑事件についての重点的に情報収集を行い、「4月4日、午前6時から7時にかけてと、午後11時の2度爆撃が行われ、1度目の爆撃によってサリン・ガスと思われる有毒ガスが飛散した複数の証拠を得た」と伝えた。

事件現場にいたとされる複数の被害者から採取したサンプル、画像、ビデオ映像、衛星画像などを収集し、シリア政府が入国を規制しているなかで、現場を訪問しないかたちで一時的結論を導出しようとしているという。

会合に出席した複数の外交官によると、米国代表がシリア政府が民間人に対して化学兵器などを使用して攻撃を行っていることの責任がロシアにあると追及する一方、安保理メンバー15カ国はシリアの紛争の政治的解決の必要を改めて確認したという。

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会談後、パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長(ブラジル人)は記者会見(http://webtv.un.org/watch/paulo-pinheiro-and-karen-abuzayd-commission-of-inquiry-on-the-syrian-arab-republic-on-the-situation-in-syria-security-council-media-stakeout-21-april-2017/5406401920001#full-text)を開き、ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑に関して、「4月4日の午前6時40分から7時にかけて、ハーン・シャイフーン市に対して一連の爆撃が行われた。これについてはコンセンサスが得られている。これらの爆撃はサリン、ないしはサリンに類する化学物質の飛散と同時に起こった」と述べ、この時間にシリア軍は空爆を実施していないとするシリア政府やロシアの主張を退けた。

しかし「委員会はすべての筋道、理論について検証を続ける。ハーン・シャイフーン市で起きたこの神経ガスの飛散、そしてそれ以外の事件に関して実に多くの説がある…。我々はどの国の空軍が攻撃を行ったのかを特定できなかった。我々は攻撃が起きたというと結論づけられただけだ…我々はまだ結論に達するには至っていない」と述べ、誰が攻撃を実行したのかについての言及は避けた。

また、「我々は目撃者、医療スタッフ、軍事や化学兵器の専門家にイタンビューを行うとともに、画像、ビデオ、衛星画像、そしてその他の物的証拠を収集している…。我々はまた複数の国に対してこの事件についての報告を共有するよう要請している」と付言、各国に協力を要請していることを明らかにした。

一方、4月7日の米軍によるヒムス県シャイーラート航空基地に対するトマホーク巡航ミサイルによる攻撃に関しては、「民間人に対する軍事作戦を減少させなかった」と指摘、シリア国内での暴力についても「アレッポ市東部の包囲によって同市が目の当たりにした惨状は解囲をもって終わるのではない。なぜなら、これ以外にも多くの包囲、そして強制移住が行われており、我々は今、イドリブ県で悲惨な状況に置かれている数千単位の避難民の問題を注視している」と述べ、シリア政府への批判的な姿勢を示した。

また「ダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いにより、彼らは広範な支配地域を失った。しかし、多くの当事者がこの地域を得ようと争い合っており、そのことが住民、そして避難民(の安全)を脅かしている」と述べ、戦闘継続・激化への懸念を表明した。

un.org, April 21, 2017

AFP, April 22, 2017、AP, April 22, 2017、ARA News, April 22, 2017、Champress, April 22, 2017、al-Hayat, April 23, 2017、Iraqi News, April 22, 2017、Kull-na Shuraka’, April 22, 2017、al-Mada Press, April 22, 2017、Naharnet, April 22, 2017、NNA, April 22, 2017、Reuters, April 22, 2017、RT, April 22, 2017、SANA, April 22, 2017、UPI, April 22, 2017などをもとに作成。

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アサド大統領はロシアの通信社のインタビューに応じる「シリア国内テロリストを打ち負かせば、トルコ、米国の侵略を退けられる」(2017年4月21日)

アサド大統領はロシアのRIAノーヴォスチ通信とスプートニク・ニュースの共同インタビューに応じ、4日にイドリブ県ハーン・シャイフーン市で発生した化学兵器攻撃疑惑事件や7日の米軍によるヒムス市シャイーラート航空基地へのミサイル攻撃などについて語った。

インタビューは英語で行われ、SANAが英語全文(http://sana.sy/en/?p=104753)、アラビア語全訳(http://www.sana.sy/?p=542333)、映像(https://www.youtube.com/watch?v=8lolIxGXmGQ&feature=youtu.be)を配信した。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

