米国の支援を受けるシリア・エリート部隊は、YPGと義勇兵募集をめぐって対立しハサカ県タッル・タムル町近郊から撤退(2017年4月14日)

米国が軍事教練を受け、ラッカ県およびハサカ県で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が継続する「ユーフラテスの怒り」作戦に参加する反体制武装集団「シリア・エリート部隊」(アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏が主導するシリア・ガド潮流の民兵組織)は、ハサカ県のタッル・タムル町近郊のマーリハ村一帯から撤退した。

ARA News(4月14日付)によると、シリア・エリート部隊は、人民防衛隊と連携せずに、同地で義勇兵の募集を行っていたことで、西クルディスタン移行期民政局側と対立し、撤退を決定したと思われる。

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ラッカ県では、ARA News(4月14日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市一帯の全戦線でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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米国防総省はYPG主体のシリア民主軍にタッル・リフアト市(アレッポ県)一帯の「穏健な反体制派」への譲渡を要求(2017年4月14日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、アレッポ市北部で活動する反体制武装集団の一つで「穏健な反体制派」と目されているムウタスィム旅団は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とタッル・リフアト市と同市周辺の村の引き渡しに関する交渉を行った。

匿名消息筋によると、米国防総省が13日、シリア民主軍に対して、タッル・リフアト市周辺の14カ村をムウタスィム旅団に引き渡すよう要求、シリア民主軍側は回答まで4日間の猶予を求めたという。

タッル・リフアト市はアレッポ県北部の拠点都市の一つだったが、2016年2月15日にシリア民主軍が制圧した。

なお、ムウタスィム旅団はトルコ国境に近いマーリア市を拠点としている。

Kull-na Shuraka’, April 14, 2017

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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カタール仲介によるファトフ軍とイラン革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意に基づき、イドリブ県フーア市・カファルヤー町の住民5,000人がアレッポ市に向けて退去(2017年4月14日)

イドリブ県では、SANA(4月14日付)によると、カタールの仲介によるファトフ軍(シャーム解放機構など)とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーとの停戦合意に従い、フーア市とカファルヤー町で包囲を受けてきた住民の退去が始まった。

退去したのは住民約5,000人で、シリア政府が用意した大型旅客バス75台、救急者20台に分乗し、シリア政府支配下のアレッポ市ラーシディーン地区方面に向かった。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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YPG主体の民主軍傘下の革命家軍はアフリーン市南東部(アレッポ県)の6カ村をシリア軍に譲渡(2017年4月14日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属の革命家軍が、県北部の6カ村をシリア軍に引き渡した。

シリア軍に譲渡されたのは、アフリーン市南東部、ヌッブル市郊外に位置するカッバーシーン村、ブルジュ・ハイダル村、ファーフィリーン村、大ズーフ村、ブルジュ・カース村、バーシャムラ村で、シリア軍は西クルディスタン移行期民政局支配地域と、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団支配地域を引き離すかたちで展開した。

イェキーティー・メディア(4月14日付)が地元消息筋の話として伝えた。

引き渡しは4月10日に行われ、革命家軍を含むシリア民主軍、シリア軍の将兵による式典には、ロシア国旗が掲揚されたという。

Kull-na Shuraka’, April 14, 2017
Kull-na Shuraka’, April 14, 2017

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017、Yekiti Media, April 14, 2017などをもとに作成。

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トルコのアクダー保健大臣はハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑の被害を受けた子供6人が新たに死亡したと発表(2017年4月14日)

トルコのレジェップ・アクダー保健大臣は、4月4日に起こったイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃で被害者でトルコに搬送されていた34人のうちの子供6人が死亡下と発表した。

アナトリア通信(4月14日付)が伝えた。

AFP, April 14, 2017、Anadolu Ajansı, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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ロシア・シリア・イラン外相会合:米ミサイル攻撃を国際法や国連憲章の違反と非難するとともに、化学兵器攻撃疑惑に関して透明性のある独立調査を呼びかける(2017年4月14日)

