イラン外務省「誰が使用し、誰が被害者となったかにかかわらず、化学兵器使用を非難する」(2017年4月5日)

イラン外務省のブラハーム・カーセミー報道官は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件(4日)に関して、「イランは誰が使用し、誰が被害者となったかにかかわらず、あらゆる化学兵器使用を非難する。我々はイランに被害者を搬送し支援する用意がある」と発表した。

タスニーム通信(4月5日付)が伝えた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、Tasnim News Agency, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ保健大臣は4日のハーン・シャイフーン市での攻撃に関して化学兵器が使用されたとの結論に達したと発表(2017年4月5日)

トルコのレジェップ・アクダー保健大臣は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件(4日)に関して、化学兵器が使用されたとの結論に達したと発表した。

トルコ保健省は、世界保健機関(WHO)や化学兵器禁止機関(OPCW)の関係者立ち会いのもと遺体3体を解剖し、化学兵器が使用されたとの結論に達したという。

また、イドリブ県からトルコ領内に化学兵器を浴びたとされる住民トルコ31人が搬送された。

トルコ保健省はイドリブ県内での医療活動などの監督などを行っている。

『ハヤート』(4月6日付)が伝えた。

**

シャーム解放機構やシャーム自由人イスラーム運動などの反体制武装集団の支配下であるイドリブ県内で活動する国際NGOの「国境なき医師団」は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件(4日)に関して、トルコ国境のバーブ・ハワー国境通行所の病院に搬送された患者のうち8人が、瞳孔拡張、痙攣などサリン・ガスに代表される神経ガスによると思われる症状を確認したと発表した。

また、患者の手当に利用されている別の病院に派遣された「国境なき医師団」の医療チームが強い塩素臭を感じたとも付言し、化学兵器が使用された可能性が高いとの見解を示した。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省報道官「ハーン・シャイフーン市での化学兵器による犠牲者の画像はねつ造、化学兵器の被害は反体制派の毒ガス貯蔵施設をシリア軍が攻撃した結果」(2017年4月5日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に関して、シリア軍戦闘機がイラクから搬入された化学兵器が保管されていた同市内の巨大な武器弾薬庫と有毒ガスを爆弾に装填する工場を空爆した」としたうえで、「我々が持つ信頼できる客観的情報は、これらの兵器が過去にアレッポで使用されたことを確認するものだ」と述べた。

また「SNS上のビデオ映像に映っているハーン・シャイフーン市の民間人の中毒症状は、アレッポで昨年秋にテロリストの攻撃で民間人が被ったものと酷似している」と付言した。

なお、コナシェンコフ報道官によると、シリア軍の戦闘機は4日午前11時半から12時半にかけて、ハーン・シャイフーン市一帯で空爆を実施し、反体制武装集団の化学兵器貯蔵庫を爆撃し破壊、その直後に有毒ガスが飛散し、民間人ら多数が死亡、中毒症状を訴えたという。

しかし、クッルナー・シュラカー(4月4日付)などは、ホワイト・メルメットの隊員らの証言として、化学兵器が使用されたとされる空爆は午前6時半頃に行われたと伝えていた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハーン・シャイフーン市での化学兵器事件を受け、国連安保理で緊急会合:米英仏は非難決議案を提出、ロシアは拒否権発動の意思表明(2017年4月5日)

国連安保理は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で4日に化学兵器が使用されたとされる事件への対応を協議するための緊急会合を開催、米国、英国、フランスは非難決議案を提出した。

決議案は、ハーン・シャイフーン市での攻撃をもっとも厳しい表現し、攻撃を実行した当事者の制裁を要求、化学兵器禁止機関(OPCW)による調査を支持するとともに、国連とOPCWによる合同調査チームの即時派遣と調査を求めている。

また、シリア政府を含むすべての当事者に対して事件当日の航空作戦の飛行記録、司令官の氏名を提示するよう求めている。

そのうえで、国連憲章第7章に基づき、上記の規定への違反があった場合に対処する旨規定するとともに、安保理事務総長にシリア政府の協力などの評価するための報告書を2ヶ月後に提出することを求めている。

**

会合では、ニッキー・ヘイリー米国連大使が化学兵器攻撃の被害に合ったとされる子供の写真を掲げ「卑劣な行為」と批判、事件にはアサド政権の「指紋が押されている…「この犯罪の実質的な責任はアサド政権にある」との疑いをかけた。

また、ロシアが決議案を「決して受け入れられない」とし、拒否権を発動する意思を示していることについては、「不道徳」と非難した。

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、米英仏による安保理決議案が採決された場合、拒否権を発動すると述べていた。

英仏の国連代表大使も、シリア政府の関与を疑うとともに、ロシアの拒否権発動を牽制した。

これに対して、ロシアのヴラジミール・サフロンノフ国連大使は、化学兵器の使用はいかなる状況下においても、またいかなる当事者によるものであっても受け入れないとしつつ、シリア政府側が化学兵器を使用したという報告をねつ造したと反論、「武装組織」の犯行だと断じた。

他方、中国は、「シリアにおける最優先事項はテロとの戦い」とし、ロシアに同調するとともに、すでに設置されている国連の調査委員会の活動を支援するべきだと主張した。

エジプトも、真相究明と制裁に向けた真摯な行動を支援すると表明した。

このほか、ムンズィル・ムンズィル国連シリア副代表は、シリアが化学兵器禁止条約を完全り履行していると強調した。

**

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で4日に化学兵器が使用されたとされる事件に関して「戦争犯罪」に値すると非難した。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民連合はシリア領空のシリア軍の飛行禁止を国連安保理に求める(2017年4月5日)

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に関して、国連安保理にシリア全土でのシリア政府軍航空機の飛行を禁止する決議を採択するよう呼びかけた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシャーム解放機構と共闘するイドリブ自由軍司令官が委員会の検問所で殺害される(2017年4月5日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、シャーム解放機構、イッザ軍などとハマー県北部での戦闘などで共闘するイドリブ自由軍の司令官、アリー・サマーヒー大佐が県南部のハーン・スブル村近郊にあるシャーム解放機構検問所で殺害された。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍はダーイシュの拠点都市タブカ市を完全包囲(2017年4月5日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つタブカ市を完全包囲したと発表した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにダイル・ザウル市南部墓地地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍はイドリブ県ハーン・シャイフーン市を爆撃(2017年4月5日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、ロシア軍がハーン・シャイフーン市に対して空爆を実施した。

一方、SANA(4月5日付)によると、包囲下のフーア市をシャーム解放機構が砲撃し、2人が負傷した。

**

ダルアー県では、ARA News(4月5日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市マンシヤ地区制圧を目標とする「屈辱でなく死を」作戦を再開、シリア軍に対して攻勢を強めた。

**

ハマー県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、県北部一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、バティーシュ村を奪還した。

これに対して、シャーム解放機構はムハルダ市、サルハブ市を砲撃し、1人が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍がハウラ・ダム一帯、タッルドゥー市でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

これに対して、シャーム解放機構はマシュラファ村を砲撃し、女性1人が死亡、3人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(4月5日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がマズラア地区、バラームカ地区に着弾し、2人が負傷した。

**

スワイダー県では、SANA(4月5日付)によると、アリーカ町とハルサー村を結ぶ街道で爆弾が爆発し、1人が負傷した。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は4月4日、ダイル・ザウル県各所を中心に15回の爆撃を実施(2017年4月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月4日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は15回で、ブーカマール市近郊(2回)、ラッカ市近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(7回)、タブカ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.