SANA, April 21, 2017

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「(イドリブ県フーア市、カファルヤー町の避難住民を移送中の旅客バスの車列に対する自爆テロ事件の実行犯に関して)彼らはいずれもアル=カーイダ、あるいはヌスラ戦線(現シャーム解放機構)で、こうした派閥の一つがバスを攻撃したいと考え…、バスを攻撃し、インターネットで公開し、「我々はこうした和解を許さない。バスに乗りたいと考えるすべての市民を殺害する」と言ったのだ。これが今回の事件だ…。彼ら(実行犯)はヌスラ戦線だ。彼らは当初から自分たちの存在を隠していない」。

「ヌスラ、そしてそのイデオロギーについて話す場合…、ご存知の通り、ヌスラ自身が名前を変更してきたのだが、異なった名前を名乗っても、イデオロギー、振る舞い、殺し方は変わらない。名前は重要ではない」。

「(犠牲者の数に関して)我々は公式の数字しか話すことはできない。それは数万人だ…。しかし、西側は…これにテロリスト(の犠牲者)の数を加える。だが、彼らは犠牲者にはもちろん含まれていない…。シリアにやって来た数万、数十万とされる外国人についても同じだ…。西側のメディアで耳にする数字は…正確ではなく…、シリアに介入する人道的な口実とするために誇張された数字なのだ」。

「国連も死者数を算定する手段を持っていない…。もちろん、それ(実際の犠牲者数)は公式の数値よりも多いはずだろう。しかし我々にはその数値を示すことはできない」。

「(ロシア・シリア軍が20日にダーイシュ(イスラーム国)の指導者アブー・バクル・バグダーディー氏をイラク国境地帯で拘束したとの一部報道に関して)本当ではない。国境地帯は今もダーイシュの支配下にある…。だからバグダーディーはこの地域で安全でいられる」。

「(ヒムス県シャイーラート航空基地に対して米国が発射した弾道ミサイルをロシア・シリア両軍が撃墜できなかったことに関して)技術的には複雑なのだ。(迎撃用)ミサイルは標的を捕捉しなければならない。つまり…領土をあらゆる角度から監視するレーダーが必要になる。しかし、それは不可能だ…。これが第1だ。また第2に、ほとんど人は知らないだろうが、テロリストは攻撃を開始した際、シリアの防空態勢を破壊することから始めた。これは彼らが当時言っていたところの「平和的デモ」とは無関係だ…。危機を通じて、防空態勢は甚大な被害を被った」。

「我々は正確な数字をあげることはできない。なぜなら軍事情報だからだ。しかし、(被害を受けた防空システムは)50%以上に及んだと言うことができる。もちろん、ロシアはシリア軍への支援の一環として、高度の軍備や防空システムを供与することで損害の一部を補填してくれた。だが、全国レベルでは不十分で、防空態勢を完全に復旧するには長い時間がかかるだろう」。
「(ロシアからのどのような軍備補強を望むかとの問いに関して)もちろん、我々は常に最新システムに関心がある。だが、それは供給する側、すなわちロシアの意向…、そして価格による」。

「数年前にアレッポ県で我が軍に対してテロリストが最初の(化学兵器)攻撃が行って以来、テロリストが(有毒)ガスを保有し、我が軍に対して使用していることを証明するため、我々は国連に調査団の派遣を要請してきた…。しかし彼らは(シリア政府側の要請に応えるかたちで)調査団を派遣することはなかった。今回も同じだ。我々は、国連に正式な書簡を送り、ハーン・シャイフーン市での事件を調査するための使節団の派遣を要請した。もちろん、今になっても彼らは調査団を派遣していない。なぜなら、西側、そして米国が派遣を阻止しているからだ。もし彼らが派遣されたら、ハーン・シャイフーン市での事件に関する彼らの主張のすべて、そしてシャイーラート航空基地に対する攻撃がウソだということが明らかになるからだ」。