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住大臣(兼副首相)、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はモスクワで参加国外相会合を開き、イドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑、米国によるシリアへのミサイル攻撃への対応について協議した。

SANA(4月14日付)によると、会談で三者は、ミサイル攻撃を国際法や国連憲章の違反と非難するとともに、化学兵器攻撃疑惑に関しては、透明性のある独立調査の実施を呼びかけた。

SANA, April 14, 2017

会談後の共同記者会見では、ムアッリム外務在外居住大臣は、三カ国が米国およびその同盟諸国に対して、ミサイル攻撃に類するいかなる措置もとらないよう警告すると述べた。

そのうえで「シリア政府は、ロシアおよびイランの支援のもと、シリアからテロを浄化するための行動を継続することを決意している」と述べた。

化学兵器攻撃疑惑に関しては、シリア政府・軍が化学兵器を保有していないと改めて強調、トルコ国内での調査が中立性を欠くと非難、「一部の諸外国がシリア南部でシリア軍に対する新たな戦端を開こうとしている」と警鐘を鳴らした。

ラブロフ外務大臣は「シリアで体制打倒を再び試みても成功しないだろう…。こうした敵対行為は国連安保理決議が定める和平協議を頓挫させようとするもの」と述べた。

また、ロシア、シリア両国政府がアレッポ市での化学兵器使用に関してロシア政府、シリア政府が提出した情報について化学兵器禁止機関が検証を行っていないと不快感を露わにした。

一方、和平協議については、アスタナ・プロセス再開に向けて準備を行うと表明した。

「一部の諸外国がシリア南部で戦端を開くための準備をしている」とのムアッリム外務在外居住者大臣の発言に関しては、米国からシリアとイラクを結ぶダーイシュ(イスラーム国)の兵站路を遮断するため、米国が反体制武装集団への武器・装備を供与しているとの連絡を非公式に受けているとしつつ、「この問題をフォローしている。なぜなら、シリア領内での武力行使は「テロとの戦い」以外に利用されてはならないから」と付言、アサド政権に対する反体制武装闘争再活性化に警戒感を示した。

ザリーフ外務大臣は、ロシア、シリアとともに化学兵器拡散阻止に向けて協力を継続すると述べるとともに、独立した調査の実施の必要性を強調した。

米国のミサイル攻撃については、「一方的な振る舞い」としたうえで「こうした行為がダーイシュ、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)を作り出した」と批判した。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部でダーイシュとの戦闘を続ける(2017年4月14日)

ヒムス県では、SANA(4月14日付)によると、シリア軍が県南東部(マハッサ地区一帯)のオリーブ農場、ズフール・バルシャ、ラーシド農場、イブン・アルサーン山でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市マンシヤ地区でシリア軍拠点3カ所を制圧(2017年4月14日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、シャーム解放機構などからなる「堅固な建造物作戦司令室は、ダルアー市マンシヤ地区内のシリア軍拠点3カ所を制圧したと発表した。

一方、SANA(4月14日付)によると、シリア軍がダルアー市ダム街道地区、難民キャンプ地区でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

Kull-na Shuraka’, April 14, 2017

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月14日付)によると、シリア軍がサアサア町、バイト・ジン村を結ぶ回廊地帯にシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が進攻したが、シリア軍がこれを撃退した。

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ハマー県では、SANA(4月14日付)によると、シリア軍がスーラーン市、タイバト・イマーム市、ブワイダ村、マアーン村北部、フワイル丘、ワーディー・フワイル、バッザーム丘、ムーリク市東部、ハラファーヤー市、ダフダーフ村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月13日、ラッカ市、タブカ市近郊で10回の爆撃を実施(2017年4月14日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月13日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ダイル・ザウル市近郊(3回)、ラッカ市近郊(4回)、タブカ市近郊(2回)で実施された。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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