「あの地域(ハーン・シャイフーン市一帯)はアル=カーイダであるヌスラ戦線の支配下にある。世界中が得ることのできる唯一の情報はこの組織がYoutube、インターネット、主に西側の媒体を通じて公開したものだけだ…。我々が11時半に攻撃した施設が、化学兵器製造所なのか、貯蔵庫なのか、それ以外の施設なのかは分からない。彼らの話によると、攻撃は早朝の6時半に行われたという。だが、我々はこの時間には攻撃を行っていなかった。つまり、二つの可能性がある。第1に、攻撃が11時半に行われたという可能性だ。第2に考えられる可能性は自作自演で、攻撃が行われなかったというものだ。我々が目にしている画像、ビデオは、過去数年にわたって我々が目にしてきたホワイト・ヘルメット、すなわち人道的アル=カーイダに関わるものと同じで…、それは実際には存在してないものだ…。我々は、事件が自作自演だと信じている。その理由は単純なもので、もし同市で60人あまりの犠牲者が出る(有毒)ガスの飛散があったら、どのようにこの都市では通常の生活が営めるのか、というものだ。彼らはこの都市から避難せず…、通常通りの暮らしを続けている…。別の日に彼ら(米国)は(有毒)ガスが貯蔵されているというシャイーラートを攻撃し、すべての貯蔵庫を破壊したという。しかし、この航空基地には(有毒)ガスはなかったし、我が軍の将兵はガスによる被害をまったく受けなかった。つまり、化学兵器攻撃もなければ、(有毒)ガスの貯蔵もなく、シャイーラート航空基地への攻撃を正当化するためだけの自作自演があっただけだ」。

「それらしい救急隊員がマスクも手袋もせずに救出作業に当たっている映像もある。彼らはどうやってそのように自由に動けるのか。彼ら自身が語るサリン・ガスについての説明に完全に反している…。本来なら、救急隊員もほかの人たちと同じように死亡していたはずだ」。

「(化学兵器攻撃をめぐる嫌疑が近い将来も起き得るかについて)実際にある。この可能性は今回の事件があったからだけでなく、過去にも起こっているからだ…。第2に、米政権が相変わらず変わっていないからだ。ソ連崩壊以降、米国は安保理や国連を無視して他国を攻撃してきた。米政権の根底は変化していないのだ…。彼らはいつでもなんでもできる。なぜなら彼らの狙いはシリアを不安定化させ、政府を転覆させ、操り人形にすげ替えたいからだ」。

「(反体制派はどこから化学兵器を入手しているかとの問いに対して)直接トルコからだ。このことを示す幾つもの証拠がある。その一部は何年か前にインターネットで公開されている。トルコの多くの政党、議員がこの件に関してトルコ政府を追及している。何らの秘め事でもない」。

「テロとの戦い」に関して、我々はいつも、真剣にテロと戦う意思があるいかなる国とも協力する用意があると述べている。そしてそれがどの国かということは限定してない…。テロリストを支援し、彼らと戦う意思を持っていない西側諸国であっても…、用意がある誰に対しても我々は(協力する)用意があると言っている…。我々はクルド人と直接連絡をとっている、もちろんこれ(クルド人との協力)に関してロシアとも直接連絡を取り合っている…。ハマー県(北部)の(シャーム解放機構などによる)攻撃ゆえに、我々は(ラッカ市に向けた)攻撃の手を緩めなければならなかった…。なぜなら、ハマー市防衛のために一部部隊をシリア南部および西部から増派しなければならなかったからだ…。このことは、ダーイシュとヌスラの間に関係、ダーイシュとヌスラとトルコの間に関係があるということで、トルコという場合、それは米国、さらにはフランス、英国、そしてサウジアラビアなども含まれるということになる。これで一つの「合唱団」をなしていて、彼らには、主にアル=カーイダ、つまりヌスラやダーイシュなどを含む諸派からなる単一の代理部隊がいるのだ。だから、我々はラッカへの進軍の速度を落とし、優先事項を変更したのだ」。

「トルコの侵略、そして米軍、つまりは侵略について言及し、また国内のテロリストについて言うと、これらは一体をなしていて、何の違いもない…。現時点での優先事項はテロリストを打ち負かすことだ。テロリストを打ち負かしたとき、トルコ軍はシリア国内で弱体化するだろう。トルコの力は、トルコ軍自体でなく、その代理部隊(反体制派)の力によるからだ」。

「我々が現実主義的であろうとするなら、我々は地中海沖の米国艦船には手が届かない。しかし、シリア国内の部隊について言うと、トルコに関する問題と同じように、我々はテロリストを打ち負すとき、それこそが占領者と戦う場所が生じる。なぜなら、テロリストというのは彼らのテロリストだからだ」。

「米高官が言うこととやることはいつも違うということを我々は承知している。彼らが自分たちの約束や言葉を守ったことなど決してない。シャイーラートに対する攻撃はそのことを改めて証明した…。しかし、希望の扉があり、この国、この政権が態度を改め得るのであれば…、協力しなければならない。これは個人的な関係ではないし、憎しみだの愛とも無関係だ…。それが国民の利益につながるからだ…。シリアと米政権との間にはいかなる連絡のチャンネルもない」。

「我々はこの地域(西クルディスタン移行期民政局支配地域)を掌握してないが、自治、連邦制などについて言うと、我々が戦争下でなければ…、それは憲法に関わる問題となる。なぜなら、シリアは様々な文化、エスニック集団、宗教、宗派などからなる溶解炉であり、この社会を織りなす一集団だけがシリアの未来を決めることはできないからだ。それには国民投票が必要となる…。我々の今日の印象では、大多数のシリア人は自治、連邦制などを信用していない」。

「(ヨルダンがシリア南部に部隊を展開させるとの情報に関して)我々はその情報をメディアだけでなく、さまざまな情報源から得ている…。ヨルダンはシリアでの戦争が始まった当初から、米国の計画の一部をなしてきた。好もうが好まざろうが、この国は米国の命令に従わざるを得ない。ヨルダンはもはや独立国家ではない…。米国がヨルダン北部を利用してシリアに対抗したいのであれば、ヨルダンはそうするだろう。この場合、我々はヨルダンを国として扱っているのではなく、場所として扱っているに過ぎない」。

「私が今のところ、(ロシアやイランの)地上部隊の支援の必要はないと考えている…。だからロシア軍の支援はシリア領内の基地に限定されるだろう」。

「(カザフスタン政府がアスタナ会議にサウジアラビアやカタールの代表を招聘していることに関して)より多くの国が参加すれば、このイニシアチブ(停戦・和平に向けたイニシアチブ)がより強く支えられることになるだろう」。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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米国のミサイル攻撃に続いて、イスラエル軍もシリア領内に対してミサイル攻撃(2017年4月21日)

SANA(4月21日付)は、シリア軍消息筋の話として、イスラエル軍がシリア領内に対してミサイル攻撃を行ったと伝えた。

シリア領内に対するミサイル攻撃は、4月7日の米軍によるヒムス県シャイーラート航空基地に対するトマホーク巡航ミサイルによる攻撃以来。

また、イスラエル軍による越境攻撃は3月17日のヒムス県タドムル市郊外に対する越境攻撃以来。

同消息筋によると、イスラエル軍は午後6時45分頃、クナイトラ県ハーン・アルナバ市郊外にあるシリア軍の拠点1カ所を狙ってミサイル2発を発射した。

イスラエル軍による攻撃は、シリア軍が同地への「テロ組織」の侵攻を撃退した直後に行われたという。

Kull-na Shuraka’, April 22, 2017


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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、西サムダーニーヤ村、東サムダーニーヤ村一帯の回廊地帯で、シリア軍、親政権武装勢力がジハード主義者からなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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イドリブ県フーア市、カファルヤー町からの住民退去、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、マダーヤー町からの反体制武装集団戦闘員と家族の退去完了(2017年4月21日)

SANA(4月21日付)は、カタールの仲介によるファトフ軍(シャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動など)とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意に基づく、イドリブ県フーア市およびカファルヤー町からの住民の退避が完了したと伝えた。

21日には、シリア赤新月社の監督のもと、フーア市とカファルヤー町の住民約3,000人を乗せた旅客バス45台からなる車列が、アレッポ市ラーシディーン地区を経由、その後シリア政府がアレッポ市東部のジャブリーン村に設置された仮設収容センターに到着した。

これにより、20日に完了したダマスカス郊外県ザバダーニー市、マダーヤー町からの反体制武装集団戦闘員とその家族の退去と合わせて、停戦合意の第1段階が完了した。

SANA, April 21, 2017
SANA, April 21, 2017
SANA, April 21, 2017

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クッルナー・シュラカー(4月21日付)によると、シリア治安当局はこの停戦合意に従い、収監者120人を釈放、うち50人が、反体制武装集団の支配下にあるシリア北部(イドリブ県)に到着した。

Kull-na Shuraka’, April 21, 2017

なお、シリア人権監視団によると、フーア市およびカファルヤー町からの住民の退去作業は、ファトフ軍側がシリア政府に対して、拘置者750人の即時釈放を要求したことを受けて、48時間延期されていた。

しかし、ロイター通信(4月21日付)によると、ファトフ軍側とシリア政府側は後者が拘置者500人を釈放し、21日晩までに反体制派支配地域(イドリブ県)に移送することで合意に達したという。

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一方、『ハヤート』(4月22日付)によると、イラク内務省は、2015年12月にサウジアラビア国境近くで狩猟中にシーア派の集団と思われる一団によって拉致されていたカタール人狩猟家26人が解放されたと発表した。

カタール人の釈放も、カタール仲介によるファトフ軍とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意に盛り込まれていたという。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部、ダイル・ザウル市一帯でダーイシュと交戦(2017年4月21日)

ヒムス県では、SANA(4月21日付)によると、シリア軍がタイフール航空基地に近くの放棄された大隊基地一帯、カルヤタイン市東部郊外、タドムル市南東部郊外、西ハブラ村、ウンク・ハワー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月21日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部の墓地地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動などとの戦闘の末、ハマー県北部のタイバト・イマーム市を制圧(2017年4月21日)

ハマー県では、SANA(4月21日付)によると、シリア軍および予備部隊が、ハマー県北部でシャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動、ナスル軍、イッザ軍、中央アジア系戦闘員との戦闘の末、タイバト・イマーム市および周辺一帯を制圧、同地の治安と安定を回復した。

SANA, April 21, 2017
Kull-na Shuraka’, April 21, 2017

一方、シリア人権監視団によると、タイバト・イマーム市を制圧したシリア軍は、ハラファーヤー市、ムーリク市方面への進軍を続け、ラターミナ町、カフルズィーター市、ブワイダ村、マアルカバ村、ラトミーン村、ラハーヤー村、アズワール地区一帯を激しく空爆し、ハフファーヤー市一帯で、シャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動、イッザ軍、ナスル軍、中部師団と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が地対地ミサイルと思われる砲弾でカーブーン区を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市各所、シャイフーニーヤ村を空爆し、4人が死亡した。

また、ARA News(4月21日付)によると、シリア軍が東グータ地方のハズラマー村方面に進軍、反体制武装集団がこれを撃退した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区、ガラズ刑務所一帯を「樽爆弾」などで激しく空爆した。

一方、SANA(4月21日付)によると、シリア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

このほか、クッルナー・シュラカー(4月21日付)によると、シリア軍がヒルバト・ガザーラ橋検問所で女性30人以上を拘束した。

女性の拘束は4月初めから頻発化していたという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタルディーン村一帯を空爆した。

一方、SANA(4月21日付)によると、シリア軍が県北部のナワーラ村、アイン・ハウル村、ズワイカート丘一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサルマーニーヤ村、サラーキブ市、ラカーヤー村を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(4月21日付)によると、シリア軍が県北部のフーシュ・アブー・キラーブ地区、ダイル・フール村でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍がダルアー県南西部で攻勢(2017年4月21日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(4月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が、反体制武装集団との戦闘の末、ジッリーン村、サフム・ジャウラーン村、アドワーン村、タスィール町を制圧、ハイト村を包囲した。

ハーリド・ビン・ワリード軍はまた、19日にマターイア村・ナダー村間の街道でスンナの獅子師団司令官が載った車を狙った爆弾攻撃への関与を認めた。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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中国の王外交部長は4日のイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑事件に関して、アサド政権の不関与と中立的な調査機関による真相究明を求めるロシアを支持(2017年4月21日)

中国の王毅外交部長はカザフスタンの首都アスタナでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア情勢、北朝鮮情勢への対応などについて協議した。

中国外交部によると、会談で王外交部長は、4日のイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑事件に関して、アサド政権の不関与と中立的な調査機関による真相究明を求めるロシアの姿勢を支持する考えを示した。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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イスラエルのリーベルマン外相とマティス米国防長官は揃ってアサド政権による化学兵器攻撃を断定(2017年4月21日)

ジェームズ・マティス米国防長官はイスラエルを訪問し、アヴィグドール・リーベルマン外務大臣した。

会談後の記者会見で、マティス国防長官は「シリアが化学兵器を保有しているのは間違いない」としたうえで、シリア軍が再び化学兵器をしないよう警告を発した。

リーベルマン外務大臣も「アサド政権が化学兵器を使ったことを確認し得る情報がある」と米国に同調したが、詳細については明らかにしなかった。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月20日、ダイル・ザウル県、ラッカ県で21回の爆撃を実施(2017年4月21日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月20日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して32回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ブーカマール市近郊(5回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)、ラッカ市近郊(5回)、タブカ市近郊(8回)で実施された。

AFP, April 21, 2017、AP, April 21, 2017、ARA News, April 21, 2017、Champress, April 21, 2017、al-Hayat, April 22, 2017、Iraqi News, April 21, 2017、Kull-na Shuraka’, April 21, 2017、al-Mada Press, April 21, 2017、Naharnet, April 21, 2017、NNA, April 21, 2017、Reuters, April 21, 2017、SANA, April 21, 2017、UPI, April 21, 2017などをもとに作成。

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